JPH0242959B2 - - Google Patents
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- JPH0242959B2 JPH0242959B2 JP11196982A JP11196982A JPH0242959B2 JP H0242959 B2 JPH0242959 B2 JP H0242959B2 JP 11196982 A JP11196982 A JP 11196982A JP 11196982 A JP11196982 A JP 11196982A JP H0242959 B2 JPH0242959 B2 JP H0242959B2
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- Paper (AREA)
Description
本発明はヒートシール性を有するビスコース加
工紙に関する。 従来より、天然パルプや靭皮繊維などの親水性
繊維からなる紙にビスコース加工を施すことによ
つて引張強度、とくに耐水強度が改良されること
は知られており、実用化もされている。たとえば
ケーク精練紙、テイーバツグ原紙、台所用水切り
袋原紙などに用いられている。これらの原紙はい
ずれも袋状で用いられるものであるが、製袋に際
して各種の接着剤を使用しなければならず、作業
性が著しくわるい。 またヒートシール性を有する紙は、ポリエチレ
ン繊維、ポリプロピレン繊維などの熱可塑性繊維
を抄き合せることによつてえられるし、また親水
性繊維からなる紙に熱可塑性樹脂を含浸またはコ
ーテイングすることによつてもえられる。このよ
うなヒートシール性を有する紙の製袋加工はヒー
トシール自動袋機により容易にかつ効率よく行な
うことができる。しかしながら、このような熱可
塑性繊維からなる紙にビスコース加工を施すと、
熱可塑性繊維を再生セルロース層が覆つてヒート
シール性が損われると考えられていた。 しかしながら、熱可塑性繊維が疎水性であり、
ビスコース液が親水性であることから、本発明者
らはビスコース液の粘稠度、付着量および紙匹構
成の繊維の種数を適切に組合せることにより、ヒ
ートシール性を有するビスコース加工紙が製造で
きるのではないかと堆量し、鋭意研究を重ねた結
果、本発明を完成するに至つた。 すなわち本発明は、親水性繊維からなる層と、
疎水性でかつヒートシール性を有する熱可塑性繊
維と親水性繊維とからなる混抄層の2層を有する
抄き合せ紙に、該熱可塑性繊維のヒートシール性
が損われない範囲で再生セルロース層が形成され
てなるヒートシール性を有するビスコース加工紙
に関する。 本発明のヒートシール性を有するビスコース加
工紙は、前記抄き合せ紙の少なくとも一方の面に
ビスコース液を塗布あるいは含浸せしめ、乾燥ち
たのち凝固浴ついでセルロース再生浴中で処理す
ることによつてえられる。 本発明においては、塗布または含浸せしめられ
たビスコース液の親水性繊維に対する界面張力の
疎水性の熱可塑性繊維に対する界面張力が異な
り、ビスコース液の粘度度や塗布量および塗布、
含浸方法を選ぶことにより、その界面張力の差に
よつて乾燥時にビスコース液が親水性繊維部分に
移動し、疎水性の熱可塑性繊維表面には留まら
ず、ヒートシール性は損われない。 ヒートシール性を損わない範囲のセルロース付
着量は、抄き合せ紙の原料、坪量、塗布含浸方
法、ビスコース加工紙の用途によつて異なるが、
充分なヒートシール性を発揮できるだけの熱可塑
性繊維表面が露出しておればよい。 本発明においては、米坪量24g/m2の2層抄き
合せ紙のヒートシール性を有する熱可塑性繊維を
含有する側で0.05〜10g/m2となる量に相当する
付着量であり、とくに0.2〜3g/m2とするのが
好ましい。0.05g/m2未満では目的とする耐水性
や強度の向上が充分でなく、10g/m2を超えるば
あいは熱可塑性繊維の多くが再生セルロース層で
覆われてしまい、ヒートシール性が損われる。 一方、親水性繊維層側から塗布あるいは含浸す
るばあい、セルロース付着量は0.1〜60g/m2可
能であるが、そのばあいもヒートシール性を有す
る混抄層側のセルロース付着量は前記の範囲、す
なわち0.05〜10g/m2にすることが好ましい。 ビスコース液は常法により調製されたものをそ
のまま、あるいは希釈して用いればよい。ビスコ
ース液の粘稠度が低ければ低いほど、乾燥時にお
けるビスコース液の疎水性繊維部分から親水性繊
