JPH0242807B2 - - Google Patents

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JPH0242807B2
JPH0242807B2 JP57199413A JP19941382A JPH0242807B2 JP H0242807 B2 JPH0242807 B2 JP H0242807B2 JP 57199413 A JP57199413 A JP 57199413A JP 19941382 A JP19941382 A JP 19941382A JP H0242807 B2 JPH0242807 B2 JP H0242807B2
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hair
calcium
acid
hair rinse
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K8/00Cosmetics or similar toiletry preparations
    • A61K8/18Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
    • A61K8/30Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds
    • A61K8/64Proteins; Peptides; Derivatives or degradation products thereof
    • A61K8/65Collagen; Gelatin; Keratin; Derivatives or degradation products thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61QSPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
    • A61Q5/00Preparations for care of the hair
    • A61Q5/12Preparations containing hair conditioners

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はヘアーリンス組成物に関し、さらに
詳しくは特定のケラチン誘導体と、カルシウム
イオンまたはカルシウムイオンとマグネシウム
イオンとを配合した毛髪の保護と強化に優れた
ヘアーリンス組成物に関する。 毛髪の汚れを除去するため、シヤンプーで洗
髪すると、汚れのほか毛髪表面を保護している
油分も同時に除去されて毛髪の柔軟性が失なわ
れ、艷のない、くし通りの悪い髪となり、毛髪
の損傷や、枝毛、切れ毛が発生しやすくなる。 そこで、シヤンプーによる弊害を防止し、毛
髪に柔軟性、しなやかさ、しつとりとした感触
を付与し、くし通り性などを改善するために、
従来からヘアーリンスが使用されているが、ヘ
アーリンスの主剤である第4級アンモニウム塩
もまたカチオン系の界面活性剤であるため、強
い界面活性能を有し、使用量が多くなると毛髪
の皮脂や構成蛋白まで溶出され、かえつて毛髪
が損傷を受け、毛髪がパサパサしたりあるいは
ガサガサする感じを与えるようになる。 ところで、毛髪中には多数の微量のミネラル
類が含まれていて、それらの過不足が人の健康
状態とかかわりを有することが知られており、
それらのミネラル中カルシウムが最も多量に含
まれていて、その含有量は医学的には200〜
600ppmが正常必要量とされている。 本発明者らは、そのような毛髪中に含まれる
ミネラルの量の変動が、人の健康状態ばかりで
なく、毛髪自身の状態にも影響を与えるであろ
うという考えのものに種々検討を重ねたとこ
ろ、毛髪をシヤンプーで洗つた場合に毛髪中の
ミネラルが減少し、特にカルシウムやマグネシ
ウムの減少、とりわけカルシウムの減少は毛髪
に大きな影響を与え、毛髪の艷の低下や、パサ
ツキ、くし通りの悪さなどを引き起すことを見
出した。 毛髪中のカルシウムやマグネシウムなどがシ
