JPH0239312B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は静電塗装、更に好適には手持ち式塗装
装置の改良に関する。

静電塗装は開発の進んだ技術である。従来の塗
装装置においてはペイント、ニス又はラツカ等の
流体塗布材料は噴霧化又は粒子化された状態で噴
射器具から目的物に向けて前方に吹きかえられ
る。塗装されるべき目的物は電気的に接地され、
塗布材料は例えばガンから噴射される直前又は直
後に電荷を付与されて目的物に向かつて電気的に
引き寄せられることとなる。

このような装置では、噴射器具の典型的なもの
はガンを動かす作業者が手に持つて均一で滑らか
な塗膜を目的物に形成するようになつている。か
かるガンにあつては、ガンが軽量で、コンパクト
でしかもバランスがとれていることが極めて重要
である。作業者が長時間にわたつて呆きることな
く作業を続けることができるためである。同時に
ガンは運搬に便利で、信頼性が高く、かつ修理が
容易であることが必要とされる。

すなわち、通常の操作においては、ペイント等
の塗布材料は噴射流及びフアンを形成する空気を
制御するバルブアセンブリ等を摩耗させ易い。こ
れは静電スプレガンに特有の問題である。ペイン
トそのものがガンに引きつけられ易く、ガンの内
部に侵入してその特性によりバルブの構成部品を
摩耗させる。バルブ部品が摩耗し始めるともれが
生じ、ガンの効率が低下する。従来のガンは構造
が複雑で、バルブ内部の修理が容易でなかつた。
そのために修理時にはガンを取り外すことが必要
となつて、時間がかかつていた。

静電プレス塗装には高電圧が加わつているの
で、組立て及び操作時には安全手段が必要であ
る。例えば塗装時には今日使用されている塗装材
料は粉末を含んでおり、塗装がされる場所が発火
し易い雰囲気となる。ガン内の高圧の静電エネル
ギ回路がガンの金属部品にエネルギを貯える。従
つて仮にガンが接地された目的物に接近しすぎる
と、上記回路と目的物との間にスパークが生じ、
発火し易い雰囲気に点火されることとなる。貯え
られるエネルギは電圧の二乗に比例して増加す
る。

本発明の目的はこれまで市販されているものに
比べて構造が簡単で、軽量で、コンパクトかつバ
ランスの良い改良された静電スプレ装置（ガンが
一般的）を提供することにある。例えば、現在市
販されている典型的なガンは31オンス程度があ
る。それが本発明のガンでは22オンス程度まで軽
くなる。この重量面における減少は、伸ばした腕
と手で長時間ガンを支えなければならない作業者
にとつては極めて意義深いことである。

信頼性が高く修理性に秀れたガンを提供するこ
とが本発明の別の目的である。本発明に係るガン
構造は簡単で、すべての内部作用が一直線の通路
で行なわれ、ガンのバレルアセンブリに外部から
取り外し可能に取り付けられたエヤーバルブ基体
を備えている。この基体はユニツトとしてガンか
ら取り外され、直ちに他の基体と置換されるの
で、作業の継続は殆ど妨げられない。バルブは時
間が許す時に修理すれば良い。本発明のガンでは
修理や摩耗部品の交換のために作業を中止する時
間が短くて済む。また本発明のガンは、貯えられ
るエネルギの容量が減少しているので、たとえ高
電圧下でも安全に作動する。ガンはノズルから突
出した材料噴射電極の近傍に抵抗を有しており、
ノズルはバレルアセンブリ内の抵抗と協働してノ
ズル内の抵抗の“上流”において電極自体のもつ
少量の容量的エネルギを除いて、ガン内に貯えら
れたすべてのエネルギを減衰させるうえで効果的
である。その結果、ガンは容量的に貯えられるエ
ネルギが減るので比較的高電圧下でも安全に作動
させることができる。ガンはまた材料が噴射され
るオリフイスの近くに材料の流通を制御するバル
ブを備えており、これによつて塗装作業間にノズ
ルの下流に残されるペイントの量が減少し、操作
が滑らかになり、検査、メンテナンス、修理及び
交換のために材料流通バルブに容易に近づくこと
ができることとなる。

