JPH0230240Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、帳票、磁気カード等に対して貼着さ
れる磁気テープ製作のための型抜用抜き刃に関す
るものである。

［従来の技術］ 従来、通帳及び帳票等へ磁気テープ転写を行う
方法としては、磁気テープを完全に抜いたものを
仮貼りし、その後ホツトプレスにより型押しし、
冷却後ベースフイルムを手作業等により剥離する
方法、または、仮貼しながら所定寸法にテープを
切断した後、前記と同様の作業を行う方法等であ
つた。

また、別に転写箔を用いてホツトプレスによる
型押しによつて箔を転写する技術があるが、磁気
転写媒体をこのような箔形態に製作することは、
磁気層の持つ造膜性により困難であつた。

また、ラベルのように離型紙上に接着層を介し
別の用紙を貼り合わせ、離型紙を除いて半抜き
し、不要部分を取り除くことによつてアイランド
状のラベルを作成する技術は存在するが、本考案
で対象とする転写用の磁気テープにおいては、ベ
ースフイルム上の積層体の引張り強度、引裂き強
度が弱く、このような加工が困難であつた。

［考案が解決しようとする問題点］ 本考案は、上記のような問題点を解決するため
の一手段として、アイランド状磁気テープを簡単
に製作することのできる抜き型刃を得ようとする
ものである。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、ベースフイルム７と転写層８とから
なるテープ状転写媒体（磁気テープ）１に、アイ
ランド状にベースフイルムを残して型抜きし、不
要部分３を剥離する装置において、アンビルロー
ル１３に対面する支持ロール１０周面上に形成し
た半抜用型刃１１により、アイランド状部２を半
抜加工するよう構成するとともに、アイランド状
部間の不要部分３に対応する位置に、半抜用型刃
１１と同様の筋押刃１２を設けて、前記不要部分
に筋付加工を行わせるよう構成することにより、
不要となるトリミング部分（不要膜層部）１４の
剥離性向上を図ろうとするものである。

［実施例］ 第１図ａ〜ｃは、未加工状態の磁気テープより
アイランド状磁気テープとする本考案抜き型刃に
よる加工順序の説明図で、ａ図の磁気テープ１に
アイランド状部２を残してトリミング部３を除去
するために、ｂ図に示すように、線４に沿つて半
抜き加工を行うと同時に、その中間に線５に沿つ
て半抜き加工と同様の筋押し加工を行うことによ
り、トリミング部３の線５に沿つて周辺部を浮き
上がらせるようにし（半抜き加工周辺にも浮きが
発生する）、このトリミング部３にエアを吹き付
けて剥離し、ｃ図に示すように空白部６を備えた
アイランド状磁気テープを得ようとするものであ
る。なお、第１図ｄは、アイランド状部２よりも
巾広の磁気テープに半抜き加工を行なつた場合に
おけるｂ図と同様の図である。

即ち、本考案による抜き型刃により、第２図に
示すように、転写層（磁気剥離層）８とベースフ
イルム（ベース層）７よりなる磁気テープ１を、
線４で半抜き加工、線５で筋押し加工することに
より周辺部を浮き上がらせるように加工するもの
で、第３図ａ，ｂにその抜き型刃９が示されてい
る。

第３図ａは斜視図、ｂは側面図であるが、抜き
型刃９は、支持ロール１０上に設けられた半抜用
型刃１１と、磁気テープの部分剥離補助のため
に、相隣る半抜用型刃間に設けられ、不要となる
トリミング部３に押付作用を加える半抜用型刃と
同様の筋付用筋押刃１２とにより構成されてい
て、ｂ図に示されているように、アンビルロール
１３との間にテープ状転写媒体（磁気テープ）１
を通した場合、第２図に示すように、半抜用型刃
１１により半抜加工線４，４を付するとともに、
筋付用筋押刃１２により筋押加工線５を付け、こ
の筋押加工により浮きを発生させ、不要膜層部
（トリミング部）１４（第４図参照）の除去が簡
単に行えるよう、第２図に示すように、両側縁及
び筋押部周辺を浮き上がらせる。

このようにして加工された磁気テープ１は、例
えば第４図に示すように、案内ロール１５，１
５′と案内ロール１６，１６′との間で不要膜層部
（トリミング部）１４の位置とタイミングを合せ
て回転するトリミングバー１７先端による屈曲作
用により一部の剥離が増大され、その部分にノズ
ル１８よりエアーを吹き付けることにより、容易
に不要膜層部（トリミング部）１４を除去するこ
とが可能となる。

なお、第４図に示す例においては、第１図に示
すように、磁気テープ１の中間部にのみ不要膜層
部が存在する場合について述べたが、第３図に示
す型刃９は、アイランド状部２よりも巾広の磁気
テープに、それより巾の狭いアイランド状部を半
抜きする場合に用いられるように、長手方向両側
縁のための刃が付せられているので、このような
場合でも使用でき、筋押刃１２は不要膜層部の分
離を助けるよう作用する（第１図ｄ参照）。第１
図ｄに示すような巾広の磁気テープの場合は、長
手方向のトリミングはある程度容易にできるが、
これに交差する形の不要部（筋押刃５の当る部
分）は、符号１９で示す部分に剪断方向の力を受
け、裂けて残ることがあるが、本考案によれば、
この部分に筋押刃５による浮きが発生するので、
確実に不要部の除去を行なうことができる。な
お、この場合、長手方向にも浮きを助けるための
筋押刃を設けてトリミングを軽くしてやるように
すれば、さらに効果がある。

［効果］ 本考案による抜き型刃によれば、部分剥離補助
用筋押刃を設けたことにより、トリミング部分に
浮きが発生するようになるので、トリミング部分
の剥離が容易となり、従来構造が困難であつた不
要膜層部のないアイランド状テープを簡単に作る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ〜ｄは本考案の抜き型刃による磁気テ
ープの加工過程を示す説明図、第２図は抜き型刃
による加工状態を示す断面図、第３図は本考案に
よる抜き型刃を示すもので、ａは斜視図、ｂは側
面図、第４図は抜き型刃により加工された磁気テ
ープの不要膜層部（トリミング部）除去方法の一
例を示す図、である。 １……磁気テープ、２……アイランド状部、３
……不要部分、４……半抜加工線、５……筋押加
工線、６……空白部、７……ベースフイルム、８
……転写層、９……抜き型刃、１０……支持ロー
ル、１１……半抜用型刃、１２……部分剥離補助
用筋押刃、１３……アンビルロール、１４……不
要膜層部、１８……エアノズル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベースフイルムと転写層とからなるテープ状転
   写媒体に、アイランド状にベースフイルムを残し
   て型抜きし、不要部分を剥離する装置において、
   アンビルロールに対面する支持ロール周面上に形
   成した半抜用型刃により、アイランド状部を半抜
   加工するよう構成するとともに、アイランド状部
   間の不要部分に対応する位置に半抜用型刃と同様
   の筋押刃を設けて、前記不要部分に筋付加工を行
   わせるよう構成したことを特徴とする抜き型刃。