JPH0234202B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はマイクロ波発振器の出力周波数安定化
回路に関する。

マイクロ波発振器では、負荷インピーダンスの
変動が発振周波数等に影響するので、温度によつ
て負荷インピーダンスが変動すると一般に出力周
波数の安定度が劣化する。特にFM変調器の場合
は、負荷インピーダンスの変動は変調直線性にも
影響を与えるので、負荷インピーダンスの変動に
よる発振周波数への影響を極力抑える必要があ
る。

負荷インピーダンスの変動による発振周波数へ
の影響を小さくする為に、従来はフエライトアイ
ソレータもしくは抵抗減衰器を発振器と負荷との
間に挿入していた。しかしながら、フエライトア
イソレータはその構成材料であるフエライトの特
性が温度に似存するので、フエライトアイソレー
タの入力インピーダンスが温度によつて変化する
ことがあり、負荷インピーダンスの変動による発
振周波数への影響の低減化は充分に期待できな
い。さらに、フエライトアイソレータの寸法は比
較的大でありかつ高価格であるので実用化に適し
ていない。また、抵抗減衰器を用いる場合、充分
なアイソレーシヨンを得る為には減衰量を大きく
しなければならないが、減衰量の増大に伴なつて
発振出力も減衰するので、所望の発振出力を得る
ためには、マイクロ発振器の発振出力を上げる
か、後段で増幅する必要が生じる。

本発明は上述の点にかんがみ、発振器からの出
力をハイブリツド回路で分配し、その一方の出力
における負荷インピーダンスの影響と他方の出力
における負荷インピーダンスの影響とを移相器を
介することにより相殺するという構想に基づき、
温度変化による負荷インピーダンスの変動の発振
周波数に対する影響を低減化した、小型かつ安価
な、マイクロ波発振器の出力周波数安定化回路を
提供することにある。

本発明において提供される回路は、マイクロ波
発振器の出力をハイブリツド回路により分配して
入力インピーダンス特性の異なる第１及び第２の
負荷に供給する信号分配回路において、ハイブリ
ツド回路の一方の出力と第１の負荷との間に接続
された第１の増幅器、ハイブリツド回路の他方の
出力に接続された移相器、および移相器と第２の
負荷との間に接続されておりハイブリツド回路で
分配された信号が第１の増幅器へ入力される移相
と90度異なる位相で入力され第１の増幅器と実質
的に同一の特性を有する第２の増幅器を具備して
おり、第１及び第２の増幅器の出力側に第１およ
び第２の負荷がそれぞれ接続されており、 第１の増幅器からハイブリツド回路に入力され
る反射波と第２の増幅器から移相器を介してハイ
ブリツド回路に入力される反射波とが、第１及び
第２の増幅器の特性を実質的に同一としたことに
より相殺されるようになつており、それにより、
第１及び第２の増幅器の温度変動による発振周波
数への影響を防止するとともに、第１および第２
の負荷インピーダンスの変化がマイクロ波発振器
の発振周波数に与える影響を第１および第２の増
幅器を介することにより低減したことを特徴とす
るマイクロ波発振器の出力周波数安定化回路であ
る。

以下、添附の図面に基づいて本発明の実施例を
従来例との対比において説明する。

第１図は従来の出力周波数安定化回路の１例お
よびこれに接続されたマイクロ波発振器のブロツ
ク図である。第１図において、マイクロ波発振器
１からの出力は抵抗減衰器２２によつて減衰され
てハイブリツド回路３に入力され、ハイブリツド
回路３の出力に負荷回路４および５が接続されて
いる。ハイブリツド回路３の入力における反射波
は減衰器２によつて再び減衰されるので、負荷イ
ンピーダンスの変動により発振器１の入力に与え
る影響は低減されている。しかしながら、この従
来回路によれば発振器の出力も減衰器２によつて
減衰されてしまう。