ヤンプーによる洗髪によつて減少するのは、シ
ヤンプー中に配合されているキレート剤、たと
えばエチレンジアミンテトラ酢酸(以下、
EDTAという)などのキレート剤に起因する
ものと考えられる。すなわち、シヤンプーには
洗髪時の湯や水の中に含まれるカルシウムやマ
グネシウムにより泡立が低下するのを防止する
ためにキレート剤が添加されており、その過剰
のキレート剤によつて毛髪中のカルシウムやマ
グネシウムまでも失なわれ、その結果、前記の
ような毛髪の損傷が生じるのである。 カルシウムやマグネシウムの減少、とりわけ
カルシウムの減少が毛髪の損傷を引き起すの
は、それらが繊維構造のケラチン蛋白質や色素
の側鎖との塩架橋や配位複合体として存在し、
毛髪の構造上重要な役割を果しているからであ
ると考えられる。 本発明者らはそのような知見に基づき、かつ
前述のような従来のヘアーリンスが直面してい
る問題点に鑑み種々研究を重ねた結果、カチオ
ン性界面活性剤を主剤とするヘアーリンス組成
物に特定のケラチン誘導体と、カルシウムイオ
ンまたはカルシウムイオンとマグネシウムイオ
ンとを含有させるときはケラチン誘導体の毛髪
を保護し、損傷を受けた毛髪を回復する作用
と、カルシウムイオンやマグネシウムイオンの
毛髪保護作用とが相乗的に発揮されて、前述の
ような種々の問題点が一挙に解消しうるヘアー
リンス組成物が得られることを見出し、本発明
を完成するにいたつた。 本発明において使用するケラチン誘導体は、
ケラチンを加水分解するか、ケラチンを酸化
し、要すればそれをアルカリ塩とするか、また
はケラチンを還元したのちそのメルカプト基を
化学修飾して誘導体とし、要すればそれをアル
カリ塩とする方法のいずれかにより製造され
る。 原料のケラチンとしては、たとえば獣毛、毛
髪、羽毛、爪、角、蹄、鱗などがあげられる
が、特に羊毛、毛髪、羽毛が好ましい。これら
ケラチンはそのまま酸化または還元反応に付す
こともできるが、必要に応じて、適当な大きさ
に切断または粉砕するか、洗浄、脱脂などの前
処理を行なつてもよい。 ケラチンの分解はつぎのいずれかの方法によ
り行なわれる。 (1) 加水分解反応 酸による加水分解 酸としては、たとえば塩酸、硫酸、リン酸、
硝酸、臭化水素酸などの無機酸、酢酸、ギ酸な
どの有機酸があげられる。また塩酸と酢酸など
を混合して用いてもよい。これらは一般に5〜
85%(重量%、以下同様)の濃度で使用される
が、加水分解の反応が常にPH4以下となるよう
にするのが望ましい。反応温度は、40〜100℃
が好ましいが、加圧下では160℃まで上げるこ
ともできる。反応時間は2〜24時間が好適であ
る。反応物は水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、アンモニアなどのアルカ
リで中和し、そのまま使用できるが、反応物ま
たは中和物をゲル過、イオン交換樹脂、限外
過、透析、電気透析などによつて精製して使
用することもできる。 このような酸加水分解によつて得られたもの
は、アルカリ加水分解のものに比較し、ケラチ
ンのポリペプチド鎖に加水分解以外の変化を与
えないので良好な結果が得られる。 アルカリによる加水分解 アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、雪酸化リチウム、水酸化バリウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムなど
の無機アルカリが使用される。これらは一般に1
〜20%の濃度が適切である。アルカリを必要以上
に使用すると、加水分解物溶液の色相が褐色〜黒
色となるので好ましくない。反応は、室温〜100
℃の温度で30分〜24時間を行なうのが好ましく、
必要以上に温度を上げすぎたり、反応時間を長く
しないよう注意する必要がある。アルカリによる
加水分解では反応の進行とともにケラチンの加水
分解物が溶出し、反応の進行状況が目に見えると
いう利点がある。反応は反応混合物が均一溶液と
なつた時点で終了させればよい。反応後、前出の
酸で中和するか、あるいはゲル過、イオン交換
樹脂、限外過、透析、電気透析などにより精製
を行なうのが好ましい。 酵素による加水分解 酵素としては、ペプシン、プロクターゼA、プ
