JPH0239201B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は左右２輪の駆動車輪により畝をまたい
で進行する走行機体に移植部を連結して成る移植
機に関する改良である。

（従来の技術） 従来の移植機は移植部を走行機本体に固定し、
本体側の原動機より移植部に動力を伝達してい
る。

また実開昭54−25436号公報に示す移植機のよ
うに移植部を機体本体に対し左右に移動可能にす
るものがある。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら前者の移植部を走行機本体に固定
した移植機においては、本体側の原動機より移植
部に動力を容易に伝達できる反面、１条の畝に複
数条の苗を並行して植付ける場合には、苗を１条
植え終える毎に重い機体全体を左または右に移動
させなければならない不便があつた。加えてこの
ため畝巾の広い平畝の場合には移植機を左右へ大
きく移動すると、機体左右の駆動輪が隣りの平畝
の上に進出するので、畝巾全体に複数条の苗を植
付けることができなかつた。

また後者の移植部が機体本体に対し左右に移動
可能な移植機においては、移植部を地表に支持す
る遊転輪の車軸より移植部の動力を取り出すの
で、畝の高さが異なると遊転輪の接地圧が不足し
て正しく転動しないため移植部が駆動しないこと
があり、欠株を生じたり苗の株間が不揃いになる
という欠点があつた。

本発明はこれらの欠点を改良することを目的と
する。

（課題を解決するための手段） 左右両側に駆動輪６を備える走行機本体Ａに左
右方向に取付けた連結枠１６には移植部Ｂ側に向
けて開口する案内溝１６ａ，１６ｂ，１６ｃを設
け、移植部Ｂに取付けた滑車２２を前記案内溝に
嵌入し、移植部Ｂを走行機本体Ａに対し左右に移
動可能に接触すると共に走行機本体Ａ側の原動機
１により回転する角軸２９を連結枠１６と平行に
本体Ａに取付け、移植部Ｂ側の入力回転体３３の
角孔を角軸２９に摺動自在に挿通する。

しかして走行機本体Ａ側に起伏自在に取付けた
ストツパ２４，２５を移植部Ｂ側に備える切欠２
７に着脱自在に係止する。

（作用） ストツパ２４，２５を起立して切欠２７より分
離すれば、移植部Ｂは左右方向の連結枠１６およ
び角軸２９に沿い滑車２２を回転しながら円滑
に、かつ別の位置に移動する。

しかして起伏杆２４，２５を倒伏して切欠２７
に係止すれば、移植部Ｂは走行本体Ａに対しスト
ツパの位置に固着し、角軸２９を介して本体Ａ側
の原動機１により移植部Ｂを駆動し、苗を植付け
る。

（実施例） 次に図面に示す実施例につづいて説明する。

Ａは移植機の走行機体本体で原動機１を搭載
し、その動力により主軸２を回転する。３はミツ
シヨンで主軸２の動力をミツシヨン車軸４および
中間軸５に伝達する。６は本体Ａの左右両側に備
える駆動輪で、その車軸７に減速機構８を経てミ
ツシヨン車軸４の動力を伝達する。

９はカウンタ軸でその一端にスプロケツト１０
を回転自在に挿通し、スプロケツト１０と中間軸
５の間にチエン１１を張設する。１２はカウンタ
軸９にスプライン結合させたクラツチで、ばね１
３によりスプロケツト１０の側面に弾圧してクラ
ツチ１２を噛合し、これにより中間軸５の回転を
スプロケツト１０を経てカウンタ軸９に伝達する
と共に、旋回自在なホーク１４をクラツチ１２に
連結しホーク１４の一端に結ぶワイヤ１５を引い
てホーク１４を旋回し、これによりクラツチ１２
をばね１３に抗して移動させスプロケツト１０と
の噛合を解き、後述する移植部Ｂへの動力の伝達
を断つ。

１６は本体Ａの台枠１７の後端に左右方向に設
置する連結枠で、第５図に示すとおりその上辺お
よび下辺に沿い下向きに開口する上部案内溝１６
ａおよび上向きに開口する下部案内溝１６ｂを、
また中央には後方に向け開口する水平な中央案内
溝１６ｃを、それぞれ形成する。

そして、後述する移植部Ｂの前部に取付枠１８
を一体的に起立し、その前面に水平平方向の支軸
１９を左右２本並設すると共に、支軸１９の上下
に２本づつ垂直方向の支軸２０，２１を植立し、
各支軸１９，２０および２１に枢着する合計６個
の滑車２２を連結枠１６の移植部Ｂに向け開口す
る案内溝１６ａ，１６ｂおよび１６ｃにそれぞれ
回動自在に嵌入し、これにより移植部Ｂの取付枠
１８を本体Ａの連結枠１６に移動可能に接触す
る。

２３は連結枠１６の上辺に沿い横架する案内杆
で、中央に起伏自在にストツパ２４を挿通すると
共に、その左右には起伏自在にかつ案内杆２３に
沿い移動可能な２本のストツパ２５をそれぞれ挿
通する。２６はストツパ２４，２５を固定する蝶
ねじを示す。そして移植部Ｂの機体の中央に固定
する場合は、移植部Ｂの取付枠１８を連結枠１６
の中央に位置させて、中央のストツパ２４を取付
枠１８の上縁に切欠２７に落し込み蝶ねじ２６を
締める。機体の左右任意の位置に移植部Ｂを固定
する場合は、左または右のストツパ２５を移植部
Ｂの取付枠１８と共に案内杆２３に沿い移動して
上述と同様に切欠２７に挿入し蝶ねじ２６を締め
る。