第２図は本発明による出力周波数安定化回路の
１実施例およびこれに接続されたマイクロ波発振
器のブロツク図である。第２図において、マイク
ロ波発振器１からの出力はハイブリツド回路３に
おいて二方向に分配され、その一方は第１の増幅
器６を介して負荷回路４に接続されており、他方
はその入出力間で信号の位相を90度移相する移相
器７を介して、第１の増幅器６と同様の構成をも
ち実質的に同一の電気的特性を有する第２の増幅
器８に接続されており、増幅器８の出力に負荷回
路５が接続されている。

ハイブリツド３から第２の増幅器８に送られる
信号は移相器７で90度の移相が行われ、増幅器８
からの反射波は再び移相器で90度の移相が行われ
るので、増幅器６からの反射波と増幅器８からの
反射波はハイブリツド３に180度の位相差を伴つ
て入力される。従つてハイブリツド３において増
幅器６および８からの反射波は相殺され、マイク
ロ波発振器１の入力は反射波の影響を受けない。
このため、温度変化によつて増幅器の入力インピ
ーダンスが変化しても発振器１には影響を与えな
い。また、第１の負荷および第２の負回路の電気
的特性が実質的に同一でないとしても、即ち、第
１および第２の増幅器の出力に接続されている第
１の負荷および第２の負荷のインピーダンスが変
動しても、増幅器の入力ではその影響が増幅器の
増幅率の逆数に応じて低減されるので、増幅器の
入力インピーダンスは負荷インピーダンスの変動
による影響を殆ど受けない。このため、第１およ
び第２の負荷のインピーダンスの変化は、第１お
よび第２の増幅器より前段に影響を与えない。即
ち、本発明においては、単に90度移相器を介する
ことにより反射波がハイブリツド回路で相殺され
るようにするとういうだけでなく、使用目的によ
つて必ずしも電気的特性を実質的に同一にできな
い第１および第２の負荷に代わつて、容易に実現
できる実質的に同一な電気的特性を有する２つの
増幅器を選択したことにより、第１および第２の
増幅器の出力に接続されている第１の負荷および
第２の負荷のインピーダンスが変動しても、増幅
器の入力ではその影響が増幅器の増幅率の逆数に
応じて低減されるので、増幅器の入力インピーダ
ンスは負荷インピーダンスの変動による影響を殆
ど受けない。

マイクロ波発振器は一般にAFC（自動周波数制
御）等の為に、出力を２つに分離する必要のある
事が多く、本発明による回路を用いれば小型かつ
安価で、充分な安定度を持つ出力周波数が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はマイクロ波発振器に接続された従来の
周波数安定化回路の１例を示すブロツク図、第２
図はマイクロ波発振器に接続された本発明の１実
施例による周波数安定化回路を示すブロツク図で
ある。 １：マイクロ波発振器、２：抵抗減衰器、３：
ハイブリツド回路、４：負荷回路、５：負荷回
路、６：第１の増幅器、７：移相器、８：第２の
増幅器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ マイクロ波発振器の出力をハイブリツド回路
   により分配して入力インピーダンス特性の異なる
   第１及び第２の負荷に供給する信号分配回路にお
   いて、 該ハイブリツド回路の一方の出力と該第１の負
   荷との間に接続された第１の増幅器、 該ハイブリツド回路の他方の出力に接続された
   移相器、及び 該移相器と第２の負荷との間に接続されており
   該ハイブリツド回路で分配された信号が該第１の
   増幅器へ入力される移相と90度異なる位相で入力
   され該第１の増幅器と実質的に同一の特性を有す
   る第２の増幅器を具備しており、 該第１及び第２の増幅器の出力側に該第１およ
   び第２の負荷がそれぞれ接続されており、 該第１の増幅器から該ハイブリツド回路に入力
   される反射波と該第１の増幅器と該第２の増幅器
   から該移相器を介して該ハイブリツド回路に入力
   される反射波とが、該第１及び第２の増幅器の特
   性を実質的に同一としたことにより相殺されるよ
   うになつており、それにより、該第１及び第２の
   増幅器の温度変動による発振周波数への影響を防
   止するとともに、 該第１および第２の負荷インピーダンスの変化
   が該マイクロ波発振器の発振周波数に与える影響
   を該第１および第２の増幅器を介することにより
   低減したことを特徴とするマイクロ波発振器の出
   力周波数安定化回路。