ロクターゼBなどの酸性蛋白質分解酵素、パパイ
ン、プロメライン、サーモライシン、トリプシ
ン、プロナーゼ、キモトリプシンなどの中性蛋白
質分解酵素が使用される。またスブチリン、スタ
フイロコカス(Staphylococcus)プロテアーゼ
などの菌産性の中性蛋白質分解酵素も使用でき
る。加水分解時のPHはペプシンなどの酸性蛋白質
分解酵素の場合にはPH1〜4の範囲、パパインな
どの中性酵素の場合にはPH4〜10の範囲に調整す
るのが好ましい。PHは一般に酢酸/酢酸ナトリウ
ム緩衝液、リン酸緩衝液などの緩衝液により、あ
るいは酸、アルカリなどの添加によつて適切に調
整するのが便利である。反応温度は30〜45℃が望
ましく、反応時間としては一般に3〜24時間が適
当である。 酵素による加水分解反応では、酵素の使用量、
反応温度、反応時間により加水分解物の分子量は
大きく影響される。従つて、目的とする分子量の
ケラチン加水分解物を得るためには、酵素使用
量、反応温度、反応時間の各条件について、得ら
れた加水分解物の分子量分布をゲル過法により
調べ、経験的に最適条件を決定する必要がある。 酵素による加水分解物は、酸、アルカリによる
加水分解物に比較して分子量分布がせまく、遊離
のアミノ酸の生成も少ないので、化粧品配合用と
しては非常に好適である。 これら加水分解反応によつて得られる加水分解
物の平均分子量は、200以上5000以下であること
が望ましい。ケラチン分解物の毛髪に対する吸着
性はその分子量によつて決まり、分子量300〜600
程度のものが最も吸着しやすく、かつ水に溶けや
すくて取扱いが容易であり、分子量が5000を超え
るものは毛髪に対する吸着性が少なくかつ取扱い
にくいからである。また、ケラチン誘導体中にジ
スルフイド結合は、できるだけ残存していること
が好ましく、このためには純度の高いケラチンを
使用することおよび加水分解反応を温和な条件で
おこなうことが必要である。 (2) 酸化反応 ケラチンの酸化は、従来より知られている各種
のケラチンの酸化方法によつて行われる。酸化剤
としては、ケラチン構造中のジスルフイド結合
(S−S結合)に対して作用する有機または無機
の酸化剤が好ましく、たとえば有機過酸、無機パ
ーオキソ酸またはその塩、ハロゲン、過酸化水素
などの過酸化物、酸素酸またはその塩などが例示
されるが、特に過酢酸、過ギ酸、過安息香酸など
の有機過酸が好ましい。なお、過酢酸、過ギ酸は
反応系において酢酸、ギ酸に過酸化水素を添加す
ることによつて調製される。 酸化反応は、ケラチン中のジスルフイド結合に
対し過剰量、通常ジスルフイド結合1個に対して
2倍当量以上、好ましくは4〜10倍当量の酸化剤
を使用して、液体媒質中で行なわれる。反応は酸
性ないしアルカリ性のいずれにおいても行ないう
るが、酸性、特に弱酸性条件下に行なうのが好ま
しい。反応温度、圧力などの条件は、使用する酸
化剤、ケラチンの種類などによつて異なり、特に
制限されることはなく、温度は一般に室温で充分
であるが、必要に応じて加熱することもでき、ま
た圧力も常圧で充分であるが、減圧下または加圧
下で行なつてもよい。酸化後の反応混合物は限外
過、透析、ゲル過、イオン交換樹脂などによ
り精製することが望ましい。 上記のごとき操作により、ケラチンのジスルフ
イド結合は開裂されてスルホン酸(−SO3H)を
生成する。 (3) 還元反応および化学修飾反応 ケラチンを還元するために使用される還元剤と
しては、当該構造中のジスルフイド結合を開裂し
てメルカプト基(−SH)を与えるもの、一般に
はジスルフイド結合に対して求核的に作用するタ
イプの有機または無機還元剤が好ましい。具体的
には、メルカプトエタノール、チオグリコール
酸、ペンジルメルカプタン、1,4−ジチオスラ
イトール、トリブチルホスフインなどの有機還元
剤、亜硫酸水素ナトリウム、水硫化ナトリウムな
どの硫化物、水素化ホウ素ナトリウムなどの金属
水素化物のごとき無機、還元剤が例示される。 還元剤の量は、ケラチン中のジスルフイド結合
に対して2〜10倍当量用いるのが一般的である。
反応系のPHは7〜12、特に9〜11の範囲が好まし
く、この範囲をでると加水分解が併起するのが好
