JPH0239012Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、シリンダにキーを差し込んで、シ
リンダと共にシリンダケース及び角芯を押し込む
形式の錠前に関するものである。

従来の上記形式の錠前は、施錠、解錠に際しま
ずシリンダにキーを差し込んだのち、上記キーに
よりシリンダと共にシリンダケースを押し込んで
上記シリンダケースの裏面と錠箱との間に介在し
てあるバネを圧縮し、そして、キーの押し込み状
態を維持しつつキーを回動操作するようになつて
いる。

このような構造によると、キーの回動途中にお
いてキーの撮み片をつかみかえるとき、キーの押
し込み状態を維持しつつつかみかえるのが困難に
なると共に、指先が滑つてバネによりシリンダケ
ースと共にシリンダが押し戻されることが発生す
るので、操作が煩雑になる問題があつた。

この考案は、撮み片のつかみかえ時に指先がす
べつてもが押し戻されないようにして、上述の問
題を解消することを目的としている。

この考案は、シリンダにキーを差し込んで上記
シリンダとシリンダケースとのピンのシヤーライ
ンを揃えたとき、キーの先端により抵抗片を押し
戻して上記シリンダケースと抵抗片との係合を解
除し、また、キーによりシリンダと共にシリンダ
ケースを押し込んだとき上記シリンダケースの外
周に抵抗片の先端を圧接するように、さらに、キ
ーによりシリンダ及びシリンダケースを引き戻し
たとき上記シリンダケースに対しシリンダをわず
かスライドさせてシリンダ及びシリンダケースの
ピンの軸芯を不一致状態とし、引き戻されたシリ
ンダが定位置でストツプすると、シリンダのピン
によりケースのみをわずか引き戻して、シリンダ
のピンとシリンダのピンとの軸芯を一致させるよ
うにした錠前を提供する。

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

図において、１は取付け錠箱で、この錠箱１内
には、前後方向にスライドするシリンダケース２
が組込まれている。

また、シリンダケース２には、上記シリンダケ
ース２に対しわずか前後方向にスライドするシリ
ンダ３が貫通している。

上記シリンダ３のスライドストツプは、シリン
ダ３の先端と末端とに設けてある鍔４，５をシリ
ンダケース２の端面に当接させて行なうようにな
つている。

６はシリンダ３の末端から突出する角芯であ
る。

さらに、錠箱１の前面壁及び後面壁には、シリ
ンダ３の先端が貫通する貫孔７と、角芯６の貫通
用開口８とが設けられている。

また、錠箱１内には、シリンダ３にキー９を差
し込んだとき上記キー９により押し戻されてシリ
ンダ３のスリツト１０から先端が外れる抵抗片１
１が設けられている。

上記の抵抗片１１は、図示の場合ボツクス１の
周壁内面に凹入部１２を設けて、この凹入部１２
に抵抗片１１の末端部を嵌入すると共に、凹入部
１２の底に組み込んだバネ１３により上記抵抗片
１１を押し出すよになつている。

さらに、シリンダケース２には、抵抗片１１の
貫通スリツト１４と、シリンダケース２の押し込
みにともないスリツト１４から抵抗片１１が脱出
してシリンダケース２の周面に上記抵抗片１１の
先端が乗り移るテーパー状の切欠き１５とが設け
られている。

