JPH0236872B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、タンデイツシユ等の溶融金属容器の
粉粒体耐火物吹付補修装置に関する。

従来の技術 近年、タンデイツシユ、電気炉等の溶損や損傷
による補修において、粉粒体耐火物を吹き付けて
自動的に補修する吹付補修装置が開発されてい
る。

しかし、従来の吹付補修装置では、１個の吹付
ノズルを設けた吹付ノズル装置に、１台または２
台の粉粒体耐火物供給機が配設されているもので
あつた。

発明が解決しようとする問題点 そのため、溶融金属容器に下地用と上地用の２
種類の粉粒体耐火物を２層に吹き付けて補修する
場合には、先ず下地用の粉粒体耐火物を吹付ノズ
ル装置に供給して溶融金属容器に吹き付けた後、
上地用の粉粒体耐火物を吹付ノズル装置に供給し
て溶融金属容器に吹き付けねばならず、補修時間
が長くかかるものであつた。

また、一層のみを吹き付けて補修する場合で
も、スラグライン用の粉粒体耐火物からメタルラ
イン用の粉粒体耐火物に切り換えるときに、吹付
ノズル装置を空吹きして溶融金属容器内を１周し
て切り換えているため、１周分の時間だけ長くか
かつているものであつた。

なお、高炉炉壁の補修装置には、実開昭57−
176450号公報のように複数個の吹付ノズルを取り
付けたものが知られているが、吹付ノズルは別々
に傾首駆動できるものでなく、同一の粉粒体耐火
物を吹き付けて一度に広範囲に施工したり、厚く
吹き付け施工するにすぎないものであつた。

問題点を解決するための手段 本発明は上記のような点に鑑みたもので、タン
デイツシユ等の溶融金属容器の溶損部や損傷部を
吹付ノズルを介して吹付補修する粉粒体耐火物吹
付補修装置において、吹付補修装置を台車に搭載
して往復走行自在に配設するとともに吹付補修装
置に吹付ノズル装置の吹付用パイプを吊設し、上
記吹付用パイプを垂直軸に対して５〜10度位の角
度にわたつて傾転自在に傾転装置を配設するとと
もに、吹付用パイプを垂直軸まわりに90度ないし
180度の所定角度ごとに旋回可能に回転駆動装置
を配設し、さらに吹付ノズルによる吹付ピツチご
とに吹付用パイプを昇降可能に昇降装置を配設
し、吹付ノズル装置の吹付用パイプに吹付ノズル
を複数個近接して取着するとともに、下地用と上
地用またはスラグライン部用とメタルライン部用
等の異種の粉粒体耐火物をそれぞれ吹き付け可能
に複数の粉粒体耐火物供給装置を上記複数個の吹
付ノズルにそれぞれ供給自在に接続して、上記複
数の吹付ノズルをタンデイツシユ等の溶融金属容
器の側面、底面に対向して吹付可能に０〜90度の
範囲にわたつてそれぞれ傾首駆動可能に傾首駆動
装置を配設したことを特徴する粉粒体耐火物吹付
補修装置を提供するにある。

実施例 以下、本発明を実施例にもとづいて説明する。

第１図以下は本発明の一実施例で、連続鋳造設
備のタンデイツシユに実施したものである。タン
デイツシユ１の内面を自動的に補修する吹付補修
装置２は、第１図のようにタンデイツシユ１の上
をまたいで往復走行自在とした台車３に、吹付ノ
ズル装置４、２台の粉粒体耐火物供給装置５，
６、１台の添加水供給装置７、制御装置８等を搭
載して形成している。吹付ノズル装置４は、第１
図、第２図のように中央部に十分な剛性をもつ所
要径の吹付用パイプ９を回転継手１０を介して所
定長さに接続して形成しており、その上方部を台
車３に固着したサーボ制御の昇降装置と傾転装置
を兼ねた昇降傾転装置（図示せず）に垂設して制
御装置８の入力設定したプログラム制御にもとづ
いて吹付用パイプ９を昇降駆動自在に、かつ５〜
10度位の角度にわたつて傾転駆動自在に配設して
いる。この吹付用パイプ９の下端部には、図のよ
うに粉粒体耐火物供給装置５，６の粉粒体耐火物
１１，１２をそれぞれ吹き付け自在に上下に所要
の吹付ノズル１３，１４を枢着している。それぞ
れの吹付ノズル１３，１４は、傾首部材１５，１
６を側部に突設してリンク棒１７，１８を接続
し、上方部に設けた図外の油圧シリンダーのよう
な傾首駆動装置で図のような０〜90度の範囲にわ
たつて垂直方向に吹付ノズル１３，１４をそれぞ
れ傾首駆動可能としている。上記上下２つの吹付
ノズル１３，１４は、ほぼ同形状に形成してい
て、吹付用パイプ９にほぼ同軸状にできるだけ近
接して取着していて、後述するように２種の粉粒
体耐火物１１，１２を同時的に重ねて吹き付けし
たり、連続的に吹き付けられるようにしているも
のである。このように形成した吹付用パイプ９の
上方部には、上部の吹付ノズル１３用に第２図の
ようにやや短い添加水流通用パイプ１９を吹付用
パイプ９に二重筒状に配設するとともに、その周
部に下部の吹付ノズル１４用の粉粒体耐火物１２
や添加水供給装置７の添加水２０を流入するため
のロータリージヨイントのような吹付材料流入部
２１を枢着している。そして、そのやや下方部に
接続した回転継手１０部には、サーボモーター駆
動の回転駆動装置２２を取着して、制御装置８の
プログラム制御にもとづいて下部の吹付用パイプ
９を所定角度ごと旋回自在としている。２３は上
部の吹付ノズル１３用の吹付用パイプ９への粉粒
体耐火物流入口、２４，２５は同上の添加水流入
口および添加水流出口、２６，２７は下部の吹付
ノズル１４用の吹付材料流入部２１への粉粒体耐
火物流入口および同流出口、２８は同上の耐火物
供給接続ホース、２９は同上の添加水供給接続ホ
ース、３０，３１は上部の吹付ノズル１３への添
加水供給接続ホースである。