本発明の更に別の目的は製作が容易かつ経済的
なガンを提供することにある。

これらの目的は新規でしかも独特の基体部を含
む改良されたガンによつて達成される。本発明の
望ましい態様においては、ガンは内部に高電圧用
電路を含む絶縁体製のバレルアセンブリと、これ
の前端に取り付けられた絶縁体製のノズルアセン
ブリとを含んでいる。ノズルアセンブリは非電導
性材料からなつており、ノズルの前端においてオ
リフイス内で終わる円形の流体通路と、ノズルの
内側でしかもオリフイスの近傍に形成された円す
い形のバルブとを備えている。ノズルの流体通路
は同一線上にあり、ガンのバレルの通路と連通し
ている。

エヤーバルブ基体はバレルの後端の外部に取り
外し可能に取り付けられている。基体は速やかか
つ容易に取り外されて交換される。基体はガンの
バレル内の通路と連通している。ガン前端のエヤ
ーキヤツプへの空気の流通は、基体に移動可能に
取り付けられたトリガ作動用バルブステムによつ
て制御される。バルブステムはバレルの後端に作
動的に連結されており、ガンのバレル内の材料流
通通路内において移動可能なロツドを引く。プル
ロツドは、先端がノズルのバルブシートに着座す
る円錐状チツプで終端するニードルに連結されて
いる。トリガの操作によるバルブステムの移動が
ころして間接的にニードルの移動を制御し、それ
によつてバレル内における材料の流通及びオリフ
イスからの噴射が制御されることとなる。

ニードルはその前端の内側に、そこから延びて
いる細くてワイヤ状の電極を含んでいる。電極は
オリフイスを通過して突出し、ノズルから噴射さ
れる材料の流れの内部に位置している。抵抗はガ
ンのバレルを通る高電圧の電気通路に金属製のス
プリングによつて接続されている。当該スプリン
グはニードルの前方及び後方への移動を許容する
とともに電気的結合をなす。

高電圧供給回路の伝達経路はガンのバレル通路
をスプリングに連結する小電極及び制御ロツドの
前端の抵抗につづくスプリングによつてオリフイ
スから突出したチヤージ用の電極に連なつてい
る。制御ロツド前端の抵抗及びバレルの電気通路
内のそれは、電極の後方すなわち“上流”に貯え
られたエネルギを効果的に減衰させる。ガン内に
貯えられたエネルギは電極自体の少量を除いて減
衰されることとなる。

本発明によれば市販されているガン、特にその
ハンドル部分に典型的に見出される多くの内部通
路が排除され、これによつて上述の利点に加え
て、製造上の利点が得られる。本発明はまた、塗
布材料及び空気通路と外部の材料供給源との連結
が改良され、材料流通制御バルブアセンブリのニ
ードルを材料流通路内のプルロツドへ取り付ける
にあたりその取付性が改良される。

本発明の他の目的及び利点は以下の詳細な説明
と図面とによつて明らかとなろう。

以下実施例を示す第１図乃至第５図をもとに説
明する。

図に示されているガン１０は空気流による空気
作動式の静電スプレーガンであつて、液体流が噴
霧化されるようになつている。ここではエヤーガ
ンが示されているが、本発明はあらゆる静電スプ
レーガンに等しく適用し得ることは言うまでもな
い。

ガン１０は電気的に接地されたハンドルアセン
ブリ１１、電気的に絶縁されたバレルアセンブリ
１２、該バレルの前端にあつて同様に絶縁された
ノズルアセンブリ１３及びバレルの後端にあつて
同様に絶縁されたエヤーバルブ基体１４から成
る。

バレルアセンブリ１２は三本の内部通路を含む
シンプルな構造である。ナイロン等絶縁材料とし
て公知の材質から成り、材料通路１８、電気通路
２０及び空気通路２２が形成されたナインボデイ
１６を備えている。空気通路２２はガン１０の前
端において、噴霧又はフアン状の空気がそれぞれ
ノズルアセンブリ１３に供給される一対の傾斜通
路２４及び２５を有している。