ましくない。反応温度は室温で充分であるが、加
熱して反応時間を短縮することもできる。反応時
間は通常2〜3時間あるいはそれ以上を要する。
また、この還元によつて生ずるメルカプト基が実
質的に酸化されないことが必要であり、このため
操作を不活性ガス雰囲気中で行なうのが好ましい
結果を与える。 このようにして得られたケラチンの還元分解物
は、そのメルカプト基を化学修飾してその誘導体
にされる。該メルカプト基における誘導体として
は、つぎのものが例示される。 −SCH2COOH,−SCH2CH2COOH,
【式】
【式】
【式】−SO3CH,−SSO3H, −SCH2CH2SO3H,
【式】
【式】 −SCH2CH2SO2CH2COOH,
【式】 この中で、−SCH2COOH
【式】
【式】 などが特に好ましい。 メルカプト基の化学修飾法は従来より公知の方
法に基いて行われる。その代表的な方法を例示す
るとつぎの通りである。 SH基の求核的置換反応を利用する方法 (式中、Kはケラチン化合物残基である) この方法により反応する化合物としては、上記
化合物以外に、たとえばヨード酢酸、プロム酢
酸、クロル酢酸などのハロゲン化合物があげられ
る。 SH基の炭素間2重結合に対する求核的付加
反応を利用する方法 (式中、R1,R2,R3、およびR4のうち少なく
とも1個はその中にカルボキシル基またはスルホ
ン酸基を有する基を示し、残余はアルキル基また
は水素原子を示す。Kは前記と同じである。) この方法により反応する化合物としては、たと
えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
マレイン酸、フマル酸、ビニルカルボキシメチル
スルホン、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン
酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸などをあげることができる。 SH基と亜硫酸化合物との置換反応を用いる
方法 K−SH+NaHSO3→K−S−SO3H K−SH+Na2SO3→K−S−SO3H (式中、Kは前記と同じである。) SH基をスルホン酸基へ酸化する方法 K−SH→K−SO3H (式中、Kは前記と同じである。) この反応に用いられる酸化剤としては、たとえ
ばハロゲン、過マンガン酸塩、過酸化水素、過酢
酸、過ギ酸をあげることができる。 ケラチンの酸化分解物およびケラチン還元誘導
体のアルカリ塩としては、ナトリウム、カリウム
などの無機アルカリ金属塩、アンモニウム塩、あ
るいはエタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル
プロパノール、アミノメルカプトプロパンジオー
ル、トリイソプロパノールアミン、グリシン、ヒ
スチジン、アルギニンなどの有機塩基との塩があ
げられる。これらは別の系で調製しておいてもよ
いが、ケラチンの酸化分解物またはケラチン還元
誘導体とアルカリ物質を配合して、毛髪保護剤中
で造塩させることもできる。この場合のアルカリ
物質としては、たとえば水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、アンモニア水、エタノールアミン、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2
−アミノ−2−メチルプロパノール、アミノメチ
ルメルカプトプロパンジオール、トリイソプロパ
ノールアミン、グリシン、アルギニン、ヒスチジ
ンなどがあげられ、これらは、ケラチン酸化分解
物またはケラチン還元誘導体中のカルボキシル基
およびスルホン酸基に対し0.1〜8当量で添加配
合するのが好ましい。また添加されるカルシウ
ム、マグネシウムの水酸化物を一部または必要量
用いてもよい。 本発明のヘアーリンス組成物において、ケラチ
ン誘導体の濃度としては、0.1〜20%、特に1〜
10%が好ましい。これはケラチン誘導体の濃度が
それ以上に高くなると毛髪がべたつく現象が生じ
るからである。 カルシウムイオンの濃度は毛髪のカルシウムイ
オンを吸着する性質が非常に強く10ppm程度から