維部分への移動は容易になる。また、親水性繊維
の配合割合が少なく親水性繊維の配合割合が多け
れば、親水性繊維部分から親水性繊維部分へのビ
スコース液の移動は容易になる。したがつて疎水
性または親水性繊維の配合割合、紙匹の構成や構
造、あるいは再生セルロースの付着量、目的とす
る用途などにより、用いるビスコース液の粘度を
適宜選択すればよいが、通常100〜5000cps程度の
粘度のものが採用される。 本発明においては親水性繊維のみからなる層が
抄き合わされ、紙匹の一層を構成しているので、
ビスコース液の付着量のコントロールおよび、他
方の混抄層からのビスコース液の移動がとくに容
易である。 本発明に用いる塗布または含浸方法としては、
たとえばロールコーターなどによるコーテイング
法や噴霧法、ハケ塗り法あるいはビスコース液へ
の浸漬法などが採用でき、ビスコース液の粘度や
セルロースの付着量などにより適宜選択すればよ
い。 また、ビスコース加工はシート状の原紙だけで
はなく、筒状に加工されたものにも施すことがで
きる。 本発明における親水性繊維としては、広葉樹パ
ルプ、針葉樹パルプなどの天然パルプ、マニラ
麻、コウゾ、ミツマタなどの靭皮繊維、コツトン
リンター、ビスコースレーヨン、ポリビニルアル
コール繊維などの1種または2種以上が用いられ
うる。 疎水性でかつヒートシール性を有する熱可塑性
繊維としては、ポリエチレン繊維、ポリプロピレ
ン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデ
ン繊維、ポリアミド繊維、エチレン−酢酸ビニル
共重合体ポリマー繊維、コンジユゲート繊維など
の1種または2種以上が用いられうる。 ヒートシール性を有する混抄層は親水性繊維20
〜95部(重量部、以下同様)と熱可塑性繊維5〜
80部とから構成することが好ましい。熱可塑性繊
維が5部未満のばあいは充分なヒートシール性が
えられず、好ましくない。 本発明のビスコース加工紙はヒートシール性を
保持したままビスコース加工の特徴である引張強
度、とくに耐水性が著しく向上したものである。 再生セルロースの付着量を種々変化せしめるこ
とにより、本発明のビスコース加工紙にヒートシ
ール性の他につぎのような機能を付与することが
できる。 種々のコーテイング法により再生セルロースの
連続皮膜を親水性繊維層側に形成したときは、平
滑なセロハン状の表面がえられ、保香性、耐油
性、適当な透湿性を付与でき、さらにセロハンの
引裂性を改善することができる。 また再生セルロースの付着量を少なくすると、
抄き合せ紙自体の親水性および透気性を殆んど損
うことなく、耐水強度を著しく改善することがで
きる。 なお、いずれのばあいでもヒートシール性を有
する紙層側での再生セルロース層は親水性繊維部
分に形成されているので、ヒートシール性が損わ
れることはない。 つぎに実施例をあげて本発明のビスコース加工
紙を説明する。 実施例 1 フリーネス450c.c. csf.の針葉樹パルプ20部、
太さ2デニールで7mm長のビスコースレーヨンの
短繊維30部およびマニラ麻パルプ50部を原料とし
て用いて短網で形成した8g/m2の紙匹に、太さ
2デニールで5mm長のポリプロピレン短繊維50
部、マニラ麻パルプ30部および太さ1デニールで
4mm長のポリビニルアルコール短繊維20部を原料
として用いて丸網上で紙匹としたものを抄き合せ
て、本発明に用いる原紙をえた。 ついで常法により調製したビスコース液(セル
ロース含量9重量%、全アルカリ濃度6重量%)
をアルカリ液で1/2に希釈して粘度約500cpsのビ
スコース液を調製した。 このビスコース液中に前記原紙を浸漬して含浸
処理を施し、ついでセルロースの付着量が1.5
g/m2となるように過剰のビスコース液を2本ロ
ールによつて絞り取つたのち、非接触型乾燥機を
通過させて乾燥した。 えられたビスコース加工紙をビスコース凝固浴
(H2SO414%、Na2SO415%)中で処理し、つづ
いてセルロース再生浴(H2SO45%、Na2SO42
%)中でセルロースを再生した。ついて脱硫水洗
したのちグリセリン浴中で柔軟処理し乾燥して本
発明のヒートシール性を有する耐水紙をえた。 えられた本発明のビスコース加工紙および原紙
の引張強さ、ヒートシール強度および透気度を測
定した。結果を第1表に示す。 なお、各試験はつぎのようにして行なつた。 引張強さ 標準状態:JIS P 8133の「紙および板紙の引張