ハンドルアセンブリ１１は金属鋳造物、例えば
アルミニウム鋳造物からつくられている。その壁
部は例えば1/8インチ程度とうすく、内部には穴
及び通路を一切含んでいない。ハンドル１１は類
似した二つの半片（殻）２７及び２８から成り、
これらは互いにバレルアセンブリ１２の後部にス
クリユー３０によつて取り付け可能である。ハン
ドルアセンブリ１１は単にガンのクリツプ部を形
成するにすぎない。ハンドルアセンブリ１１の後
部にはアダプタ３２が設けられている。ペイン
ト、コーデイングされる性質の噴霧材料、ニスま
たはラツカ（本発明においては一般的にペイン
ト）は外部のタンクまたは貯蔵庫（図示せず）か
らアダプタ３２内を延びる流体通路３６に接続さ
れた水圧ホース３４を通して供給される。チユー
ブ３８がアダプタ３２とバレルアセンブリ下側の
内部通路４０との間に接続されている。通路４０
は円形の軸方向通路１８に連通している。通路１
８はその前端においてノズルアセンブリ１３（第
３図参照）中央の円形の軸方向通路４２に連通し
ている。通路１８と４２とはほぼ軸心が一致して
いる。トリガ４３は通路４２内のニードル及びシ
ートバルブを間接的に作動させノズル１３からの
流体の噴射を制御するものであるが、これについ
ては後述する。

アダプタ３２とバルブの入口通路４０とを結ぶ
材料運搬用のチユーブ３８はテフロンのような適
当なプラスチツク材料から成る。アダプタ３２及
び入口通路４０へのチユーブ３８の結合は一対の
類似した結合部材４４によつてなされている。第
３図をもとに入口通路４０側の結合部材について
述べるが、アダプタ３２へのそれについても事情
は同じである。結合部材４４はチユーブ３８に適
合される小径端４６と、入口通路４０に適合され
る大径端４８とからなる。小径端４６はその外径
がチユーブ３８の内径とほぼ等しく、一対の離れ
た直径の大きな円形のリブ５０を含み、小径端４
６はチユーブ３８が第１図及び第３図に示す状態
に組み立てられる以前にチユーブ３８に押し付け
られることとなる。結合部材４４の大径端４８は
Ｏリングシールが嵌合される円形の溝を備えてい
る。チユーブ３８をバレルに接続する時には、小
径端４６が圧入されているチユーブの端部を入口
通路４０内に挿入する。挿入時には、チユーブ３
８の端部は入口開口４０の壁面と円形のリブ５０
との間に押し込まれ、所定の位置に保持される。
そしてＯリング５２が流体のシール作用をなす。
結合部材４４は貫通通路５３を備えており、チユ
ーブ３８からのペイントはバレル１６の短い通路
５４を通つた後通路１８内に流入する。本発明の
目的に従つて、この結合は加工する上で安価であ
り、製造容易である。

エヤーホース（図示せず）がまたアダプタ３２
（第２図参照）に適当なカツプリングによつて接
続され、アダプタ内の通路を通して、例えばナイ
ロン等のプラスチツクから成つてアダプタ３２と
バルブ基体１４の入口ポート５８との間に延びた
チユーブ５６に連通している。チユーブ５６はハ
ンドル部をなす半片２７と２８との間に保持され
ており、流端において上記結合部材４４に類似し
た結合部材５９によつて取り付けられているが、
基体１４及びアダプタ３２に螺合される大径部を
備えている。

軸方向の通路におけるペイントの流通はコント
ロールロツドアセンブリ６０によつて制御され
る。当該ロツドアセンブリ６０はパツキングカー
トリツジ６４に取り付けられたプルロツド６２か
ら成る。カートリツジ６４はバレル１２の後端か
ら挿入され、カウンタボア６７に螺合されたリテ
ーナ６６によつて所定の位置に保持されている。
ガンの後端における材料のもれは、カートリツジ
６４の前端のシール６８及びリテーナ６６内のＯ
リング７０によつて防止されている。ロツドの後
端部はリテーナ６６内においてロツドワイパ７２
によつて支持され、バレル１２から外方に突出し
たねじ部７４で終端している。ねじ部７４にはア
ジヤステイングナツト７６が螺合されており、こ
のナツトとレバー８２に向つて付勢された部材８
０との間にはスプリング７８が配設されている。
レバー８２は、レバーとバレル端部との間に介在
されたボール８４のまわりに回転可能である。ア
ジヤステイングナツト７６はロツド６２の前端部
に取り付けられたニードル８６の調整を可能にす
るものであるが、これについては後述する。

プルロツド６２前端部のベローシール８８はロ
ツドが軸方向において前方または後方に移動する
ことを可能にしている。ベローシールの詳細につ
いては本発明の譲渡人に譲渡された米国特許第
4079894号に記載されている。以下の説明にはこ
の中の記載を引用するが、当業者には容易に構造
及び作動が理解できよう。プルロツド６２の前端
は、ベローシール８８の一端をプルロツド６２に
固定しているフエルール９２のすぐ前方に位置す
るねじ部９０で終端している（第５図参照）。

