JPH0233024Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はスラツシユバー式の充填材を用いた冷
却塔に関する。

〔従来の技術〕

上記スプラツシユバーとしては例えば第５図に
示す構造のものが知られている。１２は吊下げバ
ー１１に取付けられる縦杆であり、この縦杆１２
の両面へ交互に多数の水平バー１３を間隔を存し
て取付けてなるものである。このスプラツシユバ
ー方式は通常の合成樹脂等を以てするハニカム構
造等に比し冷却効果は劣るが、目詰りを生ずるこ
とが少く、従つて固形物等不純物を含む廃液等の
冷却には好適である。

しかしスプラツシュバーには不純物が付着蓄積
し、定期的にこれを取出して清掃する必要があ
る。このためスプラツシユバーを用いる冷却塔は
側部を開口して空気取入口としたクロスフロー方
式とし、この空気取入口側からスプラツシュバー
を挿脱する方式が採られている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし設置場所その他の理由により冷却塔は縦
長のカウンタフロー方式とすることが好ましい場
合がある。この場合には充填部材は上方から挿脱
する必要があるが、上方には散水機構が配備され
ており、挿脱に際し、その都度散水機構の取外し
を行わねばならず、手段を要する等の問題があ
る。

本考案はかかる点に鑑み、カウンタフロー方式
の冷却塔において、散水機構を取外すことなく上
記スプラツシユバー式の充填部材の挿脱を可能と
することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するための本考案は水平バーを
上下方向に間隔を存して平行に配列してなるスプ
ラツシユバー式の単位熱交換部材の複数を併列し
て充填部材を構成し、この充填部材の上方に散水
機構を備えたカウンターフロー式の冷却塔におい
て、散水機構は冷却塔の幅に亘る長さを有する温
水供給用の樋と、この樋の両側に一定間隔で設け
られる噴水ノズルとからなり、上記樋は複数個並
列して設け、隣接する噴水ノズル間隔を上記単位
熱交換部材の挿脱を許容する幅を有せしめると共
に、各単位熱交換部材は樋と平行に吊下げ支持し
たことを要旨とするものである。

〔作用〕

単位熱交換部材は散水機構を取外すことなく噴
水ノズル間の間隙から上方に挿脱することができ
る。

〔実施例〕

図において、冷却塔１は上方を開口した筐体２
の一側下方に空気取入口３を開口し、この空気取
入口３には送風用フアン４を備える。５はフアン
駆動モータである。

筐体２内には上記空気取入口３より上方に位置
して熱交換用充填部材６を、その上方には散水機
構７を、更にその上方にはエリミネータ８を配備
する。

充填部材６はスプラツシユバー構造としたもの
で、第２図及び第５図に明らかな如く吊下げバー
１１に縦杆１２を垂下して取付け、この縦杆１２
の表裏両面に水平バー１３を間隔を存して設けて
単位熱交換部材１０とし、この単位熱交換部材１
０を多数並列して充填部材６としてなるもので、
縦杆１２、水平バー１１は好ましくは木材を以て
構成する。１４は吊下げバー１１を支持する対を
なす支持ブラケツトであり、筐体２の内部両側に
対向して設け、各水平バー１３は両支持ブラケツ
ト１４，１４間の長さより若干短小とし、単位熱
交換部材１０を上方からの挿脱を許容する如くな
す。

散水機構７は複数の併列して設けられる小幅の
温水供給用の樋２０と、その樋２０の両側及び下
部に一定間隔で設けられる噴水ノズル２１並びに
必要によりこの噴水ノズル２１下面に近接して配
備した散水板２２とからなる。各樋２０は筐体２
の幅の長さを存し、一端は共通の給水槽２３に接
続され、散水板２２は噴水ノズル２１から噴出さ
れる温水を拡散して充填部材６に落下供給するも
ので、その幅は小幅とし、少くとも噴水ノズル２
１から外方への張り出しは可及的に僅小とする。

