JPH02294403A - 射出成形性、焼結性に優れる射出成形用金属粉末およびその製造方法ならびに金属粉末射出成形用コンパウンド - Google Patents

射出成形性、焼結性に優れる射出成形用金属粉末およびその製造方法ならびに金属粉末射出成形用コンパウンド

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JPH02294403A
JPH02294403A JP1115596A JP11559689A JPH02294403A JP H02294403 A JPH02294403 A JP H02294403A JP 1115596 A JP1115596 A JP 1115596A JP 11559689 A JP11559689 A JP 11559689A JP H02294403 A JPH02294403 A JP H02294403A
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powder
injection molding
injection
water
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JP1115596A
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Yukio Makiishi
槙石 幸雄
Minoru Nitta
稔 新田
Toshio Watanabe
敏夫 渡辺
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、射出成形用金属粉末およびその製造方法なら
びに金属粉末射出成形用コンパウンドに関し、詳しくは
、特性が改良された射出成形用金属粉末、その製造方法
、および該金属粉末を含有する射出成形用コンパウンド
に関する。
《従来の技術〉 金属粉末焼結体は、材料歩留りおよび機械加工費の点に
おいて有利なことから、溶製材の一部を代替しつつある
. また、その成形方法は、従来からのプレス成形法に
代り、3次元複雑形状にも容易に対応できる射出成形法
の発展が期待されている。 ところが、射出成形法を利
用した金属粉末焼結体の製造の開始はごく最近であるた
め、種々の技術課題が残されており、特に原料金属粉末
については、多くの改良の余地がある。
一般に、射出成形用の金属粉末には、粒径20μm以下
の微粉末であることともに、球状で充填性に優れること
が要求されている.金属粉末の粒径が限定され、球状で
充填性に優れることが求められるのは、従来のプレス成
形が成形圧力3〜7 t/cm”程度であるのに対し、
射出成形では、成形圧力が低く、しかも金属粉末以外に
バインダーを含むため、従来法のように、粉末の圧縮変
形による成形体密度の上昇を期待できず、このため、射
出成形法で金属部品を製造する場合は、一般に、密度4
0〜70%の成形体を得、それを焼結によって緻密化し
、90〜98%程度の密度の部品とするためである。 
そして、このような焼結時の緻密化が可能な、換言すれ
ば焼結性の優れた金属粉末として、粒径20μm以下、
通常は10μm程度の微粉末が用いられているのであり
、球状で充填性に優れる微粉末が求められているのであ
る。
次に、射出成形用金属粉末の改良に関する最近の技術に
ついて述べる。
粉末の充填性は、金属粉末とバインダーとの混練後のコ
ンパウンドの流動性に大きく影響を及ぼすことが知られ
ている。 これは、高濃度スラリの流動性とも考えられ
るが、金属粉末の充填性が高いほど、コンパウンドの流
動性が侵れる。 そして、金属粉末の充填性を改良する
ことにより、射出成形性を改良しようとする試みとして
、以下のような例がある. 例えば、粉体粉末冶金協会昭和63年秋季大会講演概要
集2 − 4 3 r Fe−6.5tSi合金の射出
成形』には、金属粉末の粒度分布を調整することにより
、タップ密度を44.7k以上とする(充填性の改良)
と、Fe−6.5零si合金の射出成形が可能となった
との報告がある. なお、ここでは、充填性をタップ密度で測定し、真密度
に対する割合で示してある. これは、流動性は、粒子
の真密度に関係なく、粒子間の空隙の割合で決定される
ためである.また、押出成形ながら射出成形同様コンバ
ウンドの成形に関する研究が、粉体粉末冶金協会昭和6
3年春季大会講演概要集2−2「ワックスを配合した高
速度鋼粉の押出成形」に報告されており、充填性の評価
方法の一つであるタップ密度の高い粉末を用いたコンパ
ウンドで、見掛の粘性を低くすることが可能であるとの
報告がなされている。
ところで、射出成形用の金属粉末として、般には、カル
ボニル法によって得られる粉末が用いられている。 す
なわち、カルボニル法によって得られるカルボニル鉄粉
、カルボニルニッケル粉などの金属粉末は、粒径10μ
m以下の微粉末であり、球状で純度の高い粉末である。
このため、カルボニル粉末は、焼結性に優れるので、前
述のように、高密度の成形体の得られない射出成形用の
粉末として用いられている。
ところが、同法による粉末は、微粉末で球形であるが、
粒度分布が狭いために、充填性は高くない。 そのため
に、十分な流動性が必要とされる場合は、バインダーを
多量に用いる必要がある。
さらに、カルボニル粉末は、その製法に起因して合金粉
末の製造が困難である上、粉末の価格が高く、機械部品
製造コストの上昇を招いている。
カルボニル粉末を用い、バインダー量の低減を図る技術
が、特開昭61−210101に開示されている。
特開昭61−210101に開示されている技術は、大
径の粒子も用い、バインダーおよび微粉末の使用量を低
減する技術である。 しかし、この方法で均質な焼結部
品を得るには、大径粒子と微粉末の組成を同一とするか
、あるいは十分に拡散均一化する必要があり、そのため
に、適用部品は限定される。
また、射出成形部品は、数mmから数十mmといった小
型複雑部品が多く、数十μm程度の粗粒子の多量添加は
、射出成形時の成形性、最終部品の表面状態などから限
定される。 従って、この方法により、カルボニル粉末
などの粒度分布が狭い微粉末使用時の欠点は改善される
ものの、特に金属粉末が合金である場合には、この方法
も十分な方法とは言えない。
このため、射出成形用金属粉末として、最近、高圧水ア
トマイズ法による粉末が注目されてぎでいる。
しかし、高圧水アトマイズ法によって得られる粉末の全
てが、粒径、形状(球形)、および充填性に優れるわけ
ではない。 例えば、先の粉体粉末冶金協会昭和63年
春季大会講演概要集2−2に示されている金属粉末は、
粒径は、気流透過式の粒度測定法の一つであるF.S.
S.による測定で7.2〜7、4μmであり、比表面積
は0.2m27g程度であり、発明者らがこのような金
属粉末を用いて検討した結果、得られた焼結体は、強度
および耐食性の点で、一般溶製材を用いた場合との差が
小さいとはいえなかった。
また、高圧水アトマイズ粉末を用いるが、先の特開昭6
1−210101と類似の技術が開示されている(粉体
および粉末冶金 第35巻 7号 641ページ ステ
ンレス粉の射出成形について)。
同書には、球状粗粒のガスアトマイズ粉末と微細な高圧
水マトマイズ粉末とを混合し、充填性を改良した粉末に
ついて、射出成形性、焼結性について検討した結果が記
載されている。 上記の混合粉末を用いると、充填性の
高いガスアトマイズ粉末を用いているために、射出成形
に必要なバインダー量を低減可能であり、成形性に優れ
るが、同粉末のみでは焼結性が劣り、高圧水アトマイズ
粉を60%以上含む混合粉末のみが、95%の焼結密度
に達している。 なお、高圧水アトマイズ法については
、特開昭60−1 52605に詳しく記述されている
。 そして、同明細書に開示されているように、同法に
よれば、水圧を5 0 0 kgf/cm”以上とする
と、F.S.S.による測定で粒径が4.6〜5.1μ
mの金属粉末が得られている。
このように、高圧水アトマイズ粉末であっても、必ずし
も所望の粒径、形状および充填性を有する金属粉末であ
るとは限らない. しか・し、特開昭60−15260
5に記載の高圧水アトマイズ法は、カルボニル法に比べ
、合金粉が製造可能な点、比較的微粉末が得られる点か
ら、該高圧水アトマイズ法による粉末は、カルボニル法
による粉末に比べて焼結性が劣るものの、射出成形用粉
末として使用できる可能性かあると考えられた。
そこで、特開昭60−152605による高圧水アトマ
イズ粉末を用いた焼結体について検討した。 しかし、
本発明者らの検討結果では、用いる高圧水アトマイズ粉
末の体積平均径を13μm以下としないと、焼結条件に
もよるが、溶製材との機械特性や耐食性などの特性差が
小さくなる焼結密度95%程度を得ることは、通常の化
学組成では困難であった。
なお、金属粉末の粒径は、その測定方法によって大ぎく
異なる点に注意を要する。
一例をあげると、レーザー回折式の粒度分布測定装置で
メジアン径(累積重ffi50%径)10μm,体積平
均径11μmの粉末を、F.S.S.と同種の測定法(
気流透過法)で測定したところ、その粒径は約4μmで
あった。
このように、従来の高圧水アトマイズ法で得られた金属
粉末も、そのまま用いることはできず、気流分級機など
によって分級、微粉末化して使用せざるを得ない状況で
ある。 しかし、分級歩留りが低く、これが原料金属粉
末のコスト上昇の原因となっている. また、分級操作
により、金属粉末の粒度分布が狭くなり、これにより、
金属粉末の充填性が低下する。 このために、分級粉を
用いると、非分級粉を用いた場合に比べ、射出成形性に
劣る傾向があり、好ましくない。
すなわち、射出成形用の金属粉末に要求される特性であ
る焼結性と射出成形性、換言すれば粒度と充填性の両特
性を満足する金属粉末は、未だ得られていない。
〈発明が解決しようとする課題〉 木発明は、上記の実情に鑑みて為されたものであり、射
出成形法を利用した金属粉末焼結体の製造に用いる、射
出成形性と焼結性の両特性を合せ持つ原料金属粉末およ
びその製造方法ならびに該原料金属粉末を含む射出成形
用コンパウンドをt是f共することを目的とする。
〈課題を解決するための手段〉 本発明は、焼結性に優れ、また充填性の高い、即ち射出
成形性に優れる金属粉末を得るには、高圧水アトマイズ
法において、噴霧水圧の増加と単位時間あたりの溶融金
属の注入量の低減が効果的であり、これにより得られる
粉末は、従来の粉末のごとく、高い焼結性を得るために
歩留り低下をまねく分級操作を加えることなく、噴露の
ままの状態で用いても焼結性に優れ、また、分級操作を
行わないために、粒度分布の狭化による充填性の低下が
生じず、よって射出成形性に優れるという知見に基づい
てなされたものである。
すなわち、本発明の第一の態様は、体積平均径13μm
以下、タップ密度50%以上であることを特徴とする射
出成形性、焼結性に優れる射出成形用金属粉末である. また、本発明の第二の態様は、該射出成形用金属粉末を
、アトマイズ法を用いて製造するに際し、アトマイズ工
程において、単位時間当りの溶融金属の注入量(kg/
m in)と液体圧力(kgf/cm”)との比(注入
量/液体圧力)を0.007 (cm”/!Ilin)
以下とすることを特徴とする射出成形性、焼結性に優れ
る射出成形用金属粉末の製造方法である. さらに、本発明の第三の態様は、該射出成形用金属粉末
と有機バインダーとを含むことを特徴とする金属粉末射
出成形用コンパウンドである。
以下に、本発明を詳細に説明する. 本発明の射出成形用金属粉末は、その体積平均径は13
μm以下、タップ密度50%以上である。
金属粉末の体積平均径は、焼結密度、すなわち焼結体の
強度に関与する因子である. そして、溶製材と大差な
い焼結体特性を示す焼結密度95%以上の焼結体を得る
には、体積平均径が13μm以下の金属粉末が必要とさ
れる。
第1図に、バインター10wt%を含むステンレス鋼微
粉末を射出成形し、脱脂後1350tで焼結した時の焼
結密度と用いた微粉末の体積平均径との関係を示す。
第1図からも、焼結密度95%以上の焼結体を得るには
、体積平均径が13μm以下の金属粉末を用いればよい
ことがわかる。
タップ密度は、充填性、すなわち射出成形性に関与する
因子である。 そして、タップ密度が50%以上でない
と、十分な射出成形性を得ることができない. 一例をあげると、タップ密度40%〜55%の金属粉末
5f!類について、バインダー量を4 0 vol!ま
たは5 0 VO1%Fとして射出成形性を評価したと
ころ、タップ密度が50%未溝の金属粉末を用いた場合
は、バインダー量4 0 vol%では成形困難であり
・た。
また、このような本発明の金属粉末の表面積をベット(
BET)法により測定したところ、ステンレス鋼粉およ
び鉄粉の場合で0.33〜0.9m’/gであった。
本発明の金属粉末は、さらに、累積重量90%径と累積
重量10%径との粒径比(累積重量90%径/同10%
径)が5.0以上であることが好ましい。
該粒径比は、金属粉末の粒度分布の一指標であり、従っ
て、充填性、すなわち射出成形性に関与する因子である
第2図に、同じく充填性に関与する因子であるタップ密
度と、累積重量90%径と累積重量10%径との粒径比
(累積重量90%径/同10%径)との関係を示す。 
同図より、該粒径比とタップ密度に、正の相関があるこ
とがわかる。
本発明の対象となる金属の化学組成は、通常焼結に供さ
れているものであればいかようであってもよく、例えば
純鉄、ステンレス鋼、Ni,Cr,Mo,V,Mn,S
i,Co等を含有する鉄合金等があげられるが、特に、
Mn/Si(重量比)が1.00以上であり、他の成分
はステンレス鋼組成である金属が好ましい。
このような組成の金属は、例えば高圧水アトマイズ法に
よって製造すると、球状化が可能である。 そして、金
属粉末の形状が球状であると、充填性が大きく改善され
る。
以上が本発明の射出成形用金属粉末の構成であるが、こ
のような金属粉末を得るための好ましい製造方法は、従
来から金属粉末の製造に用いられてきた液体マトマイズ
法による金属粉末製造法を改善したものである。
前述したとおり、複雑形状の部品製造に射出成形法が好
適であり、注目され、これとともに射出成形用の原料金
属粉末の需要も増加している。
射出成形用の金属粉末は、必要な焼結性を得るためには
、微粉末であることが重要であり、この微粉末を得るた
めには、従来からの水アトマイズ法において、噴露水圧
を上げることが最も効果的であるといわれ、最近では、
1000kgf/cm’以上とする場合もある。
しかし、この程度に噴霧水圧を高くしても、得られる粉
末の粒度の下限は、メジアン径12μm、体積平均径1
4μm程度であり、その焼結性は十分とは言えず、焼結
性が不十分な原因は、粒度が大ぎすぎる点にある。
そこで、噴露条件を検討し、分級操作の不要なより微粉
末の得られる条件を検討し、本発明法に到達した。
なお、微粉末を得るための条件検討段階において、従来
から知られているように、水圧の上昇による微粉末化も
検討したが、2000kgf/cm’を越える水圧で噴
nを行うには、極端な高出力ボンブが必要であり、設備
費が高価となるので、水圧を高くする方法は採用せずC
以下に述べる本発明の方法を開発したものである。
すなわち、溶解金属を、高圧液体を用いてアトマイズす
ることによって金属粉末を得るアトマイズ法とよばれる
工程を有する金属粉末の製造方法であって、アトマイズ
時、単位時間当りの溶融金属の注入量(kg/min)
と液体圧力(kgf/cm”)  との比(注入lt/
液体圧力)を0 . O O 7 (cm2/+++i
n)以下とする、体積平均径13μm以下、タップ密度
50%以上の射出成形性、焼結性に優れる射出成形用金
属粉末の製造方法である。
従来、溶渇ノズル径を細くし、溶融金属注入量を抑制す
ることにより、金属粉末が微粒化することは公知であっ
たが、技術上の問題から、水圧5 0 0 Jf/cn
+’以上の高圧水アトマイズ法では、用いる溶融金属が
鉄など比較的高融点の金属では、実験室規模であっても
、溶湯ノズル径2〜3mm程度が下限であると考えられ
ていた。 しかし、本発明者ら(特願平o150539
)により、m ?8ノズル径をtmmまで狭小化するこ
とが可能であることが明らかとされ、よって、単位時間
あたりの溶融金属注入量を安定に低く保持するこ−とが
可能となり、木発明法で示したアトマイズ時の条件設定
が可能となったものである. なお、以下の説明は、噴露媒として水を用いた場合につ
いて行うが、噴露媒として油などの他の液体を用いても
、本発明法は行いつる。
本発明法は、前記の如く、高圧水アトマイズ法を行うに
あたり、単位時間当りの溶融金属注入量(kg/aki
n)と水圧(kgf/cm’)との比(注入量/水圧)
を0.007 (cm’/fflin)以下とする点に
特徴がある。 この条件で高圧水アトマイズ法を行うと
、得られる金属粉末は、レーザー回折式粒度分布測定器
で測定した体積平均径が13μm以下、タップ密度50
%以上となり、分級な行わなくとも、タップ密度50%
以上の金属粉末を得ることができる。  このような金
属粉末は、高い充填性を有し、バインダーとの混練後の
流動性に優れる. 特に、注入量と水圧との比(注入量
/水圧)を0.005 (cm”/sln)以下とすれ
ば、分級操作を全く行うことなく、高い焼結性を有する
金属粉末が得られる上、充填性も高く、射出成形時の流
動性も優れる. さらに、脱脂時の保形性の改善も可能
である。
ところで、注入量と水圧との比(注入量/水圧)を0.
007 (cm2/IIlin)以下とすればよいこと
は、以下の実験事実から導かれたことである。
すなわち、注入量と水圧との比を変えて高圧水アトマイ
ズ法によって製造した金属粉末を、気流分級機を用い、
体積平均径10μmとなるよう分級した。 そして、こ
の分級歩留りと、注入量と水圧の比(注入量/水圧)と
の関係を検討し、結果を第3図に示した。 同図から明
らかなように、注入量と水圧との比(注入量/水圧)が
0.007 (cm’/win)のとき、分級歩留りは
約80%となり、0.007 (cn+”/fflin
)超となると、分級歩留りは急激に悪化する. 従って
、コストの点より、注入量と水圧との比(注入量/水圧
)を0.007 (cm”/oin)以下とする必要が
ある. さらに、同分級粉の充填性を評価するために、ホソカワ
ミクロン製バワダーテスターでタップ密度を測定し(タ
ップ時間10分間)、この結果を、第4図に、注入量と
水圧の比(注入量/水圧)との関係で示した。 同図か
ら明らかなように、注入量と水圧との比(注入量/水圧
)が0.007を越えると、タップ密度は、粒子形状の
影響により、ばらつきが大きいが、分級による粒度分布
の狭化により、50%以下となる場合が多く、射出成形
性が十分ではない。 従って、充填性、すなわち射出成
形性の観点からも、アトマイズ時の溶融金属注入量と水
圧との比(注入量/水圧)を0.007(cm’/wi
n)以下とする必要がある。
本発明は、アトマイズ時の単位時間あたりの溶融金属注
入量と液体圧力との比(注入量/液体圧力)を低くする
ことによって微粉末化を図ったものがあるが、注入量を
低くすることに伴なう溶渇ノズル径の縮少、あるいは液
体(水)圧力を調整するための条件設定(水ジェット径
、水ジェット長さなど》は、当然、本発明の金属粉末の
製造方法に合せて条件設定されるものであり、これらの
条件も、本発明の−形態である。
ところで、充填性、すなわち射出成形性は、金属粉末の
タップ密度と密接な関係があるが、タップ密度は、金属
粉末の粒度分布だけでなく、粒子形状の影響を受ける。
 そして、粒子形状は、球状が好ましく、粉末の球状化
は、溶渇の組成あるいは噴霧条件を変えることによって
達成できる。 なお、第4図において◎で示した粉末は
、球状粉末であり、球状であるためにタップ密度が高い
. 金属粉末の球状化は、例えば本発明者らがステンレス鋼
微粉に関する先願(特願昭63−206719)で開示
しているように、金属の化学組成を限定することで達成
できる。 すなわち、Mn/Si(重量比)を1、00
以上のステンレス鋼組成とすることで達成できる。
また、水ジェットの集束角を小さくする、あるいは水ジ
ェットを拡散させるなど、水ジェットの集中度を低くす
ることによっても球状化が可能である。
そして、これらの球状化の手段を本発明法と同時に実施
することは、金属粉末の充填性を大きく改善するので好
ましい。
本発明は、さらに、先に説明した本発明の射出成形用金
属粉末と有機バインダーとを含み、混合してなる金属粉
末射出成形用コンパウンドをも包含する。
すなわち、金属粉末の射出成形は、金属粉末だけで行う
と、公知のごとく、射出流動性および成形体強度の点で
問題があるので、バインダーを添加混合したコンパウン
ドを用いて成形を行う。 本発明においては、射出成形
用バインダーは、一般的な熱可望性樹脂等の樹脂および
/またはワックスを主体とするものを使用し、必要に応
じて可塑剤、潤滑剤および脱脂促進剤などを添加する。
熱可塑性樹脂には、アクリル系、ポリエチレン系、ポリ
プロピレン系およびボリスチレン系等があり、ワックス
類には、みつろう、木ろう、モンタンワックス等に代表
されるような天然ろう、および低分子ポリエチレン、マ
イクロスタリンワックス、バラフィンワックス等に代表
されるような合成ろうがあるが、これから選ばれる1種
あるいは2種以上を用いる。
可塑剤は、主体と成る樹脂あるいはワックスとの組合せ
によって選択するが、具体的には、フタル酸ジー2−エ
チルヘキシル(DOP)、フタル酸ジエチル(DEP)
,フタル酸ジーn−ブチル(DEP)等があげられる。
潤滑剤としては、高級脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸エ
ステル等があげられ、場合によっては、ワックス類を潤
滑剤として兼用する。
また、脱脂促進剤として、樟脳等の昇華性物質を添加す
ることもできる。
なお、射出成形用バインダーの量は、通常10wt%程
度である。
金属粉末とバインダーとの混合・a練には、バッチ式あ
るいは連続式の二−ダが使用でき、バッチ式二−ダの中
では加圧二−ダやバンバリーミキサー等が、また、連続
式二−ダの中では2軸押出し機等がそれぞれ有利に適合
する。 そして、混練後、必要に応じてペレタイザーあ
るいは粉砕機等を使用して造粒を行い、射出成形用コン
パウンドを得る。
〈実施例〉 以下に、実施例により、本発明を詳細に説明する。
(実施例1) 第5図に示す金属粉末製造装置を用いて粉末を製造した
高周波溶解炉1を用い、鉄およびニッケルなどの原料を
Ar$囲気中でSUS316L組成となるよう溶解した
後、1600〜1750℃に昇温し、1200℃以上に
予熱されたタンディッシュ2に注渇し、噴霧を行った。
 噴露条件は、表1および表3に示すとおりであるが、
水量は60〜2 3 0 It / m i n ,水
温6〜40℃とした。
水ノズル3は、特開昭63−310909に開示したも
のに改良を加えたものを用いた。 また、タンディッシ
ュノズル(図示せず)はアルミナを主体としたもの用い
た。
タンディッシュ2内に注渇した金属溶湯は、タンディッ
シュ2底面に設置されたタンディッシュノズルより注渇
した。 なお、注湯開始時は、タンディッシュノズル端
部の圧力を大気圧に対して−2000〜−8000m 
m 8 2 0減圧し、注湯中は+5 0 〜4000
m m H 2 0 (7)間で調整した。
タンディッシュ2に注渇した溶融金属を、タンディッシ
ュノズルから流下させ、水ノズル3からの水ジ・エット
によってアトマイズし、金属粉末とし、スラリー状のま
ま、気液分離槽5をへてスラリータンク6に貯えた。
スラリータンク6に貯えられた金属粉末を含むスラリー
を、加圧炉過器あるいは遠心沈降式の脱水機で脱水し、
回転型水蒸気加熱方式の真空乾燥機を用いて乾燥後、目
開き61μmの篩網を通過させ、凝集粉のないことを確
認後、以下の測定およびコンパウンドの製造に供した。
金属粉末の粒度(累積重量径、体積平均径Mv)の測定
は、日機装■製マイクロトラック粒度分布測定機を用い
た。
粉末の充填性は、ホソカワミルロン社製パウダーテスタ
ーを用い、100mjZ容量の容器に充填し、10分間
のタップを行った際の密度として表わした。
射出時の成形性は、金属粉末をバインダーと混練したも
の(バインダーは40〜5 0 vol!k)を用い、
tSO℃で成形し、外観形状を以下の基準で評価した。
◎:成形性良好で全く問題ない. O:射出条件、金型の適正化により、良好な成形が可能 X:成形不可 また、成形脱脂後に、真空中、1350℃の条件で焼結
を行い、それについて、密度を水中法で測定した。
本発明の発明例の条件および測定・評価結果を表1およ
び表2に、また、比較例については表3に示す。
表1に示すように、溶融金属注入量と水圧との比(注入
量/水圧)をO . O O 7 (cn+”/min
)以下とすると、アトマイズされたままの粉末は、メジ
アン径(累積重量50%径)で11μm以下であり、そ
れを体積平均径が11、5μm以下となるように分級し
た際の歩留りも高い。 発明例1、2は、分級を行なわ
なかったが、十分に高特性が得られ、また、分級後の金
属粉末(発明例3〜12)は、タップ密度が50%以上
であり、本発明の射出成形用金属粉末の必須要件を供え
ている。 そして、それらを有機バインダーと混練する
ことによって得たコンパウンドの成形性は優れており、
焼結後の密度も高い. なお、発明例7〜9に示すように、得られた粉末をより
微細な粒度に分級した場合(分級後の体積平均径5.4
〜9.0μm)は、体積平均径10μmに分級した発明
例10に比べ、コンパウンドの流動性低下により、射出
成形時の成形性は若干低下するが、焼結性はさらに向上
し、真密度に近い焼結密度の焼結体を得ることが可能と
なる。
一方、表3に示すように、溶渇金属注入量と水圧との比
(注入量/水圧)を0.007(cII1’/min)
を越える条件でアトマイズする従来の製造方法(比較例
2〜7)で得た金属粉末を、体積平均径11.5μm以
下に分級する(比較例3〜7)と、分級歩留りが著しく
低い。 また、比較例2に示すように、分級歩留りを高
くすると、分級後の体積平均径が14.2μmとなり、
所定の焼結密度が得られない。
さらに、分級後の金属粉末は、粒度分布が狭く、タップ
密度も小さい。 そして、これらの金属粉末と有機バイ
ンダーとを混練することによって得たコンパウンドは、
射出成形性に劣り、また、焼結後の密度も低く、このよ
うな金属粉末では、本発明の目的とする射出成形性と焼
結性の両特性を満足するとは言えない。
なお、表3中の比較例1は、本発明のアトマイズ条件に
よって得た金属粉末を、体積平均径5.9μmまで分級
した例であり、このような金属粉末を用いると、焼結性
は高いが、分級による粒度分布の狭少化により充填性が
低下し、本発明の目的のひとつである射出成形性が満足
されない。
(実施例2) 実施例1の噴露条件番号5の条件で、表2に示す化学組
成の金属粉末を製造した。 この粉末を用い、実施例1
と同様に試験した結果、同表に示すように、いずれも良
好な特性を示す。
また、これらのうち、体積平均径11 8μm、タップ
密度64%の発明例19の金属粉末(金属の種類:SU
S316L組成)の走査電子顕微鏡写真を第6図に示す
同図から明らかなように、発明例19の金属粉末には、
粒径1μm程度の粉末から20μm程度の粉末まで含ま
れており、粒度分布が広いことがわかる。 そして、粒
子形状は球状に近く、充填性が高い。
〈発明の効果〉 本発明により、金属粉末の射出成形による部品製造用に
好適な、射出成形性および焼結性に優れる原料金属粉末
、その製造方法および本発明の金属粉末を含有する射出
成形用コンパウンドが得られる。
本発明により、従来は行い得なかった高密度部品の射出
成形法による製造が可能となる。
また、本発明の製造方法により、十分微細な金属粉末の
製造が可能となり、よって、従来の金属粉末に比べて充
填性の優れる微粉末製造が可能となる。
さらに、本発明の製造方法を適用すると、金属粉末を本
発明で規定する大ぎさに分級する際の歩留りがよく、従
って、原料金属粉末の製造コスト低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、金属粉末の体積平均径と焼結密度との関係を
示すグラフである。 第2図は、累積重ft90%径と同10%径との比と、
タップ密度との関係を示すグラフである。 第3図は、アトマイズ時の条件(溶融金属注入量/水圧
)と、金属粉末を体積平均径10μmに分級した際の歩
留りとの関係を示すグラフである。 第4図は、アトマイズ時の条件(溶融金属注入量/水圧
)と、タップ密度との関係を示すグラフである。 第5図は、本発明の実施例で用いた金属粉末製造装置を
示す線図である。 第6図は、粒子構造を示す図面代用写真であって、実施
例2で得られた本発明の金属粉未のの写真である. 符号の説明 1・・・高周波溶解炉、 2・・・タンディッシュ、 3・・・水ノズル、 5・・・気液分lllI1禮、 6・・・スラリータンク FIG,1 体オ責千土勾イ杢(μm) F I G. 2 オ立径上ヒ(!pq9o雉/累積10%移りFIG,4 溶融金15主人量/氷圧 (c m’/寸》 FIG.3 溶^忠づ11砿ク生入,1/クkJ玉 (cm’/分) FIG.5

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)体積平均径13μm以下、タップ密度50%以上
    であることを特徴とする射出成形性、焼結性に優れる射
    出成形用金属粉末。
  2. (2)累積重量90%径と同10%径との粒径比(同9
    0%径/同10%径)が5.0以上である請求項1に記
    載の射出成形性、焼結性に優れる射出成形用金属粉末。
  3. (3)Mn/Si(重量比)が1.00以上のステンレ
    ス鋼組成である請求項1または2に記載の射出成形性、
    焼結性に優れる射出成形用金属粉末。
  4. (4)請求項1〜3のいずれかに記載の射出成形用金属
    粉末を、アトマイズ法を用いて製造するに際し、アトマ
    イズ工程において、単位時間当りの溶融金属の注入量(
    kg/min)と液体圧力(kgf/cm^2)との比
    (注入量/液体圧力)を0.007(cm^2/min
    )以下とすることを特徴とする、請求項1〜3のいずれ
    かに記載の射出成形性、焼結性に優れる射出成形用金属
    粉末の製造方法。
  5. (5)請求項1〜3のいずれかに記載の射出成形用金属
    粉末と有機バインダーとを含むことを特徴とする金属粉
    末射出成形用コンパウン ド。
JP1115596A 1989-05-09 1989-05-09 射出成形性、焼結性に優れる射出成形用金属粉末およびその製造方法ならびに金属粉末射出成形用コンパウンド Pending JPH02294403A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0503966A2 (en) * 1991-03-14 1992-09-16 Fujitsu Limited Process for production of sintered body
JP2010222662A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Seiko Epson Corp 金属粉末および焼結体
JP2010222661A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Seiko Epson Corp 金属粉末および焼結体

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