JPH0241445Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は微粉燃料用バーナクリーニング装置に
係り、特にバーナ先端のスプレツダフインへの付
着燃料を除去清掃するに好適なクリーニング装置
に関する。

〔従来の技術〕

従来、石油ピツチや石炭を微粉砕した燃料を用
いた燃焼設備では、微粉燃料と空気とを混合して
バーナから噴射して燃焼させる。この場合、使用
されるバーナ装置は円筒状のバーナノズルとその
中心部に配置されたバーナスプレツダを具備して
おり、両者の間に形成された円環状の流路を燃料
通路とし、ボイラ火炉へ噴射させるようにしてい
る。そして、特に燃料の吐出口であるバーナスプ
レツダ先端外周には燃料の拡散が良好に行われる
ようにスプレツダフインを設けている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、従来のバーナ装置で、微粉燃料がス
プレツダフインに付着し、これが流路を閉塞する
ように成長すればバーナ性能が劣化し、最終的に
は使用不能となつてしまう。特に使用燃料が軟化
点の低い石油ピツチである場合には輻射熱を受け
て容易にバーナ先端に付着してしまうことが多
い。このため、従来ではバーナ清掃のために燃焼
設備の運転を停止しなければならず、バーナ使用
率が低下してしまう問題点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上記従来の問題点に着目し、バーナ
の使用を止めることなく、運転状態のままバーナ
の清掃ができ、使用効率の向上と性能維持を実現
できるようにしたクリーニング装置を提供するこ
とを目的とする。

上記目的を達成するために、本考案に係る微粉
燃料用バーナクリーニング装置は、円筒状のバー
ナノズルとその中心部に配置されたバーナスプレ
ツダの間に形成される円環流路に微粉燃料を通流
し、先端に設けたスプレツダフインを介してボイ
ラ火炉内に燃料噴射をなすバーナのクリーニング
装置であつて、少なくとも前記円環流路の端壁部
に円周吹出口を有するアスピレーシヨンエアノズ
ルを取付けし、このアスピレーシヨンエアノズル
の中心孔に装着され円環流路を通して先端を前記
スプレツダフインに向けた蒸気噴射用のクリーナ
パイプを着脱可能に取付けた。

〔作用〕

上記構成により、バーナ清掃をなす場合にはア
スピレーシヨンエアノズルの円周吹出口から高圧
空気を吐出させて燃料の逆流を防止し、ノズル中
心孔の施栓を外してクリーナパイプを差込み、こ
のパイプ先端をスプレツダフインに向けて蒸気を
噴射させれば、簡単にバーナ停止を行うことなく
付着燃料を除去することができるのである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案に係る微粉燃料用バーナクリーニ
ング装置の実施例を図面を参照して詳細に説明す
る。

第１図はクリーニング装置を備えた微粉燃料用
バーナの概略構成図である。図示のように、バー
ナ装置はボイラ火炉１０に設けた燃焼口１２の外
面に形成している２次空気供給用ウインドボツク
ス１４を貫通して先端を燃焼口１２に臨ませたバ
ーナ１６を具備している。バーナ１６は２重管構
造に形成されており、内管側をバーナスプレツダ
１８とし、外管側をバーナノズル２０としてい
る。そして、バーナノズル２０の後端部に位置し
たバーナスプレツダ２０の外周面部には燃料供給
部２２が設けられ、例えば微粉ピツチと１次空気
の混合燃料口とされ、バーナスプレツダ１８とバ
ーナノズル２０の間に環状通路２４を通し、スプ
レツダ先端外周のスプレツダフイン２６を経て火
炉１０内に燃料を噴射させるようにしている。

ここで、燃料供給部２２のバーナ１６への取付
部にはレシービングチヤンバ２８が設けられ、燃
料が均一に環状通路２４に流れるようにしている
が、レシービングチヤンバ２８の外壁３０は環状
通路２４に対面してその端壁を兼ね、この外壁３
０に実施例に係るクリーニング装置を取付けるよ
うにしている。すなわち、外壁３０には環状通路
２４に沿つて等間隔（120度間隔）に清掃口３２
を設け、この清掃口３２にアスピレーシヨンエア
ノズル３４が取付けられている。このアスピレー
シヨンエアノズル３４の詳細を第２図に示す。バ
ーナスプレツダ１８の外周にフランジ状にレシー
ビングチヤンバ２８の外壁３０が取付けられてい
るが、この外壁３０の清掃口３２に対して円筒状
のノズル本体３４がねじ込まれている。ノズル本
体３４は外端側に大径部３４Ａを一体に有するも
ので、内径差により形成される内周面段差部にテ
ーパ面３６を形成している。前記大径部３４Ａ内
には小円筒状のキヤツプ３８が挿入固定されてお
り、キヤツプ３８はその挿入先端をやはりテーパ
にして前記テーパ面３６に対面させて円周吹出口
４０を形成せしめている。そして、キヤツプ３８
と大径部３４Ａの間に円周吹出口４０に連通する
小室４２を設け、この小室４２を通じて円周吹出
口４０からアスピレーシヨンエアをノズル３４内
に吐出させるようにしている。アスピレーシヨン
エアは大径部３４Ａに接続した供給パイプ４４を
介して小室４２に導入される。なお、前記キヤツ
プ３８にはプラグ４６が螺着されて施栓されてい
るが、プラグ４６を外すことにより、ノズル３４
の中心孔４８を外部に開口させることが可能であ
る。