プルロツドの前端にはニードル８６が取り付け
られている。ニードルはロツド６２一端のねじ部
９０に螺合されたプラスチツク製のナツト９４に
よつて取り付けられている。ナツトの他端は半径
方向に分割されており、これによつて弾性があ
り、かつ拡大可能な部分９６が形成されている。
当該部分９６はニードル８６のノブ部分９７を受
け入れ可能となつており、ニードルはスプツプ式
にナツト９４に着脱されることとなる。ガンの組
立てに際しては、前方のねじ部９０にナツト９４
が螺合されたロツド６２がバレル１２の後端側か
らボア６７に挿入される。次にニードル８６をノ
ズル１２の前方端部９８から挿入し、初めにノブ
部分９７をナツト９４にスナツプ結合させる。ノ
ズルアセンブリ１３は所定の位置に螺合される。
ニードルは、この逆の手順によつて取り除かれ
る。

ニードル８６の先端は円錐状の先端部（チツ
プ）１００で終端している。先端部１００はノズ
ルアセンブリ１３の先端部１０４の内面座（シー
ト）１０２と共働してプルロツド６２で作動され
るニードル及びシートバルブアセンブリを形成す
る。ニードルの後端がナツト９４によつてプルロ
ツドの前端に取り付けられていることにより、ニ
ードルはノズルのシート１０２に軸心が一致し及
び着座する通路１８の中心軸から限られた量だけ
移動が可能となつている。すなわち、ノズル１３
がバレルの端部に螺合される時、シート１０２及
びニードルの先端部１００は後端のノブ９７のナ
ツト９４内における移動によつて軸心が一致する
ように係合する。さらにニードルはナツト９４内
で回転可能である。このようにノズルがバレルア
センブリに着脱されても、ニードルはノズルと係
合しているのでトルクを受けない。またニードル
にはこれを摩耗、損傷させたり、ベローシール８
８を破損させるような外力は作用しない。圧縮ば
ね１０６はコントロールロツドアセンブリ６０を
前方に付勢して通常の位置に保持する（第３図参
照）。

入口通路５８からバレルの空気通路２２への空
気の流通を制御するバルブ基体１４はトリガによ
つて作動されるバルブステム１１０と、空気入口
チヤンバ１１４と出口チヤンバ１１６との間の連
通を開閉するバルブシーリングエレメント１１２
とを含んでいる。第３図及び第４図より明らかな
ように、入口５８はチヤンバ１１４と連通してお
り、またチヤンバ１１６とガンのバレルを通して
通路２２と連通している垂直な流路１２０との間
には空気出口１１８が設けられている。バルブス
テム１１０はガンの前端に向かつて延びる端部１
２１を有しており、ここにナツト１２２が螺合さ
れている。シール１２４がバルブステムのこの端
部をシールしている。ナツト１２２はバルブステ
ムの一端となつて通常のバルブが閉じた位置にお
いてトリガ４３に当接する一方、バルブステムの
他端部１２８はレバー８２と係合する。バルブス
テム及びシーリングエレメント１１２は圧縮ばね
１３０によつて第３図に示すように通常の閉位置
に付勢されており、この状態ではエレメント１１
２はバルブシート１３１に着座している。内部シ
ール１３２及びシールホルダ１３４はバルブ基体
の後端部をシールし、チヤンバ１１４からの空気
もれを防止する。基体１４に螺合されたリテーナ
１３６がバルブステム１１０の端部１２８を支持
するとともに、基体の内部に接近することを許容
する。

バレル１２の通路２２内の空気の流通はトリガ
によつて作動されるエヤーバルブ１４によつて制
御される。これが噴霧化された空気及びフアン形
状の空気を供給する。更に別の空気流通制御バル
ブ１３８が設けられている（第４図参照）。この
バルブは、通路２２の内部に形成されたねじ部１
４２に螺合された単一のバルブプランジヤ１４０
を含んでいる。その先端部１４４はテーパ状とさ
れており、テーパ状のシート１４６に係合して、
通路２５を流通する空気を調整または遮断する。
この調整ガン後端のナツト１４８によつて行なわ
れる。ナツトがプランジヤ１４０を前方または後
方へ移動させるのである。

