JP2772659B2 - 2サイクルエンジンの燃料噴射装置 - Google Patents
2サイクルエンジンの燃料噴射装置Info
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- JP2772659B2 JP2772659B2 JP1036315A JP3631589A JP2772659B2 JP 2772659 B2 JP2772659 B2 JP 2772659B2 JP 1036315 A JP1036315 A JP 1036315A JP 3631589 A JP3631589 A JP 3631589A JP 2772659 B2 JP2772659 B2 JP 2772659B2
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- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B75/00—Other engines
- F02B75/02—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
- F02B2075/022—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
- F02B2075/025—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、クランク室予圧式2サイクルエンジンのク
ランク室内圧を検出して燃料噴射量を決める燃料噴射装
置に関するものである。
ランク室内圧を検出して燃料噴射量を決める燃料噴射装
置に関するものである。
(発明の背景) クランク室予圧式2サイクルエンジンのクランク室内
圧の変動量が吸入空気量に対応することを利用して、こ
のクランク室内圧変動量によって燃料噴射量を決める燃
料噴射装置が公知である(特開昭58−98632号、同59−5
875号参照)。しかしこの装置はクランク室内圧の変動
量が吸入空気量に正しく対応していることを前提とする
ものであり、実際のエンジンでは正しい吸入空気量が検
出できない場合があることが解った。例えばスロットル
弁の小開度時にはクランク室内圧の変動量がエンジン回
転速度に依存して変化せず、この変動量に依存して燃料
噴射量を制御したのでは最適な噴射量が得られないこと
が解った。
圧の変動量が吸入空気量に対応することを利用して、こ
のクランク室内圧変動量によって燃料噴射量を決める燃
料噴射装置が公知である(特開昭58−98632号、同59−5
875号参照)。しかしこの装置はクランク室内圧の変動
量が吸入空気量に正しく対応していることを前提とする
ものであり、実際のエンジンでは正しい吸入空気量が検
出できない場合があることが解った。例えばスロットル
弁の小開度時にはクランク室内圧の変動量がエンジン回
転速度に依存して変化せず、この変動量に依存して燃料
噴射量を制御したのでは最適な噴射量が得られないこと
が解った。
第2図の実線はエンジン回転速度Nに対する実際のク
ランク1回転当たりの噴射燃料量Mの変化を、スロット
ル弁開度θをパラメータとして示した特性を示しまた破
線は最適要求燃料量Mの変化を示す(以下M−N特性と
いう)図である。
ランク1回転当たりの噴射燃料量Mの変化を、スロット
ル弁開度θをパラメータとして示した特性を示しまた破
線は最適要求燃料量Mの変化を示す(以下M−N特性と
いう)図である。
この図から明らかなように、スロットル弁全開時(θ
=1/1)においては、実際の噴射量Mは最適要求特性a
に良く沿って変化する。しかしスロットル弁の小開度時
(低負荷時)では高速時に噴射量が多すぎるようにな
る。例えばθ=1/8の負荷での要求燃料量Mの特性bに
対し、求めた噴射量は実線cのように多くなる。すなわ
ち低負荷時には特に高速域では斜線で示す部分の燃料量
が過大となり、エンジン運転が不安定になったり、燃料
消費量が増大するという問題が生じる。この理由として
は、前記のようにスロットル弁の小開度時(低負荷時)
にクランク室内圧の変動量がエンジン回転速度に正しく
対応していないことと、噴射弁の高速応答性に限界があ
