JPH0233096Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は多室形の空気調和機におけるインバー
タ冷却装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 近年、１台の室外機に対し複数台の室内機を接
続した多室形の空気調和機には、複数台の室内機
の負荷変動に対応する為に、圧縮機制御用のイン
バータ（周波数変換装置）が多く使用され始め
た。このインバータには、一般に、大電力まで動
作可能で、コレクタ許容電流が大きく、しかもコ
レクタ逆耐圧の高い大電力用のトランジスタが使
用され、このトランジスタは発熱を伴なうため、
その放熱を考慮する必要がある。

従来このインバータには、第１図に示すような
冷却方法がとられている。すなわち第１図におい
て、１は室外機、２は室外機１内の仕切板で、こ
の仕切板２によつて、室外熱交換器３および室外
送風機４が収納される熱交換室５と、圧縮機６お
よび電装部品の一つであるインバータ７が収納さ
れる圧縮機室８とに区画している。そして、前記
仕切板２には、通風の為の通風口９が設けられて
いる。インバータ７には放熱用の冷却フイン１０
が設けられ、室外送風機４を運転することによ
り、熱交換器３の背面から前面に流れる空気通風
の一部を前記冷却フイン１０に通風して、このイ
ンバータ７の冷却を行なつている。しかし、この
ような構成では、大電力トランジスタを冷却する
為の風の流れが常に存在するような構成が要求さ
れ、配管スペース等に影響が及ぼされるという問
題がある。又何らかの原因、例えば熱交換器３の
吸込口（背面側）にビニルシート等が詰つたりす
るなどの時は、通風口９からの通風がなくなつて
冷却効果が激減し、インバータ関係の部品の発熱
が増大して故障の原因となるという欠点を有して
いる。

考案の目的 本考案は上記従来の欠点を解消するもので、大
電力トランジスタ等によるインバータの発熱を、
確実にかる安定的に放熱させるようにすることを
目的とする。

考案の構成 上記目的を達成するため本考案は、大電力トラ
ンジスタ等によるインバータの発熱を放熱させる
冷却フインに、空気調和機の圧縮機の吸込管にて
構成される冷却冷媒配管を密着させたものであ
る。

実施例の説明 本考案の一実施例を第２図にもとづいて説明す
る。第２図には、分離形空気調和機の室外機１４
の冷凍サイクル１５と、インバータ１６とを示
す。冷凍サイクル１５において、１７は圧縮機、
１８は四方弁、１９は室外熱交換器、２０は膨張
機構となる電動膨張弁、２１，２２，２３各々室
内機（図示せず）に対応して設けられたガス側電
磁弁、２４，２５，２６は各々室内機に対応して
設けられた液側電磁弁、２７はアキユムレータ、
２８は圧縮機１７からの吐出管、そして２９，２
９Ａは圧縮機１７への吸込管である。インバータ
１６において、３０は外装枠、３１は、外装枠３
０の一側に設けられた部品取付板３５と外装枠３
０の他側との間にわたつて架けられ、部品取付板
３５にねじ３１ａで固定された保持板である。ま
た３２はプリント基盤で、種々の電子部品３３が
設けられている。外装枠３０内におけるプリント
基板３２の反対側には、コンデンサ３４等の部品
が設けられている。また、部品取付板３５は、大
電力トランジスタ３６やトランス３７等、発熱の
大きい部品を取付ける為のもので、外装枠３０の
一部を構成しており、発熱を放熱する為の冷却フ
イン３８を一体に形成されて複数有することによ
り、冷却フイン３８間に溝部４０が形成されてい
る。この溝部４０には吸込管２９の一部にて構成
された冷却冷媒配管３９が密着されている。即
ち、この冷却冷媒配管３９は各々の冷却フイン３
８間の溝部４０において蛇行状に配設され、吸込
管２９−２９Ａ間において単一の配管として接続
されている。

上記構成において、空気調和機を運転すること
により圧縮機１７が駆動し、冷房運転あるいは暖
房運転が行なわれる。この時、吸込管２９は冷暖
房いずれの場合も低温低圧となつているから、大
電力トランジスタ３６やトランス３７等によるイ
ンバータ１６の発熱は、冷却冷媒配管３９によつ
て冷却されるのである。

考案の効果 このように本考案によれば、発熱量の大きい大
電力トランジスタ等によるインバータの放熱用と
して設けた冷却フイン間に、冷凍サイクル中の圧
縮機に接続した吸込管の一部を冷却冷媒配管とし
て設けたものであるから、冷凍サイクル運転中は
インバータに対し常に安定的な冷却が行なわれ、
冷却効果を高めることが出来る。さらに、暖房時
には冷却フインからの放熱が冷却冷媒配管にて回
収されることになり、熱ロスの低減を図ることが
出来る。

又、外装枠の一側を部品取付板によつて構成する
ようにしたことにより、外装枠の簡略化が図ら
れ、かつ、従来のように通風の為に他の構造が複
雑になることも解消出来るなどの実用的効果を発
揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の説明に付するインバータ搭載の
室外機の概要構成図、第２図は本考案による空気
調和機におけるインバータ冷却装置の一実施例の
構成図である。 １６……インバータ、１７……圧縮機、２９…
…吸込管、３６……大電力トランジスタ、３８…
…冷却フイン、３９……冷却冷媒配管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電子部品等を囲んで設けられる外装枠の一側に
   部品取付板を設け、この部品取付板に大電力トラ
   ンジスタ等を取り付けるとともに、電子部品を取
   り付ける保持板を前記部品取付板と外装枠の他側
   の間に架けわたして固設し、前記部品取付板に大
   電力トランジスタ等によるインバータの発熱を放
   熱させるための複数の冷却フインを設け、この冷
   却フインの間に空気調和機の圧縮機の吸込管に構
   成される冷却冷媒配管を密着させた空気調和機に
   おけるインバータ冷却装置。