吸着がみられるが、毛髪中にもともと含まれてい
るカルシウムイオンの量は個人差がはなはだ大で
あり、また使用時に各種の化粧品に添加されてい
るキレート剤の影響を防ぐために、使用条件など
を考慮して50〜10000ppmとするのが好ましい。 マグネシウムイオンを追加する場合は上記カル
シウムイオンの場合と同じ理由(ただし毛髪中の
マグネシウムはカルシウムより少ない)で50〜
5000ppmとするのが好ましい。 添加するカルシウムやマグネシウムの形態は、
ヘアーリンス組成物中でケラチン誘導体と造塩
し、かつ溶けているのが好ましく、そのために
は、ケラチン誘導体の中和時に使用するアルカリ
の一部として水酸化カルシウム、水酸化マグネシ
ウムを加えてもよいし、さらにはカルシウム塩、
マグネシウム塩のうち水に溶けるものを加えても
よい。そのような水溶性のカルシウム塩やマグネ
シウム塩としては、たとえば塩化カルシウム、硝
酸カルシウム、炭酸カルシウム、臭化カルシウム
などの無機カルシウム塩、酢酸カルシウム、乳酸
カルシウム、クエン酸カルシウム、リンゴ酸カル
シウム、酒石酸カルシウムなどの有機カルシウム
塩、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム
カリウム、炭酸水素マグネシウムカリウム、臭化
マグネシウムなどの無機マグネシウム塩、酢酸マ
グネシウム、クエン酸マグネシウム、乳酸マグネ
シウムなどの有機マグネシウム塩などがあげられ
る。 本発明のヘアーリンス組成物は原理的には通常
のカチオン性界面活性剤を主剤とするヘアーリン
ス剤にケラチン誘導体とカルシウムイオンまたは
ケラチン誘導体とカルシウムイオンとマグネシウ
ムイオンを配合することによつて調製される。た
だし、調製の手順として前もつて通常のヘアーリ
ンス剤を調製しておくことを要求されることはな
く、通常のヘアーリンス剤の調製方法に準じて調
製される。 ヘアーリンス組成物の主剤をなすカチオン性界
面活性剤としては、特に制限はなく、通常のヘア
ーリンス剤に配合されうるすべてのものが使用可
能であるが、下記の第式、 (式中、R5,R6,R7およびR8のうち1〜2個
は炭素数8〜20の長鎖アルキル基または長鎖ヒド
ロキシアルキル基であり、残余は炭素数1〜3の
アルキルまたはヒドロキシアルキル基あるいはベ
ンジワ基であり、Xはハログン原子または炭素数
1〜2のアルキル硫酸基である) で示される第4級アンモニウウム塩が好ましく、
特にジステアリルジメチルアンモニウムクロライ
ド、ステアリルトリメチルアンモニウムメトサル
フエート、ステアリルトリメチルアンモニウムク
ロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニ
ウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアン
モニウムクロライド、ラウリルジエチルベンジル
アンモニウムクロライドラウリルトリメチルアン
モニウムブロマイド、ジステアリルメチルヒドロ
キシメチルクロライド、セチルトリメチルアンモ
ニウムクロライドなどが好ましい。そして、これ
らのカチオン性界面活性剤は単独でまたは2種以
上併用して組成物中に0.01〜10%、好ましくは
0.2〜5%配合される。 本発明のヘアーリンス組成物には、さらに必要
に応じて乳化剤、湿潤剤、アニオン系またはノニ
オン系の界面活性剤、油性成分、防腐剤、香料、
着色剤、キレート剤などを適宜配合することがで
きる。なおキレート剤は鉄などのカルシウムイオ
ンやマグネシウムイオン以外の重金属の封鎖のた
めに必要な場合があり、その場合はキレート剤の
封鎖能力以上にカルシウム、マグネシウムを配合
しておけばよい。 つぎに参考例および実施例をあげて本発明を説
明する。 参考例 1 ケラチン加水分解物の製造 (1) 酸加水分解 三つ口フラスコ中で羊毛100gに35%塩酸100g
を加え70℃で15時間撹拌下に加水分解を行なつ
た。加水分解後、反応混合物を過し、液を
2N水酸化ナトリウムで中和したのち、ゲル過
(フアルマシア社製セフアデツクスG−10 2eを使
用)により、脱塩を行ない、ついで濃縮してケラ
チン加水分解物の30%水溶液を得た。このように
