JPH0237470B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野： 本発明は、複数の車輌を載置するフロアーテー
ブルを回転可能とすることにより、車輌の出入り
を容易となすと共に必要に応じて多層となし、密
度の高い駐車を可能とした駐車装置に係るもので
ある。

従来技術： 都市並びにその周辺における駐車場所の要求は
益益高まり、使い易く且つ駐車収容力が大で、し
かも設置費及び経常費が安価な駐車装置が望まれ
ている。

従来設置されてきた都心に適する駐車施設は、
メリーゴーランド式若しくはエレベータ揚げ式の
立体駐車場或いは地下若しくは階上の各層分離式
の１フロアーの平面駐車場が広く用いられてい
る。しかし、立体駐車場方式のものは、占用面積
に対して収容台数を多くできる長所はあつても、
建設費が高くその上日常使用時の運転経費も著大
であり、又、各層分離式のものは、日常使用時は
車輌が自走して出入りするからランニングコスト
は少いが収容台数に比例した広大なフロアー面積
が必要で、その確保費用が著大となり、いずれの
場合も駐車する車１台当りの投下資本はかなりの
高額とならざるを得なかつた。

発明の目的： 本発明は斯かる現況に鑑み、占有面積当りの駐
車台数が多くとれしかも設備費及び管理費が比較
的少くできる駐車装置を提案せんとしてなされた
もので、基本的にターンテーブルによる方向の自
由選択性と、これをスケールアツプした回転フロ
アーで且つこのフロアーを多層にすることでその
上に収容できる駐車台数を増加し、さらに上層フ
ロアーテーブルへの車の出入に際してはこれが回
転可能なフロアーテーブルであることにより、駐
車が容易となる車の進入部をランプウエーと一致
させランプウエーから直接入出庫ができる多層回
転駐車装置の提供を目的としている。

発明の構成・実施例： 以下、本発明の１実施例を図面に基づき説明す
る。

従来用いられているターンテーブルは、立体駐
車場等の車輌、特に自動車の出入りりに際しての
方向転換用の車路として、１台の自動車を載置す
るために付帯設置されているものは周知である
が、本発明では単に車路を形成するものではな
く、ターンテーブル方式による方向の任意選択性
を基幹として、フロアーテーブルを回転可能とす
ると共に、このフロアー面積を大きくし複数の自
動車を順列並びに並列して載置駐車できる構成と
したものである。

第１図、第２図又は第３図に示すのは本発明の
浮力支承機構により回転自在に支修されるフロア
ーテーブルおよびランプウエーを、純機械的な支
承構造に例をとつて説明するための説明図であ
り、第１図のものはビルとビルとの間等の狭少な
土地に設置した本発明の多層回転駐車装置１であ
る。すなわち、第２図に示すように、１層目（地
平面）のフロアーテーブル２は車輌４の所要駐車
スペースの最大巾の約５倍又は最大長さの約２倍
を基準直径とする円形であり、フロアーテーブル
２は所要の強度メンバー５で強度が保たれ、これ
と結合した外周メンバー６は、その下面を基盤に
固着した適当数のベアリング入り支保ローラ７に
接し、フロアーテーブル２自体が回転自在に支持
されている。

中央支点８は強固な中心軸で、中央に掛る荷重
を支えるベアリング又は油潤滑キヤリヤーを備え
たスラストピボツト９で支承され、さらに各強度
メンバー５の中間部にも、基盤に固着した適当数
の補助の支持ローラ７′に接するフエイスプレー
ト１０を円周状に設け、フロアーテーブル２及び
載置した車輌４，４の総荷重を分散し、円滑な支
保と回転が行なえるようにする。

２層目以上のフロアーテーブル２は、下層フロ
アー面の駐車位置から割出した適当間隔を保つて
立設された各支柱１１，１１で支承され、１層目
のフロアーテーブル２と共に支障なく安定に回転
できるように確実に取付けられており、２層目以
上へは、車輌はランプウエイ３を通つて殆んど直
進のみで出入することができる。

この１層目のフロアーテーブル２を回転させる
には、たとえばランプウエイ３の下に設置した回
転駆動機構１２により行なうが、第２図に示す実
施例にあつては回転駆動機構１２はモーター、減
速機、プーリー等が緊張用伸縮台座上に纒めら
れ、さらにエンドレスワイヤ１３をフロアーテー
ブル２の外周メンバー６に巻回した上、回転駆動
機構１２のプーリーにも巻回しスリツプを防止し
た駆動状態とし無限回転を可能としているが、場
合によつては支持ローラ７に駆動源を直結してフ
ロアーテーブル２を回転させることも可能であ
る。

また、本発明の多層回転駐車装置は、上記説明
例にみるごとく独立に設ける他に、第３図に示す
ようにビル内にもその構築物と関連させて設置す
ることができる。すなわち、大型のビル内駐車場
でその各柱間隔がおよそ５ｍを超える場合には、
多層回転駐車装置１の回転中心を特定の柱に設定
することにより多層のフロアーテーブル２，２を
形成することができる。さらに既設の駐車場階
に、２層目のフロアーテーブルと同じレベルの床
面を有する中階１４を設けて駐車スペースとし、
本発明のフロアーテーブルの１部（車輌１列分）
をターン用として方向転回用に使用すれば、駐車
スペースを有効に増加させ得ると同時にフロアー
テーブル上の上記１列分を除く残余は先の説明例
と同様に駐車スペースとなすことができる。

