JPH0238750B2 - Ratsukushikiuindoregyureeta - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動車の窓ガラス開閉装置として用い
られるラツク式ウインドレギユレータに関するも
のである。

自動車のドア窓ガラスを昇降作動させるウイン
ドレギユレータは、ドア内に取付けられるべき他
の機器類の設置スペース及び設置位置の自由度を
充分確保する為にできるだけ小型で場所をとらな
いものであることが望ましく、又軽量で且つ窓ガ
ラスの昇降ストロークを大きくとれるものである
ことが望ましい。

このような要望に基づき、近年操作ハンドルの
操作或は電動モータの回転等の駆動力を窓ガラス
に伝え窓ガラスを昇降作動させる押引力伝達部材
として、ワイヤの外周に螺旋状の突起よりなるラ
ツク歯を形成したギヤドワイヤ、或はテープにほ
ぼ等間隔に穴をあけて該穴に駆動側のギヤが噛み
合うようにしたラツク状テープ、或は又合成樹脂
の成形にて帯状基部の表面にラツク歯を一体に形
成した樹脂製ラツク等のフレキシブルなラツク状
部材を用い、該フレキシブルなラツク状部材のラ
ツク状部に操作ハンドルの操作又は電動モータ等
にて回転するギヤを噛合せ、該ギヤの回転によつ
てラツク状部材が長手方向に移動して該ラツク状
部材に結合された窓ガラスを昇降させるよう構成
したものが使用されるようになつている。

ところが押引力伝達部材として上記ギヤドワイ
ヤを用いたものは操作フイーリングが非常に悪い
と言う欠点を有しており、又ラツク状テープはテ
ープに多数穴あけしているので強度が非常に弱く
テープとして特殊な材料を使用しなければならな
いと言う問題があり、更に又樹脂製ラツクは上記
ラツク状テープの場合と同様強度上問題がある上
に合成樹脂の押し出し成形に特殊な技術を要しコ
スト高となる等の問題を有している。

本発明は上記のような従来の問題をすべて解消
し得る押引力伝達部材を用いたウインドレギユレ
ータを提供することを目的とするもので、以下附
図実施例につき説明する。

第１図は本発明にかかるウインドレギユレータ
の一例を示す要部正面図であり、１は鎖状体（チ
エーン）１１と合成樹脂製の帯状体或は棒状体等
の可撓性長尺体１２との組合せよりなる押引力伝
達部材で、該押引力伝達部材１は案内部材２内に
長手方向にスライド可能なるよう嵌装支持され、
該案内部材２はドアのインナパネル等に取付ブラ
ケツト３を介して取付けられる。

上記押引力伝達部材１の一端部は窓ガラス４の
下辺部近傍に取付けたホルダ５に結合され、後述
する駆動部６の駆動によつて押引力伝達部材１が
長手方向に移動しホルダ５が案内部材２にガイド
されて案内部材２の窓ガラス昇降軌跡に合致した
部分Ａの範囲を上下にスライドし窓ガラスの昇降
を行い得るようになつている。

押引力伝達部材１は、第２図に示すように鎖状
体１１と可撓性長尺体１２とが重なつた状態に組
合され、鎖状体１１の一端部は可撓性長尺体１２
の一端部に例えばリベツト又はボルト等の結合部
材１３により固着され、鎖状体１１の他端は前記
ホルダ５の係合突記５ａに係合固定されると共に
可撓性長尺体１２の他端はホルダ５の当接面５ｂ
に当接した状態となつている。

一般に、動力伝達用の鎖状体即ちチエーンは、
歯車に噛合う軸部を有し、歯車の回転に伴つて長
手方向に移動して他の部材に動力を伝達するもの
であり、屈曲自在で伸びが極めて少く且つ強度的
に非常にすぐれていると言う利点を有している
が、反面引張り方向にしか動力を伝達できず押し
方向の動力伝達は不能であると言う特性をもつて
いる。

