JPH0236257Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、射出成形プラスチツクマグネツト成
形品の取出し装置に関するものである。

従来の技術 プラスチツクマグネツト成形品の射出成形にお
いて、金型から成形品取出しを自動的に行う手段
としては、成形品を突出しピンで金型から押出し
自然落下を利用する方法の他に、空気圧、または
油圧で作動する爪で成形品を掴み出す装置、或は
真空ポンプによる減圧により吸盤で成形品を吸着
して取り出す装置が採用されていた。

考案が解決しようとする問題点 成形品の形状が極端に薄く、軽量でかつ爪で掴
むとこわれ易い様なプラスチツクマグネツト成形
品の場合、仮に金型内脱磁を行つたとしても成形
品の完全脱磁が難しいことと、金型自体に永久的
に若干磁気が残留するため、突出ピンの復数作動
だけでは自然落下せず、自動取出装置を使おうと
する場合は、爪或は吸盤のチヤツキング機構に非
常に小型、精巧さが要求される。

本考案は、従来の手段では、自動取出しが困難
な形状と大きさを有するプラスチツクマグネツト
成形品を金型から自動的に取出すための装置を得
ることにある。

問題点を解決するための手段 上記の問題点を解決するために、本考案は、型
開きした金型へ進出するアームと鉄芯を吸着部と
してアームの進出により成形品に当接する電磁石
と電磁石のコイルに流す電流の反転手段を備えた
ことを特徴とするものである。

作 用 成形品を金型から取出す際には、電磁石のコイ
ルに電流を流し、成形品を鉄芯に吸着させる。ア
ームを所定の位置まで後退させたところでコイル
に流す電流を反転させると鉄芯に吸着されていた
成形品が離脱する。すなわち、成形品は金型内脱
磁を行つても多少磁気が残留しており、成形品を
取出す際には、成形品と鉄芯の当接部が異極同士
となるようにコイルに電流を流し、成形品を鉄芯
に吸着させる。そして、電流を反転させることに
より、成形品と鉄芯の当接部は同極同士となるの
で、反発して成形品が離脱される。成形品の金型
内脱磁を行わないときは、成形品と鉄芯の吸着
力、反発力が一層大きくなり、成形品の取出しが
より確実なものとなる。

尚、鉄芯に吸着させた成形品を、電磁石の電流
を切ることにより離脱させることもできるが、上
記のように本考案はこれより一層確実となるもの
である。

実施例 次に、本考案の一実施例を示す。

型開きした金型１，１′へ進出するアーム２に
取付板３を介して電磁石を装着する。吸着部とし
ての電磁石の鉄芯４は、アーム２が所定位置まで
進出したとき成形品５に当接するように位置す
る。電磁石のコイル６には、電流の反転手段（図
示せず）により、まず鉄芯４と成形品５が吸着す
る方向に電流が流れ、吸着した成形品５を離脱す
るときには反対方向の電流が流れる。

考案の効果 厚肉の成形品の場合は自重が大きいので、成形
品の取出しに際しては突出しピンの突出し作動を
数回繰返すだけで、成形品が自然落下する（但
し、成形品の金型内脱磁は必要）。しかし、0.5〜
１mmと薄肉の成形品の場合は軽量であるため、残
留磁力により突出しピンの先に付着したままであ
つたり、一旦金型から離れてもモールドベースに
付着してしまうことがあつたが、本考案では、電
磁石の磁力により確実に成形品を取出すことがで
き、また、電流の反転で磁力を反対にすることに
より、吸着して取出した成形品を簡単に落下させ
ることができる。

また、減圧による吸盤や爪によるチヤツキング
機構では、成形品が薄肉であると変形したり、ま
た成形品が小さいとその分機構が小さく複雑にな
るが、本考案は磁力で吸着するだけであるので極
めて構造簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部側面図で
ある。 １，１′は金型、２はアーム、４は鉄芯、５は
成形品、６はコイル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 型開きした金型へ進出するアームと鉄芯を吸着
   部としてアームの進出により成形品に当接する電
   磁石と電磁石のコイルに流す電流の反転手段を備
   えた射出成形プラスチツクマグネツト成形品の取
   出し装置。