JPH02288832A - 抗hiv剤 - Google Patents

抗hiv剤

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JPH02288832A
JPH02288832A JP18138189A JP18138189A JPH02288832A JP H02288832 A JPH02288832 A JP H02288832A JP 18138189 A JP18138189 A JP 18138189A JP 18138189 A JP18138189 A JP 18138189A JP H02288832 A JPH02288832 A JP H02288832A
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hiv
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hydrocarbon group
pva
polymer
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JP18138189A
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English (en)
Inventor
Yukisuke Takashima
征助 高島
Shuhei Nakaji
修平 中路
Keiichi Kurokawa
圭一 黒川
Kazutoshi Terada
和俊 寺田
Takeshi Yamane
健 山根
Ryosuke Murayama
良介 村山
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は抗HIV剤に関する。さらに詳しくは、ポリビ
ニルアルコール系重合体を有効成分とする抗HIV剤に
関する。
[従来の技術] 後天性免疫不全症候群[Acquired Immun
Deficiency Syndrome (A I 
D S ) ]を引き起すヒト病原性レトロウィルスの
うちのヒト免疫不全症ウィルス[Human 1mmu
nodeficiency Virus (HIV)]
の発見と同定は疫学と病理学的分野での解明に大きく貢
献し、診断法、予防法の確立に大きな道を開いた。
しかし、予防法として最も期待されるワクチンの開発に
おいては、HIVの外殻[envelop(env)]
糖蛋白をコードするenv遺伝子の塩基配列は株ごとに
高い非相同性が認められること、また感染から発症に至
るまでのプロセスでどのような抗体がどのような防御効
果を発揮しているかが必ずしも明らかではないことから
有効なHI Vワクチンの開発はただちに期待できそう
にない。
一方、抗ウィルス剤についても多くの問題があり、その
開発を阻んでいる。それはH’IVが被感染細胞のDN
Aに組み込まれている休止期の状態で存続するとともに
、突如激しく増殖して感染を拡大し、ついには個体の免
疫応答を荒廃に導き、しかもHIVはこの過程で再生能
力のほとんどない重要臓器−脳、を髄−に重大な障害を
惹起することにある。したがって抗ウィルス剤は、おそ
らく患者の生涯を通じて投与されることになるであろう
から、生体に過剰な副作用をもたらすことなくウィルス
の増殖を長年月にわたって阻止しうる薬物の開発は急務
であ□る。
現在、抗HIV剤として最も有効とされている薬剤にア
ジドチミジン[3−azido −2°、3dideo
xy thymidine (A Z T ) ]があ
る。AZTはインヴイトロ(in vitro)での抗
HIV活性の観察に基づいて、すてに病状の出現したH
IV感染患者に投与され、臨床症状の改善が認められた
との報告もある。しかし、AZTについての臨床経過は
現時点では不充分であり、長期投与下ての服用量の決定
、副作用の出現、併用薬剤との相互作用など未解決の問
題が残されている。
現在まで抗HI V IIは、前述したAZTのような
デオキシヌクレオンド構造でHrVの生育阻害効果を有
する薬剤、T−4細胞内でのHT V−RNAの逆転写
酵素あるいはRN A ase、 Proteaseな
どのHIVの生育に必要な酵素に対する阻害剤、または
インターフェロンなど生体細胞から産生される薬剤、さ
らにはグリチルリチンに代表される生薬由来の物質など
が主として知られている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記した抗HI V剤は必ずしも細胞毒
性が低いといえず、また副作用が少ないともいい難い。
従って本発明の目的は、薬効に優れ、細胞毒性が低く、
副作用も少ない、合成薬剤からなる抗HIV剤を提供す
ることにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは上記問題点のない抗HIV剤を開発すべく