１６は凹入部１２の閉鎖板、１７はボツクス１
の裏面に固着した裏板である。

この考案に係る錠前は、以上の構成であつて、
第１図で示したように引き違い戸の屋外戸Ａに錠
箱１を取付ける。

次に施錠作用を説明すると、第３図で示したよ
うにシリンダ３にキー９を差し込む。

このとき、キー９の先端により抵抗片１１を押
し戻して、スリツト１０から上記抵抗片１１の先
端を脱出させる。

その後にキー９をプツシユしてシリンダ３と共
にシリンダケース２を押し込む。

このとき、切欠き１５のテーパー面部により抵
抗片１１を押し戻して、シリンダケース２の外周
に上記抵抗片１１の先端が乗り移る。

上記シリンダ３と共にシリンダケース２を押し
込んだとき、共に角芯６が押し込まれて、第４図
で示したように錠作動装置Ｂの角孔ｂに角芯６が
嵌入する。

また、シリンダケース２の表面に鍔４が当接し
て、シヤーラインの揃つたシリンダ３のピン３′
の軸芯と、シリンダケース２のピン２′の軸芯と
が合致している。

しかして、キー９の回転操作によりシリンダ３
と共に角芯６を回動させて錠作動装置Ｂを駆動し
て施錠する。

反対方向にキー９を回転操作すれば解錠するこ
とができる。

解錠後にキー９を引つ張ると、引つ張り方向に
シリンダ３が若干スライドして（このとき、抵抗
片１１によりシリンダケース２のスライドがさま
たげられる）シリンダケース２の裏面に鍔５が当
接するので、第５図で示したようにシリンダ３の
ピン３′の軸芯と、シリンダケース２のピン２′の
軸芯とが第５図、第６図で示したように不一致の
状態となる。

このため、ピン３′によりキー９の引き抜きが
阻止され、キー９によりシリンダ３と共にシリン
ダケース２が引き戻される。

そして、引き戻しが終了に近ずいたとき、第６
図で示したようにシリンダケース２に鍔５が当接
して、キー９によりシリンダ３の各ピン３′に突
き出し方向（図示下向き）への力が作用するの
で、上記ピン３′の先端がピン２′の孔に嵌入しよ
うとする。

このため、ピン３′の先端により第７図で示し
たようにシリンダケース２を若干押し戻しながら
第８図で示したようにピン３′の軸芯と、ピン
２′の軸芯とを合致させて、キー９を引き抜くこ
とができる。

以上のように、この考案に係る錠前によれば、
シリンダにキーを差し込んで上記キーの先端によ
り抵抗片を押し戻しながらキーのスリツトから抵
抗片の先端を脱出させ、そしてキーによりシリン
ダとシリンダケースとを押し込んで錠作動装置の
角孔に角芯を嵌入させ、また、キーによりシリン
ダとシリンダケースとを引き戻したとき、シリン
ダケースの外周に圧接する抵抗片により上記シリ
ンダケースのスライドに抵抗を与え、シリンダケ
ースに対しシリンダをわずかスライドさせながら
シリンダのピンの軸芯とシリンダケースのピンの
軸芯とを不一致の状態にしてキーのみが抜けるの
を防止してあるので、キーを介しシリンダと共に
シリンダケースを同時に引き戻して、バネによる
押し戻しが不要なる。

このため、キーによりシリンダ及びシリンダケ
ースを押し込んでバネを圧縮すると共に、押し込
み状態を維持してキーを回す困難な操作をなくす
ることができる。

また、シリンダは、シリンダケースに対しわず
かスライドし、キーによりシリンダ及びシリンダ
ケースの引き戻しが終了したのち、キーによりシ
リンダのピンを押して、上記シリンダのピンの軸
芯とシリンダケースのピンの軸芯とを合致させる
ので、各ピンを押し戻してキーを抜き取ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る錠前の一部切欠側面
図、第２図は同上の縦断正面図、第３図から第５
図迄は同上の作用を示す縦断拡大側面図、第６図
は抵抗片の部分を示す縦断拡大側面図、第７図、
第８図はピンの作用を示す縦断拡大側面図、第９
図は同上の要部を示す分解斜視図である。 １……錠箱、２……シリンダケース、３……シ
リンダ、４，５……鍔、６……角芯、７……貫
孔、８……貫通用開口、９……キー、１０……ス
リツト、１１……抵抗片、１２……凹入部、１３
……バネ、１４……スリツト、１５……切欠き。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面に貫孔を、後面に開口を有する取付け錠箱
   と、この錠箱に前後方向にスライドするよう組み
   込んだシリンダケースと、このシリンダケースに
   わずか前後方向にスライドするよう貫通させると
   共に、貫孔に前端を臨ませ、かつ開口に後端から
   連なる角芯を貫通させたシリンダと、錠箱の内周
   壁に設けた凹入部と、この凹入部に未端部を嵌入
   した抵抗片と、抵抗片を押し出すよう凹入部の底
   に組み込んだバネと、シリンダケースの外周から
   内周に向け抵抗片の先端部が貫通するよう設けた
   スリツトと、このスリツトの底縁からシリンダケ
   ースの表面に向け上記シリンダケースの前進にと
   もない抵抗片を押し戻すよう設けたテーパー状の
   切欠部と、シリンダに差し込んだキーにより抵抗
   片を押し戻すよう上記シリンダの外周に設けた抵
   抗片の先端嵌入スリツトとから成る錠前。