JPH0233921Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、特に薄物ストリツプの幅圧下を行う
ようにしたストリツプエツジヤーに関するもので
ある。

［従来の技術］ 一般に、ストリツプの圧延には、通常所謂水平
４段圧延機が使用されているが、ロールに圧延荷
重が掛かるとロールは弾性撓み、へこみ変形を生
じるため、圧延されたストリツプの幅方向断面は
中凸となり、且つ幅端部にはエツジドロツプが発
生する。このためストリツプの幅寸法が所定の幅
寸法より大きくなるように圧延した後、所定幅の
矩形断面が得られるようにトリミングを行わなけ
ればならないと言う問題があつた。

そこで従来、一対の竪ロールを備えたストリツ
プエツジヤーにより幅圧下を行い、ストリツプの
幅端部にドツグボーンと称するエツジアツプ部を
形成した後、水平圧延を行う方式が考え出され
た。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、前記ドツグボーンの形成はスト
リツプの板厚が厚いと効果的であるが板厚が薄い
と効果が小さくなる傾向にあつた。即ち、第４図
に示すように、通常の大径の竪ロール１，１にて
幅圧下されているストリツプ２において、全幅圧
下量ΣΔWiとドツグボーン高さａ、ドツグボーン
ふところ長さｂ、水平圧延（１回）後のエツジド
ロツプ量Edとの関係は第５図乃至第７図に示す
如くである。尚、実線はストリツプ２が厚物で大
径ロールを使用した場合を、又破線は薄物で大径
ロールを使用した場合を示しており、夫々〇内の
数字はパス数を示している。

従つて、これら第５図乃至第７図から明らかな
ように、厚物の場合、ドツグボーンの高さａ及び
長さｂとも比較的容易に形成され、１パス行えば
エツジドロツプの改善が充分に行われるが（第７
図においてEd₀は許容エツジドロツプ範囲を示
す）、薄物の場合、竪ロール１，１が通常の大径
ロールであると、圧下力が大きく座屈し易いの
で、幅圧下量を大きくとれずドツグボーンの高さ
ａ及び長さｂが容易に形成されないことから、エ
ツジドロツプの改善が充分に行えない問題があつ
た。

そこで、竪ロール１，１を単に小径として薄物
を幅圧下すること考えられるが、この場合一点鎖
線で示すように、幅圧下力が小さいので座屈し難
いが、一方ドツグボーンの高さａ及び長さｂとも
充分に形成してエツジドロツプ改善効果を出すた
めにはパス数を多くしなければならない問題があ
つた。

本考案は斯かる実情に鑑み、小径竪ロールを用
いて、少ないパス数により充分なるエツジドロツ
プ改善効果を惹き出そうとするものである。

［問題点を解決するための手段］ 本考案では、並列配置した複数の小径竪ロール
を支持軸の先端部にすくなくとも１つが突出し得
るように支持させると共に、該支持軸を軸心方向
に移動させるための圧下調整装置と、支持軸を周
方向に回動させるための駆動装置を備えて成る構
成を有する。

［作用］ 圧下調整装置を作動させて薄物ストリツプを小
径竪ロールにより幅圧下成形する際には、すくな
くとも１つの小径竪ロールを突出させるととも
に、駆動装置を作動させて支持軸を回動させ、ス
トリツプに合わせて小径竪ロールを傾斜させる。

従つて、１パスにて複数パス分の圧下が行わ
れ、幅圧下量が多くとれるとともに、薄物ストリ
ツプにドツグボーンを形成させることができる。

［実施例］ 以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明す
る。

第１図乃至第３図に示す如く、内部を中空円筒
状に形成したエツジヤー本体フレーム３内に、ブ
ツシユ４及びウオームホイール５を介し支持軸６
が摺動並びに回転し得るよう挿入されていると共
に、該支持軸６の後端部軸心位置にはシリンダ室
７が形成され、且つ該シリンダ室７内にはピスト
ン８が嵌入して、該ピストン８に固設したロツド
９が本体フレーム３の後端部に支持されている。