次に第３図をもとにノズルアセンブリ１３を説
明する。ノズルアセンブリの望ましい態様は前記
本発明の譲渡入に譲渡された出願番号971514号の
出願に記載されているので、これを参考にする。
一般的に、ノズルアセンブリは電気的に不導性の
材料（非導電材）例えばデルリンからつくられ
る。デルリン５００または５５０がここでは構造
的に望ましい材料である。ノズルチツプ１０４は
後端部にカウンタボア１５０に開口し通路２４に
連通した半径方向に離れた軸方向の通路１５２を
備えている。これにより、通路２４内に流れ込ん
だ噴霧状空気は通路１５２内に流入、通過し、チ
ツプの前端部を包囲している内部チヤンバ１５４
内に流入する。チツプ１０４はまた中心にガンの
バレル部の材料通路１８と連通した軸方向の通路
４２を含み、ペイントはタンクまたは貯蔵器から
ホース３４及び３８を通して供給される。

流体チツプの前端部は、ペイントが噴出される
小径のオリフイス１５８で終端している。チツプ
はさらに、ノズルの内側にオリフイス１５８に近
接して形成された円錐状のシート１０２を備えて
いる。

エヤーキヤツプ１６０がチツプ１０４の前端部
を包囲している。キヤツプは一端においてバレル
の外方ねじ部９８に螺合された円形の保持リング
１６２によつてガンに取り付けられており、他端
には円形のリツプ１６４が設けられている。保持
リングは剛性はあるがリツプ１６４が十分に柔軟
性があり、リツプをエヤーキヤツプ外周の円形の
溝の壁面に係合させることによりキヤツプ１６０
を所定の位置にスナツプ係合することを可能にし
ている。その結果エヤーキヤツプは確実に固定さ
れ、空気が大気中にもれるのを防ぐこととなる。

噴霧化のための空気はオリフイス１５８近傍の
開口１６６を流れ、一方フアンを形成するための
空気は通路２５と連通する突出部１７０内の開口
１６８を流れる。

ニードル１００及びバルブシート１０２、オリ
フイス１５８及びプルロツド６２は軸心が一致し
ており、ガンのバレルを通過する直線状で単一の
材料通路１８を形成している。バルブシート１０
２はオリフイス１５８に極めて近接しており、こ
れによつて操作性が向上しているとともに、バル
ブが閉じられた時にもガンにはバルブの下流側に
ペイントが残るようなことがない。加えて、バル
ブは検査、メンテナンス及び修理のために容易に
接近することができる。バルブにサービスを施す
際には、単に保持リング１６２及びエヤーキヤツ
プ１６０を取り外し、チツプ１０４をバレル１２
から取り外せば良い。摩耗時または損傷時におけ
るバルブの交換は同様に容易で、ノズルのチツプ
を交換すれば良い。

高圧の電気エネルギが外部の電源（図示せず）
からケーブル１７２によつてガンに供給されてい
る。ケーブル１７２はアダプタ３２内に連結さ
れ、ハンドルアセンブリ１１及びバレル１２の通
路２０を通つて継続している。本発明の望ましい
態様においては高圧の電気ケーブルは交流の固体
の核、こわれ難い抵抗及びフレキシブルな不電導
性の材料から成る。かかるケーブルは本発明の譲
渡人に譲渡された米国特許第4103276号に記載さ
れているので、以下においてはこれを参照する。
このケーブルは通路２０の最前端に抵抗１７４が
露出されるように切断後ガンのバレルに挿入され
ている。抵抗１７４はワイヤ１７６に連結され、
ワイヤはニードル８６に取り付けられたスプリン
グ１７８に係合している。スプリング１７８はケ
ーブルの端部とニードル８６前端部の抵抗１８０
とを電気的に接続する作用をなす。抵抗１８０の
前端部はチツプ１０４のオリフイス１５８から突
出した細くてステンレスワイヤからなる電極１８
２に電気的に接続されている。この電極はノズル
アセンブリ１３から噴射される噴霧化されたペイ
ントに電荷を与える。例えば半径は0.025インチ
で長さは0.69インチとすれば良い。電極はノズル
から0.27インチだけ突出している。抵抗１８０及
び電極１８２はニードルにモールドしても良い
し、予め成形されたニードルの内部空間または穴
に挿入しても良い。何れの場合にも、ニードルを
形成する材料は抵抗及び電気的接続部を化学作用
による損傷及び塗布材料が通路１５８を流通する
ことによる摩耗から保護する。抵抗１８０の他端
はニードルを貫通した金属製のピン１８４に接触
している。そしてピン１８４はワイヤ１７６に接
触した円錐状のスプリング１７８に接触してい
る。その結果スプリング１７８とピン１８４とに
よつてバルブを開閉すべくニードルの軸心方向の
移動は許容するがケーブル１７２を抵抗１８０に
接続する手段が構成されている。ケーブルからの
高圧電気エネルギの通路はワイヤ１７６、スプリ
ング１７８、ピン１８４及び抵抗１８０によつて
電極１８２に通じている。抵抗１８０はエネルギ
通路と直列になつており、電極１８２を除いて、
ガンのあらゆる電導部品の前方すなわち“下流”
側に位置している。