そこで本発明では駆動用歯車に噛合い歯車の回
転によつて長手方向に移動する鎖状体即ちチエー
ン１１に充分な長手方向圧縮強さを有する可撓性
長尺体１２を組合せることにより、引張方向には
鎖状体１１のみでホルダ５に動力を伝達し、押し
方向には鎖状体１１が結合部材１３を介して可撓
性長尺体１２を押し方向に引張ることによりホル
ダ５を押して移動させることができるようにした
ものである。

ホルダ５の詳細は第３図に示す通りである。即
ち、第３図に示すようにホルダ５は押引力伝達部
材１に係合結合され押引力伝達部材１を案内支持
する案内部材２をスライド可能に貫挿する案内部
５ｃをもつたインナホルダ５１と、窓ガラス４に
接合固定されるフランジ部５ｅと溝部５ｆを有し
上記インナホルダ５１の外周に嵌装組付けられイ
ンナホルダ５１の突部５ｄと該溝部５ｆの嵌合に
よりインナホルダ５１に対し窓ガラス面に直交す
る方向にスライド変位し得るようになつているア
ウタホルダ５２とからなり、押引力伝達部材１の
押引操作力はインナホルダ５１から突部５ｄと溝
部５ｆの嵌合部を介してアウタホルダ５２に伝わ
り、窓ガラス４を昇降作動させると共に、案内部
材２と窓ガラス４との窓ガラス厚味方向の相対的
変位に対しては突部５ｄと溝部５ｆによるインナ
ホルダ５１とアウタホルダ５２の相対的スライド
変位にて無理なく吸収できるようになつている。

駆動部６は第４図に示すように、ドアのインナ
パネルに取付けられるベースプレート６１と、該
ベースプレート６１に回転可能に支持された歯車
６２とからなり、該歯車６２はベースプレート６
１の支持部６１ａに嵌装支持された案内部材２内
の押引力伝達部材１の鎖状体１１に噛み合い、図
示しない操作ハンドル又は電動モータ等にて歯車
６２を回転駆動することにより、前記したように
鎖状体１１で直接ホルダ５を引張り窓ガラス４を
上昇させたり、鎖状体１１から可撓性長尺体１２
を介してホルダ５を押し窓ガラス４を下降させた
りすることができるようになつている。

尚上記実施例では可撓性長尺体１２の端部をホ
ルダ５の当接面５ｂにつき合せた構造としてお
り、このようにすれば組付けが容易となる点効果
的であるが、可撓性長尺体１２の端部をホルダ５
に結合固定しても良いことは勿論である。

又可撓性長尺体１２は上記実施例のように合成
樹脂にて形成すれば、形成が極めて容易である上
に、引張強度に対し圧縮強度の方が大でありその
強度大なる圧縮方向のみの荷重しか受けないの
で、例えば６ナイロン等の一般的な材料にて充分
強度が保証でき、コスト的に極めて有利である
が、本発明では可撓性長尺体１２としては合成樹
脂材に限らず、例えば0.3mm厚程度のばね鋼板、
或はこのばね鋼板に樹脂コーテイングを施したも
の等、長手方向の圧縮荷重に対し短縮しない可撓
性を有する任意の素材を用いることができる。

更に又上記のようにばね鋼板を用いた場合、該
ばね鋼板は引張り強度も大であるので、第５図に
示すように、該ばね鋼板よりなる可撓性長尺体１
２に沿わせた鎖状体１１の両端を該可撓性長尺体
１２に結合１３，１３′し、可撓性長尺体１２の
先端をホルダ５に結合固定し、駆動部６を歯車６
２の回転により鎖状体１１から一方の結合部１
３′、可撓性長尺体１２を介してホルダ５を上方
に引張り、又鎖状体１１から他方の結合部１３、
可撓性長尺体１２を介してホルダ５を下方に押し
下げるようにしても良い。

この場合は押し引き共長尺体１２を介して行う
ことになるので、該長尺体１２を結合部１３′又
は１３を介して引張る鎖状体１１は第５図示のよ
うに窓ガラスのストロークｌよりやや長いｌ＋α
の長さで充分であり、第２図の実施例のものに比
し鎖状体１１の長さを大幅に短縮することができ
る。