この吹付ノズル装置４の上方部には、第１図の
ように上記した２台の粉粒体耐火物供給装置５，
６と１台の添加水供給装置７とを配設していて、
第１図のようにフレキシブルホースの耐火物供給
管３２，３３、添加水供給管３４，３５をそれぞ
れ吹付ノズル装置４の上記した耐火物流入口２
３，２６、添加水流入口２４，２９にそれぞれ接
続し、上記した下端部の上下の吹付ノズル１３，
１４から粉粒体耐火物１１，１２をそれぞれ吹き
付け自在としている。３６，３７はそれぞれ耐火
物供給用の切り出し装置、３８，３９は同上のバ
タフライ弁のような耐火物供給弁、４０，４１は
同上の耐火物圧送用のエヤー源、４２，４３は添
加水供給用の給水ポンプおよび圧力調整弁、４
４，４５は同上の給水電磁弁、４６，４７は同上
の流量調整弁である。

作 用 しかして、タンデイツシユ１の溶損した内周面
を補修するにあつては、２台の粉粒体耐火物供給
装置５，６に下地用と上地用のそれぞれの所要の
粉粒体耐火物１１，１２を装填し、タンデイツシ
ユ１の所要の諸元を制御装置８に入力して記憶さ
せ、吹付補修装置２を駆動する。

駆動すると、制御装置８の入力したプログラム
にもとづいて、第１図に示した２台の粉粒体耐火
物供給装置５，６のそれぞれの切り出し装置３
６，３７が回転し、耐火物供給弁３８，３９を開
き、また添加水供給装置７の給水ポンプ４２が駆
動し、給水電磁弁４４，４５をそれぞれ開いて、
２種類の粉粒体耐火物１１，１２と添加水２０を
それぞれ吹付ノズル装置４に供給する。供給され
た粉粒体耐火物１１，１２は、それぞれ、吹付パ
イプ９内と吹付材料流入部２１、耐火物供給接続
ホース２８を通つて、また添加水２０は、吹付用
パイプ９の外周部の添加水流通用パイプ１９内、
添加水供給接続ホース３０，３１と吹付用パイプ
９の外部に並設した添加水供給接続ホース２９を
通つて、それぞれ吹付ノズル１３，１４に送給さ
れる。上下の吹付ノズル１３，１４部で、送給さ
れた粉粒体耐火物１１，１２と添加水２０とをそ
れぞれ混練して、タンデイツシユ１の内周面に同
時に吹き付けるものである。吹付ノズル装置４
は、吹付用パイプ９を垂直方向に約５度傾斜し、
第３図、第４図のように側壁面の吹き付けでは台
車３の走行によつて行い、両端面では回転駆動装
置２３を駆動して上下の吹付ノズル１３，１４を
それぞれ垂直軸まわりに90度ないし180度の所定
角度旋回して図のようにタンデイツシユ１内を旋
回し、１周ごとに吹付ノズル１３，１４を所定の
１ピツチごと下降して、下方の吹付ノズル１４で
下地塗りを、上方の吹付ノズル１３でその上に重
ね合わせた上地塗りを同時に行つて補修してい
く。そして、底壁面では、傾首駆動装置を駆動し
て１周ごとに吹付ノズル１３，１４をそれぞれ所
定ピツチづつ傾首して、全底面を補修していくも
のである。

吹き付け補修が終了すれば、それぞれの切り出
し装置３６，３７、耐火物供給弁３８，３９、エ
ヤー源４０，４１、給水ポンプ４２、給水電磁弁
４４，４５を停止し、吹付ノズル装置４を退避さ
せるものである。

このように、吹付ノズル装置の一回の操作で、
タンデイツシユの補修面の下地塗りも上地塗りも
同時に吹き付けて補修できるため、補修時間の短
縮化がはかれるものである。

