JPH02310038A - 金属管付き繊維強化樹脂管およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、油圧シリンダのシリンダ本体等として用いる
金属管付き繊維強化樹脂管およびその製造方法に関する
。

〔従来の技術〕

従来、油圧シリンダのシリンダ本体は金属製のものが主
であった。しかし、この金属製のものは、車両用搭載機
器等として用いた場合、重量が大であるため燃費上不利
でありかつ取り扱いに不便であるという欠点があった。

そこで、継手などの部分は金属管のままにして、残余の
部分を軽量化に有利な繊維強化樹脂（ＦＲＰ）で代替す
ることが提案されている。

しかし、ＦＲＰは金属に比して強度が弱く、シリンダ本
体の要求特性である耐圧性と内面の摺動性とを同時に満
足させようとすると、前者の耐圧性が犠牲になり易いと
いう問題があった。

すなわち、摺動性は弗素樹脂などの通気性のないコーテ
ィング材層を使用することによる。しかし、このような
通気性のない層が併用されるとＦＲＰ層から空気を抜く
ことが難しくなり、その結果としてボイ１−を包含した
ＦＲＰ層ができて耐久性を低下さゼることになるのであ
る。

したがって、ＦＲＰの代替は、実用化されていないのが
現状である。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明は、優れた内面の摺動性を有しながら高い耐圧性
を有する軽量の金属管（；ｊき繊維強化樹脂管およびそ
の製造方法を堤４ＪＦ、することを目的とする。

（ｆｆ題を解決するための手段〕 本発明の金属管付き繊維強化樹脂管は、軸方向の両端に
配置した金属管の間に隙間を　介して摺動性を有するコ
ーティング１４層を配置６′シ、該コーティング材層の
外周面に、前記金属管の内側端に両端が当接するように
したダミー層を積層し、該ダミー層の外周面と前記金属
管の外周面とにまたがるように繊維強化樹脂管を積層さ
せてなるものである。

また、本発明の金属管付き繊維強化樹脂管の製造方法は
、マンドレルの外周面に摺動性を有するコーティング材
層を形成すると共に、該コーティング材層の両端にそれ
ぞれ隙間を介して金属管を嵌め込み、ついで前記コーテ
ィング材層の外周面を覆うと共に両側の金属管の内側端
に当接するようにダミー層を配置した後、該ダミー層お
よび前記金属管の外周面にわたって繊維強化樹脂層を積
層させることを特徴とするものである。

以下、この手段につき詳しく説明する。

第１図は、本発明の金属管付き繊維強化樹脂管の一例の
長手方向断面説明図である。この第１図において、軸方
向両端に継手として利用される金属管５がそれぞれ配置
され、その内側に隙間６　（長手方向に２〜３　ｍｍ）
を介在させて金属管５と同一内径を有するコーティング
材層３が配置されている。コーティング材層３の外周面
にはダミー層２が積層され、その両端をそれぞれ金属管
５の内側端ａに当接させている。このように積層された
ダミー層２とコーティング１．４Ｔ台３との合計厚さは
、金属管５の内側端、」の厚みと実質的に同一になる」
ン）にしである。

ダミー層２および金属管５の外周面には、全体にまたが
るように接着剤層４を介して繊維強化樹脂層１が積層さ
れている。なお、接着剤層４ば、ダミー層の場合には必
ずしも必要ではな（、ダミー層２と繊維強化樹脂層１の
種類に応じて設番Ｊられる。

コーティング材層３は、得られる金属管付き繊維強化樹
脂管を油圧シリンダのシリンダ本体として用いた場合に
ピストンに対して良好な摺動性を有するものであればよ
い。このための材料としては、コーティング可能な液状
樹脂、例えば、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂に金属モリブ
デン粉末、二硫化モリブデン粉末、黒鉛粉末等を配合し
たものなどが好ましく使用される。