ることとが考えられる。前者の理由に対しては、低負荷
・高速時に噴射弁の噴射時間(クランク角に対する噴射
時間幅、すなわちクランク角幅)を減少させればよい。
また後者の理由に対しては応答性の良い噴射弁を用いれ
ばよい。しかし前者の理由から噴射時間幅を低負荷・高
速域で短くすると噴射弁に要求される応答性がさらに高
いものとなり、噴射弁の応答性を上げることは噴射弁の
生産性、信頼性の低下、コストの増大を招くことになり
望ましくない。
=1/1)においては、実際の噴射量Mは最適要求特性a
に良く沿って変化する。しかしスロットル弁の小開度時
(低負荷時)では高速時に噴射量が多すぎるようにな
る。例えばθ=1/8の負荷での要求燃料量Mの特性bに
対し、求めた噴射量は実線cのように多くなる。すなわ
ち低負荷時には特に高速域では斜線で示す部分の燃料量
が過大となり、エンジン運転が不安定になったり、燃料
消費量が増大するという問題が生じる。この理由として
は、前記のようにスロットル弁の小開度時(低負荷時)
にクランク室内圧の変動量がエンジン回転速度に正しく
対応していないことと、噴射弁の高速応答性に限界があ
ることとが考えられる。前者の理由に対しては、低負荷
・高速時に噴射弁の噴射時間(クランク角に対する噴射
時間幅、すなわちクランク角幅)を減少させればよい。
また後者の理由に対しては応答性の良い噴射弁を用いれ
ばよい。しかし前者の理由から噴射時間幅を低負荷・高
速域で短くすると噴射弁に要求される応答性がさらに高
いものとなり、噴射弁の応答性を上げることは噴射弁の
生産性、信頼性の低下、コストの増大を招くことになり
望ましくない。
(発明の目的) 本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、
クランク室内圧に基づいて燃料噴射量を決める場合に、
クランク室内圧の変動量が低中負荷時にエンジン回転速
度に正しく対応しないために低中負荷・高速域で噴射量
が不必要に増大するのを防止することを目的とし、特に
この場合に噴射弁の高速応答性を高めることなく噴射量
を適正に制御できるようにした2サイクルエンジンの燃
料噴射装置を提供することを目的とする。
クランク室内圧に基づいて燃料噴射量を決める場合に、
クランク室内圧の変動量が低中負荷時にエンジン回転速
度に正しく対応しないために低中負荷・高速域で噴射量
が不必要に増大するのを防止することを目的とし、特に
この場合に噴射弁の高速応答性を高めることなく噴射量
を適正に制御できるようにした2サイクルエンジンの燃
料噴射装置を提供することを目的とする。
(発明の構成) 本発明によればこの目的は、クランク室内圧を検出
し、このクランク室内圧の圧力変動量に基づいて燃料噴
射量を決定するクランク室予圧式2サイクルエンジンに
おいて、吸気管に設けたシャッタ式のスロットル弁と、
このスロットル弁の上流側近傍で吸気留に臨むように開
口する噴射口から燃料を噴射する電磁式燃料噴射弁と、
前記スロットル弁の下流側近傍で前記噴射口に近接する
開口から吸気負圧を検出する負圧検出パイプと、クラン
ク軸回転に同期して前記燃料噴射弁を開閉制御する制御
装置と、燃料噴射弁へ供給する燃料圧を制御する燃圧レ
ギュレータとを備え、前記燃圧レギュレータは、前記負
圧検出パイプに連通する吸気負圧室と大気に連通する大
気圧室とを仕切る第1のダイヤフラムと、この第1のダ
イヤフラムに連結されかつこの第1のダイヤフラムと径
が異なり前記大気圧室と前記燃料圧が導かれた燃圧室と
を仕切る第2のダイヤフラムと、両ダイヤフラムに連動
し燃圧調節ノズルに臨むフラッパとを備え、前記制御装
置は、燃料噴射弁の噴射時間幅をエンジンの低中負荷・
高速域で減少させる一方、前記燃圧レギュレータは吸気
負圧の増大に対して燃料圧を下げることにより燃料噴射
量を補正することを特徴とする2サイクルエンジンの燃
料噴射装置、により達成される。
し、このクランク室内圧の圧力変動量に基づいて燃料噴
射量を決定するクランク室予圧式2サイクルエンジンに
おいて、吸気管に設けたシャッタ式のスロットル弁と、
このスロットル弁の上流側近傍で吸気留に臨むように開
口する噴射口から燃料を噴射する電磁式燃料噴射弁と、
前記スロットル弁の下流側近傍で前記噴射口に近接する