して得られたケラチン加水分解物の分子量をゲル
過法により測定したところ平均分子量1000であ
つた。 (2) アルカリ加水分解 羊毛100gに水酸化ナトリウム18gと水600gを
加え、40℃で20時間放置して加水分解を行なつ
た。加水分解後、反応混合物を過し、液を弱
酸性カチオン交換樹脂(アンバーライトIRC−
50、商品名、オルガノ(株))50mlに通液して中和を
行なつたのち、濃縮してケラチン加水分解物の80
%水溶液を得た。このようにして得られたケラチ
ン加水分解物の分子量をゲル過法により測定し
たところ平均分子量2200であつた。 (3) 酵素加水分解 羽毛100gを高圧容器中、10Kg/cm2、200℃過熱
水蒸気で30分間処理した後、大気中に放出して羽
毛の多孔質膨化物を得た。これに0.5N酢酸一酢
酸ナトリウム緩衝液(PH5.5)500mlを加え、パパ
イン5gを加えて40℃で24時間加水分解を行なつ
た。ついで反応混合物を過し、液を減圧濃縮
して800mlとしたのち、ゲル過(フアルマシア
社製セフアデツクスG−10を使用)により脱塩を
行ない、ついで濃縮してケラチン加水分解物の30
%水溶液を得た。得られたケラチン加水分解物の
分子量をゲル過法により測定したところ平気分
子量1200であつた。 参考例 2 ケラチン酸化物の製造 (1) 羊毛100gを高圧容器中、8Kg/cm2、220℃の
過熱水蒸気で15分間処理したのち大気中に放出
して羊毛の多孔質膨化物を得、これを乾燥した
のち、粉砕した。 これとは別に、35%過酸化水素水40mlを88%
ギ酸450mlに加え、室温で1時間撹拌したのち、
この混合液に前記の粉砕した羊毛の多孔質膨化
物を加えた。室温で20時間撹拌して酸化したの
ち、過した。液を透析により精製し2N水
酸化ナトリウムで中和したのち、減圧濃縮して
ケラチン酸化物ナトリウム塩の30%水溶液を得
た。 (2) 羽毛を高圧容器中、10Kg/cm2、200℃の過熱
水蒸気で30分間処理したのち、大気中に放出し
て羽毛の多孔質膨化物を得、これを乾燥したの
ち粉砕した。 これとは別に、35%過酸化水素水50mlを氷酢
酸600mlに加え、室温で1時間撹拌したのち、
この混合液に前記の粉砕した羽毛の多孔質膨化
物を加えた。40℃で24時間撹拌して酸化したの
ち、過した。液を透析して精製し、減圧濃
縮したのち、トリエタノールアミンで中和し、
ケラチン酸化物トリエタノールアミン塩の30%
水溶液を得た。 参考例 3 ケラチンの還元 (1) チオグリコール酸80gを含み水酸化ナトリウ
ムでPH10にした8M尿素溶液3に羊毛100gを
浸漬し、チツ素気流中24時間還元を行なつた。
反応混合物を過し、未反応の羊毛を除去した
ところ、液中に80%の羊毛が可溶化してい
た。 上記液に撹拌下室温でヨード酢酸30gを加
え、20%水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えPH
8に維持しつつ3時間反応を行なつた。 反応液を透析し、減圧濃縮したのち、モノエ
タノールアミンで中和してS−カルボキシメチ
ルケラチンモノエタノールアミン塩の30%水溶
液を得た。収量は290gであつた。 (2) 参考例3−(1)において羊毛の代りに羽毛100
gを用い、ヨード酢酸の代りにマレイン酸30g
を用い、モノエタノールアミンの代りにトリエ
タノールアミンを用い、それ以外は参考例3−
(1)と同様にしてS−(1,2−ジカルボキシエ
チル)−ケラチントリエタノールアミン塩の30
%水溶液を得た。収量は340gであつた。 (3) 参考例3−(1)においてチオグリコール酸の代
りにメルカプトエタノール60gを用い、ヨード
酢酸の代りに1−クロル−2−ヒドロキシプロ
パントリメチルアンモニウムクロライド40gを
用い、アルカリによる中和を行なわなかつたほ
かは参考例3−(1)と同様にしてS−(2−ヒド
ロキシプロパントリメチルアンモニウムクロラ
イド)ケラチンの30%水溶液を得た。収量は
340gであつた。 (4) 参考例3−(3)において羊毛の代りに粉砕され
た馬の蹄120gを用いたほかは参考例3−(3)と
同様にしてS−(2−ヒドロキシプロパントリ
メチルアンモニウムクロライド)ケラチンの30
