JPH0242142Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は特に釣糸を巻付けて保持する糸巻具の
改良に関するものである。

一般にこの種の糸巻具はスプール主体の円形フ
ランジ部に切欠部を形成し、この切欠部に糸尻を
挾持させて係止することにより巻糸の解けるのを
防いでいるが、切欠部から糸尻を外して使用する
場合、糸尻に連らなる巻糸が緩んで必要以上の長
さの糸がスプール主体から解かれて再び巻締めし
なければならなくなり、又、釣糸を適宜長さ切断
して使用する場合、切断後の巻糸の先端を再び切
欠部に係止させる必要がある。

これをなくするために、スプール主体のフラン
ジ間に弾性輪を嵌合させたものが考案されている
が、糸尻側の巻糸が弾性輪から外れた以置になる
と不測に解かれてしまう虞れがあり、又、弾性輪
や巻糸が直接外部に露呈しているために、耐候性
等に劣つて短期間で老化し、使用できなくなる等
の欠点がある。

本考案はこのような欠点をなくするために、ス
プール主体をケース体に着脱自在に嵌合させると
共に該嵌合部の〓間を通して巻糸を〓間に摺接さ
せながら引出し可能に構成したことを特徴とする
糸巻具を堤供するものである。

本考案の実施例を図面について説明すると、１
は中央に小径通孔２を設けたスプール主体で、円
形の両側大小径鍔部３，４間に釣糸巻装用周溝５
を形成してなるものであり、このスプール主体１
の一側面に還状ないしはドーナツ形状の凹所６を
形成し、該凹所６に同形状のスポンジ体７を嵌着
してある。

８はスプール主体１の一側小径鍔部３の外周縁
に周方向に小間隔毎に形成した複数個の切欠係止
凹部である。

９はスプール主体１の厚さよりもやゝ大なる巾
の方形周壁１０の両側に方形状側面板１１，１２
を設けてなる中空のケース体で、一方の側面板１
１を周壁１０の一側開口端に着脱自在に取付けて
いると共に他方の側面板１２は周壁１０と一体に
形成しているものである。

分離可能な側面板１１にはその中央にスプール
主体１の一側鍔部３よりもやゝ小経の孔１３を穿
設すると共に、その孔１３の外周部に前記一側鍔
部３を嵌入させる先端部が外方に開拡したリング
突条１４を穿設し、このリング突条１４の内周面
四方にスプール主体１の一側鍔部３の外周縁を係
脱可能に係止させる突起１５を設けてあり、さら
に四方端面に、ケース体９の周壁１０の四方内面
中央部に突設した係止突条片１６に係脱可能な凹
条溝１７を設けてある。

１８はケース体９の他側面板１２に貫設してい
る円形嵌合孔で、スプール主体１の一側鍔部３が
挿通可能で他側鍔部４よりも僅かに大径に形成し
て該鍔部４の外周とこの嵌合孔１８の内周面間に
釣糸ａを挾圧するようにして引出し可能な〓間１
９を設けさらに嵌合孔１８の内部に段周部２０を
突設して鍔部４の外周縁内面を当接受止させるよ
うにしてある。

２１はケース体９の周壁内面に突設した縦突条
よりなる複数個のストツパーで、一側壁面１１の
外周内面を受止するものである。

このように構成したので、ケース体９の一側開
口部に側壁板１１を嵌め込んで係止突条片１６と
凹条溝１７とを係合させることにより固定する一
方、釣糸ａを巻装したスプール主体１を小径鍔部
３側からケース体ａの嵌合孔１８に挿入すると、
該鍔部３の外周外側面が一側面板１１の内面に当
接してリング突条１４の突起１５に外周縁が係止
すると共にスプール主体１の他側大径鍔部４がケ
ース体９の嵌合孔１８に嵌着してケース体９内に
スプール主体１を装着することができる。