開口から吸気負圧を検出する負圧検出パイプと、クラン
ク軸回転に同期して前記燃料噴射弁を開閉制御する制御
装置と、燃料噴射弁へ供給する燃料圧を制御する燃圧レ
ギュレータとを備え、前記燃圧レギュレータは、前記負
圧検出パイプに連通する吸気負圧室と大気に連通する大
気圧室とを仕切る第1のダイヤフラムと、この第1のダ
イヤフラムに連結されかつこの第1のダイヤフラムと径
が異なり前記大気圧室と前記燃料圧が導かれた燃圧室と
を仕切る第2のダイヤフラムと、両ダイヤフラムに連動
し燃圧調節ノズルに臨むフラッパとを備え、前記制御装
置は、燃料噴射弁の噴射時間幅をエンジンの低中負荷・
高速域で減少させる一方、前記燃圧レギュレータは吸気
負圧の増大に対して燃料圧を下げることにより燃料噴射
量を補正することを特徴とする2サイクルエンジンの燃
料噴射装置、により達成される。
(実施例) 第1図は本発明の一実施例の全体構成図である。
この図において符号10はクランク室予圧式2サイクル
内燃機関、12はシリンダ、14はピストン、16は点火栓、
18はクランクケース、20はクランク軸、22はコンロッド
である。クランクケース18内にはクランク室24が形成さ
れる。
内燃機関、12はシリンダ、14はピストン、16は点火栓、
18はクランクケース、20はクランク軸、22はコンロッド
である。クランクケース18内にはクランク室24が形成さ
れる。
26は吸気管であり、この吸気管26はリード弁28を介し
て吸気ポート30に接続されている。32は排気ポート、34
は排気管である。36は掃気ポートであり、この掃気ポー
ト36は掃気通路38によってクランク室24に連通してい
る。
て吸気ポート30に接続されている。32は排気ポート、34
は排気管である。36は掃気ポートであり、この掃気ポー
ト36は掃気通路38によってクランク室24に連通してい
る。
40は燃料タンク、42は電動式燃料ポンプである。44は
電磁式燃料噴射弁であり、この噴射弁44へは燃料ポンプ
42より圧送された燃料が供給される。
電磁式燃料噴射弁であり、この噴射弁44へは燃料ポンプ
42より圧送された燃料が供給される。
46は燃圧レギュレータであって、燃料ポンプ42より噴
射弁44へ圧送される燃料圧を吸気負圧により決まる所定
圧に調整する。すなわち燃料ポンプ42より噴射弁44へ供
給される熱料圧が吸気負圧によって決まる所定圧以上に
なると、燃料の一部をパイプ47を介して燃料タンク40へ
還流させる。
射弁44へ圧送される燃料圧を吸気負圧により決まる所定
圧に調整する。すなわち燃料ポンプ42より噴射弁44へ供
給される熱料圧が吸気負圧によって決まる所定圧以上に
なると、燃料の一部をパイプ47を介して燃料タンク40へ
還流させる。
このレギュレータ46は大径の第1のダイヤフラム48と
小径の第2のダイヤフラム50とを備える。第1のダイヤ
フラム48は吸気負圧室54と大気圧室56とを仕切る。吸気
圧室54には、吸気負圧検出手段として吸気管26の負圧を
検出するパイプ52が連通する。大気圧室56には大気が連
通する。また第2のダイヤフラム50は大気圧室56と燃圧
室58とを仕切る。燃圧室58は燃料ポンプ42と噴射弁44と
をつなぐパイプ60に連通されて、噴射弁44の燃料圧が導
かれている。両ダイヤフラム48、50の中央は連結ロッド
によって互いに連結される一方、第1のダイヤフラム48
には圧縮ばね62により燃圧室58への復帰力が付与されて
いる。また第2のダイヤフラム50には、燃圧室58内から
燃圧調節用ノズル64が対向し、ダイヤフラム50自身がこ
のノズル64に接近・離隔するフラッパとなって、公知の
フラッパ・ノズル式の圧力調節機構が形成される。吸気
負圧が増大しダイヤフラム48、50がばね62を圧縮しつつ
ノズル64から離れると、燃圧室58内の燃料はこのノズル
64から燃料タンク40に戻される。
小径の第2のダイヤフラム50とを備える。第1のダイヤ
フラム48は吸気負圧室54と大気圧室56とを仕切る。吸気
圧室54には、吸気負圧検出手段として吸気管26の負圧を
検出するパイプ52が連通する。大気圧室56には大気が連
通する。また第2のダイヤフラム50は大気圧室56と燃圧
室58とを仕切る。燃圧室58は燃料ポンプ42と噴射弁44と