%水溶液を得た。収量は370gであつた。 実施例 1 参考例1−(1)で得たケラチン誘導体を用い、第
1表に示す配合組成のヘアーリンス組成を調製し
た。各成分の配合量は重量部で示す。以後におい
ても同様である。なお、第1表中1−A、1−
B、1−Cの組成物は対照品である。
【表】
【表】 上記ヘアーリンスについて下記の方法により評
価した。 すなわち、重さ10gの毛束を用意し、各毛束に
つき第3表に示す組成のシヤンプー5gを使用
し、シヤンプーをよく泡立てて毛束を湯洗したの
ち、前記の各ヘアーリンス5gを10倍の湯(40
℃)で希釈した液に10分間浸漬し、引上後、お湯
で軽くゆすぎ、タオルで水を拭き取り、風乾した
のち、毛髪の艷、しなやかさ、くし通り性、張り
(強度)を官能備価した。その結果ならびに上記
処理後の毛髪中のカルシウム量およびマグネシウ
ム量を測定した結果を第2表に示す。なお評価基
準は下記のとおりである。 ◎:特に良好 ○:良好 △:普通 ×:悪い また毛髪中のカルシウム量の測定ならびにマグ
ネシウムイ量の測量は原子吸光法による。
【表】
【表】
【表】 実施例 2 第4表に示す配合組成のヘアーリンス組成物を
調製し、各ヘアーリンスについて10名の女性パネ
ルによりその使用感を官能評価した。その結果な
らびに毛髪中のカルシウムの増加率(平均値)お
よび毛髪中のマグネシウムの増加率(平均値)を
調べた結果を第5表に示す。なおヘアーリンスは
20倍の希釈液にした状態で使用し、毛髪への施用
は前記実施例1で使用したシヤンプー(10g使
用)で洗髪したのち、上記ヘアーリンスの希釈液
100mlを用いてヘアーリンス処理することによつ
て行なわれた。ヘアーリンス処理後に毛髪は水で
2回すすぎ洗いしたのち、風乾して官能試験に供
された。なお、第4表においてケラチン誘導体の
種別は参考例番号で示されている。また第5表に
おいてヘアーリンスの使用感については1〜5の
5段階評価の平均値で示した。数字が大きいほど
性能が良好であることを示している。
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 カチオン性界面活性剤を主剤とするヘアー
    リンス組成物において、 ケラチン加水分解物、ケラチン酸化物また
    はそのアルカリ塩および還元ケラチンのメル
    カプト基における誘導体またはそのアルカリ塩
    から選ばれた少なくとも1種のケラチン誘導体
    と、カルシウムイオンまたはカルシウムイオン
    とマグネシウムイオンとを配合したことを特徴
    とするヘアーリンス組成物。 2 ケラチン加水分解物がケラチンを酸、アル
    カリまたは酵素で加水分解して得られる平均分
    子量200〜5000のものである特許請求の範囲第
    1項記載のヘアーリンス組成物。 3 メルカプト基における誘導体が、 −SCH2COOH,−SCH2CH2COOH、 【式】【式】 【式】−SO3H、 −SSO3H,−SCH2CH2SO3H 【式】 【式】 −SCH2CH2SO2CH2COOHおよび 【式】 からなる群から選ばれた少なくとも1種であ
    る特許請求の範囲第1項記載のヘアーリンス組
    成物。 4 ケラチン誘導体の配合量が全組成に対し1
    〜30重量%である特許請求の範囲第1項、第2
    項または第3項記載のヘアーリンス組成物。 5 カルシウムイオンの配合量が全組成に対し
    50〜10000ppmである特許請求の範囲第1項、
    第2項、第3項または第4項記載のヘアーリン
    ス組成物。 6 マグネシウムイオンの配合量が全組成に対
    し50〜5000ppmである特許請求の範囲第1項、
    第2項、第3項または第4項記載のヘアーリン
    ス組成物。 7 ケラチン誘導体と、カルシウムイオンまた
    はカルシウムイオンおよびマグネシウムイオン
    とをその系中で造塩させたものである特許請求
    の範囲第1項、第2項、第3項、第4項、第5
    項または第6項記載のヘアーリンス組成物。
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