強さ試験方法」に準じて測定した。 耐熱水性:JIS P 8135の「紙および板紙の湿潤
引張度さ試験方法」に準じて測定した。ただ
し、浸漬は沸騰水中で15分間行なつた。 ヒートシール強度 JIS Z 1521の「セロハンの熱接着強さ」に準
じて測定した。 透気度 JIP P 8117の「紙および板紙の透気度試験
方法」に準じて測定した。ただし、試験はB型で
行ない、内筒をプラスチツク製のものに代え、し
かも5枚重ねた試験片を300mlの空気が通過する
時間を測定した。
工紙に関する。 従来より、天然パルプや靭皮繊維などの親水性
繊維からなる紙にビスコース加工を施すことによ
つて引張強度、とくに耐水強度が改良されること
は知られており、実用化もされている。たとえば
ケーク精練紙、テイーバツグ原紙、台所用水切り
袋原紙などに用いられている。これらの原紙はい
ずれも袋状で用いられるものであるが、製袋に際
して各種の接着剤を使用しなければならず、作業
性が著しくわるい。 またヒートシール性を有する紙は、ポリエチレ
ン繊維、ポリプロピレン繊維などの熱可塑性繊維
を抄き合せることによつてえられるし、また親水
性繊維からなる紙に熱可塑性樹脂を含浸またはコ
ーテイングすることによつてもえられる。このよ
うなヒートシール性を有する紙の製袋加工はヒー
トシール自動袋機により容易にかつ効率よく行な
うことができる。しかしながら、このような熱可
塑性繊維からなる紙にビスコース加工を施すと、
熱可塑性繊維を再生セルロース層が覆つてヒート
シール性が損われると考えられていた。 しかしながら、熱可塑性繊維が疎水性であり、
ビスコース液が親水性であることから、本発明者
らはビスコース液の粘稠度、付着量および紙匹構
成の繊維の種数を適切に組合せることにより、ヒ
ートシール性を有するビスコース加工紙が製造で
きるのではないかと堆量し、鋭意研究を重ねた結
果、本発明を完成するに至つた。 すなわち本発明は、親水性繊維からなる層と、
疎水性でかつヒートシール性を有する熱可塑性繊
維と親水性繊維とからなる混抄層の2層を有する
抄き合せ紙に、該熱可塑性繊維のヒートシール性
が損われない範囲で再生セルロース層が形成され
てなるヒートシール性を有するビスコース加工紙
に関する。 本発明のヒートシール性を有するビスコース加
工紙は、前記抄き合せ紙の少なくとも一方の面に
ビスコース液を塗布あるいは含浸せしめ、乾燥ち
たのち凝固浴ついでセルロース再生浴中で処理す
ることによつてえられる。 本発明においては、塗布または含浸せしめられ
たビスコース液の親水性繊維に対する界面張力の
疎水性の熱可塑性繊維に対する界面張力が異な
り、ビスコース液の粘度度や塗布量および塗布、
含浸方法を選ぶことにより、その界面張力の差に
よつて乾燥時にビスコース液が親水性繊維部分に
移動し、疎水性の熱可塑性繊維表面には留まら
ず、ヒートシール性は損われない。 ヒートシール性を損わない範囲のセルロース付
着量は、抄き合せ紙の原料、坪量、塗布含浸方
法、ビスコース加工紙の用途によつて異なるが、
充分なヒートシール性を発揮できるだけの熱可塑
性繊維表面が露出しておればよい。 本発明においては、米坪量24g/m2の2層抄き
合せ紙のヒートシール性を有する熱可塑性繊維を
含有する側で0.05〜10g/m2となる量に相当する
付着量であり、とくに0.2〜3g/m2とするのが
好ましい。0.05g/m2未満では目的とする耐水性
や強度の向上が充分でなく、10g/m2を超えるば
あいは熱可塑性繊維の多くが再生セルロース層で
覆われてしまい、ヒートシール性が損われる。 一方、親水性繊維層側から塗布あるいは含浸す
るばあい、セルロース付着量は0.1〜60g/m2可
能であるが、そのばあいもヒートシール性を有す
る混抄層側のセルロース付着量は前記の範囲、す
なわち0.05〜10g/m2にすることが好ましい。 ビスコース液は常法により調製されたものをそ
のまま、あるいは希釈して用いればよい。ビスコ
ース液の粘稠度が低ければ低いほど、乾燥時にお
けるビスコース液の疎水性繊維部分から親水性繊
維部分への移動は容易になる。また、親水性繊維
の配合割合が少なく親水性繊維の配合割合が多け
れば、親水性繊維部分から親水性繊維部分へのビ
スコース液の移動は容易になる。したがつて疎水
性または親水性繊維の配合割合、紙匹の構成や構
造、あるいは再生セルロースの付着量、目的とす
る用途などにより、用いるビスコース液の粘度を
