JPH0233604Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はホツパ内の種子、肥料を繰出し装置に
より放出して播種、施肥する装置に関する。

例えば湛水直播機においては、ホツパ内に種子
を投入して、その下端口から田面に種子を放出す
ることにより播種する構成となつている。通常、
種子は田面に所定間隔をおいて所定量ずつ播種す
ることが、その生育等には重要であるが、播種量
を正確に捉えることは容易ではなかつた。

本考案は斯かる事情に鑑みてなされたものであ
り、繰出し装置より放出される種子量を、放出さ
れる種子の当接により応動する感圧膜を介して検
出するようにして、播種、施肥量の検出精度の向
上を図つた播種、施肥装置を提供することを目的
とする。

以下本考案を、湛水直播機における実施例を示
す図面に基づいて詳述する。第１図は本考案に係
る播種装置を装着した湛水直播機の左側面図、第
２図は同平面図である。図においてＤは本機を示
し、前部にエンジン２を搭載しており、該エンジ
ン２の後方両側に車輪３，３を軸架するととも
に、その後方両側にハンドル４，４を延設してい
る。本機Ｄの後部には本考案に係る播種装置Ａが
３組装置されている。

第３図は１つの播種装置Ａの背面図、第４図は
制御系のブロツク図と共に示すその側断面図であ
る。３組の播種装置Ａ，Ａ，Ａは、本機Ｄの後部
における中央及び左、右に配設されている同構造
のフロート５，５，５の上部に夫々固設された支
持台２２，２２，２２上に設けられており、各支
持台２２を、横方向に延設された１本の連結支持
杆９によ連結し、該連結杆９を本機Ｄに取付けて
装着している。

各フロート５の後部両側には、上下方向及び後
方に開放する切欠部６，６が夫々形成されてお
り、各切欠部６，６の前部下方より各フロート５
の下面に沿つて前後方向に作溝体７，７が夫々下
方に突出形成されており、各切欠部６の後部側方
には培土体８が夫々装設されている。

各フロート９の上部に立設した支持台２２の上
側には、上部に蓋１０を有するホツパ１１が夫々
装設されている。ホツパ１１の底板１１ａの前側
部には落下樋１２が形成されており、該落下樋１
２の下方に繰出し室１３が設けられている。該繰
出し室１３の後部には繰出し口１４が開口されて
おり、繰出し室１３内には後部が繰出し口１４に
臨むようにして繰出しロール１５が軸架されてい
る。繰出しロール１５の周面には多数のバケツト
１６，１６，……が装設されており、繰出しロー
ル１５は本機Ｄ側からの駆動力がフレキシブル伝
動軸１７を介して伝動され、クラツチつまみ１８
によりクラツチ操作できるように構成されてい
る。

繰出し室１３の後方には繰出しロール１５のバ
ケツト１６，１６，……より種子を受け入れるシ
ユータ２１を垂設している。該シユータ２１は下
部が夫々左、右側に別れた二股構造となつてお
り、夫々の下端繰出し口１，１がフロート５にお
ける両切欠部６，６の前部上方に臨んでいる。

シユータ２１の上側、即ち繰出し室１３の後方
であつて、繰出し口１４に臨んで薄肉の感圧膜３
１が、その上側を後方に傾斜させて取付けられて
おり、ロール１５のバケツト１６，１６……より
放出される種子が該感圧膜３１の前面に当接し
て、感圧膜３１を振動させる。感圧膜３１の後面
には、その上側に取付けられたマイクロスイツチ
３２の作動杆３２ａ先端が当接しており、感圧膜
３１の振動によりマイクロスイツチ３２はオン、
オフを繰り返すようになつている。該マイクロス
イツチ３２、感圧膜３１等はカバ３３にて覆われ
て保護されている。