水溶性物質であるポリビニルアルコール系重合体に着目
して鋭意検討を重ね、本発明に至った。すなわち本発明
は、ポリビニルアルコール系重合体を有効成分とする抗
HIV剤である。
本発明でいうポリビニルアルコール系重合体(以下、ポ
リビニルアルコールをPVAと略記すJfl 基であり、好ましくは水素原子である)単位を宵する重
合体であり、単独重合体、通常の共重合体、ブロック共
重合体、グラフト共重合体、ホルマール、ブチラール化
等の後反応重合体等すべての重合体を包含するものであ
る。
本発明の抗HIV剤を構成するPVA系重合体のうち、 で示される構成単位を含む重合体が好ましい。ここでR
1は水素原子またはメチル基、R2はアルキル基、好ま
しくは炭素数1〜20のアルキル基、R3は水素原子、
アルキル基、その他の鎖式炭化水素基または脂環式炭化
水素基、R4は水素原子またはイオン性基、R5は水素
原子、アルキル基、その他の鎖式炭化水素基または脂環
式炭化水素基、R6はイオン性基である。イオン性基と
してはcoox基(又は水素原子またはアルカリ金属)
、さらに炭化水素基と結合したcoox基(例えば−C
H2COONa等)等があげられる。また、Q、m、n
は各々モル分率であり、O<Q≦1.0≦m、n<1か
つQ+ m +n = 1である。
■ 示される単位を主構成単位として含む重合体、イタコン
酸変性、アクリル酸変性または3−アクリルアミドプロ
ピルトリメチルアンモニウムクロライド変性PV系重合
体が好ましい。イタコン酸変性、アクリル酸変性または
3−アクリルアミドブ=6 ロピルトリメチルアンモニウムクロライド変性PVA系
重合体は通常、 イタコン酸、アクリル酸、3〜アクリルアミドプロピル
トリメチルアンモニウムクロライド等による変性度は、
あまり小さいと本発明の効果が発現しにくく、またあま
り大きいとリンパ球に対して細胞毒性を示す傾向がある
ことから、5〜20モル%であるのが好ましい。
PVAはスチレン等一部を除いて大部分のビニル化合物
と共重合可能であり、又PVA系重合体の重合度は制御
可能である。とくに、平均重合度が25〜3000の範
囲ではほぼ任意に制御可能である。
本発明におけるPVA系重合体の重合度はとくに限定さ
れないが、体内への蓄積を少なくする点から2000以
下、好ましくは200以下、が望ましい。
いてもよく、ラクトン環を構成したものとラクトン環を
構成しないものとが同時に含まれていてもよい。
本発明の抗HIV剤に使用されるPVA系重合体は分子
量10000以下のものが好ましい。また、を共重合し
、完全ケン化または部分ケン化して得ることができる。
R1、R2、R3、R4、R5及びR6は前記と同じで
ある。本発明でいう完全ケン化物とはケン化度が985
±15モル%のものをいう。
が1〜20のアルキル基である単量体が好ましい。
このような単量体を具体的に例示すれば酢酸ビニル、酪
酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプ
リン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル
、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等があげら
れる。
トリメチルアンモニウムクロライド、2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム、N−ブ
トキシメチルアクリルアミド等をあげることができる。
また、R4とR6から水がとれて環を形成した例えば無
水マレイン酸およびその誘導体もこれに含まれる。
本発明に用いられるPVA系重合体は、これ以外にも他
の単位、例えばエチレン等のコモノマー単位を本発明の
効果を阻害しない範囲で含有していてもよい。
本発明に用いられる完全ケン化または部分ケン化PVA
系重合体を得るには、 R8 嘩 メタノール中で公知の方法で完全または部分ケン化すれ
ばよい。又、変性PVA系重合体を得るにコン酸、アク
リル酸、イタコン酸ソーダ、アクリル酸ソーダ等の塩、
3−アクリルアミドプロピルる単量体を共重合し、完全
または部分ケン化し、精製すればよい。重合度はメルカ
プトエタノール等の連鎖移動剤を調節することによって
調整することができる。又、共重合体の構造はNMRに
よって確認することができる。
本発明の抗HIV剤は、生体細胞に対する毒性が低く、
極めて安定であり、高圧蒸気滅菌処理が可能である。又
、合成薬剤であるので大量生産が可能であり、低廉なコ
ストで製造でき、天然物由来あるいは生体由来の薬剤に
比較して高純度化することが可能である。
本発明の抗HIV剤は、皮肉、皮下、筋肉内、静脈内、
動脈内等への注射法、経口投与法、経直腸投与法等によ