をつなぐパイプ60に連通されて、噴射弁44の燃料圧が導
かれている。両ダイヤフラム48、50の中央は連結ロッド
によって互いに連結される一方、第1のダイヤフラム48
には圧縮ばね62により燃圧室58への復帰力が付与されて
いる。また第2のダイヤフラム50には、燃圧室58内から
燃圧調節用ノズル64が対向し、ダイヤフラム50自身がこ
のノズル64に接近・離隔するフラッパとなって、公知の
フラッパ・ノズル式の圧力調節機構が形成される。吸気
負圧が増大しダイヤフラム48、50がばね62を圧縮しつつ
ノズル64から離れると、燃圧室58内の燃料はこのノズル
64から燃料タンク40に戻される。
66はクランクケース18に取付けられた圧力検出器であ
り、クランク室24の内圧Pを検出し、この内圧Pに対応
した電圧の電気信号、すなわち電圧信号pを出力する。
り、クランク室24の内圧Pを検出し、この内圧Pに対応
した電圧の電気信号、すなわち電圧信号pを出力する。
68はシャッタ式のスロットル弁であり、吸気管26内で
上方から昇降しその吸気通路面積を変化させるものであ
る。ここに前記燃料噴射弁44の噴射口は、このスロット
ル弁68の上流側近傍で吸気流に臨むように開口する。こ
のため特にスロットル弁68の開度が小さい低中負荷時に
噴射口に作用する吸気負圧の影響をスロットル弁68によ
って低減させることができ、吸気負圧の変動が噴射口に
作用して噴射量が変動するのを防ぐことができる。また
吸気負圧を検出する負圧検出パイプ52は、このスロット
ル弁68の下流側近傍で前記燃料噴射弁44の噴射口に近接
する位置に開口している。このため負圧検出パイプ52は
噴射口付近に作用する吸気負圧を精度良く検出でき、燃
料噴射量の制御精度を一層高めることができる。このス
ロットル弁68は例えば運転者のスロットルレバー操作に
連動して開閉される。70はクランク軸20の回転速度Nお
よび点火時期信号αを検出する回転速度検出器である。
上方から昇降しその吸気通路面積を変化させるものであ
る。ここに前記燃料噴射弁44の噴射口は、このスロット
ル弁68の上流側近傍で吸気流に臨むように開口する。こ
のため特にスロットル弁68の開度が小さい低中負荷時に
噴射口に作用する吸気負圧の影響をスロットル弁68によ
って低減させることができ、吸気負圧の変動が噴射口に
作用して噴射量が変動するのを防ぐことができる。また
吸気負圧を検出する負圧検出パイプ52は、このスロット
ル弁68の下流側近傍で前記燃料噴射弁44の噴射口に近接
する位置に開口している。このため負圧検出パイプ52は
噴射口付近に作用する吸気負圧を精度良く検出でき、燃
料噴射量の制御精度を一層高めることができる。このス
ロットル弁68は例えば運転者のスロットルレバー操作に
連動して開閉される。70はクランク軸20の回転速度Nお
よび点火時期信号αを検出する回転速度検出器である。
72はマイクロコンピュータで構成される制御装置であ
り、前記のクランク室内圧p、回転速度N、点火時期信
号α、などの信号が入力される。またエンジン温度T、
その他エンジン加減速、エンジンブレーキ等の種々の信
号を入力して制御してもよい。制御装置72はこれら種々
の入力信号により運転状態に対応する最適な燃料噴射量
Mを決定し、この噴射量Mに対する噴射時間(すなわち
クランク角に対する噴射時間幅、クランク角幅)を求め
て燃料噴射弁44の電磁弁を開弁させる。ここに制御装置
72はメモリ72Aを内蔵し、このメモリ72Aに予め第2図に
破線で示す最適噴射量Mの特性(M−N特性)を例えば
演算式の形で記憶しておき、噴射量Mを求め、噴射時間
を決める。この噴射時間に基づきクランク軸回転に同期
してクランク軸1回転中に1回または複数回間欠的に噴
射を行う。
り、前記のクランク室内圧p、回転速度N、点火時期信
号α、などの信号が入力される。またエンジン温度T、
その他エンジン加減速、エンジンブレーキ等の種々の信
号を入力して制御してもよい。制御装置72はこれら種々
の入力信号により運転状態に対応する最適な燃料噴射量
Mを決定し、この噴射量Mに対する噴射時間(すなわち
クランク角に対する噴射時間幅、クランク角幅)を求め
て燃料噴射弁44の電磁弁を開弁させる。ここに制御装置
72はメモリ72Aを内蔵し、このメモリ72Aに予め第2図に
