JPH02303609A - プレス金型の冷却方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、熱間スラブの幅をプレスにより大幅圧下す
る際のプレス金型の冷却方法および装置に関するもので
ある。

（従来の技術） 連続鋳造用のモールド幅を同一としてそれから幾つかの
幅寸法のスラブを製造できれば、用意するモールドの数
も少な（てすみ、また生産性も上がることから、大幅な
製造コストの低減が期待できる。そのための手段として
スラブの幅をスラブ圧延段階でプレスによって変更する
幅サイジング法が提案されている。

すなわち、下死点開度を一定に保って往復作動している
一対のプレス工具間にスラブを送り進め、その幅方向に
衝撃を加えるプレス工具表面を傾斜部としてスラブの幅
を徐々に滅じつつ平行部で所定のスラブ幅に大幅圧下す
る連続プレス法である。

しかしながら、この方法によれば、プレス工具、つまり
金型の熱スラブ当接部分である金型表面が過度に昇熱し
てしまい、ヒートクラックを起こし、耐久性が十分でな
いことである。

当然ながら工具を冷却するために冷却水をかけるのであ
るが、工具を冷却するための冷却水が幅圧下中にスラブ
にかかるため、特にスラブ幅端部の温度が低下しこの部
分の材質不良の原因となる。

そのため、従来にあっても、スラブは冷却せずに、金型
のみ冷却できるようなさまざまな方法が提案されている
が、まだ満足すべき手段は開発されてなく、したがって
上述のようなすぐれた効果が期待されなから幅サイジン
グ法は実用化されているものがあっても金型原単位が高
く問題を抱えている。

例えば特開昭６３−５８３７号の方法では幅ブレスのバ
ス間には金型の強冷却を行い、幅ブレス中には、スラブ
の冷却を防ぐために水量コントロールによる緩冷却を実
施するという方法が提案されている。

また、特開昭６３−１４０７１１号の方法では、第１図
に示すように、それぞれ対になった２組、合計４個の金
型２．２．２．２を備え、それを適時切換え、一方の金
型対を使ってスラブｌを幅圧下している間に他の金型対
はスプレー４を使って冷却することにより、常に幅ブレ
スを行いながら金型冷却を行おうとするものである。

しかしながら、特開昭６３−５８３７号の方法では、ス
ラブ端部冷却の問題が完全に解決されることにはならず
、またスラブの存在をトラッキングしてそれをもとに水
量コントロールを行なわなければならない等、設備的に
も複雑なものになってしまう、また、特開昭６３−１４
０７１１号の方法では、幅ブレスに使用中の金型は冷却
されないことになるので、金型冷却の効果があまり期待
できない可能性があるのと、金型切換えにはそれなりの
装置が必要であり、それだけ設備が複雑になり、設備の
メンテナンスの点からも望ましくない。

（発明が解決しようとする課題） すでに述べたように、プレス方式の輻サイジング法の実
用化のために必須である、幅ブレス金型の寿命延長に必
要な金型冷却に関しては、金型は確実に冷却しつつ、ス
ラブ端部は冷やさないようにしなければならないという
困難がある。

それに対して、従来の方法では冷却のためにいろいろな
装置を工夫することによって解決しようとしている。と
ころが、装置が複雑化するということは、熱間圧延ライ
ンという悪環境に加えて、振動、水といったことが重な
るため、メンテナンス上大きな問題となること、さらに
そのようにしても充分な効果が期待できないというとこ
ろに問題があった。

ここに、本発明の第一の目的は、熱延スラブの幅圧下プ
レスに際して、従来問題となっていた上述したような不
具合を解決し、熱延スラブの品質劣化を極力防止した上
でプレス金型の大幅な寿命延長を図るのに有利な冷却方
法および装置を提案することである。

本発明の別の目的は、プレス方式の幅サイジング法を経
済的にも実用化可能とすべく、金型の大幅な寿命延長を
実現できるプレス金型の冷却方法および装置を提供する
ことである。