この状態において、予め、スプール主体１に巻
装した釣糸ａの端部を大径鍔部４から外側方に延
出させておくと、該端部がスプール主体１の大径
鍔部外周とケース体９の嵌合孔１８の内周面との
〓間１９で挾持された状態で外部に突出し、その
端部を張引すると釣糸ａが〓間１９を周るように
してスプール主体１から〓間１９の挾圧摩擦力に
打ち勝つて引出されるものである。

又、スプール主体１をケース体９から取り外す
場合には、ケース体９の一側面小径孔１３に露出
しているスプール主体１の一側部に設けたスポン
ジ体７の面を押圧すればよい。

以上のように本考案は、スプール主体１とケー
ス体とからなり、スプール主体１の一側面に形成
した凹所６にスポンジ体７を装着すると共に一側
鍔部３の外周に複数個の切欠係止凹部８を設け、
ケース体９の両側面にスプール主体１の前記鍔部
３よりも小径の孔１３とスプール主体１の他側鍔
部４を嵌合させる円形嵌合孔１８とを設けると共
に小径孔１３の内面側にスプール主体１の前記一
側鍔部３を係脱自在に係止させる複数個の突起１
５を設け、このケース体９の円形嵌合孔１８から
スプール主体１を着脱自在に挿着してスプール主
体１の他側鍔部４の外周とケース体９の円形嵌合
孔１８との〓間を通じて糸条を引出すように構成
してなる糸巻具に係るものであるから、スプール
主体１はケース体９内に装着されているので、巻
装した釣糸ａが外部からの悪影響を受けることな
く長期間の使用に供することができると共に釣糸
ａの端部を常にスプール主体１の鍔部４の外周と
ケース体９の円形嵌合孔１８の内周面とで挾圧し
てスプール主体１に巻装した釣糸ａが不測に解か
れるのを確実になくすることができ、その上、釣
糸ａの端部を張引することによりケース体９の円
形嵌合孔１８とスプール主体１の鍔部間の円形〓
間部１９を通じて円滑に引出すことができると共
に張引力を解けば、〓間部１９の挾圧摩擦力によ
り釣糸ａの引出しが停止して所望長さの釣糸ａを
引出すことができるものである。

又、ケース体１に対するスプール主体１の着脱
は、ケース体９の円形嵌合孔１８を通じてスプー
ル主体１を挿嵌するだけで容易に組立てることが
できる一方、ケース体９の小径孔１３側に露出す
るスポンジ体７を押圧するだけで簡単に分離させ
ることができ、さらに、スプール主体１の一側鍔
部３の外周に設けた切欠係止凹所８を介してスポ
ンジ体７に釣針を引掛けておくことも可能となる
と共にこの場合においてもスポンジ体７はケース
体９の小径孔１３から外部に露出しているので、
スプール主体１がケース体９に収納されているに
も拘らず釣糸及び釣針を確実に保持し得るもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
分解斜視図、第２図はスプールとケース体とを分
離した状態の斜視図、第３図は組立てた状態の断
面図である。 １……スプール主体、３，４……鍔部、７……
スポンジ体、８……切欠係止凹所、９……ケース
体、１３……小径孔、１８……円形嵌合孔、１９
……〓間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スプール主体１とケース体９とからなり、スプ
   ール主体１の一側面に形成した凹所６にスポンジ
   体７を装着すると共に一側鍔部３の外周に複数個
   の切欠係止凹部８を設け、ケース体９の両側面に
   スプール主体１の前記鍔部３よりも小径の孔１３
   とスプール主体１の他側鍔部４を嵌合させる円形
   嵌合孔１８とを設けると共に小径孔１３の内面側
   にスプール主体１の前記一側鍔部３を係脱自在に
   係止させる複数個の突起１５を設け、このケース
   体９の円形嵌合孔１８からスプール主体１を着脱
   自在に挿着してスプール主体１の他側鍔部４の外
   周とケース体９の円形嵌合孔１８との〓間１９を
   通じて糸条を引出すように構成してなる糸巻具。