適宜選択すればよいが、通常100〜5000cps程度の
粘度のものが採用される。 本発明においては親水性繊維のみからなる層が
抄き合わされ、紙匹の一層を構成しているので、
ビスコース液の付着量のコントロールおよび、他
方の混抄層からのビスコース液の移動がとくに容
易である。 本発明に用いる塗布または含浸方法としては、
たとえばロールコーターなどによるコーテイング
法や噴霧法、ハケ塗り法あるいはビスコース液へ
の浸漬法などが採用でき、ビスコース液の粘度や
セルロースの付着量などにより適宜選択すればよ
い。 また、ビスコース加工はシート状の原紙だけで
はなく、筒状に加工されたものにも施すことがで
きる。 本発明における親水性繊維としては、広葉樹パ
ルプ、針葉樹パルプなどの天然パルプ、マニラ
麻、コウゾ、ミツマタなどの靭皮繊維、コツトン
リンター、ビスコースレーヨン、ポリビニルアル
コール繊維などの1種または2種以上が用いられ
うる。 疎水性でかつヒートシール性を有する熱可塑性
繊維としては、ポリエチレン繊維、ポリプロピレ
ン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデ
ン繊維、ポリアミド繊維、エチレン−酢酸ビニル
共重合体ポリマー繊維、コンジユゲート繊維など
の1種または2種以上が用いられうる。 ヒートシール性を有する混抄層は親水性繊維20
〜95部(重量部、以下同様)と熱可塑性繊維5〜
80部とから構成することが好ましい。熱可塑性繊
維が5部未満のばあいは充分なヒートシール性が
えられず、好ましくない。 本発明のビスコース加工紙はヒートシール性を
保持したままビスコース加工の特徴である引張強
度、とくに耐水性が著しく向上したものである。 再生セルロースの付着量を種々変化せしめるこ
とにより、本発明のビスコース加工紙にヒートシ
ール性の他につぎのような機能を付与することが
できる。 種々のコーテイング法により再生セルロースの
連続皮膜を親水性繊維層側に形成したときは、平
滑なセロハン状の表面がえられ、保香性、耐油
性、適当な透湿性を付与でき、さらにセロハンの
引裂性を改善することができる。 また再生セルロースの付着量を少なくすると、
抄き合せ紙自体の親水性および透気性を殆んど損
うことなく、耐水強度を著しく改善することがで
きる。 なお、いずれのばあいでもヒートシール性を有
する紙層側での再生セルロース層は親水性繊維部
分に形成されているので、ヒートシール性が損わ
れることはない。 つぎに実施例をあげて本発明のビスコース加工
紙を説明する。 実施例 1 フリーネス450c.c. csf.の針葉樹パルプ20部、
太さ2デニールで7mm長のビスコースレーヨンの
短繊維30部およびマニラ麻パルプ50部を原料とし
て用いて短網で形成した8g/m2の紙匹に、太さ
2デニールで5mm長のポリプロピレン短繊維50
部、マニラ麻パルプ30部および太さ1デニールで
4mm長のポリビニルアルコール短繊維20部を原料
として用いて丸網上で紙匹としたものを抄き合せ
て、本発明に用いる原紙をえた。 ついで常法により調製したビスコース液(セル
ロース含量9重量%、全アルカリ濃度6重量%)
をアルカリ液で1/2に希釈して粘度約500cpsのビ
スコース液を調製した。 このビスコース液中に前記原紙を浸漬して含浸
処理を施し、ついでセルロースの付着量が1.5
g/m2となるように過剰のビスコース液を2本ロ
ールによつて絞り取つたのち、非接触型乾燥機を
通過させて乾燥した。 えられたビスコース加工紙をビスコース凝固浴
(H2SO414%、Na2SO415%)中で処理し、つづ
いてセルロース再生浴(H2SO45%、Na2SO42
%)中でセルロースを再生した。ついて脱硫水洗
したのちグリセリン浴中で柔軟処理し乾燥して本
発明のヒートシール性を有する耐水紙をえた。 えられた本発明のビスコース加工紙および原紙
の引張強さ、ヒートシール強度および透気度を測
定した。結果を第1表に示す。 なお、各試験はつぎのようにして行なつた。 引張強さ 標準状態:JIS P 8133の「紙および板紙の引張
強さ試験方法」に準じて測定した。 耐熱水性:JIS P 8135の「紙および板紙の湿潤
引張度さ試験方法」に準じて測定した。ただ
し、浸漬は沸騰水中で15分間行なつた。 ヒートシール強度 JIS Z 1521の「セロハンの熱接着強さ」に準
じて測定した。 透気度 JIP P 8117の「紙および板紙の透気度試験
