JPH0234616B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ 所定の向きにある２つの別体の剛性要素のプ
レバブ式精密合わせ組合わせ体を包含する歯科模
型を加工する装置であつて、エンボス加工した片
面を有する第１の板を包含し、この片面が複数の
反復する小面を有する第１の複雑な幾何学的パタ
ーンを持つて形成してあり、前記第１板の反対面
が前記歯科模型を加工のための固定状態に支持す
るように構成してあり、また、エンボス加工した
片面を有する第２の板を包含し、この第２板の前
記片面が前記第１の幾何学的パターンのほぼ逆と
なつている複数の反復する小面を有する第２の複
雑な幾何学的パターンを持つて形成してあり、前
記両幾何学的パターンの前記小面が、前記第１、
第２の板を所定の空間的な関係に置いたときに精
密な一定の整合状態で合わせられて前記第１、第
２の板の主要面がほぼ平行な状態に配置されるよ
うに構成してあり、それによつて、前記歯科模型
を切断し、取り外し後に精密に再整合させること
ができるようにしたことを特徴とする装置。

２ 請求の範囲１項記載の装置において、鋳造し
た歯科模型と第１板を前記両表面に対して横方向
に切断して１つまたはそれ以上の分離したセグメ
ントを形成し、これらのセグメントが前記歯科模
型の残りの部分に対して精密な空間関係で取り外
し、再配置を行えるような構成となつていること
を特徴とする装置。

３ 請求の範囲１項または２項に記載の装置にお
いて、相互にヒンジ連結された上方支持プラツト
ホームと下方支持プラツトホームを有する咬合器
を包含し、第２板の反対面が第３の幾何学的パタ
ーンでエンボス加工してあり、前記咬合器の少な
くとも一方のプラツトホームが第４の幾何学的パ
ターンでエンボス加工してあり、この第４の幾何
学的パターンが前記第２板を前記プラツトホーム
上に所定の空間関係で装着したときに前記第３の
幾何学的パターンと合うようにしたことを特徴と
する装置。

４ 請求の範囲１〜３項のうちいずれか１つの項
に記載の装置において、第１、第２の板がエポキ
シ、アクリル、ポリエステル、ナイロン、ポリア
セタール、熱硬化性樹脂からなる群から選定した
熱可塑性または熱硬化性材料からなる硬質プラス
チツクで作つてあることを特徴とする装置。

５ 請求の範囲１〜３のうちいずれか１つの項に
記載の装置において、第１、第２の板がフエノー
ルアルデヒドからなる熱硬化性樹脂である硬質プ
ラスチツクで作つてあることを特徴とする装置。

６ 請求の範囲４項または５項に記載の装置にお
いて、前記第１、第２の板の各々が1380000〜
4140000kPa（200000〜600000psig）の曲げ弾性率
を有しかつ75〜150のロツクウエル硬度を有する
材料であつて、約0.025mm（１ミル）以内の公差
で永久成形できるかなり硬質のプラスチツク材
料、金属およびセラミツクから選定した材料で作
つてあることを特徴とする装置。

７ 模型の歯およびあごを加工する方法であつ
て、所定の形状で硬化鋳造物を形成する段階と、
この鋳造物をプレバブ式精密合わせ組合わせ体の
一方の構成要素である取付板の主要面の１つに取
り付ける段階であり、この取付板が反対側の主要
面に第１の複雑な形状の予め作つた幾何学的パタ
ーンを有する段階と、前記取付板の前記反対側の
主要面を前記プレバブ式精密合わせ組合わせ体の
下方合わせ板の片面に一定の相互錠止整合状態で
取り付ける段階とを包含し、この下方合わせ板の
前記片面が前記取付板および前記下方合わせ板を
所定の空間関係に配置したときに前記第１の複雑
な形状の幾何学的パターンと精密に合つた状態で
係合して前記プレバブ式精密合わせ組合わせ体を
形成するようになつている第２の複雑な幾何学的
パターンを有し、それによつて、前記硬化鋳造物
を取り外し後に切断し、精密に再配置することが
できるようにしたことを特徴とする方法。