る投与が可能である。投与量は1日あたりPVA系重合
体基準で0.05〜5mg/kgであり、種々の投与形
態に応じて水性、油性製剤等として適用可能である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発
明はこれらにより何ら限定されるものではない。
[実施例] (測定に使用したHTV) 米国NCI由来のHIVセルラインH9を感受性細胞C
EM (CCRP、 CEM、 FIOW Labor
atories A T CCNo、19 Acute
 LymphoblasticLeuckemia)に
接種して増殖させ、継代培養したものの上清液。
(測定に使用したPVA系重合体および対照薬剤)測定
に使用したPVA系重合体を第1表に一括して示す。
完全ケン化PVAとしては(株)クラレ製PVA117
を、部分ケン化P V Aとしては(株)クラレ製p 
V A 217を用いた。また、変性PVA系重合体は
次の方法により製造した。
イタコン酸変性PVA系重合体の製造(全て、部は重量
部をあられす) 酢酸ビニル(以下VACと略記する)960部、メタノ
ール230部、イタコン酸2.3部および2−メルカプ
トエタノール(以下2−MEと略記する)16部を反応
容器中に入れ、充分に窒素置換した後外温を65℃に上
げ、内温が60℃に達したところで2,2“−アゾビス
イソブチロニトリル(AIBNと略記する)4.7部を
含むメタノール10部を加えた。その後直ちにイタコン
酸33.3部を含むメタノール溶液133部と2−ME
  15.2部を含むメタノール溶液43部を3時間に
わたって均一に加えた。3時間後の重合率は47%であ
った。3時間後に容器を冷却し、減圧下に未反応のVA
Cをメタノールとともに系外に追いだす操作をメタノー
ルを追加しながら行ない、ポリ酢酸ビニル系重合体(P
VAC系重合体)のメタノール溶液(濃度70%)を得
た。このメタノール溶液の一部をとり、PVAC濃度5
0%、[NaOH] / [vA C] = 0.13
 (モル比)となるようにNaOHのメタノール溶液を
加え、40℃でケン化してケン化度95.9モル%のイ
タコン酸変性ポリビニルアルコール(PVA)系重合体
を得た。該ポリビニルアルコール系重合体をアセチル化
してポリ酢酸ビニル系重合体とした後、アセトン溶液中
30℃の極限粘度の測定から中島の式4式% 学6 451(1949))を用いて算出された重合度
は25てあった。
初期仕込みのイタコン酸、2ME、AIBN量及び後添
加するイタコン酸および2ME量を変更し、さらにケン
化時の[NaOH] / [V A C]モモル比を変
更する以外は上記条件に準じて種々の変性度及び重合度
のポリビニルアルコール系重合体を製造した。
し重合条件] 初期仕込み イタクン酸(部)2.3 2.3 4,9 11.62
  M  E(部)   0.8  0.3  0.3
  0.3A  I  B  N(部)   4.7 
 3.9 10.1 31.7後添加仕込み イタコン酸/メタノール(部7部) 33/100 33/100.70/210 135/
4052ME/メタノール(部7部) 7.5/34 3.7/37 3.7/37 3.7/
37重合時間(hrs)     3  3  34重
合率(モル%’)   49 46 40 44[ケン
化条件] =13 [NaOH:] / [V A C]モル比0.13 
   0.17    0.27    0.52得ら
れたイタコン酸変性PVA系重合体は下記のとおりであ
った。
変性度(モル%)   5  5  10  20ケン
化度(モル%)  96.3 97.6 96J  9
6.7アクリル   PVA  重ム の 造(全て部
は重量部をあられす) 重合度1450、ケン化度98.6モル%の分子末端に
メルカプト基を有するPVA100部に蒸留水950部
を加え、95℃でPVAを溶解した。次いで窒素置換を
行ない窒素気流下に70℃まで冷却し、予め窒素置換し
たアクリル酸20部を加えた。重合触媒として臭素酸カ
リウム0.39部を溶解した水溶液100部を2時間に
わたり均等に滴下し、さらに滴下終了後、1時間70℃
で重合を行なったところ、重合率99.2モル%、固形
分濃度10.2%のアクリル酸変性PVA系重合体水溶
液が得られた。該重合体の重合度は1700であった。
3−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムク
ロライド 性PVA系重合 の製造(全て、部は重量部
をあられす) イタコン酸のかわりに3−アクリルアミドプロピルトリ
メチルアンモニウムクロライド(APTAC)を用い、
下記の[重合条件]及び[ケン化条件]で実施する以外
はイタコン酸変性PVA系重合体の製造に準じて製造し
た。
[重合条件] 初期仕込み APTAC(部)              22.