方法」に準じて測定した。ただし、試験はB型で
行ない、内筒をプラスチツク製のものに代え、し
かも5枚重ねた試験片を300mlの空気が通過する
時間を測定した。
【表】
第1表から明らかなごとく、本発明のビスコー
ス加工紙は引張強さ、とくに耐熱水性が5倍以上
も向上し、一方ヒートシール強度および透気度に
ついては殆んど低下せず、良好なヒートシール性
を有する耐水紙である。 実施例 2 フリーネス450c.c. csf.の針葉樹パルプ30部お
よびマニラ麻パルプ70部を原料として用いて丸網
で形成した15g/m2の親水性繊維の紙匹に、太さ
3デニールで5mm長のポリエチレン−ポリプロピ
レン複合短繊維60部、マニラ麻パルプ20部、フリ
ーネス450c.c. csf.の針葉樹パルプ20部を原料と
して用いて丸網上で抄き合せて本発明に用いる原
紙をえた。 この原紙の親水性繊維側にビスコース液(セル
ロース含量9重量%、全アルカリ濃度6重量%、
粘度約5000cps)をロールコーターでセルロース
付着量が30g/m2となるようにコーテイングした
のち非接触型乾燥機を通過させて乾燥した。 えられたビスコース加工紙をビスコース凝固
浴、ついでセルロース再生浴で処理し、セルロー
スを再生した。ついで脱硫、漂白処理したのち水
洗し、ついでトリエチレングリコール浴中で柔軟
処理したのちヤンキードライヤーで乾燥し、片面
に光択のある再生セルロースの連続皮膜が形成さ
れた本発明のヒートシール性を有するビスコース
加工紙をえた。 えられた本発明のビスコース加工紙および原紙
の引張強さおよびヒートシール強度を実施例1と
同様にして測定した。 結果を第2表に示す。 比較例 実施例2で抄紙した原紙を実施例2と同じビス
コース液中に浸漬し、セルロース付着量を30g/
m2となるように2本ロールで余剰のビスコース液
を絞り取つたほかは実施例2と同様に後処理して
比較例のビスコース加工紙をえた。 この比較用のビスコース加工紙の引張強さおよ
びヒートシール強度を実施例1と同様にして測定
した。 結果を第2表に示す。
ス加工紙は引張強さ、とくに耐熱水性が5倍以上
も向上し、一方ヒートシール強度および透気度に
ついては殆んど低下せず、良好なヒートシール性
を有する耐水紙である。 実施例 2 フリーネス450c.c. csf.の針葉樹パルプ30部お
よびマニラ麻パルプ70部を原料として用いて丸網
で形成した15g/m2の親水性繊維の紙匹に、太さ
3デニールで5mm長のポリエチレン−ポリプロピ
レン複合短繊維60部、マニラ麻パルプ20部、フリ
ーネス450c.c. csf.の針葉樹パルプ20部を原料と
して用いて丸網上で抄き合せて本発明に用いる原
紙をえた。 この原紙の親水性繊維側にビスコース液(セル
ロース含量9重量%、全アルカリ濃度6重量%、
粘度約5000cps)をロールコーターでセルロース
付着量が30g/m2となるようにコーテイングした
のち非接触型乾燥機を通過させて乾燥した。 えられたビスコース加工紙をビスコース凝固
浴、ついでセルロース再生浴で処理し、セルロー
スを再生した。ついで脱硫、漂白処理したのち水
洗し、ついでトリエチレングリコール浴中で柔軟
処理したのちヤンキードライヤーで乾燥し、片面
に光択のある再生セルロースの連続皮膜が形成さ
れた本発明のヒートシール性を有するビスコース
加工紙をえた。 えられた本発明のビスコース加工紙および原紙
の引張強さおよびヒートシール強度を実施例1と
同様にして測定した。 結果を第2表に示す。 比較例 実施例2で抄紙した原紙を実施例2と同じビス
コース液中に浸漬し、セルロース付着量を30g/
m2となるように2本ロールで余剰のビスコース液
を絞り取つたほかは実施例2と同様に後処理して
比較例のビスコース加工紙をえた。 この比較用のビスコース加工紙の引張強さおよ
びヒートシール強度を実施例1と同様にして測定
した。 結果を第2表に示す。
【表】
第2表から明らかなごとく、本発明のビスコー
ス加工紙は引張強さが原紙の2.5倍以上に向上し、
ヒートシール強度をわずか8%程度減少しただけ
である。また透湿性もセロハンの特質を継承して
おり良好であつた。 一方、比較例のビスコース加工紙は引張強さは
大きく向上しているが、ヒートシール強度は原紙
の約10%に減少し、実用に供しうるものではなか
つた。
ス加工紙は引張強さが原紙の2.5倍以上に向上し、
ヒートシール強度をわずか8%程度減少しただけ
である。また透湿性もセロハンの特質を継承して