上記第２図及び第５図の実施例共、鎖状体１１
としては歯車に噛合うべき軸部を所定ピツチにて
有し引張外力に対し長さ方向に伸びない屈曲自在
な任意形式のチエーンを使用できる。

以上のように本発明によれば歯車に噛合うラツ
ク機能を有し屈曲自在で引張強度が大なる一般的
な鎖状体即ちチエーンを、帯状又は棒状等の極く
単純な断面形状をもち所定の圧縮強度を有する可
撓性長尺体に組合せることにより、可撓性を有し
且つ大なる強度をもつたラツク状の押引力伝達部
材を構成し、これを所定の剛性を有する案内部材
にスライド可能なるよう嵌装した状態で、窓ガラ
スの昇降軌跡に合致した線上及びそれから歯車を
備えた駆動部へと屈曲させて引き廻してドアイン
ナパネルに取付け、上記押引力伝達部材の一端を
窓ガラス下線部近傍に取付けたホルダに結合した
ことにより、操作ハンドルの操作又は電動モータ
等にて駆動部の歯車が回転すると押引力伝達部材
が長手方向にスライドしホルダを押し、引きして
窓ガラスを開閉させるラツク式ウインドレギユレ
ータを得ることができるもので、上記ラツク状押
引力伝達部材を構成する鎖状体及び可撓性長尺体
は極く一般的なありふれた部品で特に面倒な加工
等を必要とせず組合せ構成も単純で極めて安価で
ある上に強度が非常に大であり、且つ全体的に小
型にまとめることができる等、実用上多大の効果
をもたらし得るものである。

尚本発明は自動車のドア窓ガラスだけでなく例
えばリヤクオータウインド等の車体に設けた窓ガ
ラスの昇降装置としても使用できることはもちろ
んであり、この場合案内部材２や駆動部６等は車
体のインナパネルに取付けられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す概略正面図で要
部を断面にて示している。第２図イ，ロは第１図
の押引力伝達部材を示す説明図及びＸ矢視図であ
る。第３図イ，ロは第１図のホルダの正面図及び
Ｙ−Ｙ断面図、第４図は第１図の駆動部の断面図
である。第５図は本発明の他の実施例を示す概略
正面図である。 １……押引力伝達部材、１１……鎖状体、１２
……可撓性長尺体、２……案内部材、４……窓ガ
ラス、５……ホルダ、６……駆動部、６２……歯
車。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 歯車に噛合う所定ピツチの軸部を有する鎖状
   体を、長手方向の圧縮外力に対し所定の強度をも
   つ可撓性長尺体に沿わせ、少くとも一端部におい
   て鎖状体と可撓性長尺体とを結合固定してラツク
   状の押引力伝達部材を構成し、該押引力伝達部材
   を所定の剛性をもつ案内部材に長手方向にスライ
   ド可能なるよう嵌装して窓ガラスの昇降軌跡に合
   致する線上から上記鎖状体に噛合う歯車を備えた
   駆動部に至るよう配設し、上記押引力伝達部材の
   端部を、上記案内部材の窓ガラス昇降軌跡に合致
   する部分にスライド可能なるよう案内保持された
   ホルダに結合し、該ホルダを窓ガラスの下縁部近
   傍に取付けたことを特徴とするラツク式ウインド
   レギユレータ。 ２ 押引力伝達部材とホルダとの結合は、一端部
   を可撓性長尺体の一端部に結合固定した鎖状体の
   他端をホルダに係合固定すると共に可撓性長尺体
   の他端部をホルダに押し方向に当接若しくは固着
   した構造となつていることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項に記載のラツク式ウインドレギユレ
   ータ。 ３ 押引力伝達部材とホルダとの結合は、鎖状体
   の両端部を結合固定した可撓性長尺体の一端部を
   ホルダに固着した構造となつていることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項に記載のラツク式ウイ
   ンドレギユレータ。