JPH0239725Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は刃物研磨機における研磨角度の調節
装置に関するもので、その目的は刃物、とくにか
んな刃を固定した刃物台を容易かつ円滑に移動調
節しうる研磨角度調節装置を提供することであ
る。

続いて、本考案の一実施例を図面にしたがつて
説明すると、図中、１は刃物研磨機Ｋのベースで
あつて、その上面には平面状の前スライド面１ａ
とＶ溝状の後スライド面１ｂとがそれぞれ横方向
に形成される一方、その中央部後方には垂直状の
研磨面T₁をもつ砥石Ｔが前後方向への移動調節
可能に可転軸支されている。

２はベース１上に対し前後スライド面１ａ，１
ｂを介して水平スライド可能に横置されたスライ
ダであつて、ハンドル３の回動操作にて左右方向
へ進退動される。

４，４はスライダ２の左右端部上面にそれぞれ
取着された左右１対のサポートであつて、その上
端には前上りの円弧状に形成された彎曲部４ａが
それぞれ横出されるとともに、この両彎曲部４ａ
の表面にはそれぞれ案内面５が凹円弧面状に形成
され、さらに両彎曲部４ａにそれぞれ調節孔４ｂ
が長孔状に貫設されている。

６はサポート４の案内面５の円弧中心位置を変
位するための調整ボルトである。

７は両サポート４間に横架されて両端支持され
た刃物台であつて、刃物支持部７ａと、同部７ａ
の両端に対しサポート４の彎曲部４ａに対向して
それぞれ横出された左右のスライド部７ｂとを備
え、両スライド部７ｂの下面にはサポート４の案
内面５と同曲率半径をもつ凸円弧面状の摺接面８
がそれぞれ形成されていて、刃物台７は両サポー
ト４に対し案内面５の円弧中心を回転中心とする
円弧状の移動可能に支持されるとともに、サポー
ト４の調節孔４ｂを貫通するボルト９にて移動調
節可能に締着されている。

１０〜１０は研磨される刃物１１を刃物台７に
対し傾斜状に挾着固定するために刃物台７の刃物
支持部７ａにボルト１２を介して締着された固定
金具、１３は刃物１１を刃物支持部７ａの表面に
沿つて上下に移動調節するためのボルトである。

１４はスライダ２の中央部上面に下端支持され
たねじ棒であつて、その先端部にはハンドル１４
ａを備える一方、その基端部には支持部となる球
体１４ｂが形成されていて、この球体１４ｂはス
ライダ２の中央部上面に凹設されて角錐状の底面
をもつ係止孔１５と、この係止孔１５を蓋覆して
スライダ２に止着されかつ縦長状の透し孔１６ａ
をもつ蓋板１６とにより形成された係合部１７内
に嵌入されていて、ねじ棒１４は球体１４ｂを介
してスライダ２に対し回動および係合部１７を支
点とする前後方向（第１図において）への揺動可
能に枢支される。

１８，１８は刃物台７の刃物支持部７ａの中央
部下面に対し相対向状に止着された左右１対の支
持板、１９は両支持板１８に対し両側の支軸１９
ａ，１９ａを介して可転軸支されかつねじ棒１４
に螺嵌された連動部材であつて、ハンドル１４ａ
を介してねじ棒１４を回動したときには連動部材
１９が螺進若しくは螺退して刃物台７がサポート
４の案内面５に沿つて円弧動され、刃物１１がほ
ぼ刃先１１ａを中心として傾動されるとともに、
刃物１１の刃先１１ａに対する研磨角度ａが微動
状に調節される。

２０は刃物１１に対する研磨角度ａを刃物台７
の摺転量に置換して表示するために両サポート４
の彎曲部４ａの外側面にそれぞれ表記された度数
目盛であつて、刃物台７が摺転したときには刃物
１１の研磨角度ａが刃物台７に設けた矢印２１に
てほぼ刃物１１の刃先１１ａと基端１１ｂとの移
動半径差だけ拡大されて表示される。

