JPH0239994Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (1) 産業上の利用分野 この考案は触媒など耐圧強度が低く破壊され易
い成形物の運搬用袋に関するものである。

(2) 従来の技術 従来、前記のような成形物は、外部からの圧力
あるいは運搬中の振動によつて破壊されないよう
に、ドラム缶などの堅い強靭な外壁構造の容器に
入れられて運搬されるのが一般的である。しか
し、このような容器を用いた場合、容器の再使用
のとき成形物を入れたときとあまり変らない容積
の空の容器を成形物充填場所まで運搬せざるをえ
ず、運搬に不便であるとともに、保管場所として
も広いスペースを必要とするなど種々の欠点があ
つた。

(3) 目的 この考案は上記従来のもののもつ欠点を排除
し、運搬に便利で、保管にも広いスペースを必要
としない運搬用袋を提供することを目的とする。

(4) 構成 前記目的を達するためにこの考案に係わる運搬
用袋は、頂部に成形物充填用の開口、底部に成形
物排出口を有し、内部に成形物が充填することに
より略直方体に形成される可撓性の外袋と、頂部
に成形物充填口を有し、破断可能な可撓性の内袋
とを具えた耐圧強度の低く破壊され易い成形物の
運搬用袋であつて、前記外袋の各方形内側面にそ
のほぼ全面にわたり側袋を設け、この各側袋に、
該側袋より大きさがやや小さい補強板を取出可能
に収納し、かつ外袋の頂部近傍に吊り部を設けた
ことを特徴とするものである。

以下、この考案の好適な一実施例を図面を参照
して説明する。

第１図は成形物充填前の状態の運搬用袋１を示
す縦断正面図、第２図は平面図、第３図は底面図
である。袋１はポリプロピレンなど合成樹脂から
なる可撓性で、かつ引張強度の比較的大きい直方
体形状の外袋２と、成形物が直接充填されるビニ
ール製内袋３を有する二重構造となつている。外
袋２には頂部に成形物充填用の開口４が、底部に
成形物排出口５がそれぞれ設けられている。開口
４は開放時、外袋２の外側部とほぼ同じ程度開放
し、その周縁部をひも６で締めることによつて閉
鎖されるようになつている。また、排出口５は成
形物の排出が可能な程度の小径円筒部に形成さ
れ、排出前の状態においてはひもで締められて外
袋２の内側に折畳まれている。外袋２は各方形内
側面に補強用ダンボール板８を収納して保持する
側袋７をそのほぼ全面に有しており成形物充填に
際しては側袋７に補強用ダンボール板８を収納し
たうえ側袋７をひも９で閉じることができ、成形
物が充填されない空の場合は補強用ダンボール板
８を側袋７から取り出しが出来る様になつてい
る。内袋３に充填された成形物は、補強用ダンボ
ール板８により外袋２の外部からの圧力が伝わら
ないようになつている。１０は外袋２の外側部上
縁に取付けられた運搬用の吊りひもである。内袋
３は頂部に成形物充填口１１を有しており、かつ
破断可能となつている。

前記のように構成された袋１に成形物を充填す
るには、袋１を図示しない充填台に載置した後、
外袋２の開口４を開放し、この開放された開口４
から内袋３の充填口１１を外部に表出させたう
え、該充填口１１から外袋３内に成形物を充填す
る。成形物が内袋３内に一杯になつてくると、成
形物は内袋３を介してダンボール板８を外側に押
圧し、これによつて外袋２の周壁も緊張される。
そして、一杯になつたところで内袋３の充填口１
１をひもなどで閉じるとともに、外袋２の開口４
をひも６で締めて閉じ、運搬することになる。保
管に際しては、吊りひも１０にロープなどを掛
け、クレーンなどで袋１を吊り下げた状態で所定
の位置まで運搬したり、あるいはこのように吊り
下げた袋１をトラツクなどへ積込み、所定の場所
へ運搬して保管するのであるが、袋１は積み重ね
る袋との間にダンボール板を敷くことにより、ド
ラム缶などの堅い強靭な外壁構造の容器と同様に
積み重ねて保管することができる。また袋１は運
搬中の振動等によつて外部の圧力が袋１にかかる
ことがあつてもダンボール板８によつてそれが抑
止され、成形物が破壊されるようなことがない。