更に、前記支持軸６の先端には小径に形成した
竪ロール１０，１１が並列に設けてあつて、一方
の竪ロール１０は支持軸６の先端に固設した支持
フレーム１２によつて支承され、他方の竪ロール
１１は、支持軸６の先端面より軸心方向に突出し
得るシリンダ１４のプランジヤと連結された支持
フレーム１３によつて支承され、且つ支持フレー
ム１３は例えば螺溝の如きガイド１５を介し支持
フレーム１２にスライド可能に係合せしめられて
いる。

又、前記ウオームホイール５は支持軸６のシリ
ンダ室７外周にキー１６を介し連結されていて、
支持軸６の回転を介し竪ロール１０，１１を傾動
させる傾動機構１７の一部を構成している。この
傾動機構１７はウオームホイール５と、該ウオー
ムホイール５に噛合せしめたウオーム１８と、該
ウオーム１８を駆動するためのモータ１９とから
成つている。

斯かる構成としたストリツプエツジヤーを例え
ば仕上圧延機のスタンド間に配置して板厚の薄い
ストリツプ２０の幅圧下を行う場合、スタンド間
に設けられたサイドガイドの中途部に配置して作
業を行う。尚、ストリツプ２０の進行方向に対し
竪ロール１１が竪ロール１０の下流に位置するよ
うにする。

この場合、仕上圧延機のスタンド間には通常ル
ーパーが設けてあつてストリツプ２０が水平状態
から傾斜しているので、その傾斜に竪ロール１
０，１１を対応させるべく、モータ１９を駆動
し、ウオーム１８を駆動してウオームホイール５
を回転させる。その結果、支持軸６が本体フレー
ム３内で回転し、而して竪ロール１０，１１を、
ストリツプ２０の進行方向と直角になるよう傾動
させる。

又、竪ロール１０，１１の圧下調整は、シリン
ダ室７内に圧液を供給し、支持軸６の移動を介し
て行い、更に竪ロール１１の圧下微調整はシリン
ダ１４内に圧液を供給することにより行う。

以上のようにしてストリツプ２０の幅圧下を行
うと、竪ロール１０，１１の小径ロール効果によ
り、ストリツプ２０に座屈を発生させることなく
ドツグボーンを形成させることができる。又この
際の圧下は１パスにて連続的に２パス分行われる
ため、ドツグボーン形成が効率よく行われ、エツ
ジドロツプ改善効果を発輝させるために行うパス
数を従来より減少することができる。

尚、前記実施例では竪ロール１１の位置を竪ロ
ール１０から独立して調整できるようにしたが、
決められたストリツプだけの圧下を行うような場
合には、竪ロール１１も竪ロール１０と同様に固
定構造としておいてもよい。又前記実施例では２
本の竪ロール１０，１１を用いたが、それ以上の
本数とすれば更に効率よく圧下作業を行うことが
できる。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案のストリツプエツ
ジヤーによれば、圧下調整装置を作動させて薄物
ストリツプを小径竪ロールにより幅圧下成形する
際には、すくなくとも１つの小径竪ロールを突出
させるとともに、駆動装置を作動させて支持軸を
回動させ、ストリツプに合わせて小径竪ロールを
傾斜させることにより、１パスにて複数パス分の
圧下効果が得られるので、薄板領域での幅圧下量
の拡大が可能となり、薄物ストリツプにドツグボ
ーンを形成させてエツジドロツプの改善ができ、
歩留りの向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のストリツプエツジヤーの一部
切断平面図、第２図は第１図の−矢視図、第
３図は第１図の方向矢視図、第４図はストリツ
プに形成されるドツグボーンの説明図、第５図は
全幅圧下量とドツグボーンとの関係を示す図、第
６図は全幅圧下量とドツグボーンふところ長さと
の関係を示す図、第７図は全幅圧下量と製品エツ
ジドロツプ量との関係を示す図である。 ３は本体フレーム、５はウオームホイール、６
は支持軸、７はシリンダ室、８はピストン、９は
ロツド、１０，１１は竪ロール、１４はシリン
ダ、１８はウオーム、１９はモータを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 並列配置した複数の小径竪ロールを支持軸の先
   端部にすくなくとも１つが突出し得るように支持
   させると共に、該支持軸を軸心方向に移動させる
   ための圧下調整装置と、支持軸を周方向に回動さ
   せるための駆動装置を備えて成ることを特徴とす
   るストリツプエツジヤー。