次に連結枠１６の左右両側より後方へ向け側板
２８を張り出し、両側板間に断面６角形の回転自
在な角軸２９を連結枠１６に対し平行に横架する
と共に、角軸２９の一端をカウンタ軸９にチエン
３０を介して連結する。３１はチエン３０のチエ
ンケースを示す。そして移植部Ｂの取付枠１８の
後背面に軸受３２を設け、角軸２９を軸受３２に
回転自在に挿通すると共に、軸受３２に備える入
力回転体３３の６角形の中心孔に角軸２９を摺動
自在に挿通する。なお６角形の角軸２９を溝付軸
に置き換え、その断面形状に一致する中心孔を入
力回転体３３に穿設してもよい。

３４は移植部Ｂに設けるギヤケースでこれに備
えるスプロケツト３５と入力回転体３３の間にチ
エン３６を調節する。そして移植部Ｂの機体の前
後方向に長く回軸３７を架設し、その前端をギヤ
ケース３４の適宜の伝導機構を介しスプロケツト
３５の軸に連結し、入力回転体３３の動力を回軸
３７に伝達する。

３８はゴムまたは軟質プラスチツクのような可
撓性の材質から成る左右１対の回転円板で、その
中心軸３９を回軸３７の後端にベベルギヤ４０を
介し連結する。回転円板３８の上半部は押えロー
ル４１により左右に折り曲げて開く。

４２は回軸３７に止着する案内ロールで他方の
案内ロール４３と１対を成し、その左右には巻取
りロール４４，４５を軸着すると共に、各ロール
４２乃至４５に１本のチエン４６を第６図のよう
に張設し、全ロールを回軸３７により同一速度で
回転する。４７は遊転する苗ロールを示す。そし
てあらかじめ２本のビニールテープ４８，４９の
間に多数の苗Ｎの茎葉部を等間隔に配列して狭着
し、さらにテープ４８，４９をロール状に巻いて
苗ロール４７に取付け、一方のテープ４８を案内
ロール４２を経て巻取りロール４４に巻き付け、
また他方のテープ４９を案内ロール４３を経て巻
取りロール４５に巻き付ける。

５０は軸を傾斜して取り付けた土寄せ車輪、５
１は溝切りをそれぞれ示す。

しかして左右の駆動輪６を畝の両側の溝に沿わ
せ、第３図のように畝をまたいで本体Ａを第１図
の矢印方向に走行する。このとき本体Ａの角軸２
９はカウンタ軸９を介し原動機１の動力により回
転し、さらに角軸２９により入力回転体３３およ
びギヤケース３４を介し移植部Ｂの回軸３７が回
転する。

これにより案内ロール４２，４３および巻取り
ロール４４，４５が回転し、苗ロール４７のビニ
ールテープ４８，４９を左右に分離しつつ巻き取
り、水平姿勢の苗Ｎを左右の回転円板３８の折曲
した上半部に供給する。この苗Ｎを回転３７によ
り回転する回転円板３８が引き続き挟持し、回転
円板３８が90度回転し苗Ｎを垂速姿勢に変えて溝
切板５１により形成する溝内に放出し、側方より
土寄せ車輪５０が根部に培土し苗Ｎを植付ける。

こうして１条の苗を植付け終えたら機体の方向
を旋回し取付枠１８を連結枠１６に沿い移動し本
体Ａに対する移植部Ｂの連結位置を左または右へ
任意に変え、既に植え終えた苗の隣りに並行し同
じ畝にふたたび上述のとおり２条目の苗を順次植
付ける（第３図参照）。

移植部Ｂは上述の図面に示す実施例のほかに、
昇降する苗保持爪により苗を１株づつ植付けるも
のでもよい。その場合、回軸３７の回転運動をク
ランクやカムにより苗保持爪の昇降運動に変換す
る。

（発明の効果） 本発明においては、走行機本体Ａの左右両側の
駆動輪６，６により畝をまたいで走行しつつ移植
するが、ストツパ２４，２５を起立させて切欠２
７より分離すれば、移植部Ｂは滑車２２を回転さ
せながら走行機本体Ａの左右方向に円滑に移動
し、しかもストツパを倒伏して切欠２７に係止す
れば移植部Ｂは直ちに走行機本体Ａに固着でき、
その上移植部Ｂは走行機本体Ａに対しどのような
位置に移動しても走行機本体に搭載する原動機１
より角軸２９、入力回転体３３を経て回動し、畝
巾の広い平畝の上でも複数条の苗を植付けること
ができるという効果を生ずる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施した移植機の全体側面
図、第２図はその要部の平面図、第３図は第１，
２図における移植部を機体左側に移動した状態に
おける後背面図、第４図はその要部の拡大平面
図、第５図は要部縦断面図、第６図は実施例の移
植部における案内ロールおよび巻取りロールの作
用説明図である。 Ａは走行機本体、Ｂは移植部、１は原動機、６
は駆動輪、１６は連結枠、１６ａ，１６ｂ，１６
ｃは案内溝、２２は滑車、２４，２５はストツ
パ、２７は切欠、２９は角軸、３３は入力回転
体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 左右両側に駆動輪を備える走行機本体Ａに左
   右方向に連結枠を取付け、この連結枠には移植部
   Ｂ側に向けて開口する案内溝を設け、移植部Ｂに
   取付けた滑車を前記案内溝に嵌入し、移植部Ｂを
   走行機本体Ａに対し左右に移動可能に接触すると
   共に走行機本体Ａ側の原動機により回転する角軸
   を連結枠と平行に本体Ａに取付け、移植部Ｂ側の
   入力回転体の角孔を角軸に摺動自在に挿通し、し
   かして走行機本体Ａ側に起伏自在に取付けたスト
   ツパを移植部Ｂ側に備える切欠に着脱自在に係止
   することを特長とする移植機。