次に、上記した構成をもつ実施例の作用と効果
を説明する。

さて、刃物１１に対する研磨角度ａを調節する
に際し、ボルト９に仮締めした状態でねじ棒１４
のハンドル１４ｂを回動すると、ねじ棒１４は連
動部材１９の進退動に追従して球体１４ｂを支点
として前後方向に揺動されるため、連動部材１９
を介して刃物台７をサポート４の案内面５に沿つ
て無理なく円弧移動させることができ、砥石Ｔに
て研磨される刃物１１の傾斜角度を円滑に微動調
節することができる。

従つて、刃物１１に対する研磨角度ａを連動部
材１９との連係動作に基づいて揺動されるねじ棒
１４の回動操作によつて円滑かつ容易に調節しう
る効果がある。

また、研磨される刃物１１の刃先１１ａの位置
を刃物台７の円弧移動中心にセツトしておけば刃
物台７を円弧移動させた場合に刃物１１の被研磨
面が刃先１１ａを中心として傾動して刃物１１ａ
が砥石Ｔに定位置で対接するため、刃物１１を常
に最適位置で研磨することができ、刃物１１に対
する研磨角度を容易かつ正確に設定しうる効果が
ある。

本考案は前記したように構成してあるので、研
磨される刃物の刃先位置を刃物台の円弧移動中心
にセツトしておけば刃物台を円弧移動させた場合
に刃物が刃先を中心として傾動して刃先が砥石に
定位置で対接し、刃物を常に最適位置で研磨する
ことができ、刃物に対する研磨角度を容易かつ正
確に設定しうる効果がある。

また、刃物に対する研磨角度を調節して刃物を
研磨するに際し、刃物を回転軸とともに回動する
刃物取付台の先端部に取付け、この刃物取付台を
回動調節して刃物を傾動調節する場合には刃物の
刃先が刃物取付台の回動中心から離隔した位置で
円弧移動して回転軸がわずかに回動しても、刃物
の刃先の円弧移動距離が大幅に拡大されるので、
刃物に対する研磨角度の精細な調節が困難となる
のに対し、本考案の研磨角度の調節装置では、凹
円弧面状の案内面で案内されて円弧移動する刃物
台の円弧移動中心側に刃物が配設され、刃物が刃
先を中心として傾動調節されるので、刃物台の円
弧移動距離に対する刃物の傾斜角度を大幅に縮小
することができ、刃物に対する研磨角度の精細な
調節が可能となる効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は刃物研磨機の正面図、第２図は第１図のＷ−Ｗ
線拡大矢視図、第３図は同じくＸ−Ｘ線拡大断面
図、第４図は同じくＹ−Ｙ線拡大断面図、第５図
は第３図のＺ−Ｚ線拡大矢視図である。 １……ベース、２……スライダ、４……サポー
ト、５……案内面、７……刃物台、８……摺接
面、１４……ねじ棒、１４ｂ……球体、１９……
連動部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刃物を固定した刃物台がベース上に対し水平ス
   ライド可能に横置されたスライダ上に左右１対の
   サポートを介して支持された刃物研磨機におい
   て、前記刃物台には刃物を傾斜状に挟着固定する
   ために形成された刃物支持部と、この刃物支持部
   の両端にそれぞれ連接された左右１対のスライド
   部とを設け、前記刃物支持部には刃物をこの刃物
   支持部の表面に沿つて移動調節するためのボルト
   を設け、前記両スライド部には前記刃物の刃先付
   近を中心として凸円弧面状に湾曲された摺接面に
   形成する一方、前記両サポートには前記摺接面に
   対接して前記刃物台を前記刃物の刃先付近を中心
   として円弧移動調節するために前記摺接面と同曲
   率半径で凹円弧面状に湾曲された案内面をそれぞ
   れ形成し、さらに、前記刃物台を移動調節操作す
   るために設けたねじ棒を、前記刃物台に対し水平
   軸線回りの回動可能に支持された連動部材に螺嵌
   して前記刃物台に連繋するとともに、前記ねじ棒
   の下端に設けた球体を前記スライダに形成した係
   合部に係合して前記ねじ棒を前記スライダに対し
   回動および前記球体を支点とする揺動可能に枢支
   したことを特徴とする刃物研磨機における研磨角
   度の調節装置。