破線で示す最適噴射量Mの特性(M−N特性)を例えば
演算式の形で記憶しておき、噴射量Mを求め、噴射時間
を決める。この噴射時間に基づきクランク軸回転に同期
してクランク軸1回転中に1回または複数回間欠的に噴
射を行う。
スロットル弁開度θが一定以下の中低負荷時において
は制御装置72が決める噴射時間は十分に短くなり、さら
にエンジン速度が上昇するとこの噴射時間はさらに短く
なる。このため噴射弁44がこの短い噴射時間に応答でき
ず、第2図で説明したように実際の噴射量(実線)は最
適量(破線)より増大する。しかしこの実施例によれば
この場合に燃圧レギュレータ46が燃料圧を下げて、噴射
量を減少させる。すなわちスロットル弁開度θの減少に
伴って吸気管負圧Qが低下し、これに伴ってダイヤフラ
ム48、50がばね62を圧縮し、またダイヤフラム50がノズ
ル64から離れる。このため燃圧室58内の燃料がこのノズ
ル64から燃料タンク40に還流し、噴射弁44に加わる燃料
圧が下がる。この結果噴射弁44の追随が悪くなる高速域
で噴射弁44の噴射時間(クランク角度幅)を応答不能な
ほど短い噴射時間にすることなく噴射量を減らすことが
できる。
は制御装置72が決める噴射時間は十分に短くなり、さら
にエンジン速度が上昇するとこの噴射時間はさらに短く
なる。このため噴射弁44がこの短い噴射時間に応答でき
ず、第2図で説明したように実際の噴射量(実線)は最
適量(破線)より増大する。しかしこの実施例によれば
この場合に燃圧レギュレータ46が燃料圧を下げて、噴射
量を減少させる。すなわちスロットル弁開度θの減少に
伴って吸気管負圧Qが低下し、これに伴ってダイヤフラ
ム48、50がばね62を圧縮し、またダイヤフラム50がノズ
ル64から離れる。このため燃圧室58内の燃料がこのノズ
ル64から燃料タンク40に還流し、噴射弁44に加わる燃料
圧が下がる。この結果噴射弁44の追随が悪くなる高速域
で噴射弁44の噴射時間(クランク角度幅)を応答不能な
ほど短い噴射時間にすることなく噴射量を減らすことが
できる。
一般に吸気管負圧Qは第3図のように変化するのに対
して、求める噴射量Mの制御特性は第2図に破線で示す
ものである。また噴射量Mと燃圧Aとの間には M∝A1/2 の関係がある。従って負圧Qが大きくなる低負荷高速時
に燃圧が下げられるから、これに伴って噴射量が減少す
る。
して、求める噴射量Mの制御特性は第2図に破線で示す
ものである。また噴射量Mと燃圧Aとの間には M∝A1/2 の関係がある。従って負圧Qが大きくなる低負荷高速時
に燃圧が下げられるから、これに伴って噴射量が減少す
る。
ここにレギュレータ46は2つの径の異なるダイヤフラ
ム48、50を用いているが、これは燃料圧を利用して小さ
い吸気管負圧Qでも正しく作動するようにし、吸気管負
圧Qと噴射量Mとの望ましい制御特性を得るためであ
る。すなわち燃圧室58側のダイヤフラム50に燃圧を作用
させることにより、吸気負圧室54側のダイヤフラム48に
ばね62を圧縮する向きの力を作用させる。この結果、両
ダイヤフラム48、50の面積比によって燃圧と吸気管負圧
との圧力変換比を変えることができ、小さい吸気管負圧
Qに応答させることが可能になる。
ム48、50を用いているが、これは燃料圧を利用して小さ
い吸気管負圧Qでも正しく作動するようにし、吸気管負
圧Qと噴射量Mとの望ましい制御特性を得るためであ
る。すなわち燃圧室58側のダイヤフラム50に燃圧を作用
させることにより、吸気負圧室54側のダイヤフラム48に
ばね62を圧縮する向きの力を作用させる。この結果、両
ダイヤフラム48、50の面積比によって燃圧と吸気管負圧
との圧力変換比を変えることができ、小さい吸気管負圧
Qに応答させることが可能になる。
なお本発明の燃圧レギュレータはこの実施例のものに
限られるものではなく、1枚のダイヤフラムを用いたも
の、復帰ばねに非直線特性を持たせたものなどであって
もよい。またダイヤフラムを用いずに、吸気負圧Qを電
気信号に変換し、この電気信号によって電磁弁を開閉し
燃圧を制御するものであってもよい。
限られるものではなく、1枚のダイヤフラムを用いたも
の、復帰ばねに非直線特性を持たせたものなどであって
もよい。またダイヤフラムを用いずに、吸気負圧Qを電