前述したように、ノズルは電極を除いてデルリ
ン等の非電導体から成つている。ガンの前端部で
あるノズル内の抵抗１８０の前方すなわち下流側
にあるのは電極のみである。ワイヤ１７６、スプ
リング１７８、ピン１８４はすべて抵抗１８０の
後方すなわち、“下流”側にある。ガン前端部で
抵抗の下流における導電性の部品が大幅に減少
し、抵抗によつて減衰されない容量的に貯えられ
たエネルギが減少する。抵抗１８０は市販されて
いる。抵抗値は種々の要素に依存する。120kv
（開回路）までの作動に適した実際の装置ではノ
ズル内の抵抗の値は12メガホームである。一方、
ケーブル１７２の抵抗の値は20メガホームで、長
さ１ 3/8インチの10個の抵抗が長さ25フイートの
ケーブルに所定間隔にてセツトされている。

バレル１２内のケーブル１７２の抵抗１７４と
結合されたノズル内の抵抗１８０によつて電導性
のスプリング、ピン等のガン内における伝導体に
よる影響が抑制される。

次に作動について説明する。

本発明に係るスプレガンを作動させるためには
作業者はガンを塗布されるべき目的物に向けて位
置決めし、トリガ４３を操作して後方に引く。ト
リガ４３が後方に移動するとナツト１２２が基体
１４内のステム１１０の端部１２１に係合してス
テムを後方に移動させる。ステム１１０の移動に
よつてシーリングエレメント１１２がシート１３
１から持ち上げられ（離され）、空気入口開口５
８とバレル１２内の通路２２に通ずる空気出口穴
１１８との間の連通を解放する。これと同時にス
テム１１０の端部１２８がレバー８２と機械的に
係合してこれをボール８４のまわりに後方に回動
させる。アジヤステイングナツト７６は前方に延
びたスリーブ１９０を含んでいる。レバー８２が
回動すれば部材８０によつてスプリング７８が圧
縮される。部材８０がスリーブ１９０の端部１９
２と接触すると、レバー８２が更に回転すること
によつてプルロツド６２がスプリング１０６の付
勢力に抗して後退する。その結果ニードルの円錐
形のチツプ１００が材料噴射オリフイス１５８後
方のシート１０２から後退し（離れ）、ペイント
が通路１８の周辺に流れてオリフイスから噴射さ
れる。基体１４のバルブステム１１０と制御ロツ
ド６０との結合は部材８０とスリーブ１９０の端
部１９２との間にすきまがあるので、ロストモー
シヨン結合である。このロストモーシヨン結合に
より、材料流通バルブの開口１００，１０２はエ
ヤーバルブの開口１１２，１３１と同時ではなく
少し遅れて開くようになる。その結果、ペイント
がオリフイス１５８から噴射されるよりも先に、
噴霧及びフアン状空気が流れる。当初の空気流は
ペイントが流れる前にガンのノズル端を掃除し、
当初のペイント流が確実に噴霧化されることとな
る。

空気流に対するペイント流の比はナツト７６を
調整して部材８０とスリーブ１９０の端部１９２
との間隙の大きさを調整することによつて変更で
きる。すなわち、ニードル８６の後方への移動
（引き）の大きさはナツト７６を反時計方向（ガ
ンの後方からみて）に回転させてチツプ１００と
シート１０２との間の開口を閉じることによつて
減少される。これによつて部材８０とスリーブと
の間隔が増大し、ロストモーシヨンが増大し、ロ
ツド６０の後方への移動可能量が短くなる。ノズ
ル内の開口の大きさはナツト７６を時計方向（ガ
ンの後方からみて）に回すことによつて大きくな
り、ロストモーシヨンが減少し、これによつてロ
ツドを後方へ引く時の移動量が大きくなる。その
結果作業者はペイント源に行くことなくしてペイ
ントの流量を調整できる。