（ｉ！￥題を解決するための手段） 本発明者は、かかる課題解決のため、まずプレス金型お
よび熱延スラブの配置、位置関係について考察し、次の
ような知見を得た。

すなわち、輻ブレス時、金型はスラブ幅と幅圧下量に対
応した位置を下死点とし、機械系によってきまる一定の
ストロークで、上死点までの間で往復運動を繰り返す、
その際、下死点までの一部区間ではスラブと接触し、逆
に上死点ではスラブと最も離れた位置になる。最も離れ
た位置では、金型形状、圧下量等によっても異なるがだ
いたい１００〜２００　Ｉｌｍの隙間が金型とスラブの
間にできる。

ここに、冷却手段として水冷却は簡便で効果的であるこ
とは知られている。そして従来は金型表面（すなわち金
型の熱スラブ接触部分）を積極的に水冷却することが考
えられていたのであるが、それでは断続的冷却しかでき
ないのであって結果的に不十分な冷却となってしまう、
できるだけ長い期間表面冷却を行おうとすると、スラブ
端部へのはねかけ、冷却が不可避となってしまう。

そこで、■金型とスラブとの隙間が１００〜２００＋ａ
ｍということは金型表面に水噴射をしてもスラブ端面へ
のはねかけを防止できる十分な距離をとることが可能で
あること、■連続的に冷却が可能であれば金型表面でな
くても冷却効果を十分に発揮できること、さらに０１０
０〜２００ｍ５＋というストロークが確保できればその
位置において金型の冷却箇所を変更して連続冷却が可能
となる冷却形態が考えられることを知った。

このような知見にもとづき、さらに検討を重ねたところ
、金型の往復運動の上死点と下死点の間の適切な位置に
金型冷却用の冷却水ノズルを設置すれば金型自身の位置
に応じて、金型表面の水冷却と、金型側面、例えば上面
の水冷却とを交互に連続して行うことができ、これによ
り金型とスラブが接近もしくは接触しているときにはス
ラブへ冷却水がかかるのが防がれ、特に冷却水の人、切
、や水量コントロールを行うための装置等を必要とせず
にスラブを冷却してしまうことなく、金型表面を常時冷
却することが可能となることが判明し、本発明に至った
。

ここに、本発明の要旨とするところは、対向した一対の
金型でスラブの幅圧下を行うプレス方式の幅サイジイン
グ装置におけるプレス金型の冷却方法であって、スラブ
を幅圧下する金型の往復運動において、金型間隔が最も
狭いときの金型表面位置と金型間隔が最も広いときの金
型表面位置との間に金型冷却用のノズルを設けることに
より、該ノズルの設置位置より前記金型表面位置がスラ
ブ側にある場合、金型上面を、そして該ノズルの設置位
置より前記金型表面位置がスラブと反対側にある場合、
金型表面をそれぞれ冷却することを特徴とするプレス金
型の冷却方法である。

上記ノズルの設置位置は、スラブへの冷却水のはねかけ
が防止できれば特に制限はないが、できるだけ金型表面
冷却期間を長くすることが好ましいため、一般には金型
間隔が最も狭いときの金型表面位置と金型間隔が最も広
いときの金型表面位置との間の距離の２７３金型寄り、
つまり２／３上死点寄りとするのが好ましい。

また、上記ノズルからの冷却水の噴射方向は、下方向、
つまりノズルを金型より上に設は下あるいは斜め方向に
噴射しても、あるいは横方向からであっても、場合によ
っては下方向からであってもよい、しかし、冷却効率、
取り扱いの点からは上あるいは斜め方向からの水噴射が
好ましい。

さらに別の面からは、本発明は、対向した一対の金型で
スラブの幅圧下を行うプレス方式の幅サイジイング装置
におけるプレス金型の冷却装置であって、スラブを幅圧
下する金型の往復運動領域の近傍において、金型間隔が
最も狭いときの金型表面位置と金型間隔が最も広いとき
の金型表面位置との間に金型冷却用のノズルを設けると
ともに、該ノズルの水噴射方向をスラブと反対側とした
ことを特徴とするプレス金型の冷却装置である。