気信号に変換し、この電気信号によって電磁弁を開閉し
燃圧を制御するものであってもよい。
また本願の出願人は特願昭63−161019号において、ス
ロットル弁開度や吸気管負圧を検出し、これらに対する
最適噴射量をマイクロコンピュータで求め、この最適噴
射量に対する噴射時間を求め、噴射弁を開閉するものを
提案した。この既提案のものに本願発明を適用し、噴射
弁の開閉応答性の限界以上の高速領域で燃圧を下げるこ
とによって燃料噴射量を制御するように構成することが
でき、本発明はこのようなものを包含する。
ロットル弁開度や吸気管負圧を検出し、これらに対する
最適噴射量をマイクロコンピュータで求め、この最適噴
射量に対する噴射時間を求め、噴射弁を開閉するものを
提案した。この既提案のものに本願発明を適用し、噴射
弁の開閉応答性の限界以上の高速領域で燃圧を下げるこ
とによって燃料噴射量を制御するように構成することが
でき、本発明はこのようなものを包含する。
(発明の効果) 本発明は以上のように、クランク室内圧変動に基いて
燃料噴射量を決める場合に、吸気負圧を用いて噴射弁に
導かれる燃料圧を補正するようにしたものであるから、
エンジンの運転状況に対応して常に最適な燃料噴射量を
決めることができ、エンジン運転性能を向上し燃費を改
善することが可能になる。ここに制御装置は燃料噴射弁
の噴射時間幅(クランク角幅)をエンジンの低中負荷・
高速域で減少させる。一方燃料噴射弁に供給される燃料
圧は燃圧レギュレータによって吸気負圧の増大に対応し
て下げられるから、低中負荷・高速域で噴射弁の噴射時
間幅を過度に短くする必要がなくなり、噴射弁の高速応
答性を高めることなく噴射量を適正に制御することがで
きる。
燃料噴射量を決める場合に、吸気負圧を用いて噴射弁に
導かれる燃料圧を補正するようにしたものであるから、
エンジンの運転状況に対応して常に最適な燃料噴射量を
決めることができ、エンジン運転性能を向上し燃費を改
善することが可能になる。ここに制御装置は燃料噴射弁
の噴射時間幅(クランク角幅)をエンジンの低中負荷・
高速域で減少させる。一方燃料噴射弁に供給される燃料
圧は燃圧レギュレータによって吸気負圧の増大に対応し
て下げられるから、低中負荷・高速域で噴射弁の噴射時
間幅を過度に短くする必要がなくなり、噴射弁の高速応
答性を高めることなく噴射量を適正に制御することがで
きる。
またスロットル弁をシャッタ式としてその上流側近傍
で吸気流に臨むように燃料噴射弁の噴射口を開口させた
から、特に低中負荷時に噴射口に作用する吸気負圧の影
響を低減させ、噴射量の制御精度を向上させることがで
きる。また吸気負圧検出パイプはこのスロットル弁下流
側近傍で噴射口に近接する位置に開口させたから、噴射
口付近に作用する負圧を精度良く検出でき、噴射量の制
御精度を一層向上させることができる。
で吸気流に臨むように燃料噴射弁の噴射口を開口させた
から、特に低中負荷時に噴射口に作用する吸気負圧の影
響を低減させ、噴射量の制御精度を向上させることがで
きる。また吸気負圧検出パイプはこのスロットル弁下流
側近傍で噴射口に近接する位置に開口させたから、噴射
口付近に作用する負圧を精度良く検出でき、噴射量の制
御精度を一層向上させることができる。
さらに互いに径の異なる2枚のダイヤフラムにそれぞ
れ吸気管負圧と燃圧とを作用させ、これらダイヤフラム
によって燃圧調節ノズルを開閉するようにしたので、両
ダイヤフラムの径比によって両圧力の変換圧力比を変え
て、最適な制御特性を簡単な構成で得ることが可能にな
る。
れ吸気管負圧と燃圧とを作用させ、これらダイヤフラム
によって燃圧調節ノズルを開閉するようにしたので、両
ダイヤフラムの径比によって両圧力の変換圧力比を変え
て、最適な制御特性を簡単な構成で得ることが可能にな
る。
第1図は本発明の一実施例の全体系統図、第2図は回転
速度Nに対する噴射量Mを示す特性図、第3図は吸気管
負圧Qの変化を示す図である。 44……エンジン、 44……燃料噴射弁、 46……燃圧レギュレータ、 48、50……ダイヤフラム、 52……負圧検出手段としてのパイプ、 54……吸気負圧室、 56……大気圧室、 58……燃圧室、 64……燃圧調節用ノズル。
速度Nに対する噴射量Mを示す特性図、第3図は吸気管
