JPH0240527Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、米、麦、籾等の穀類の含水率を測定
する電気抵抗式穀類水分計の電極装置に関し、特
に、上下電極間に一定量の穀類を試料として挾持
し、上下電極間を所定間隔に保ち所定圧力を試料
に加えてその電気抵抗を測定するようになつた電
気抵抗式穀類水分計の電極装置に係る。

上記型式の電気抵抗式穀類水分計では、その測
定の再現性を高めるためには、下記の条件が要さ
れる。すなわち １ 試料量を所定量に一定にとどめること、 ２ 電極間を所定の間隔に保持すること、 ３ 一定の所定圧力を試料に加えること、 である。

一定の所定試料量とするためには、計量スプー
ンにより試料を所定試料皿に測りとるようにされ
る。このようにして試料を受けた試料皿を電極装
置の弾性支持された下部電極上に載置して後、上
部電極の電極面を試料に押圧して試料に圧力を与
えるのであるが、試料を押圧するのに際しての上
部電極の下降停止位置と下部電極の弾性支持力を
あらかじめ相関的関係で調整しておけば、上部電
極を上記調整された下降停止位置まで下降させれ
ば、上下電極間に所定間隔が得られるとともに試
料には所定圧力が加えられる。

以上のような構成により、試料皿に所定量の試
料をとり、試料皿に一様に分布させれば、含水率
測定の精度は向上し再現性が高いものとなる。し
かしながら所定量の試料を測りとり、試料皿に一
様に分布する作業は一見簡単なようでなかなかめ
んどうであるため、水分計使用者はすなおにこの
作業を行なわず、試料皿に適当に試料をとり、こ
れで含水率を測定してしまう。電極装置の電極間
の間隔ならびに試料加圧圧力は試料皿に試料が一
定の所定量がとられていることを前提に調整せら
れているから、試料量が異なれば、当然精度のあ
る含水率測定は期待できなくなる。

本出願人の行つた実験によれば規定通りに玄米
試料を採出して水分測定を行つた場合の平均値
15.0％。試料を山盛に採出して測定した場合は
15.22％と指示される。又板バネ１１の圧力が低
下すると、14.69％と0.31％も低く指示される。
このように下部電極を弾性支持する弾性体は、長
期間の使用によりその弾性力が劣化するので、所
定圧力を得るために再調整が要される。しかしな
がら弾性力の劣化を調べるには、特殊工具を用い
た測定を行わなければならない。

本考案は、以上の従来の電気抵抗式水分計の電
極装置に鑑みなされたもので、穀類の含水率測定
時に所定圧力が試料に加えられるかどうかを確か
めることができるようになつた電極装置を提供す
るものである。

本考案によれば、本体と、本体に押し下げ可能
に取付けた上部電極と、上部電極と対向させて本
体に弾性支持された下部電極とを有する電気抵抗
式水分計において、上部電極又は下部電極に圧力
センサを埋設し、圧力センサにより所定圧力の達
成を確認することを可能にした電気抵抗式水分計
の電極装置が提供される。

本考案を以下に実施例の形で添付図とともに実
施例の形で詳細にわたり説明する。

第１図は電気抵抗式水分計の概略的説明図を示
すもので電極装置は、上部電極１と下部電極２と
で図示されているこの電極間１，２に所定量の試
料Ｇを受けた試料皿５が配置される。上部電極１
を電極間に所定間隙を得るように所定位置まで押
し下げて試料を電極面１ａで押圧して通電させれ
ばメータ４で含水率が表示される。なお図中参照
番号４０は後述する電気抵抗式水分計の電気回路
である。

第２図において、本考案の一実施例である電極
装置が一部切欠かれて側面図で図示されている。

第２図において、参照番号７は、本体８に設け
られた試料皿５の挿入口であり、参照番号９は、
下部電極２に設けられた金属板、参照番号１１
は、ボルト１０により本体８の下面にその一端に
おいて取付られ、他端の自由端で調整ねじ１２を
担持する一対の板バネである。上部電極１は本体
８に埋設された金属製角雌ねじ１８にハンドル１
６をねじることによりねじこまれて下降する。ハ
ンドルストツパ１３がストツパーリング１４に衝
接するまでハンドル１ｂをまわせば、電極間に試
料を挾持した状態で、電極面１ａと金属板９の間
に所定間隔を得るとともに、板バネ１１の偏位に
より所定圧力が試料に加えられる。板バネ１１は
調整ネジ１２を調整することにより加圧力を調整
可能である。