なお、実験の結果、スラブ40トン容量のタンデ
イツシユで、吹き付け表面積が28m²、吹き付け厚
さが８〜９mm、粉粒体耐火物供給装置の供給量が
23Kg／分で、従来約45分かかつていたものが、上
記した本発明のものでは約25分間で補修でき、従
来のほぼ半分位に短縮できたものである。

また、第５図のようにスラグライン部とメタル
ライン部とを吹き付け補修する場合では、従来約
20分かかつていたが、本発明のものでは約15分で
補修できたもので、空吹きのアイドルタイムの削
減がはかれ、数十％の短縮化がはかれて、効率よ
く補修できたものである。

上記の実施例では、吹付用パイプに１種の粉粒
体耐火物を供給し、他種のものはフレキシブルホ
ースを介して吹付ノズルへ供給するようにした
が、吹付用パイプを全長にわたつて二重筒状とし
て、二種のものをそれぞれ吹付用パイプ内を通し
て供給するようにもできるものである。また、逆
に二種のものをそれぞれフレキシブルホースを介
して吹付ノズルに供給するようにもできるもので
ある。

さらに、添加水についても、同様に適宜に吹付
用パイプ内を流通して供給するようにもできるも
のである。

上記の実施例では、吹付ノズルを吹付用パイプ
に重ならない程度に近接して取着したが、同軸状
に配設して、特に底面の中央部を吹き付けする場
合には、上下の吹付ノズルが重ならない程度の傾
首した状態で、吹付ノズル装置を平行移動して補
修するようにもできるものである。

なお、以上の実施例では、吹付ノズルを２個配
設したが、適宜に増加することも可能であり、ま
た吹付ノズルやノズルチツプを吹付用パイプに着
脱自在に取着して、吹付ノズルやノズルチツプを
自動的にまたは手動的に交換して使用するように
もできるものである。

以上の実施例では、タンデイツシユの補修につ
いて説明したが、電気炉等の溶融金属容器につい
ても同様にして適用できるものである。

発明の効果 以上のように本発明にあつては、吹付補修装置
の吹付用パイプをタンデイツシユ等の溶融金属容
器の内側面に対応して傾転し、その端部で旋回し
て周囲に吹き付け施工し、１周すれば吹付ピツチ
ごと上昇または下降して側周面を吹き付け施工で
きる。そして、吹付用パイプに取着した複数の吹
付ノズルに異種の所要の粉粒体耐火物をそれぞれ
供給できて、下地用の粉粒体耐火物と上地用の粉
粒体耐火物を同時に吹き付けて施工できたり、ス
ラグライン部用の粉粒体耐火物とメタルライン部
用の粉粒体耐火物を連続的に切り換えて吹き付け
施工でき、従来のように吹付ノズルを空吹きして
アイドルタイムを必要とすることがない。また、
複数個の吹付ノズルをそれぞれ０〜90度の範囲に
わたつて傾首駆動できるので、底壁面の吹き付け
施工で吹付ノズルを１周するごとに吹付ノズルを
それぞれ所定ピツチづつ傾首でき、上記の側周面
の吹き付け施工から連続して前底面にわたつて吹
き付け施工することができるものである。したが
つて、タンデイツシユ等の溶融金属容器の補修を
短時間に、能率よく施工することができるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の概略説明用図、第
２図は同上の要部の吹付ノズル装置部の一部省略
した側断面図、第３図、第４図は同上の施工状態
説明用の平面図および側断面図、第５図は同上の
他の施工状態説明用の側断面図である。 １……タンデイツシユ、２……吹付補修装置、
４……吹付ノズル装置、９……吹付用パイプ、１
０……回転継手、１２……粉粒体耐火物、１３，
１４……吹付ノズル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ タンデイツシユ等の溶融金属容器の溶損部や
   損傷部を吹付ノズルを介して吹付補修する粉粒体
   耐火物吹付補修装置において、 吹付補修装置を台車に搭載して往復走行自在に
   配設するとともに吹付補修装置に吹付ノズル装置
   の吹付用パイプを吊設し、 上記吹付用パイプを垂直軸に対して５〜10度位
   の角度にわたつて傾転自在に傾転装置を配設する
   とともに、吹付用パイプを垂直軸まわりに90度な
   いし180度の所定角度ごとに旋回可能に回転駆動
   装置を配設し、さらに吹付ノズルによる吹付ピツ
   チごとに吹付用パイプを昇降可能に昇降装置を配
   設し、 吹付ノズル装置の吹付用パイプに吹付ノズルを
   複数個近接して取着するとともに、下地用と上地
   用またはスラグライン部用とメタルライン部用等
   の異種の粉粒体耐火物をそれぞれ吹き付け可能に
   複数の粉粒体耐火物供給装置を上記複数個の吹付
   ノズルにそれぞれ供給自在に接続して、上記複数
   の吹付ノズルをタンデイツシユ等の溶融金属容器
   の側面、底面に対向して吹付可能に０〜90度の範
   囲にわたつてそれぞれ傾首駆動可能に傾首駆動装
   置を配設したことを特徴する粉粒体耐火物吹付補
   修装置。