JPH0232367Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案は液体、殊に工作機械における切削油に混
在している磁性体の金属片（切粉）を液外に分離
除去して切削油の浄化を計り再使用に供すると共
に金属片を分離搬出しようとするものである。

（従来技術及びその問題点） 従来のマグネツトベルト方式の分離搬出装置は
第１図の如く傾斜するように懸廻したマグネツト
チエーンＡを非磁性の固定カバーＢで覆い、マグ
ネツトチエーンＡの張設上側Ｃが上方向に進むよ
う駆動させると共に固定カバーＢの下部寄り上方
に油戻り受けＤを設け、固定カバーＢの下端寄り
下方にタンクＥを設けている。然し乍らこの方式
によるときは油戻り受けＤが小さいため使用済み
の切削油は切粉を含んだまゝタンクＥにこぼれて
しまつたり、或は又切粉が固定カバーＢの傾斜上
面Ｆを滑走しながら運ばれる途中において、含有
する切削油が分離流下するが、この流下してくる
油は次段磁石に磁着せる切粉に付着してしまつ
て、切粉と油の分離が行われないで油の多く含ん
だ切紛が搬出され経済的でないなどの欠点を有す
る。

（問題点を解決するための手段） 本案は以上のような欠点を解消すべく研究され
たもので搬出機本体のマグネツトベルトの張設下
側が上方向に進よう駆動自在とすると共に搬出機
本体の下部を液体戻り受け箱に収納することによ
り大量の切削油を流し込むことができると共に、
切削油と切粉の分離も充分に行われて油を無駄な
く使用できることが分かつた。

本案を図示の実施例によつて詳記すると搬出機
本体１と油等の液体戻り受け箱２とよりなり、搬
出機本体１は上下の傾斜位置に配した駆動伝動車
３と従動伝動車４，４に懸廻したマグネツトベル
ト５と少なくとも上下面が非磁性の板よりなる密
閉された固定カバー６と、該固定カバー６の表面
の近接した上方位置に沿つてマグネツトベルト５
と同期駆動する補助押上げ杆７，７……とよりな
り、伝動車３，４，４はマグネツトベルト５のベ
ルト本体１０として使用するベルトの種類例えば
ローラチエーンベルト、帯状ベルトに応じてスプ
ロケツト、或はベルト車を使用し、この伝動車
３，４，４はマグネツトベルト５の張設下側８
（張り側）が上方向に進よう駆動自在とする。

マグネツトベルト５の磁石９，９……はベルト
本体１０に所定間隔毎に固定されていると共に固
定カバー６における傾斜下面６′の内側面に近接
させて滑走自在とし、駆動伝動車３位置において
固定カバー６の表面と磁石９，９……の離間距離
を次第に増大させて固定カバー６の表面に切粉１
１が磁着しないようにしてあり、補助押し上げ杆
７，７……は固定カバー６の左右位置に設けたチ
エーンベルト１２，１２間に架設してあり、この
チエーンベルト１２，１２は固定カバー６の上方
位置のスプロケツト１３と下部位置に設けたスプ
ロケツト１４，１４に懸廻され、伝動車３，４，
４と同期駆動するようにしてある。補助押し上げ
杆７，７……と固定カバー６における傾斜下面
６′との離間距離は切粉１１が細い場合は出来る
だけ接近させた方が良く、切粉の大きい場合は離
間距離を比較的離しておいても良い。

液体戻り受け箱２には搬出機本体１の下部を収
納して搬出機本体１の下端部１５を液体戻り受け
箱２の底面２′に近接させる。

図中１６は駆動モータ、１７は固定カバー６に
おける傾斜下面６′の下方位置に沿つて設けた液
体戻し樋、１８は切粉１の落下口、１９は落下口
１８の下縁に設けた補助溝で、落下口１８の壁面
より流下する液体を受け、補助溝１９に貯留した
油は樋２０により液体戻り受け箱２に戻される。