本発明の好適態様にあって、前記金型の金型上面に、ス
ラブ圧下面、つまり金型表面近傍位置にスラブ進行方向
に延設された水切り用の突起を設けることによって、ス
ラブ冷却をさらに効果的に防止できる。

（作用） 以下、本発明について添付図面に基づいてさらに詳細に
説明する。

第２図は、幅プレス時の金型表面の動きを、横軸に時間
、縦軸に金型表面の位置をとって模式的に示すグラフで
ある。同図内で曲線が各時刻における金型表面の位置を
示している。同図から、金型は輻ブレスの１サイクルの
間に上死点から下死点までの範囲を移動し、上死点から
下死点へと向かう時に、下死点近傍のある時間、スラブ
と接触しなから幅圧下を行う。幅圧下期間である。

次に、第３図＋ａ＋は、本発明にかかるプレス金型冷却
装置を構成するベース３に支持された金型２とスラブ１
と冷却水ノズル４との配置例を示す略式説明図であり、
図示例では金型２の上表面２２にはスラブ進行方向にそ
って水切り突起６が設けられている。

第３図ら）は、金型のスラブ当接面、つまり金型表面２
１が傾斜面をなすとともに、複数の冷却水ノズル６を設
けた例を示す同じく略式説明図である。

ただし、第３図（′ｂ）は平面図で示す。

一方、第４図（ａｌおよび第４図山）は、それぞれ第３
図（ａ）および第３図（ｂｌに対応する図面であり、プ
レス金型圧下機構５を作動させて金型２によるスラブ１
の幅圧下を行っている様子を示す。

そこで、第２図の金型表面の位置関係と、第３図ｔａ＋
、（ｂ）そして第４図（ａｌ、（ｂ）とを関連させて本
発明の作用効果を説明する。

まず、金型２の往復運動の上死点と下死点の間の適切な
位置に冷却水ノズル４を設置し、金型表面２１に対して
冷却水を噴出している状態を考える。

この場合第３図に示すように、第２図において上死点側
からノズル設置点まで金型表面２工が移動しているとき
には、ノズル４からの冷却水は金型表面２１にかかって
いる。次に、ノズル設定点から下死点を通って、再びノ
ズル設定点までもどってくる間は、第４図に示すように
、ノズル４からの冷却水は金型の上面２２にかかること
になり、冷却水が直接スラブ１にかかってスラブ端部を
冷却してしまい材質が悪化するということがなくなる。

その際、同図に示すように、金型上面２２の金型表面２
１近傍位置に水切り用の突起６を設けることにより、ノ
ズル４から金型上面２２にかかった水が金型表面２１を
伝ってスラブ端面に留まるということも防ぐことができ
る。

なお、冷却水ノズル４を取付けるベース３は、幅プレス
装置の中で、幅プレス時の金型２の圧下動作とは連動せ
ず、かつ幅段取り替えのときには圧下機構５と共に動く
ような場所、すなわち、スラブ幅に関係なく常に幅圧下
時の金型の上死点から下死点までの往復運動のストロー
ク内で一定の位置関係を保つような場所に取付けるのが
好ましい、また、金型表面２１の改削による金型厚みの
変化については、冷却水の噴射角度を調整することによ
り対応することができる。

次に、実施例によって本発明の効果をさらに具体的に説
明する。

実施例 本例では、第３図（ａｌおよび（ｂｌに示す装置を使い
、第１表に示す仕様で連給鋳造スラブの幅サイジングを
行った。実際には一連の幅圧下ブレス金型を使ったが、
本発明にかかる装置による金型表面温度変化はそのうち
の一つについて考察した。

すなわち、−組の左右の金型についてそれぞれ本発明お
よび従来方法による金型冷却を行いながら裏面から穴を
あけて金型表面がら６ｍｍの深さにセットした熱電対を
用いて、幅ブレスを実施したときの金型内部の温度変化
を９０本余りのスラブを幅プレスする間について測定し
た。