トリガ４３が解放されると、スプリング１３０
によつてバルブエレメント１１２がシート１３１
に着座するまで移動され、ノズル内における空気
の流れが遮断される。トリガ４３が離されステム
１１０が前進すると、スプリング１０６によつて
制御ロツドアセンブリ６０はチツプ１００がシー
ト１０２に密着するまで前進され、材料流通バル
ブを閉じる。これによつてノズルからのペイント
の噴射が停止される。トリガ４３の解放時におけ
る制御ロツド６０の閉位置への復帰は、ステム１
１０とレバー８２を通じてのプルロツド６２との
間のロストモーシヨンによつてエヤーバルブの閉
鎖よりも少し早い時期に起こる。空気の流通はペ
イントの流通が停止した後もしばらく継続するの
である。これによつてペインテイング作業が停止
した時にノズルが掃除され、ガンから噴射される
最後のペイントが噴霧化される。

以上本発明の一実施例について述べてきたが、
当業者であれば本発明の趣旨を逸脱しない範囲内
において変更が可能であることは容易に認識され
よう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る静電スプレガンの側面
図、第２図は第１図に示したガンの分解斜視図、
第３図は第１図に示したガンのバレルの通路にお
ける断面図、第４図は同じくバレルアセンブリに
おける断面図、第５図は第３図の要部拡大図であ
る。 〔主要部分の符号の説明〕、１０…塗装ガン、
１１…ハンドルアセンブリ、１２…バレルアセン
ブリ、１３…ノズルアセンブリ、１４…エヤーバ
ルブ基体、１８…材料通路、２０…電気通路、２
２…空気通路、２７，２８…取付片、３２…アダ
プタ、４０…結合部材、６０…コントロールロツ
ドアセンブリ、４３…トリガ、６２…プルロツ
ド、８２…レバー、８６…ニードル、１００…円
錐チツプ、１０２…バルブシート、１１０…バル
ブシステム、１５８…オリフイス、１７４，１８
０…抵抗、１８２…電極。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 電気不導体から成り、加圧された流体塗装材
   料源に接続されるのに適した流体通路及び空気通
   路を有するバレル部と、 電気不導体から成り、塗装材料を噴射する噴射
   開口と、該噴射開口からの塗装材料の流通を制御
   する流体バルブ手段と、前記空気通路と連通し噴
   射開口から噴射される前記塗装材料を分散させる
   空気開口とを有するノズル部と、 前記分散された塗装材料を電気的にチヤージす
   るチヤージ手段と、 前記バレル部の後端部に取り付けられ、エヤー
   バルブ及び移動可能なバルブ閉鎖手段を含み、前
   記空気開口に空気を選択的に供給するために前記
   エヤーバルブを開放又は閉鎖する、取外し可能な
   エヤーバルブ基体と、 前記バレル部の後端部に取り付けられ薄肉壁か
   ら成るハンドル殻であつて、前記バレル部の後端
   部及び前記エヤーバルブ基体を、該エヤーバルブ
   基体を物理的に支持することなく包囲し、除去さ
   れることにより前記エヤーバルブ基体に容易に近
   ずくことを可能にし、それによつて前記エヤーバ
   ルブ基体は前記バレル部から１つのユニツトとし
   て除去され、別の同様のエヤーバルブ基体と交換
   できるようにするハンドル殻と、 から成ることを特徴とする静電塗装装置。 ２ 前記バレル部は前端及び後端を備えており、
   前記ノズル部が前端に取り付けられるとともに前
   記エヤーバルブ基体が後端に取り付けられ、前記
   エヤーバルブ基体のバルブ閉鎖手段がエヤーバル
   ブ基体から後方に延び、前記連結手段が回動可能
   なレバーから成り、前記エヤーバルブ基体から外
   方に延びるバルブ閉鎖手段の端部がエヤーバルブ
   が開放された時、流体バルブ手段を開放するため
   にレバーに機械的に係合するようになつている特
   許請求の範囲第１項記載の静電塗装装置。 ３ 前記流体バルブ手段が前記バレル内の流体通
   路のほぼ中心に配設されたプルロツドと、該プル
   ロツドの前端に取り付けられたニードルとから成
   り、該ニードルはその前端において前記ノズル部
   内に噴射開口の後方となるように配置されたバル
   ブシートに係合すべく作動し、噴射開口は、バレ
   ル部内の流体通路とほぼ軸心が一致している特許