下部電極２の底面には浅い凹所が設けられここ
に圧力センサ２０が埋設されているので、これに
より試料に加圧される圧力を知ることができる。

第３図は、下部電極２を透視図で示すものであ
り、圧力センサ２０は、上部電極面１ａの中心線
にそつて金属板９の直下に埋設されている。参照
番号２１は信号取出しリード線であり、圧力検出
信号処理回路３０に接続されている（第４図参
照）。

第４図は、本考案の上述実施例の電極装置を有
する電気抵抗式水分計の回路図を示し、図中、点
線で囲んだ部分は、上述の圧力検出信号処理回路
３０である。

電極１，２間に挾持された試料の電気抵抗信号
は、抵抗−電圧変換回路２２により電圧信号に変
換され、演算記憶回路２４で積算されて平均値を
得、この値が含水率として表示部２５で表示され
る。

圧力センサ２０からの圧力信号は、リード線２
１より増幅回路２６、ゲート回路２７を通つて混
合比較回路２８に入力される。比較回路２８は、
加圧力が所定圧力の場合、ゲート回路２７からの
圧力信号が入力された時、水分測定信号を送り、
表示部２５で含水率を表示させる。しかしながら
加圧力が所定圧力からずれた場合に、比較回路２
８は、水分測定信号をストツプして表示部２５に
加圧力が所定圧力よりずれている旨の注意信号、
ならびにずれ量等を表示させる。

なお板バネ１１の劣化などにより、加圧力がわ
ずかにずれた場合には、これを補正すべく比較回
路２８を動作させ、検出した圧力信号により水分
測定信号を補正して正しい含水率を表示部２５で
表示させることもできる。

以上本考案を実施例の形で説明したが、本考案
は上記実施例のみに限定されず、実用新案登録請
求の範囲で限定される範囲内で様々に変更可能で
ある。例えば、加圧力のずれを表示部２５で注意
表示をするばかりでなく専用表示部を用いること
又音声により注意を与えるようにすることも本考
案の範囲内である。又上下に対向配置した電極構
造以外にも左右に対向配置した電極構造も同様に
本考案の技術的範囲と考えられる。以上本考案は
圧力機構の自己検定が可能な電気抵抗式穀類水分
計を提供するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、電気抵抗式水分計の概略説明図を図
示する図。第２図は、本考案の一実施例を一部切
欠いて側面図で図示する図。第３図は、第２図に
ける実施例の本考案の中心部たる電極を透視図で
図示する図。第４図は、第２図の実施例における
電極装置を用いた電気抵抗式水分計の回路図を図
示する図。 １……上部電極、２……下部電極、５……試料
皿、８……本体、９……金属板、１１……板バ
ネ、２０……圧力センサ、２５……表示部、３０
……検出圧力信号処理回路部、４０……電気抵抗
式水分計回路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 本体と、表示部と、本体に押し下げ可能に取
   付けた上部電極と、上部電極と対向させて本体
   に弾性支持された下部電極とを備えた電極装置
   を有する電気抵抗式穀類水分計において、 上部電極又は下部電極に圧力センサーを埋設
   させ、しかして本体に検出圧力信号処理回路を
   備え、圧力センサーにより測定試料の加圧力を
   測定して、該加圧力に相当する信号を検出圧力
   信号処理回路に出力し、検出圧力処理回路で該
   信号を所定値と比較して測定圧力と所定圧力と
   の差に相当する信号を表示部に出力するように
   なつていることを特徴とする電気抵抗式穀類水
   分計。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項に記載の電気
   抵抗式穀類水分計において、前記表示部は、試
   料の測定水分値を表示するものであり、前記加
   圧力が所定圧力よりずれた場合、測定水分値を
   補正して表示するようになつている電気抵抗式
   穀類水分計。