本発明の多層回転駐車装置における、フロアー
テーブルを回転自在に支保する手段は、第４図に
示すように浮力支承機構となつている。すなわ
ち、１層目のフロアーテーブル２の下面に円型又
はドーナツ状のフロートタンク２３を付設し（第
４図はドーナツ状のフロートタンクの場合を示
す、）その外径よりやゝ大きな水槽２４を基盤レ
ベル下に設けて該水槽２４に浮かすようにしたも
のである。この実施例では水槽２４中のフロート
タンク２３の浮力でフロアーテーブル２重量分を
ほぼ負担させ、載置自動車の相当重量分を支保ロ
ーラー２０，２０及び内側補助ローラー２１，２
１で受支することが可能となり、さらに地平面に
達するまでの基盤の立上り円周壁面に倣うように
配設された外側案内ローラー２２により回転中心
を保全しながら、上記実施例同様にフロアーテー
ブル２の外周部を巻回させたエンドレスワイヤ１
３を介し、回転駆動機構１２により任意に回動さ
せることができる。

水槽２４には、注配水管２６を連結して注排水
を行ない水位線２５を調整して、フロアーテーブ
ルのレベルが一定となる条件下で、支保ローラー
２０，２０、内側補助ローラー２１，２１への荷
重を滅殺している。

このような構造を採用すれば、１層又は２層以
上となされたフロアーテーブルの回転用動力は少
くて済み、省エネルギーに貢献することは勿論、
スラストピボツト等の省略若しくはローラー部材
等の軽量化が達成でき、設備費を節減できる。

発明の作用・効果： 斯く構成された本発明の多層回転駐車装置は、
フロアーテーブルの始動停止は、各層乗込口に設
けたスイツチ（フオトレイ若しくは手動より選択
できる。）で操作するようにし、車の駐車位置に
おける固定に必要な装置又は車が規定位置を逸脱
した場合の警報装置並びに自動停止装置も付設
し、安全確保のために充分な防護手段を構ずるこ
とはいうまでもない。

ランプウエイ３の取付き勾配は、余地の許す限
りゆるい傾斜がよいが、２層目以上への乗込みに
は直線に限らず曲線路又は部分円弧状としてフロ
アーテーブル外周に沿う形式でもよく、その巾は
3.5ｍ程度となし、運転者の昇降用階段も周辺適
所（図示せず）に設ける。

本発明の駐車装置への車輌の出入りはすべて直
線方向のみの移行で可能であり、この便益性はタ
ーンテーブルにみる自由な方向選択機能と回転フ
ロアーテーブルとしてそのまま駐車スペースとす
ることとによりもたらされるもので、一定面積に
おける駐車台数の効率と経済性との釣合いがとれ
易い。

さらに本発明の駐車装置は、支保の構造も非常
に簡単で且つ摺動摩擦を最小にしており、回転用
の所要駆動力も、在来の立体駐車場の車路に用い
る１台用ターンテーブルに対比して、少し高める
程度で充分であり、構造が簡単なため設置費、保
守費及び運転経費等の経済性にすぐれ産業上の利
用性は大きいのである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本発明の説明例におけるフ
ロアーテーブルおよびランプウエーの説明図であ
つて、第１図は斜視図、第２図は第１図の状態の
もののフロアーテーブルを90度回転した側面説明
図、第３図はビル内の駐車階に設置したときの斜
視説明図である。第４図は本発明の１実施例の側
面図である。 １…多層回転駐車装置、２…フロアーテーブ
ル、３…ランプウエイ、４…車輌、５…強度メン
バー、６…外周メンバー、７，７′…支保ローラ
ー、８…中央支点、９…スラストピボツト、１０
…フエイスプレート、１１…支柱、１２…回転駆
動機構、１３…エンドレスワイヤ、１４…中階、
２０…支保ローラー、２１…内側補助ローラー、
２２…外側案内ローラー、２３…フロートタン
ク、２４…水槽、２５…水位線、２６…注配水
管。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ (a) 地平面と同一レベルに回転可能に設置さ
   れ、かつ複数の車両を順列および並列して載置
   できる平面域を有する円形の１層目のフロアー
   テーブルと、 (b) １層目のフロアーテーブルの上部にあつて、
   それぞれ下層のフロアーテーブルに載置する車
   両の列間に立設した支柱により支持される２層
   目以上のフロアーテーブルと、 (c) ２層目以上の各フロアーテーブルに到達する
   ランプウエーと、 (d) １層目のフロアーテーブルの下部にあつて、
   このフロアーテーブルの下面に付設されたフロ
   ートタンクとこのフロートタンクの外径よりや
   や大きな直径とされた円形水槽および回転中心
   を保全する外側案内ローラを有する浮力支承機
   構と、 (e) 各フロアーテーブルを１体に回転させる回転
   駆動機構と、 を具えたことを特徴とする多層回転駐車装置。