繊維強化樹脂層１は、第１図におけるΔ部を拡大した第
２図およびＢ部を拡大した第３図に示すように、内層１
ａと外層１ｂとからなる。

内層１ａは複数の束状の樹脂含浸繊維を金属管付き繊維
強化樹脂管の長手方向（軸方向）に軸方向に対する繊維
角度が０°となるように配列させたものである。一方、
外１ｉ１．ｂは、樹脂含浸繊維を金属管付き繊維強化樹
脂管の周方向に軸方向に対する繊維角度がほぼ９０’と
なるように巻回して形成したものである。内層１ａおよ
び外層１ｂを構成する樹脂含浸繊維は、樹脂を繊維に含
浸させたプリプレグを使用するのが一般的である。この
場合の樹脂としては、例えば不飽和ポリエステル樹脂、
エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂が
用いられる。

繊維は補強効果の大きい高強力、高剛性のものが好まし
く、例えば炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維、又はポ
リエステル繊維、芳香族ポリアミド繊維、ナイロン繊維
等の有機繊維を挙げることができる。

金属管５の材質は、例えばスチール、アルミニウムなど
である。この金属管５は、第１図に示すように、内径は
コーティング材層３と同しであるが外径は長手方向中央
部に行くにつれてテーパ状に大きくなり、軸方向の断面
が全体として山形となっていることが好ましい。その剛
性を滑らかに変化させ、ダミー層２とつながる部分で応
力の段差を生しないようにするためである。第３図では
、金属管５の最大肉厚部の外表面が山形の凸となり、突
起部５ａが生しることが示されている。

ダミー層２は、一方の金属管５の内側端ａと他方の金属
管継手５の内側端ａとの間の空間を埋めるべく配される
もので、その材質は特に限定されるものではない。しか
し、好ましくは第２図に示すように、内層２ａと外層２
ｂとからなっており、繊維強化樹脂層１における内層ｌ
ａおよび外層１ｂと同様な構成である方がよい。

このようにしてなる金属管付き繊維強化樹脂管を製造す
るには、まず、マンドレル（図示せず）の外周面にコー
ティング材層３を形成する。

この形成には、例えば、金属モリブデン粉末などの摺動
性イ１与材を配合した熱硬化性樹脂をコーターやスプレ
ー等の方法によりマンドレル表面にコーティングし、コ
ーティング膜を予め形成させておく。

つぎに、上記コーティング材層３の両端に金属管５をそ
れぞれ嵌め込むと共にそれぞれの金属管５の内側端ａと
コーティング材層３の両端との間に隙間６を設けるよう
にする。この隙間６は、マンドレルの一部が露出する状
態になるようにし、２〜３１が好ましい。

ついで、コーティング材層３の外周面にダミー層２を巻
き付ける。このダミー層２は、その両端が両側の金属管
５の内側端ａに当接するようにする。このダミー層２の
配置は、前述した内層２ａおよび外Ｎ２　ｂを設けるこ
とによって行えばよい。内層２ａを設けるには、繊維を
一方向に引き揃えてなるプリプレグシートを、その繊維
の方向がマントｌ／ルの軸方向となるように、コーティ
ング材層３および隙間６の上に巻き付けるとよい。また
、特に外層２ｂを設りるには、樹脂含浸繊維を軸方向に
対する繊維角度が９０６となるようにフィラメントワイ
ンディング法により内層２ａの上に巻き付ければよい。

このようなダミー層２を設けることによ−って、コーテ
ィング材層３の外周側の空間が埋められるため、後述す
る加熱硬化処理時にコーティング材層３にクランクの発
生するのが防止される。

また、特に軸方向に対し９０°の角度で巻かれた外層２
ｂを設けるとによって、ダミー層２の径方向の膨張が抑
えられるので、最終的に得られる金属管付き繊維強化樹
脂管の耐圧性を向」二させることが可能となる。なお、
ダミー層２とコーティング材層３の合計厚さは、金属管
５との間に段差が生じてそこに応力が集中するのを避け
るために、金属管５の内側端ａの厚さと同しとする。

このようにしてできたダミー層２と両金属管５の外周面
に、必要に応して接着剤層４を介して、軸方向の全体に
またがるように内層ｌａと外層１ｂからなる繊維強化樹
脂層１を積層させる。これら内外層１ａ、ｌｂを設ける
ことにより、特に外層１ｂを設けるとによって、ダミー
層２の場合と同様に径方向の膨張が抑えられるので、最
終的に得られる金属管付き繊維強化樹脂管の耐圧性を向
上させることが可能となる。

