JPH0239346Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は、雄コネクタに雌コネクタのコンタク
トを圧入係止する電子回路パツケージ用コネクタ
における前記コンタクトのシーケンス構造に関す
る。

〔従来技術〕

一般に、電子回路パツケージ（以下、パツケー
ジと記す。）と印刷配線板（以下、バツクボード
と記す。）を接続する際に、電子回路パツケージ
の誤動作等を防止する目的でパツケージとバツク
ボードとを接続するコネクタにシーケンスを持た
せる必要がある。

そこで、従来の電子回路パツケージ用コネクタ
のシーケンス構造を第２図〜第５図に基づいて説
明すると、第２図は列単位でシーケンスを持つ電
子回路パツケージ用コネクタの平面図、第３図は
第２図の−線断面図、第４図は雄コンタクト
とコンタクトとの要部斜視図、第５図はコンタク
トを雌ハウジングに圧入する状態を示す平面図で
ある。

同図において、１は雄コネクタで、絶縁材から
なる雄ハウジング２を取付けたバツクボード３に
雄コンタクト４を縦横複数並列に圧入ばめし、必
要に応じてはんだ付けにて接続する。５は雌コネ
クタで、前記雄コンタクト４の先部が挿入する孔
６を縦横複数並列に穿設した雌ハウジング７と、
該雌ハウジング７をねじ８により取付けるパツケ
ージ９と、該パツケージ９に接続するコンタクト
１０とからなる。尚、前記コンタクト１０は、プ
レス抜きでキヤリア１１と一体形成して大略くし
歯状にし、後部に前記キヤリア１１との折断用に
Ｖ溝部１２を形成すると共に、先部に凸状の切欠
１３を形成することにより、該切欠１３に隣接す
る接続部１４で接続し合うへ字状の相対向する先
端側の接点部１５と後端側の接点部１６とを形成
し、更に前記接続部１４に前記雌ハウジング７と
圧入係止するための円ボス１７を２個所引出し形
成する。

このような構成の電子回路パツケージ用コネク
タは、コンタクト１０の先部を雌ハウジング７の
孔６に圧入係止して雌コネクタ５を組立てる際、
第５図に示す如くコンタクト１０を１列単位で雌
ハウジング７に圧入係止することにより、コンタ
クト１０の圧入係止位置を１列単位で変えて第３
図に示す如くシーケンスを持たせ、コンタクト１
０のＶ溝部１２でキヤリア１１と折断分離し、コ
ンタクト１０をパツケージ９と接続して雌コネク
タ５を組立てている。

従つて、雄コネクタ１と雌コネクタ５とを接続
すると、該雌コネクタ５のコンタクト１０の圧入
係止位置を１列単位で変えているため、１列単位
で該コンタクト１０と雄コネクタ４の雄コンタク
ト４との接続が時間的にずれてシーケンスを持
つ。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、前記した電子回路パツケージ用
コネクタは、雌ハウジングにコネクタを一列単位
で圧入係止するため、一列単位でしかシーケンス
を持つことができず、同列内でのシーケンスを持
たせることができないと言う問題がある。

〔考案の目的〕

本考案は、前記した問題点を解決するためにな
されたものであり、その目的は、コネクタの同列
内でのシーケンスを持たせることにより性能の向
上をはかり、しかも容易にその製造ができるよう
にすることにある。

〔考案の構成〕

前記目的を達成するため、本考案は、コンタク
トの任意の接点部を折断分離できるようにコンタ
クトの接続部にＶ溝を形成することを特徴とす
る。

〔作用〕

このような特徴を有する本考案は、必要に応じ
てコンタクトの任意の接点部をＶ溝で折断分離
し、雄コンタクトが前記接点部を折断した分だけ
時間的に遅れてコンタクトに接続するようにした
ことによりシーケンスを持たせてある。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図及び第６図〜
〜第９図に基づいて説明する。

第１図は本実施例の平面図、第６図は第１図の
−線断面図、第７図はコンタクトと雄コンタ
クトの要部斜視図、第８図は先端側の接点部を折
断したコンタクトの要部斜視図、第９図はコンタ
クトを雌ハウジングに圧入する状態を示す平面図
であり、同図において１８は雌コネクタで、コン
タクト１９の先部を圧入係止する孔２０を雌ハウ
ジング２１に縦横複数並列に穿設し、該ハウジン
グ２１をパツケージ２２にねじ２３により固定す
る。