一方、充填した成形物を排出するには、前記の
ように袋１を吊り下げて排出場所に位置させた
後、外袋２の折畳んである筒状排出口５を下方に
引出し、この排出口５を臨む内袋３の底壁をカツ
タなどで破断する。これにより内袋３内に充填さ
れている成形物は該破断された部分から外袋２の
排出口５を経て下方に落下して排出される。成形
物が排出された空の袋１は側袋７から補強用ダン
ボール板８が取り出された後、適宜の形に折畳ま
れて充填場所に運搬され再使用に供されるが、こ
の際内袋３は使い捨られる。

尚、ダンボール板８は、補強できるものであれ
ばほかの材質、たとえば合樹脂製板を用いもよ
く、また、外袋２は、可撓性を有するものであれ
ば合成樹脂でなく、他の材質でもよい。

(5) 効果 この考案は前記のようであつて、頂部に成形物
充填用の開口、底部に成形物排出口を有し、内部
に成形物が充填することにより略直方体に形成さ
れる可撓性の外袋と、頂部に成形物充填口を有
し、破断可能な可撓性の内袋とを具えた耐圧強度
の低く破壊され易い成形物の運搬用袋であつて、
前記外袋の各方形内側面にそのほぼ全面にわたり
側袋を設け、この各側袋に、該側袋より大きさが
やや小さい補強板を取出可能に収納し、かつ外袋
の頂部近傍に吊り部を設けたので、積み重ねられ
る袋との間に適宜の補強板を介在させることによ
り、ドラム缶などの堅い強靭な外壁構造の容器と
同様に積み重ねて保管することができる。また、
運搬中の振動等によつて外部の圧力が袋の側壁に
かかることがあつても補強板によつてこの圧力を
抑止することができ、成形物に圧力が直接伝わる
のを防ぐことができるから、成形物の破壊を確実
に防ぐことができる。また、袋は可撓性を有する
ため、成形物が充填されない状態、たとえば充填
した成形物を排出し、袋を再使用のため充填場所
に運搬する場合においては、側袋から補強板を取
り出すことにより折畳むことができ、しかも軽量
なので運搬が非常に便利となり、さらに折畳みに
よつて大量の袋を限られた狭いスペースに保管し
ておくことができる。さらにまた、成形物の充填
に際し、各側袋に補強板を収納することによつて
外袋を該補強板で略直方体に形態保持できて、外
袋内における内袋への成形物の充填を容易に行な
うことができるとともに、補強板も外袋と内袋と
の間の周方向位置がずれることなく、その位置が
各側袋によつて安定的に保たれるという優れた効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の運搬用袋を示す縦
断正面図、第２図は平面図、第３図は底面図であ
る。 １……運搬用袋、２……外袋、３……内袋、４
……開口、５……排出口、７……側袋、８……ダ
ンボール板、１０……吊りひも、１１……充填
口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 頂部に成形物充填用の開口、底部に成形物排出
   口を有し、内部に成形物が充填することにより略
   直方体に形成される可撓性の外袋と、頂部に成形
   物充填口を有し、破断可能な可撓性の内袋とを具
   えた耐圧強度の低く破壊され易い成形物の運搬用
   袋であつて、前記外袋の各方形内側面にそのほぼ
   全面にわたり側袋を設け、この各側袋に、該側袋
   より大きさがやや小さい補強板を取出可能に収納
   し、かつ外袋の頂部近傍に吊り部を設けたことを
   特徴とする成形物の運搬用袋。