ただしこの散水板２２は必要により設けるもの
で、噴水ノズル２１自体に散水機能を有するとき
はこれを設ける必要はない。

前記エリミネータ８は着脱可能に取付けられる
もので、２５はその支持金具である。図中３０は
マンホール、３１は筐体２を載置する水槽であ
る。

しかして上記単位熱交換部材１０は筐体上方か
ら挿入、取出しを行うようにしたもので、このた
め単位熱交換部材１０は樋２０と平行して支持ブ
ラケツト１４に吊下して支持せしめると共に、隣
接する樋２０間の噴水ノズル２１，２１間の間隙
Ａの幅Ｗは少くとも単位熱交換部材１０の幅Ｂよ
り大とし、該部材１０の挿脱を許容する。なお、
散水板２２が噴水ノズル２１より突出している場
合には散水板相互の間隔を上記幅Ｂより大とする
ことは勿論であり、散水板相互間隔も上記噴水ノ
ズル間隔Ａと同一の幅Ｗとすることが好ましい。

なお、すべての樋２０の各噴水ノズル相互間の
間隔Ａを上記Ｗの幅を有せしめることが好ましい
が、場合によつては何れか１個所、または複数個
所のみ上記幅Ｂより大なる幅Ｗとするようにして
もよい。また第３図において並列する樋２０の一
番端部にある樋の噴水ノズル２１と筐体２との間
隙Ｓの幅を上記単位熱交換部材１０の幅Ｂより大
として上方に挿脱を許容することが好ましい。

なお図中２６は上記噴水ノズル２１相互の間隔
に対応して設けたエリミネータ支持金具２５に設
けた切欠部であり、この切欠部２６の幅は上記間
隔Ａと同等もしくはそれより若干広く形成する。

上記構成において、常時は各樋２０から噴水ノ
ズル２１を介して温水を噴出し充填部材６に散布
し、送風用フアン４により下方から上方に向つて
送り込まれる空気とカウンタフロー式に接触し、
冷却して下方の水槽３１中に落下収納される。

しかして充填部材の清掃に際しては、エリミネ
ータ８を取外し、各単位熱交換部材１０を順次噴
水ノズル２１相互の間隙Ａから取出し、清掃した
後、再び上記間隙Ａから挿入し、支持ブラケツト
１４上を滑らせて各単位部材１０相互の間隔を適
宜定め定位させる。

〔考案の効果〕

本考案によるときは、カウンタフロー式の冷却
塔において充填部材をスプラツシユバーを以てす
る単位熱交換部材の複数を以て構成し、各単位熱
交換部材は上方の散水機構の隣接する噴水ノズル
相互の間隙から取出し及び挿入することを可能と
したから、挿脱操作は簡単に行うことができる等
の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の実施例に関し、第１図は全体縦断
面図、第２図は第１図における−線に沿う断
面図、第３図は一部を切欠した平面図、第４図は
第３図における部の拡大説明図、第５図は充填
部材の一部斜視図である。 １は冷却塔、６は充填部材、７は散水機構、１
０は単位熱交換部材、１３は水平バー、２０は
樋、２１は噴水ノズル、Ａは噴水ノズル間の間隙
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平バーを上下方向に間隔を存して平行に配列
   してなるスプラツシユバー式の単位熱交換部材の
   複数を併列して充填部材を構成し、この充填部材
   の上方に散水機構を備えたカウンタフロー式の冷
   却塔において、散水機構は冷却塔の幅に亘る長さ
   を有する温水供給用の樋と、この樋の両側に一定
   間隔で設けられる噴水ノズルとからなり、上記樋
   は複数個並列して設け、隣接する噴水ノズル間隔
   を上記単位熱交換部材の挿脱を許容する幅を有せ
   しめると共に、各単位熱交換部材は樋と平行に吊
   下げ支持したことを特徴とするスプラツシユバー
   式冷却塔。