マイクロスイツチ３２の出力は増幅器３５にて
増幅されて制御部３６に入力されており、また制
御部３６には繰出しロール１５に設けられ、その
回転数を検出する回転エンコーダ等の回転検出器
３９の出力が入力されており、制御部３６は両入
力を比較し、感圧膜３１に当接する種子が所定量
となるように、繰出しロール１５の回転を制御す
べく、繰出しロール１５の駆動装置３７（例えば
本機Ｄの走行変速装置等）を制御する。また制御
部３６は、感圧膜３１に当接する種子量を表示部
３７にて表示させるようになつている。

叙上の如く構成された湛水直播機において、作
業時には、各フロート５を田面上に滑走させる
と、この田面滑走に伴い各作溝体７が田面に溝を
形成する。一方、各繰出し室１３内部には上方の
ホツパ１１より種子が落入しており、この落入し
た種子は第４図に矢符イで示す如く回転する繰出
しロール１５のバケツト１６，１６……によりす
くい取られ、そのまま同図矢符ロで示すように受
入口１４から感圧膜１４の前面に向かつて放出さ
れて一旦感圧膜１４に当接した後にシユータ２１
内に投入され、シユータ２１内を落下して、該シ
ユータ２１の左、右の各下端口１，１より切欠部
６，６を通して田面に形成された溝内に投入され
る。そして機体走行に伴つて培土体８は種子を覆
土し、播種は完了する。

而して、バケツト１６により放出された各種子
は感圧膜３１に当接して感圧膜３１を振動させ
る。マイクロスイツチ３２は、１つの種子が感圧
膜３１へ当接することによりオンし、従つて制御
部３６にはバケツト１６から放出される種子の多
寡に対応した信号が入力され、制御部３６は、バ
ケツト１６の放出する種子量が所定量となるよう
に繰出しロール１５の駆動装置３８を制御する。

第５図は本考案の他の実施例を示すものであ
り、繰出し室１３の後方の繰出し口１４に臨む感
圧膜３１の後方には、マイクロスイツチ３２に替
えて、鉄心４１にコイル４２を巻回した電磁石４
０が設けられており、また感圧膜３１の後面の鉄
心４１と対向する位置に鉄片４３を取付けてい
て、感圧膜３１の振動に伴う鉄片４３の鉄心４１
への接離により電磁石４０に発生する起電力を捉
えて感圧膜３１に当接する種子量を検出するもの
であり、その他は前述の実施例と同じ構成となつ
ているので、第４図と同符号を付して説明を省略
する。また感圧膜に当接する種子の圧力を圧電変
換素子により捉える構成としてもよい。

なお上述の実施例では湛水直播機に装着された
播種装置について説明したが、これに限るもので
はなく畑作用の播種装置、粒状肥料の施肥装置に
も適用できる。

以上詳述したように本考案は、ホツパ内の種
子、肥料を繰出し装置により放出して播種、施肥
する装置において、ホツパから放出される種子、
肥料の当接に応動する感圧膜を設け、該感圧膜の
動作に基づいて放出される種子、肥料の量を検出
するようにしたものであるので、放出される種子
等の量を直接検出できて検出精度は大幅に向上
し、また感圧膜により検出器等は塵埃より保護さ
れ、さらに感圧膜が緩衝材となつて種子等の損傷
を防止する等本考案は優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであり、第１
図は本考案に係る播種装置を装着して湛水直播機
の左側面図、第２図は同平面図、第３図は播種装
置の背面図、第４図は制御系のブロツク図と共に
示す播種装置の縦断面図、第５図は本考案の他の
実施例を示す播種装置の縦断面図を制御系のブロ
ツク図と共に示したものである。 Ｄ……本機、Ａ……播種装置、５……フロー
ト、７……作溝体、８……培土体、１１……ホツ
パ、１３……繰出し室、１５……繰出しローラ、
１６……バケツト、２１……シユータ、３１……
感圧膜、３２……マイクロスイツチ、４０……電
磁石。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ホツパ内の種子、肥料を繰出し装置により放出
   して播種、施肥する装置において、ホツパから放
   出される種子、肥料の当接に応動する感圧膜を設
   け、該感圧膜の動作に基づいて放出される種子、
   肥料の量を検出すべくなしてあることを特徴とす
   る播種、施肥装置。