第１表 金型上下死点間距離：　　１５０ｇ＋＋ｗノズル設置位
置　　：　下死点より１００ｍｍノズル本数　　　　：
　各１本 結果を第５図にグラフにまとめて示す。

第５図は実際の輻プレス時の金型温度の推移について、
金型冷却方法として本発明の例と従来方法の例とをそれ
ぞれ採用した場合について比較したものである。ここで
いう従来方法とは、第３図と同様の構成であるが、スラ
ブ幅圧下をしていないパス期間中には金型表面を冷却水
で強冷却し、幅ブレス中には冷却は行わないという方法
である。

図中、所々にある温度降下のある部分（縦の実線で示す
）は幅プレス対象材がなく連続して金型表面の冷却が行
われたためである。

同図から、従来例に対して本発明例では２００℃以上も
温度が低くなっていることが分かる。さらに輻ブレスが
連続して行われた時には金型温度がある温度付近で定常
化しているが、その温度が従来例では６００℃付近であ
るのに対して本発明例では４００℃付近と著しく低くな
っている。

このことから、従来例では金型表面温度は７００〜８０
０℃程度に達しているものと考えられ、鋼の変態点との
関係等からも、割れ等の危険性が高いのに比べて、本発
明例では５００〜６００℃程度であるものと考えられる
ことから、金型寿命延長にも十分効果があるものと思わ
れる。

そこで、同じ幅サイジング装置を使い、約１週間の間、
約８０００本の熱延スラブの幅ブレスを行い、先の本発
明例と従来例との冷却方法をそれぞれ採用し連続して幅
ブレスを実施し、そのあと金型の表面観察を行った。

その結果、従来例では接触面全域に亀甲状の表面割れが
発生しており、さらに大きな亀裂が入っており危険な状
態であった。それに比べて本発明例では表面の亀甲状の
細い割れははっきりと観察されたが大きな亀裂は見られ
なかった。

（発明の効果） 本発明によれば冷却関係の複雑な設備を必要とせずにプ
レス金型の寿命を熱延スラブの品質劣化なしに大幅に延
長することが可能であり、圧延能率の向上、保全作業の
省力化、設備補修経費などを大幅に低減でき、その簡便
な構成にも係わらす今日問題であるプレス方式の幅サイ
ジング法を経済的にも実用化可能とするとかできるなど
その意義は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来方法の例を示す図； 第２図は、輻ブレス時の金型表面の動きを説明する図； 第３図は、本発明の金型表面の冷却状態を説明する図； 第４図は、本発明のスラブと金型が接触しているときの
冷却状態を示す図； 第５図は、本発明と従来方法を用いたときの金型内部の
測温例を示す図である。 ｌニスラブ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）対向した一対の金型でスラブの幅圧下を行うプレ
   ス方式の幅サイジイング装置におけるプレス金型の冷却
   方法であって、 スラブを幅圧下する金型の往復運動において、金型間隔
   が最も狭いときの金型表面位置と金型間隔が最も広いと
   きの金型表面位置との間に金型冷却用のノズルを設ける
   ことにより、該ノズルの設置位置より前記金型表面位置
   がスラブ側にある場合、金型上面を、そして該ノズルの
   設置位置より前記金型表面位置がスラブと反対側にある
   場合、金型表面をそれぞれ冷却することを特徴とするプ
   レス金型の冷却方法。
2. （２）対向した一対の金型でスラブの幅圧下を行うプレ
   ス方式の幅サイジイング装置におけるプレス金型の冷却
   装置であって、 スラブを幅圧下する金型の往復運動領域の近傍において
   、金型間隔が最も狭いときの金型表面位置と金型間隔が
   最も広いときの金型表面位置との間に金型冷却用のノズ
   ルを設けるとともに、該ノズルの水噴射方向をスラブと
   反対側としたことを特徴とするプレス金型の冷却装置。
3. （３）前記金型の金型上面においてスラブ圧下面近傍位
   置にスラブ進行方向に延設された水切り用の突起を設け
   ることを特徴とする請求項２記載のプレス金型の冷却装
   置。