JPH0238761Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は室内等に芳香を漂わすための芳香発散
器に関するものである。

〔従来の技術〕

果実又は花などの好ましい芳香を発散する天然
又は人造の芳香剤は知られているが、従来ではこ
れらの芳香剤は適当な瓶、袋等の収容用容器に収
容して市販に供されていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記の収容用容器に収容した芳
香剤では、使用初期においては相当な芳香を発散
するものの、使用時日の経過に伴い芳香発散力が
漸減し、必要な芳香を発散し難くなるものであつ
た。又、この芳香発散力を収容用容器の開口部の
開口具合により調整するようにしたものでも、そ
の調整が困難である上、不必要時に開口部を閉鎖
し忘れて芳香剤の浪費となり易いなどの問題点を
有していた。

そこで本考案は、芳香発散力が時日の経過によ
つても漸減し難く、しかも必要時に容易に芳香発
散力を高めることができ、芳香剤の浪費も防止で
きる芳香発散器を提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

すなわち、本考案の芳香発散器は、ロール状の
芳香ベルトを出し口を有するマガジンケースに収
容してマガジンを形成し、空気取入口、空気取出
口を備えた収容器内に前記マガジンを収容すると
共に前記マガジンから繰り出す芳香ベルトを巻取
る巻取具を収容し、更に収容器内には前記空気取
入口から空気取出口に向けて空気流を発生さす送
風機を収容したことを特徴とするものである。

〔作用〕

このようにした芳香発散器にあつては、使用時
にはマガジンから芳香ベルトの先側を引き出して
巻付具に巻付けた状態とし、送風機を駆動する。
これにより、芳香ベルトの引き出された部分が収
容器内の空気に晒されて芳香を発散し、この芳香
が送風機による収容器内の空気取入口から空気取
出口に向う空気流と共に外部に発散する。又、こ
の芳香ベルトの引き出された部分の芳香が弱つた
場合には、巻取具の操作により芳香ベルトを巻取
具に適当長さ巻取つて芳香ベルトをマガジンから
適当長さ引き出して上記同様に使用する。

〔実施例〕

次に本考案の図示の一実施例について説明する
と、１は収容器であつて、縦長な器本体２の開口
前面に蓋３を着脱可能に取り付けている。４は収
容器１内に収容したマガジンであつて、該マガジ
ン４は、芳香ベルト５をマガジンケース６に収容
しており、芳香ベルト５は、多孔性の吸液担体粉
末、例えば珪酸カルシウム粉末をパルプに20〜30
％混合して抄造した紙製のベルト基材７にブドウ
果実の芳香を発散する芳香剤、例えばブドウ果実
の天然精油を主成分とし、これに芳香助剤として
アルコール系人造香料、アルデハイド系人造香料
をそれぞれ少量混和した芳香剤８をベルト基材７
の重量の１〜1.5倍程度含浸せしめ、円筒状巻芯
９にロール状１０に巻き付けている。

前記マガジンケース６は、円筒状外筒１１の両
端に側蓋１２，１２を嵌着し、外筒１１の周面の
一部に筒心方向に沿う嘴状の出し口１３を開設
し、出し口１３の対向内面にはビロードの遮閉布
１４，１４を設け、側蓋１２，１２の中心部に設
けた套管部１５，１５に芯１６，１６を挿嵌し、
芯１６，１６の対向内端に設けたバネ収容孔１
７，１７間にコイルバネ１８を張設している。

マガジン４は、このマガジンケース６の套管部
１５，１５に前記芳香ベルトの巻芯９を嵌合して
マガジンケース６に芳香ベルト５を収容し、芳香
ベルト５の先端を出し口１３を通して外方に臨ま
せ、芯１６，１６の外端を収容器の器本体２の左
右の前方突出壁１９，１９の軸受孔２０，２０に
それぞれ支承し、外筒１１の後側に設けた凸部２
１を器本体２後壁の凹部２２に嵌合している。

２３は収容器１内においてマガジン４の下方に
配した巻取具であつて、該巻取具２３は、筒状の
巻芯２４の左右両端にそれぞれフランジ２５，２
６の套管部２７，２７を嵌合し、一端にハンドル
２８を付設した巻取軸２９をフランジ２５，２６
に挿嵌すると共に器本体２の左右の前方突出壁３
０，３０の軸受孔３１，３１に支承し、一方のフ
ランジ２６外端にラチエツトギヤ３２を付設し、
器本体２に植設したピン３３に巻バネ３４を挿嵌
し、巻バネ３４の一端をラチエツトギヤ３２に係
合すると共に巻バネ３４の他端を器本体２に係合
し、ラチエツトギヤ３２と巻取軸２９を止めネジ
３５で固定している。

３６は収容器１内においてマガジン４の上方に
配した送風機であつて、該送風機３６は、器本体
２にビス３７を固定した取付台３８にモーター３
９を取付け、モーター３９の軸４０に送風羽根４
１を嵌着している。また図において、４２は蓋３
の前面上部に開設した空気取入口、４３は蓋３の
下面に開設した空気取出口、４４は器本体２の前
方突出壁３０，３０に支承したガイドローラー、
４５は器本体２に形成した乾電池収容部であつ
て、乾電池４６を収容した際、該乾電池４６がモ
ーター３９と接続する端子４７，４８を備えてい
る。４９は器本体２後壁上部に開設した釘掛孔で
ある。