８ 請求の範囲７項に記載の方法において、前記
鋳造物および前記取付板のうちの少なくとも１つ
のセクターを前記取付板の主要面に対して横方向
の一対の平面に沿つて切断し、前記セクターをそ
れを取り出した前記モールドの他の部分に対して
精密な位置で前記下方合わせ板に対して取り外
し、再配置することができるようにしたことを特
徴とする方法。

技術分野 本発明は、大雑把に言えば、２つの要素の精密
合わせに関するものであり、詳しく述べるなら
ば、鋳造模型の製作、たとえば、歯、歯肉および
あごの模型の精密製作に関する。

歯科模型を製作する従来の方法では、普通、患
者の陰印象を用いて取外自在の歯牙切片および陽
型を持つた陽原型を得ている。従来、歯、歯肉ま
たはあごに種々のタイプのピンを手作業で固定す
るには、時間がかかることに加えて熟練を要す
る。基体に通常設けられている合せ孔にブツシン
グ、スリーブ、ガイド等を挿入しなければならな
いのである。石膏、エポキシ、パテその他の成形
材料を用いて模型を鋳造するときに同時に固定す
るのが普通である。

クラウン、インレイ、ブリツジ、義歯等を組合
わせにしろ個別にしろ製作する従来方法では、正
確な縁および輪郭を作るために各セグメント（歯
牙陽型）をあご模型の他の部分に対する空間的物
理的な関係から外せなければならない。２つ以上
の架工義歯ユニツトを、一体鋳造、はんだ付け、
粘着ワツクス、コーピング、精密付着のいずれか
によつて結合しようとしている場合、加工模型セ
グメントをあご模型の切断、分離、分解の前の元
の状態に繰り返し精密にもどせるようになつてい
なければならない。

従来は、このような加工模型の製作には次のよ
うな冗長で不能率、時間のかかる作業段階が必要
である。

(1) 患者の陰口腔印象または隣接ピンとの物理的
な接触を避けながら「眼球作業」（eyeballing）
によつて印象にある歯の陰キヤビテイにピンあ
るいはブツシングを苦心して置き、各隣接した
陰歯牙キヤビテイの垂直軸線に合わせる。

(2) 或る種の方法（通常、十字線、ホツトワツク
ス、保持機構その他の道具）を用いてピンまた
はスリーブを設置位置に固定する。

(3) 液状石膏その他の固定材を型に注ぎ、重合、
結晶化、固化あるいは硬化するまで待つ。いわ
ゆる「初期注入材料」が硬化し、ピン、スリー
ブまたはブツシングを手で、機械で、目で見な
がらその他もろもろの手段で設置した状態に拘
束する。

(4) ピンなどが初期注入材料の硬化によつて所定
位置に固定された後、石膏その他成形材料とし
て用いられたものの上に離型剤、垂れ防止剤、
剥離剤のいずれかを注意深く塗布し、次に第２
の注入を行う。

(5) 第２注入材料で硬化した後、加工模型をオリ
ジナルの陰印象から取出し、咬合器プラツトホ
ームに設置できるように整え、分割する。分割
することによつて、個々の陽型の取外し、した
がつて交換が容易になる。ときには、取外中、
あるいは分離しようとしているときに、２つの
部分が破損してピンが支えを失ない、曲がつた
り、ゆるんだり、抜けたりすることがある。

このような模型の製作で現在用いられている方
法では、ピンあるいはガイドの位置決めをするの
に手作業にしろ機械作業にしろ経験の深い熟練し
た技術を必要とし、また、硬化していない液状の
成形材料、たとえば、石膏を用いなければなら
ず、さらには、「試行錯誤」によつてピン、ブツ
シング、あるいは仕上げた模型を位置決めしなけ
ればならない。したがつて、作業時間が限られて
いれば、「重大」な事態が生じる。もしいずれか
の作業段階が判断の間違いあるいは機械の誤操作
あるいは材料の欠陥（たとえば、混合の誤り、不
均質、汚染）あるいは環境の変化（温度、湿度、
不注意な動き）あるいは注入中のピンまたはガイ
ドの変位によつて影響を受けたならば、作業全体
が失敗する。そのため、印象を再度取ることにな
り、患者に余分な負担、不便をかけることにな
る。

従来の方法には、常に次のような問題がある。

(1) 基準ピンを正しく整列させるには作業者の側
に「眼作業」、道具、機械その他の装置を用い
る必要がある。現在用いられる方法は面倒で時
間がかかり、高価かつ不能率である。