この後、加熱処理して全体的に繊維強化樹脂層の樹脂を
硬化ゼしめてからマンドレルを抜き取る。

加熱硬化処理は、上記繊維強化樹脂層１の積層を完了し
た樹脂管を、公知の樹脂フィルム製真空バッグに入れ、
内部を真空状態にしながらオーブン中で加熱処理するこ
とによる。真空処理によって真空バッグは樹脂管の外周
に密着し、外気圧を付加する。この加熱硬化処理におい
て積層間に含まれる空気は通気性のないコーティング材
層３を通過できないが、隙間６からマンドレル表面に抜
は出し、さらにマンドレルの表面を伝わって外部に排出
される。したがって、繊維強化樹脂層１やダミー層２に
ボイドを含まない緻密化された内部組織が形成される。

それによって樹脂管全体の耐圧性が向」ニし、またコー
ティング（１層３にフクレやクラ／りなどが４Ｌしるの
を避けることかでさる。また、コーティング材層３はダ
ミー層２が充填されていることによって一体的に密着す
るので、加熱硬化処理時にコーティング材層３自体にク
ラック等が発生ずることがない。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明の金属管付き繊維強化樹脂管
は、金属性の内（ｊｊｌｌ端とｌＩ−ティング月層の両
端との間に隙間が形成されているために、この隙間から
加熱成形時に空気を逃がすことができるから内部Ｍｉ織
が緻密化されボイドのない繊維強化樹脂管にすることが
できる。したがって、金属管４＝Ｊき繊維強化樹脂管の
耐圧性が向−トすると共にコーティング材層にフクレや
クラック等が生じない均一で滑らかな面にすることがで
きる。したがって、油圧シリンダのシリンダ本体などに
使用するとき、ピストンに対する摺動性を高めることが
できる。また、両端に金属管が付いているために、これ
を継手として使用すれば複数個を長手方向に容易に連結
できるので便利である。さらに、従来の金属製のものに
比して軽量であるので車両搭載機器に使用すれば燃費上
有利でありかつ取り扱いが便利となる。

また、本発明の金属管付き繊維強化樹脂管の製造方法に
おいては、それぞれの金属管の内側端とコーティング材
層の両端との間に隙間を設けるために、加熱成形に際し
て内部の積層間の空気がその隙間から抜は出して外部に
排出されるので、内部組織がボイドのない緻密化された
ものとなり、耐圧性が向」ニする。またコーティング１
４層にツクＩ／やクラックなどが生じるのを避けること
ができる。さらに、マンドレルの外周面にコーティング
材層を配置することにより摺動面を形成するために、マ
ンドレル面の転回によりコーティングＨ層の表面を滑ら
かにすることができるから、従来の金属製の油圧シリン
ダのシリンダ本体におりるように摺動面に高精度の鏡面
仕上げを行わなくてもよいので有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の金属管付き繊維強化樹脂管の一例の長
手方向断面説明図、第２図はその入部拡大図、第３図は
Ｂ部拡大図である。 １・・・補強層、１ａ・・・内層、１ｂ・・外層、２・
・・ダミー層、３・・・コーティング材層、４・・・接
着剤層、５・・・金属管、６・・・隙間。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）軸方向の両端に配置した金属管の間に隙間を介し
   て摺動性を有するコーティング材層を配置し、該コーテ
   ィング材層の外周面に、前記金属管の内側端に両端が当
   接するようにしたダミー層を積層し、該ダミー層の外周
   面と前記金属管の外周面とにまたがるように繊維強化樹
   脂管を積層させてなる金属管付き繊維強化樹脂管。
2. （２）マンドレルの外周面に摺動性を有するコーティン
   グ材層を形成すると共に、該コーティング材層の両端に
   それぞれ隙間を介して金属管を嵌め込み、ついで前記コ
   ーティング材層の外周面を覆うと共に両側の金属管の内
   側端に当接するようにダミー層を配置した後、該ダミー
   層および前記金属管の外周面にわたって繊維強化樹脂層
   を積層させることを特徴とする金属管付き繊維強化樹脂
   管の製造方法。