負圧Qの変化を示す図である。 44……エンジン、 44……燃料噴射弁、 46……燃圧レギュレータ、 48、50……ダイヤフラム、 52……負圧検出手段としてのパイプ、 54……吸気負圧室、 56……大気圧室、 58……燃圧室、 64……燃圧調節用ノズル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02M 69/00 F02M 69/10 F02M 51/02
Claims (1)
- 【請求項1】クランク室内圧を検出し、このクランク室
内圧の圧力変動量に基づいて燃料噴射量を決定するクラ
ンク室予圧式2サイクルエンジンにおいて、 吸気管に設けたシャッタ式のスロットル弁と、このスロ
ットル弁の上流側近傍で吸気流に臨むように開口する噴
射口から燃料を噴射する電磁式燃料噴射弁と、前記スロ
ットル弁の下流側近傍で前記噴射口に近接する開口から
吸気負圧を検出する負圧検出パイプと、クランク軸回転
に同期して前記燃料噴射弁を開閉制御する制御装置と、
燃料噴射弁へ供給する燃料圧を制御する燃圧レギュレー
タとを備え、前記燃圧レギュレータは、前記負圧検出パ
イプに連通する吸気負圧室と大気に連通する大気圧室と
を仕切る第1のダイヤフラムと、この第1のダイヤフラ
ムに連結されかつこの第1のダイヤフラムと径が異なり
前記大気圧室と前記燃料圧が導かれた燃圧室とを仕切る
第2のダイヤフラムと、両ダイヤフラムに連動し燃圧調
節ノズルに臨むフラッパとを備え、前記制御装置は、燃
料噴射弁の噴射時間幅をエンジンの低中負荷・高速域で
減少させる一方、前記燃圧レギュレータは吸気負圧の増
大に対して燃料圧を下げることにより燃料噴射量を補正
することを特徴とする2サイクルエンジンの燃料噴射装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1036315A JP2772659B2 (ja) | 1989-02-17 | 1989-02-17 | 2サイクルエンジンの燃料噴射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1036315A JP2772659B2 (ja) | 1989-02-17 | 1989-02-17 | 2サイクルエンジンの燃料噴射装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02215970A JPH02215970A (ja) | 1990-08-28 |
JP2772659B2 true JP2772659B2 (ja) | 1998-07-02 |
Family
ID=12466405
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1036315A Expired - Fee Related JP2772659B2 (ja) | 1989-02-17 | 1989-02-17 | 2サイクルエンジンの燃料噴射装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2772659B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5898632A (ja) * | 1981-12-07 | 1983-06-11 | Sanshin Ind Co Ltd | 内燃機関の燃料噴射装置 |
JPS595875A (ja) * | 1982-07-01 | 1984-01-12 | Sanshin Ind Co Ltd | 2サイクル内燃機関の燃料噴射装置 |
JPH0634615Y2 (ja) * | 1987-07-15 | 1994-09-07 | トヨタ自動車株式会社 | 2サイクル内燃機関 |
-
1989
- 1989-02-17 JP JP1036315A patent/JP2772659B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02215970A (ja) | 1990-08-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |