JPH023020Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、家庭用或いは美容院等の業務用に使
用される水栓装置であつて、特に、足踏操作によ
つて開閉を行なうものに関する。

このように足踏操作で開閉操作を行なう装置は
公知であるが、従来のものは、足下に置かれたス
イツチと開閉弁とをケーブル等で連結し、このケ
ーブルを介して開閉弁を動作させるため、一般に
大きな踏込みストロークが必要で、かつ、操作が
重いという欠点がある。このような欠点を解決す
る方法としては、例えば前記開閉弁を電磁式のも
のにし、この開閉弁の開閉動作を電気的に行なう
ことが考えられるが、しかし、かかる電磁開閉弁
によつて直接主通路を開閉することとすると、開
閉動作が急激に行なわれるため、ウオータハンマ
を生じ、また、使用感の点からすれば、吐水及び
止水動作が急激に行なわれることは好ましくな
く、ゆるやかに行なわれる方がよい。

本考案は、このような欠点を解消することを目
的としてなされたもので、その構成として本考案
は、吐出量の調節と温度調節をなう混合バルブ部
分と吐水・止水を行なう開閉バルブ部分とを有す
る水栓装置において、前記開閉バルブ部分をパイ
ロツト圧の作用・非作用によつて主通路を開閉さ
れるパイロツト形開閉弁として、このパイロツト
形開閉弁を足踏式の開閉スイツチによつて操作さ
れるべく該開閉スイツチの電気回路中に組み込ん
でなることを特徴とするものである。

以下本考案の構成を図示の一実施例に基づいて
説明すると、第１図は、家庭用流し台における水
栓装置を示しており、流し台１の上部には、レバ
ー２の上下動操作によつて吐出量の調節を行な
い、同じくレバー２の回転操作によつて温度調節
を行なう本考案混合バルブ部分としての混合栓３
が取付けられており、この混合水栓３には、水供
給配管４と湯供給配管５とが接続されている。即
ち、混合水栓３は、水供給配管４と湯供給配管５
によつて供給される湯と水の混合量を調節し、こ
れによつて、吐出温度の調節を行なうものであ
る。このような混合水栓としては、例えば、シリ
ンダ内に挿入したステムの押し引き動作によつて
吐出量の調節を行ない、同じくカートリツジシス
テムの回動操作によつて、湯と水の混合量を調節
するいわゆるモーン混合水栓と呼ばれるもの等が
考えられる。また、この場合、この混合水栓３
に、止水及び吐水を行なわしめるようにしてもよ
い。そして、これら湯供給配管５と水供給配管４
の途中には、各供給配管５，４の通路を開閉する
本考案パイロツト形開閉弁６が設けられており、
この開閉弁６は、流し台１の前部に置かれた足踏
式スイツチ７へ電気配線８を介して接続され、こ
れにより、この足踏式スイツチ７を押すとパイロ
ツト形開閉弁６が開かれて、前記水及び湯供給配
管４，５より混合水栓３へ湯及び水が供給され、
再び押すと、通路が閉じられて止水が行なわれる
ような構成となつている。

そこで、次に上記パイロツト形開閉弁６の構造
とその動作を、第２図以下に基づいて説明する
と、図において１１は、筒状の主通路ボデイであ
つて、この主通路ボデイ１１には、その下端を入
口１２とし、上端を出口１３とした主通路１４が
形成され、この主通路１４の中間部には、仕切壁
１５が形成されるとともに、この仕切壁１５部分
において、主通路ボデイ１１の周壁部が開口１６
され、これによつて、前記主通路１４は、入口１
２から仕切壁１５を迂回するよう開口部１６を通
つて出口１３に至るよう構成している。

１７はブロツク形状の弁ケースであり、この弁
ケース１７は、その一側面において、前記開口部
１６へ嵌着されている。更に、この弁ケース１７
には、前記主通路１４へ向けて主弁室１８が形成
され、この主弁室１８内には、主弁体１９が主通
路１４側へ向けて摺動自在に挿入されている。ま
た、弁ケース１７には、主通路１４内へ突出して
弁シート２０が形成され、他方、前記仕切壁１５
の先端も弁シート２１とされており、今、主弁体
１９は、その先端のパツキン２２が、該主弁体１
９背面のバネ２３によつて、これら弁シート２
０，２１へ押しつけられ、これにより主通路１４
を閉じている。また、この弁ケース１７には、上
記仕切壁１５の上流部より主弁室１８内の主弁体
１９背面部へ入るパイロツト入口通路24と、同じ
く主弁室１８から仕切壁１５の下流部へ通ずるパ
イロツト出口通路２５ａ，２５ｂが形成され、こ
の場合、パイロツト出口通路２５ａ，２５ｂは、
弁ケース１７外側の凹部２６を通るように形成さ
れている。そして、この凹部２６には、電磁弁２
７が嵌着され、この電磁弁２７の可動鉄芯２８
は、バネ２９で附勢されて、その先端部のパツキ
ン30が、前記出口通路２５ａ，２５ｂの途中を塞
いでいる。また、電磁弁２７におけるソレノイド
３１の端子３２，３２が、前記配線８，８を介し
て、足踏式スイツチ７へ接続される。

さて、上記の構成に基づいて、パイロツト形開
閉弁６の動作を説明すると、第２図は、主通路１
４が閉じられた状態を示しており、この状態で
は、電磁弁２７の可動鉄芯２８がバネ２９によつ
て押され、パイロツト出口通路２５ａ，２５ｂを
閉じており、従つて、パイロツト入口通路２４よ
り入つた湯又は水の圧力は、主弁体１９のパツキ
ン２２弁シート２０，２１へ押しつけるよう作用
し、主通路１４を閉じている。

この状態から足踏式スイツチ７を踏み込んで電
磁弁２７のソレノイド３１へ通電すると、可動鉄
芯２８が吸引されるため、第３図の如く、パイロ
ツト出口通路２５ａ，２５ｂが開かれて主弁室１
８内の湯又は水が該出口通路２５ａ，２５ｂを通
つて主通路１４側へ逃げるため、これによつてパ
イロツト圧が開放される。そのため、主通路１４
側の湯又は水の圧力が主弁体１９を押しているバ
ネ２３の力よりも大となり、この主弁体１９が押
し込まれて第４図の如く主通路１４が開かれ、入
口１２側から出口１３側へ湯又は水が流れて、前
記混合水栓３へ供給される。他方、足踏式スイツ
チ７を再び押すと、今度は上記の逆のことが行な
われ、可動鉄芯２８先端のパツキン３０がパイロ
ツト出口通路２５ａ，２５ｂを塞ぎ、パイロツト
入口通路２４から入つた湯又は水の圧力が主弁体
１９を押すため、主通路１４を閉じられ止水状態
となる。

上記のようなパイロツト形開閉弁６は、同一構
造のものを２個用いてこれらを前記湯供給配管５
及び水供給配管４へそれぞれ取付けるか、又は湯
側主通路１４と水側主通路１４を備えた一体形の
ものを取付けるようにしてもよい。また、パイロ
ツト形開閉弁６は、上記と逆にパイロツト圧を作
用させると、主通路１４が開くように構成する
等、種々の形成が考えられる。

以上の如く本考案によれば、止水及び吐水を行
なう開閉弁をパイロツト形のものとし、これを足
踏式開閉スイツチの電気回路中に組み込んでいる
から、従来のケーブル等を用いるものと異なつ
て、足踏式スイツチは単に電気回路のON−OFF
を行なうのみでよく、従つて、足踏みストローク
が小さく、かつ、操作力も軽いもので済むという
効果がある。また、本考案では、主通路の開閉を
パイロツト圧の開放及び作動によつて行なうこと
となるから、止水及び吐水が比較的ゆるやかに行
なわれ、そのため、ウオータハンマを生じたり、
或いは、止水及び吐水の動作が静かに行なわれる
こととなるので、使用者に高級感を与えられる効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案装置の全体を示す流し台部分
の縦断面図、第２図〜第４図は、夫々本考案パイ
ロツト形開閉弁の構造とその作動状態を示す縦断
面図である。 ３……混合水栓、４……水供給配管、５……湯
供給配管、６……パイロツト形開閉弁、７……足
踏式スイツチ、１４……主通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吐出量の調節と温度調節を行なう混合バルブ部
   分と吐水・止水を行なう開閉バルブ部分とを有す
   る水栓装置において、前記開閉バルブ部分をパイ
   ロツト圧の作用・非作用によつて主通路を開閉さ
   れるパイロツト形開閉弁として、このパイロツト
   形開閉弁を足踏式の開閉スイツチによつて操作さ
   れるべく該開閉スイツチの電気回路中に組み込ん
   でなることを特徴とする水栓装置。