尚、前記コンタクト１９は、プレス抜きでキヤ
リア２４と一体形成して大略くし歯状にし、後部
に前記キヤリア２４との折断用にＶ溝部２５を形
成すると共に、先部に凸状の切欠２６を形成する
ことにより該切欠２６に隣接する接続部２７で接
続し合うへ字状の先端側の接点部２８と後端側の
接点部２９とを形成し、更に、先端側の接点部２
８を折断分離できるように前記接続部２７にＶ溝
３０を形成し、該Ｖ溝３０の両側の接続部２７に
それぞれ雌ハウジング２１の孔２０に圧入係止す
るための円ボス３１を２個所ずつ引出し形成す
る。

３２は雄コネクタで、絶縁材からなる雄ハウジ
ング３３を取付けたバツクボード３４に雄コンタ
クト３５を縦横複数列に圧入ばめし、必要に応じ
てはんだ付けで接続固定する。

次に、前記構成の作用を説明すると、図におい
て横方向の列のコンタクト１９にシーケンスを持
たせる場合、該コンタクト１９の先部に形成した
Ｖ溝３０で任意の先端側の接点部２８を第８図及
び第９図に示す如く折断分離し、雄コンタクト３
５とコンタクト１９との接続が遅れるようにす
る。

すなわち、コンタクト１９の先端側の接点部２
８がない分だけ時間的に雄コンタクト３５が後端
側の接点部２９に遅れて接続し、同列内にてシー
ケンスを得るようになる。

また、図において縦方向の列のコンタクト１９
にシーケンスを持たせたい場合、第９図に示す如
く１列単位でコンタクト１９を雌ハウジング２１
に圧入係止することにより、コンタクト１９の圧
入係止位置を第６図に示す如く１列単位で変えて
シーケンスを持たせる。すなわち、コンタクト１
９を雄コンタクト３５の挿入口側に近ずければ早
く雄コンタクト３５に接続し、またコンタクト１
９を雄コンタクト３５の挿入口側から遠ざければ
遅く雄コンタクト３５に接続するようになつてシ
ーケンスを持つようになる。

尚、雌コネクタ１８は、雌ハウジング２１の孔
２０にコンタクト１９の先部を圧入係止してその
Ｖ溝部２５でキヤリア２４と折断分離し、このコ
ンタクト１９とパツケージ２２とを接続して組立
てる。

また、本実施例では先端側の接点部と後端側の
接点部との対向２接点としたが３接点以上の接点
部を有するコンタクトに応用してもよい。

〔考案の効果〕

前記した如く、本考案に係るシーケンスを持つ
電子回路パツケージ用コネクタによれば、コンタ
クトの任意の接点部だけを折断分離できるように
コンタクトの接続部にＶ溝を形成し、該Ｖ溝で任
意の接点部を折断分離して該接点部の分だけ時間
的に雄コンタクトとの接続を遅らせたため、同列
内でのシーケンスを容易に持つことができる効果
がある。

更に、コンタクトの製造工程は、従来の製造工
程とほとんど同じであり、特に追加工等の必要は
なく製造性がよく、更に安価に製造できる効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す平面図、第２
図は従来例の平面図、第３図は第２図の−線
断面図、第４図は雄コンタクトとコンタクトの要
部斜視図、第５図はコンタクトを雌ハウジングに
圧入する状態を示す平面図、第６図は第１図の
−線断面図、第７図は本実施例の雄コンタクト
とコンタクトの要部斜視図、第８図は先端部の接
点部を折断分離したコンタクトの斜視図、第９図
はコンタクトを雌ハウジングに圧入する状態を示
す平面図である。 １８……雌コネクタ、１９……コンタクト、２
６……切欠、２７……接続部、２８，２９……接
点部、３０……Ｖ溝、３２……雄コネクタ、３５
……雄コンタクト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 雄コンタクトを縦横に複数並列配置した雄コネ
   クタと、前記雄コンタクタと接続するコンタクト
   を有する雌コネクタとからなり、該雌コネクタに
   設けたコンタクトの先部に切欠を形成することに
   より、該切欠に隣接する接続部により接続し合つ
   た複数の接点部を形成した電子回路パツケージ用
   コネクタにおいて、任意の接点部だけを折断分離
   できるようにコンタクトの接続部にＶ溝を形成
   し、該Ｖ溝で任意の接点部を折断分離して該接点
   部の分だけ時間的に雄コンタクトとの接続を遅ら
   せたことを特徴とするシーケンスを持つ電子回路
   パツケージ用コネクタ。