(2) 模型を作る際に組合わせた雄型、雌型の「ピ
ン」またはブツシングを固定するのに未硬化の
石膏その他の成形材料を通常必要とする。これ
は最良のものでも制御しにくく、しばしば非可
逆的である。

(3) 作業中に硬化する石膏その他の材料の収縮、
反り、溶解、磨損は言うに及ばず、このような
方法の性質として、たとえば２つ以上のセグメ
ントの平行度を定めたり、しばしば避けること
のできない外部破片が深い雌型部分に入るのを
防いだりすることの困難さにより重大な、時間
を浪費する事態が生じる。

(4) 金属あるいはプラスチツクの位置決めピンだ
けで隣合つた部分を保持している模型では不注
意で分離が生じ第１、第２の注入材料全体が印
象材料から分離させることがある。

したがつて、本発明の広い目的は鋳造模型、特
に歯牙、歯肉、あごの模型の製作全体を改良する
ことにある。

本発明のより特殊な目的は硬化した歯科鋳造物
の個々のセグメントを加工中に元の位置から外
し、正確にもどすということが容易にできるよう
にすることにある。

本発明の他の目的はピン、ブツシング、ガイ
ド、機械的補助具のたいくつで苦労の多い操作と
か、他の手段、たとえば、ホツトワツクス、スプ
ルー、機械的保持装置その他の道具の使用とか、
鋳物の基準補助具あるいは要素を固定するための
鋳型への固化材料の注入とかを無くすことにあ
る。

これらおよびその他の多くの目的は歯牙、歯
肉、あご等の鋳造模型を受けるようにしたプレハ
ブ式サンドイツチを包含する本発明で実現され
る。好ましい形態において、このサンドイツチは
一対の精密な板から成る。これらの板は取付板と
下方合わせ板であり、それらの合せ面には種々の
深さおよび寸法の、豊富で広範囲な組合わせの幾
何学的パターンが組込んである。あごの硬化模型
が加工のために取付板にのみ接着、ねじ留めその
他の手段で固定される。残りの半分、すなわち下
方取付板はベースとなる。

本発明によれば、対になつた精密板は、好まし
くは、完全に交換性があるように形成する（いず
れもが上方取付板にもなるし、下方合わせ板にも
なる）。これらの板はぴつたりと合わせて一定の
整合状態を保つ。無拘束成形材料の切断および必
要な分離は、セグメント交換精度を損うことなく
鋳造模型を取付けた板部分を介してきれいに行う
ことができる。合せサンドイツチの各半分、すな
わち個々の板は予め製造業者が精密に作つてあ
り、また耐久性のある材料で構成してあるので、
技術者または作業者の失敗がない。通常の環境要
因、たとえば、温度、湿度、不均質石膏その他の
成形混合物、外部汚染物はもはや関係がない。ピ
ン、ブツシング、スリーブ、機械的手段による穿
孔、その他の同様な処置はここに述べた形式の原
型を作るのにもはや必要がない。最初に精密な嵌
め合せを行なえば、全作業過程を通じてそれが保
たれる。

歯牙の硬化模型を本発明の精密合せ板の正しい
面に取付けた後に、個々の歯牙および必要がある
ならば歯牙のない区域を取付板と共に切断を行な
つて分割することができる。下方の合せ板を切断
する必要はない。事実、模型を固定した上方取付
板と共に下方合わせ板から完全に持ち上げてわき
に置くことができ、こうして切断を行うことがで
きる。この非常に融通のきく装置を用いることに
よつて、各分割部分が互にぢかに接触し、したが
つて、精密合せ板の取付部分に固定したならば、
「アーチ形模型」の４分の１あるいは２分の１を
切断し、反対側の切断を行なつているときに障害
となると思えるならばそれを切断線から外すこと
ができる。

２つ以上のユニツトから成る一体ブリツジを作
るときあるいははんだ付けをするときに必要なら
ば、任意のセグメント、四半分、半分の部分を上
方あるいは下方の板から個別にあるいは同時に取
外すことができる。従来の方法では、これが容易
に行なえなかつたのである。本発明の構造では、
種々の要素または複合物を咬合器に取付けたり、
再配置したりすることも容易になる。下方合せ板
は幾何学的なパターンと下面に設けたキー止め突
起とを有し、締付け、接着、保持、錠止、クラン
プ止めのいずれによつても係合を行うことができ
る。たとえば、石膏、プラスター、グルー、接着
剤、機械的設計のキー溝、クランプ、ラツチ、磁
力付着装置等から選べる。