また、上述のようなアスピレーシヨンエアノズ
ル３４には、第３図に示す如き蒸気噴射をなさし
めるクリーナパイプ５０を装着可能となつてい
る。クリーナパイプ５０は先端を偏平に潰して開
口面積を小さくした噴射口５２を形成した細径パ
イプ５４を有し、これを前記ノズル３４の中心孔
４８から差込んで環状通路２４内に挿入し、噴射
口５２をスプレツダフイン２６の後縁に向け得る
長さとなつている。細径パイプ５４はその長さの
１／５程度の長さを有する太径パイプ５６に接続さ
れ、この太径パイプ５６に蒸気供給源からの蒸気
を導入し、内部を通して細径パイプ５４に圧力蒸
気（５Kg／cm²）を送給するようにしている。ま
た、太径パイプ５６にはロータリバルブ５８が介
装され、蒸気の供給、遮断をこのバルブ５８にて
行わせ得るものとしている。太径パイプ５６は前
記アスピレーシヨンエアノズル３４の中心孔４８
の内径より若干小さくし、容易に中心孔４８への
挿入ができるように設定している。なお、太径パ
イプ５６には軸心と直交する把手６０を設け、ク
リーナパイプ５０の挿入作業を容易にしている。

このようなアスピレーシヨンエアノズル３４と
これに装着可能なクリーナパイプ５０から構成さ
れるバーナクリーニング装着によればバーナの停
止を行うことなくスプレツダ２０やスプレツダフ
イン２６の清掃ができる。すなわち、燃焼中は燃
料供給部２２から微粉石油ピツチ等の微粉燃料と
空気の混合流体が供給され、レシービングチヤン
バ２８を経て環状通路２４に当り、先端のスプレ
ツダフイン２６から拡散噴射されている。斯かる
状態で、まず、アスピレーシヨンエアの供給源に
供給パイプ４４を接続し、エアを小室４２を介し
て円周吹出口４０から吹き出させる。このエアは
テーパ面３６を経て中心部に吐出し、レシービン
グチヤンバ２８に流下する。この操作後、キヤツ
プ３８に取付けたプラグ４６を外すが、プラグ４
６を外してもアスピレーシヨンエアにより燃料が
逆流してアスピレーシヨンエアノズル３４から外
部に漏洩することはない。開口されたノズル３４
の後端から、第３図に示すクリーナパイプ５０を
挿入し、先端噴射口５２がチヤンバ２８内から環
状通路２４を通して先端のスプレツダフイン２６
の近傍に達するまで挿するのである。そして、ロ
ータリパルプ５８を開き、高圧蒸気を噴射させれ
ば、フイン２６やスプレツダチユーブに付着した
燃料を除去することができる。

このような実施例によれば、定期的に蒸気噴射
用のクリーナパイプ５０を挿入してスプレツダ２
０やフイン２６を清掃できるので、微粉ピツチ等
の付着成長によりバーナ性能が劣化したり使用不
能になることを予め防止し、燃焼の安定化を達成
できる。特に清掃作業はバーナ燃焼を停止させる
ことなく実施できるので運転効率を悪化させるこ
とがなく極めて有益である。

なお、上記実施例では環状通路２４内にクリー
ナパイプ５０を挿通する構成としたが、スプレツ
ダ２０の中心部から挿通し、フイン２６の前縁に
向けて蒸気を噴射させるように構成してもよい。
この場合には、第４図に示すように、クリーナパ
イプ５０の先端噴射口５２Ａを釣針状に形成し、
噴射方向が中心からフイン２６に向うように設定
すればよい。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、バーナ
停止を行うことなくスプレツダやフインに付着し
たカーボンの除去、清掃ができるので、効率よく
バーナ性能の劣化を防止できるというすぐれた効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例のクリーニング装置を備えたバ
ーナ装置の概略構成図、第２図はアスピレーシヨ
ンノズルの断面図、第３図はクリーナパイプの側
面図、第４図はクリーナパイプの他の例を示す先
端噴射口断面図である。 １０……ボイラ火炉、１６……バーナ、１８…
…バーナスプレツダ、２０……バーナノズル、２
４……環状通路、２６……スプレツダフイン、３
０……チヤンバ外壁、３４……アスピレーシヨン
エアノズル、４０……円周吹出口、４６……プラ
グ、４８……中心孔、５０……クリーナパイプ、
５２，５２Ａ……噴射口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒状のバーナノズルとその中心部に配置され
   たバーナスプレツダの間に形成される円環流路に
   微粉燃料を通流し、先端に設けたスプレツダフイ
   ンを介してボイラ火炉内に燃料噴射をなすバーナ
   のクリーニング装置であつて、少なくとも前記円
   環流路の端壁部に円周吹出口を有するアスピレー
   シヨンエアノズルを取付けし、このアスピレーシ
   ヨンエアノズルの中心孔に装着され円環流路を通
   して先端を前記スプレツダフインに向けた蒸気噴
   射用のクリーナパイプを着脱可能に取付けてなる
   微粉燃料用バーナクリーニング装置。