   請求の範囲第２項記載の静電塗装装置。 ４ 前記エヤーバルブ基体のバルブ閉鎖手段と流
   体バルブ手段との間の結合がロストモーシヨン結
   合である特許請求の範囲第１項記載の静電塗装装
   置。 ５ 前記流体バルブ手段がバレル部の流体通路内
   に配設されてその前端がバルブシートに係合する
   のに適した形状で終端している制御ロツドアセン
   ブリから成り、該制御ロツドアセンブリの後端は
   バレル部の後端から外方に延びており、前記レバ
   ーはその一端においてバレル部に対して回動可能
   であるとともに他端において、エヤーバルブ基体
   から外方に延びるバルブ閉鎖手段の端部に機械的
   に係合しており、バレル部の後端から外方に延び
   る制御ロツドアセンブリの端部がレバーの両端部
   の中間部に係合している特許請求の範囲第２項記
   載の静電塗装装置。 ６ 電気不導体から成り、前端及び後端を有する
   とともにその内部には加圧された流体塗装材料源
   に連結されるのに適した流体通路、空気入口及び
   バレル部前端の空気出口を有する噴霧空気通路、
   高電圧電力源に連結するのに適した第１端部及び
   第２端部を含む電圧電気通路を備えているバレル
   部と、 電気不導体から成つて前記バレル部の前端に連
   結され、前記バレル部の流体通路と同一直線上に
   あつてその前端が塗装材料を噴射する噴射オリフ
   イスで終端する軸方向の塗装材料通路と、前記バ
   レル部の噴霧空気通路の出口に連通し前記噴射オ
   リフイスから噴出する塗装材料を分散させる複数
   の空気流通通路とを有するノズル部と、 前記バレル部の通路及びノズル部の通路内にお
   いて軸方向に移動可能な制御ロツドアセンブリ
   と、ノズル部の内側に噴射オリフイスに近接して
   形成された円錐シートから成るバルブ手段であつ
   て、制御ロツドは電気不導体から成るとともにそ
   の前端が円錐シートに係合される円錐チツプで終
   端し、該シートと共同して噴射オリフイスからの
   塗装材料を制御する一方その後端はバレル部から
   後方に突出しているバルブ手段と、 前記バレル部の外部に取り付けられた取外し可
   能なエヤーバルブ基体であつて、空気入口、空気
   出口及び両者間のバルブとから成り、前記空気出
   口は空気噴霧通路の空気入口と連通し、移動可能
   なバルブステム手段はエヤーバルブを開閉するた
   めの閉鎖手段を有し、該バルブステム手段はエヤ
   ーバルブ基体から前方に突出した第１の端部、及
   びエヤーバルブ基体から後方に突出する第２の端
   部を有するエヤーバルブ基体と、 前記バルブステム手段の第１端部に係合してこ
   れを前記エヤーバルブしを解放するように移動さ
   せるトリガ手段と、 前記バレル部の後端において、回動可能なレバ
   ー手段であつて、前記エヤーバルブ基体のバルブ
   ステム手段の第２端部を前記制御ロツドアセンブ
   リの後端に連結し、それによつて前記トリガ手段
   の移動に対応するバルブステム手段の移動が制御
   ロツドを後方に移動させてノズル部のバルブ手段
   を開放するレバー手段と、 前記バレル部の後端に取り付けられエヤーバル
   ブ基体を包囲する一対の薄肉の半片を含むハンド
   ルアセンブリであつて、その根本部には流体及び
   空気供給手段を取り付けるためのアダプタを含
   み、該アダプタとガンのバレル部との間に延在す
   る流体及び空気供給チユーブ手段を含み、空気供
   給チユーブ手段は両半片間に配設されているハン
   ドルアセンブリと、 前記コントロールロツドの前端に取り付けられ
   てノズル部のオリフイスから突出したチヤージ用
   電極と、 前記高電圧電気通路内の制御ロツドの前端に取
   り付けられ、その前端においてチヤージ用電極に
   連結された第１の直列抵抗と、 該直列抵抗の他端を前記バレル部の電気通路に
   連結し、それによつて前記制御ロツドに軸方向の
   移動を許容するが前記チヤージ用電極を高電圧電
   気源に連結する電気的連結手段と を含むことを特徴とする静電塗装装置。 ７ 前記バルブステム手段と制御ロツドとの間の
   結合はロストモーシヨン結合であり、該ロストモ
   ーシヨンの大きさはガンの外部から調製可能であ
   る特許請求の範囲第６項記載の静電塗装装置。