おり良好であつた。 一方、比較例のビスコース加工紙は引張強さは
大きく向上しているが、ヒートシール強度は原紙
の約10%に減少し、実用に供しうるものではなか
つた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 親水性繊維からなる層と、疎水性でかつヒー
トシール性を有する熱可塑性繊維と親水性繊維と
からなる混抄層の2層を有する抄き合せ紙に、米
坪量24g/m2の2層抄き合せ紙のヒートシール性
を有する熱可塑性繊維を含有する側で0.05〜10
g/m2となる量に相当する付着量で再生セルロー
ス層が形成されてなるヒートシール性を有するビ
スコース加工紙。 2 親水性繊維からなる層と、疎水性でかつヒー
トシール性を有する熱可塑性繊維と親水性繊維と
からなる混抄層の2層を有する抄き合せ紙の少な
くとも一方の面に、米坪量24g/m2の2層抄き合
せ紙のヒートシール性を有する熱可塑性繊維を含
有する側で0.05〜10g/m2となる量に相当する付
着量となるようにビスコース液を塗布あるいは含
浸せしめたのち乾燥し、ついで凝固浴および再生
浴中で処理することを特徴とするヒートシール性
を有するビスコース加工紙の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11196982A JPS591798A (ja) | 1982-06-28 | 1982-06-28 | ヒ−トシ−ル性を有するビスコ−ス加工紙およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11196982A JPS591798A (ja) | 1982-06-28 | 1982-06-28 | ヒ−トシ−ル性を有するビスコ−ス加工紙およびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS591798A JPS591798A (ja) | 1984-01-07 |
JPH0242959B2 true JPH0242959B2 (ja) | 1990-09-26 |
Family
ID=14574672
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11196982A Granted JPS591798A (ja) | 1982-06-28 | 1982-06-28 | ヒ−トシ−ル性を有するビスコ−ス加工紙およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS591798A (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6321278U (ja) * | 1986-07-22 | 1988-02-12 | ||
JPH01131663A (ja) * | 1987-11-17 | 1989-05-24 | Takasago Internatl Corp | 芳香剤 |
JPH062538Y2 (ja) * | 1988-09-24 | 1994-01-26 | 藤森工業株式会社 | 果実袋 |
DE69305913T2 (de) * | 1992-05-07 | 1997-05-07 | Teijin Ltd | Aromatische Polyamidfäden mit verbesserter Wetterwiderstandsfähigkeit |
JP4660170B2 (ja) * | 2004-11-26 | 2011-03-30 | 三晶株式会社 | 皮膜形成多孔質シートの製造方法 |
EP2118353A1 (en) * | 2007-01-12 | 2009-11-18 | Ahlstrom Corporation | A method of forming a reinforced parchmented nonwoven product, and the product |
-
1982
- 1982-06-28 JP JP11196982A patent/JPS591798A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS591798A (ja) | 1984-01-07 |
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