本発明の別の特徴によれば、精密合せ板は或る
パターンの各要素の下側にビイルトイン式の通気
口を備えていて、パターン内に不注意に入つてし
まつた、精密な着座すなわち結合を損う可能性の
ある破片を除くことができるようになつている。
精度を向上させるために、合せ板をキー止めした
り、目盛を付けたり、内周縁とか外周縁とかに色
コードを付けたりしてもよい。そうすれば、試行
錯誤なしに正しい位置に正しいセグメントあるい
は分割部分を設置したかどうかを直接目で確認す
ることができる。また、２つの合せ板の間で外縁
まわりに切欠きを設けてもよい。こうすることに
より、個々の分割部分を手速く取外し、分離する
ことができる。本発明の組合わせの一部として考
えることのできるさらに望ましい特徴としては、
模型を保持している上方取付板の内外周に沿つた
横断面がやや張り出しているということである。
この特徴は作業者が加工原型の重要な表面区域に
指を触れないようにする把持用隆起を与えるばか
りか、隣合つたセグメントをぐらつかせたり、そ
れぞれの座面から持ち上げたりするのを防ぐのに
も役立つ。

本発明の装置は加工用鋳造模型、特に歯牙、歯
肉およびあごの模型を予め組込むのに用いる従来
の方法、用具、装置に比べて多くの利点を有す
る。いかなる模型でも、それが歯牙あるいは歯肉
あるいはあごの部分の模型であつても、いちど取
付板に取付けたならば、個々の部分を何回でも切
断、取外し、加工することができ、また、模型の
他の要素に対して正確な関係で再配置することが
できる。しかも、作業者は常に注意深くある必要
もないし、個々のセグメントにゆるみが生じるこ
ともない。

他の目的、特徴、利点は、添付図面を参照して
の以下の詳細な説明を読むことにより、当業者で
あれば容易に理解できよう。

【図面の簡単な説明】

第１図は硬化した上あご模型を装着した咬合器
を示しており、咬合器のパターン付き支持ベース
から外した下方合せ板に取付けた下あご模型と下
方合せ板から外した歯牙セグメントとの展開図、 第２図は咬合器に装着した下あご模型の斜視図
で、１つの歯牙セクターを下方合せ板から外した
ところを示す図、 第３図は本発明による下あご模型の内側斜視図
で、歯牙模型のいくつかのセクターを取外して下
方合せ板の一部を示す図、 第４図は１つの歯牙セクターの底面、側面、頂
面を示す斜視図で、第３図の下方合せ板の露出部
分に合わせて設計した突起を示す図、 第５図は本発明による取付板の下面を示す図、 第６図は第５図の取付板下面に合わせたパター
ンを有する下方合せ板の上面を示す図、 第７図は取付板または下方合せ板のいずれかの
合せ面として用いることのできるパターンの変形
例を示す図、 第８図は咬合器の支持面上の合せパターンに対
応する別のパターンを有する第６図の下方合せ板
の下面を示す図である。

以下、本発明の方法および装置を歯科模型を作
るという特定の用途について説明するが、本発明
の原理を他の多くの形式の鋳造模型を作ることに
も応用できることは了解されたい。

歯科模型を作る最初の段階は患者の歯牙、歯肉
またはあごの対応部分の印象をとることにある。
周知の手順によれば、これは患者の口腔内に歯科
印象材料を盛つたトレイを置くことによつて行な
われる。材料が固定したならば、トレイを取出
す。印象材料は、このとき、当該歯牙または歯肉
またはあごの陰形を示している。次に、石膏その
他の成形材料を印象内に注ぎ、硬化させる。硬化
した材料を次に印象から分離して加工用模型とす
る。次に、この模型を咬合器に装着したベース要
素に適当な接着手段、たとえばデユポン・カンパ
ニイから登録商標DUCOの下に市販されている
セメントで取付ける。