このようにした芳香発散器にあつては、使用時
には釘掛孔４９を利用して壁等に掛設し、マガジ
ン４から芳香ベルト５の先側を引き出してロール
状の芳香ベルト５を芯１６を中心に回動し、芳香
ベルト５の先側をガイドローラー４４に巻架して
巻取具の巻芯２４に巻付けた状態とし、他方、乾
電池４６を乾電池収容部４５に収容して送風機３
６を駆動する。

これにより、芳香ベルト５の引き出された部分
５０が収容器１内の空気に晒されることになり、
他方、送風機３６により空気取入口４２から収容
器１内に取り入れられた空気が空気取出口４３か
ら外部に送出され、前記芳香ベルトの引き出され
た部分５０の芳香剤８からする芳香が上記空気流
に乗つて外部に発散する。

又、この芳香ベルトの引き出された部分５０の
芳香が弱つた場合には、巻取具のハンドル２８操
作により巻取軸２９、フランジ２５，２６を介し
て巻芯２４を回転し、前記芳香ベルト５の先側を
適当長さ巻芯２４に巻取り、マガジン４から芳香
ベルト５を新たに適当長さ引き出し、この新たに
引き出された部分を前記同様芳香発散用に供す
る。又、巻取具２３は、ラチエツトギア３２と巻
バネ３４との係合により巻取軸２９を送取方向に
のみ回転させて前記芳香ベルトの引き出された部
分５０がマガジン４に引き戻されるのを防止す
る。又、本例では、出し口１３内面の遮閉布１
４，１４によりマガジンケース６の内外の空気の
流通を強力に阻止してマガジンケース６内の芳香
ベルト５の芳香発散力を減じ難くしている。

次に、芳香ベルト５の取換に際しては、蓋３の
開放により芯１６，１６の外端部がコイルバネ１
８作用にて左右の前方突出壁１９の外側に突出す
るので、これら芯１６，１６を外側方に抜出し、
マガジン４の残る部材を前方に取出して新たなマ
ガジン４と取換え、他方、止めネジ３５を緩め、
巻取軸２９をハンドル２８側に抜出し、巻取つた
使用済み芳香ベルト５と共に巻芯２４、左右フラ
ンジ２５，２６を前方に取出し、フランジ２５，
２６と巻芯２４を分離し、巻芯２４から使用済み
芳香ベルト５を抜取り、前記のように巻取具２３
を再セツトする。

なお、この巻取具２３は、ハンドル２８に替え
て、モーターによる巻き上げとすることも可能で
ある。又、ベルト基材７は上例では吸液担体粉末
とパルプを混合して抄造した紙を用いたが、通常
の紙又は布に多孔性の吸液担体粉末を塗布したも
のを用いても差支えはない。

〔考案の効果〕

上記のように本考案においては、芳香剤を含浸
した芳香ベルトがマガジンケース内に収容されて
いるので時日の経過によつても芳香発散力が漸減
し難く、しかも必要時には巻取具の操作によりマ
ガジンケースの出し口から芳香ベルトを引き出
し、送風機からする気流に乗せて容易に芳香を発
散させることができ、又芳香の発散がマガジンケ
ース内の芳香ベルトに及び難いので芳香剤の不要
時の浪費を防止できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は側断面図、第２図は一部欠截正面図、第３図は
芳香ベルトの縮小斜面図である。 １……収容器、２……器本体、３……蓋、４…
…マガジン、５……芳香ベルト、６……マガジン
ケース、７……ベルト基材、８……芳香剤、９…
…巻芯、１０……ロール状、１１……外筒、１２
……側蓋、１３……出し口、１４……遮閉布、１
５……套管部、１６……芯、１７……バネ収容
孔、１８……コイルバネ、１９……前方突出壁、
２０……軸受孔、２１……凸部、２２……凹部、
２３……巻取具、２４……巻芯、２５，２６……
フランジ、２７……套管部、２８……ハンドル、
２９……巻取軸、３０……前方突出壁、３１……
軸受孔、３２……ラチエツトギヤ、３３……ピ
ン、３４……巻バネ、３５……止めネジ、３６…
…送風機、３７……ビス、３８……取付台、３９
……モーター、４０……軸、４１……送風羽根、
４２……空気取入口、４３……空気取出口、４４
……ガイドローラー、４５……乾電池収容部、４
６……乾電池、４７，４８……端子、４９……釘
掛孔、５０……引き出された部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロール状の芳香ベルトを出し口を有するマガジ
   ンケースに収容してマガジンを形成し、空気取入
   口、空気取出口を備えた収容器内に前記マガジン
   を収容すると共に前記マガジンから繰り出す芳香
   ベルトを巻取る巻取具を収容し、更に収容器内に
   は前記空気取入口から空気取出口に向けて空気流
   を発生さす送風機を収容したことを特徴とする芳
   香発散器。