２１は切粉受け箱、２２は補助タンク、２３は
出口で補助タンク２２に連通し、補助タンク２２
の液体は図示しない工作機械に運ばれて再使用に
供される。２４はホツパーで、２５は弾力性のあ
る掻き板で、補助押上げ杆７，７……に搦みつい
た切紛１１を掻き落とす。２６はチエーンベルト
１２，１２のガイドである。

（作用） 本案は叙上の如く具現されるもので、切粉１１
を含んだ使用済みの切削油をホツパー２４を通じ
て液体戻り受け箱２に流下させることにより、該
切削油中に含まれる切粉１１は磁石９の位置する
固定カバー６の表面に磁着し、この固定カバー６
の表面に磁着した切粉１１は傾斜下面６′の表面
を磁石９の移動につれて上方に滑走すると共に補
助押上げ杆７，７……により押し上げられ、傾斜
下面６′を通過するときに切粉１１付着せる切削
油は自然に液体戻し樋１７に落下して液体戻り受
け箱２に流下し、切粉１１が上部位置に移動して
来ると磁石９と固定カバー６の離間距離が増大し
て磁石９の影響を受けなくなり、切粉１１は落下
口１８に自然落下し切粉受け箱２１に集められ
る。液体戻り受け箱２内の浄化された油は出口２
３より出て補助タンク２２に溢出し、補助タンク
２２の浄化された油は切削油として再利用に供す
る。尚本案は切削油以外の磁性切粉を含む洗滌水
等の液体浄化及び分離搬出に使用することもでき
る。

（効果） 本案は叙上の如く搬出機本体１と、液体戻り受
け箱２とよりなり搬出機本体１は上下の傾斜位置
に配した伝動車３，４，４……に懸廻したマグネ
ツトベルト５と非磁性の固定カバー６とよりな
り、伝動車３，４，４……はマグネツトベルト５
の張設下側８が上方向に進むよう駆動自在とし、
マグネツトベルト５の磁石９，９……は固定カバ
ー６の内側面に近接させて滑走自在としてあるの
で、固定カバー６の傾斜下面６′を磁着されなが
ら上部方向に滑走移動する切粉１１に付着せる切
削油などの液体は自然に落下して次段切粉１１に
付着することなく切粉１１と殆んど分離され、切
粉１１のみ（油の多少の付着は避けられない）が
分離搬出される。傾斜下面６′上部に移動した切
粉は磁石９，９……の影響を受けなくなるので自
然に落下し所定位置に集められる。又補助押し上
げ杆７，７……がマグネツトベルト５と同期駆動
して固定カバー６における傾斜下面６′に磁着す
る切粉１１を押し上げるようになつているので長
い切粉１１も途中で落下することなく確実に所定
位置まで運ばれる。

又液体戻り受け箱２には搬出機本体１の下部を
収納してあるので、液体戻り受け箱２内の切粉１
１は順次送られてくる磁石９，９……によつて順
に磁着されるので液体戻り受け箱２内の液体は常
に浄化され再使用に供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の搬出装置の側面説明図、第２図
は本案に係る搬出装置の縦断説明図、第３図は第
２図の−線拡大端面図である。 １は搬出機本体、２は液体戻り受け箱、３は駆
動伝動車、４，４は従動伝動車、５はマグネツト
ベルト、６は固定カバー、６′は傾斜下面、７，
７……は補助押上げ杆、８は張設下側。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 搬出機本体１と液体戻り受け箱２とよりなり、
   搬出機本体１は上下の傾斜位置に配した伝動車
   ３，４．４，に懸廻したマグネツトベルト５と非
   磁性の固定カバー６と、該固定カバー６の表面上
   方に沿つてマグネツトベルト５と同期駆動する補
   助押上げ杆７．７とよりなり、伝動車３，４．
   ４，はマグネツトベルト５の張設下側７が上方向
   に進むよう駆動自在としてあり、マグネツトベル
   ト５の磁石９．９……は固定カバー６における傾
   斜下面６′の内側面に近接させて滑走自在とする
   と共に搬出機本体１の上部位置において固定カバ
   ー６の表面と磁石９．９……の離間距離を次第に
   増大させてあり、液体戻り受け箱２には搬出機本
   体１の下部を収納してなる液体と金属片の分離搬
   出装置。