咬合器は上下の取付プラツトホームを包含し、
これらのプラツトホームは内面を種々の方法で連
結して上下のあご要素を受け、人間のあごの関係
あるいは実際の動きあるいはかみ合せを再現する
ことができる。

歯列矯正器を作つているときに、模型の１つの
セグメントを他の部分との空間的関係から外して
精密な縁取りおよび輪郭作りをしたり、取外した
セグメントを正しい位置に再配置できるようにな
つていなければならない。先にも指摘したよう
に、これを行う従来の方法は、模型の長軸に対し
て直角な歯牙空所に目で位置決めし、ボビーピン
のようなワイヤで所定位置に保持しながら１本以
上のピンあるいはブツシングを設置するというわ
ずらわしい作業であつた。１回以上の付加的な注
入を行なつた後、石膏模型を印象から分離し、所
望位置で切断し、取外し、加工、正しい位置への
もどしを行うことができる。明らかに、この方法
の精度および能率の向上が望まれる。セグメント
をくり返し外したり再配置したりすることによ
り、ピンの当初の嵌合状態および位置が浸されて
精密な関係が損なわれ、正しい整合精度が不可能
となりがちである。

第１―４図を参照して、仮歯、ブリツジ、クラ
ウン、インレイ等を作るときにあごの鋳造物を取
付ける咬合器１はヒンジ１ａまわりに開閉するよ
うに配置した上、下の支持プラツトホーム２，３
を有する。

第１図において、上あご模型４（説明を簡略に
するために石膏で固定したものが示してあるが、
後に下あご模型５について説明するように別のや
り方で組立てることもできる）は咬合器プラツト
ホーム２から下向きになるように装着してある。

第１図に示す下あご模型５は咬合器１の下方プ
ラツトホーム３に装着してある。図示したよう
に、下あご模型５の底面は取付板６のほぼ平らな
上面に接着剤、エポキシ等で接着してあり、剛性
接合部８を形成している。取付板６の下面は、本
発明に従つて種々の深さ、寸法を持つ精巧で豊富
な組合わせの幾何学的パターン６ａで覆つてあ
り、下方合せ板７の上面にある逆パターン７ａと
合わせて構成してある。板６，７は適当なブレン
ドの射出成形樹脂、たとえば、アクリロニトリル
ブタジエンスチレン（ABSと呼ばれている）の
市販製品で形成するのが好ましいが、任意の硬質
熱可塑性材料、たとえば、約1000分の１（0.001）
以内の精度に永久成形（好ましくは射出成形）す
ることができ、ロツクウエル（Ｒ）硬度が75乃至
150であり、曲げ弾性率（硬化時）が200000―
600000p.s.i.g.である耐衝撃ポリマー樹脂で成形す
ることもできる。

硬質プラスチツク、硬質ポリウレタンに加え
て、他の適当な熱可塑性または熱硬化性材料、た
とえば、限定するつもりはないが、エポキシ、ア
クリル、ポリエステル、ナイロン、ポリアセタ
ル、あるいは熱硬化性樹脂（たとえば、フエノー
ルホルムアルデヒド）を本発明の目的に用いるこ
とができる。

下方合せ板７の底面をエンボス加工してパター
ン７ａよりも精巧度の落ちるパターン７ｂを形成
してもよく、このパターン７ｂは支持プラツトホ
ーム３の表面にあるパターン３ａとかみ合うよう
に形成する。この実施例において、支持プラツト
ホーム３の上面３ａには、下方合せ板７の下面に
ある突起７ｂを受け入れるように構成した三角形
横断面の半径方向溝３ｂを複数本刻み込んであ
る。望むならば、ここに適当な接着剤を用いても
よいし、あるいはその他適当な接合手段、固着手
段を設けて支持板７をプラツトホーム３に固定し
てもよい。図示実施例では、ゴムをベースとした
溶剤接触式接着剤が適当であることがわかつた。

石膏模型５が硬化して取付板６に接合した後、
そして接合部８も硬化した後、必要とするだけ切
断を石膏模型５および取付板６を横切つて垂直方
向に行なつて個別のセグメント５ａを形成するこ
とができる。このセグメントは１本の歯を含むだ
けでもよいし、あごの断面に相当するものでもよ
いし、支持板７から外すことができる。互にかみ
合うパターン６ａ，７ａのために、セグメント５
ａを正しい位置に再配置することができる。

相互にかみ合うパターン６ａ，７ａが多くの異
なつた幾何学的形状をとりうることは了解された
い。たとえば、第１―４図に示すように、パター
ン６ａは多数の突起の形態をとつており、各突起
はほぼ截頭円錐形であり、たとえば、基部で
0.060インチ、頂部で0.030インチとなつており、
表面から0.220インチ突出しており、隣合つた突
起の中心間隔が0.200インチである。合せ面７ａ
は６ａの突起と正確に合つた寸法、形状、間隔の
多数の截頭円錐形のくぼみを包含する。さらに、
７ａのくぼみが支持板７を貫いて小孔を形成し、
成形材料粒子、ごみ、破片その他の障害物を除去
しやすいようにしてもよい。

第１―４図に示したパターン６ａ，７ａの代り
に多くの種類の幾何学的パターンを用いることが
できる。たとえば、第５，６図に示すように、取
付板６′、下方合せ板７′に相互にかみ合うパター
ン６a′，７a′を設けてもよい。合せ面が多数の異
なつた相互錠止平面を包含し、支持板７′および
取付板６′の各々が突起、くぼみを有し、これら
が相手方の対応した位置にあるくぼみ、突起と精
密にかみ合うようになつている。たとえば、第７
図に示す別の形態では、板７′は板６′のくぼみに
突入するようになつている多数の截頭円錐形の突
起１０を包含するが、これらは６a′の垂直下向き
の突起よりもかなり短い。

咬合器に取付けるのに便利なように、相互かみ
合いのパターン６a′，７a′を有する板６′，７′は
各々弓形になつており、丸くなつたところから平
らな端まで最大幅が約２1/2であり、平らな端を
横切つての全幅が約２7/8インチである。中央の
弓形の開口部は最大湾曲点までの長さが約１5/8
インチであり、平らな基部の横寸法が約１1/8イ
ンチとなつている。

相互錠止用合せ面に加えて、取付板６′および
下方合せ板７′はそれらの合せ側面に目盛線１１，
１２が印してあり、さらに識別用色コードが設け
てあつて取付板および下方合せ板の迅速な合せ作
業を行なえるようにすることができる。さらに、
１つ以上の側部切欠き１３を設ければ、てこを挿
入してぴつたりと嵌合している板６′，７′を分離
するときに便利である。

本発明の別の特徴として、取付板６（第１図を
再び参照されたい）の主面を下方合せ板７よりも
やや広くしてその内外側縁で、たとえば、1/8イ
ンチ、張り出し６ｃができるようにし、板６，７
をつまんで分離しやすいようにしてもよい。

第８図は板７′の反対側７b′を示しており、こ
れは弓形の突起を有し、同心段部１４のパターン
を包含する。これらの段部は対応した弓形くぼみ
を有する咬合器プラツトホームとかみ合うように
キー止めしてある。咬合器プラツトホーム面は下
方合せ板７b′に固着または接着して組立体の安定
を高めるようになつている。

当業者であれば、本発明が合せ幾何学的パター
ン、溝、目盛、コード分けにより、また、実際の
型の重要な面に触れることが少なくなるような把
持用出張りによつて個々の分割部分を迅速かつ容
易に外し、精密に再位置決めするのを可能とする
ことはわかるであろう。さらに、取付板および下
方取付板（下あご、上あご、いずれの模型にも、
あるいは両方をいつしよにも用いることができ
る）を咬合器プラツトホームに迅速に取付けた
り、そこから外したりすることができる。さら
に、総義歯に必要なように、咬合器位置決めのた
めに頂面に幾何学的パターンのない単一の部分を
用いることができる。すべての予め組立てた板部
分は互換性があるので、模型を取付けた上半分を
いつでも同じ形状の他の下半分と合わせることが
できる。これは１組の模型を任意数の他の咬合器
に正確に移すことを可能とし、しかも上下のあご
の当初の取付関係を乱すことがない。

本発明を歯科の分野に応用したものとして説明
してきたが、本発明の原理が精密な嵌め合せ板を
用いる他の分野にも応用できることは了解された
い。

本発明がここに例として開示した特定の構造に
限定されず、請求の範囲によつてのみ限定される
ことは当業者には明らかであろう。