22  M  E(部)032 A  I  B  N(部)            
  0.64後添加仕込み APTAC/メタノール(部7部)  90.3/90
.32  M  E/メタノール(部7部)  3.3
/33.4重合時間 (hrs)          
  3重合率(モル%)367 [ケン化条件] [NaOH] / [V A C]モル比    0.
015得られたAPTAC変性PVA系重合体は下記の
とおりであった。
変性度(モル%)10 ケン化度(モル%)          98.5重合
度        120 (薬剤の抗HIV効果の判定法) (i)  各々の薬剤を0.025g/m(!の濃度で
混合溶液培地RP M l−1640水溶液に溶解し、
密栓して蒸気滅菌した。
(ii)HIV感染細胞培地の上清液を0.45μmの
フィルターでか過し得られた炉液4mgと、RPM I
 −1640水溶液16m(!を混合した。
(iii)  (i)の溶液にCEM細胞sx 10部
個/mρを浮遊させ、その7 、9mi!に(11)を
0.1++1接種して炭酸ガス培養器内にて1週間培養
した。
(1v)接種後7日目に試料を炭酸ガス培養器から取り
出した。
(v)  (iii)の検体を100OGにて10分間
、遠心処理を行った後、上清液を045μmのフィルタ
ーでか遇した。
(vi)F液はHIV抗原測定用に、沈渣はスライドグ
ラスに塗布して間接免疫螢光抗体法による検体とした。
(vii)  (vi)の検体の対照試料(感度のチエ
ツク)としてHIV培養細胞の上清液をRPMI164
0の水溶液で10−1〜10−6に希釈して間接免疫螢
光抗体法の測定試料とした。
A、ELISA法による抗原濃度の測定デュポン社HI
V(p24)抗原測定キットを用いてELISA法によ
り下記のようにして培養上清液(炉液)中の抗原濃度を
測定し、薬剤の抗HIV効果を評価した。
(i)  マイクロプレート上にて検体180μQに5
%TritonX 100水溶液20u(lを混合した
(11)−夜室温にて放置した。
(山)自動水洗を3回繰り返しに。
(1v)  ビオチン化された抗体溶液100μgを加
えて、37°Cにて2時間インキュベートした。
(V)  再び自動洗浄した。
(vl)ホース・レーディッシュ・パーオキシダーゼ(
Horse radish peroxidase)−
ストーブトアビジン(5treptoavidin)水
溶液100μ(!を加えて15分間インキュベートした
(vii)  自動洗浄した後、100μQの色素[オ
ルト・フェニレンジアミンJ (0−phenylen
ediamine。
0PD)基質水溶液を添加した。
(vii)  4規定−硫酸水溶液50μgを添加して
反応を停止した。
(ix)  492nmの吸光度(ブランク: 620
nm)を測定し、検量線からHIV濃度(ng/ mQ
’)を算出した。
B 間接免疫螢光抗体法による抗原濃度の測定上述の試
料溶液の遠心分離操作で得られた沈渣中にHIVが存在
するか否かについて下記のように間接免疫螢光抗体法に
より判定し、判定結果から薬剤の抗HIV効果を評価し
に0 (1)先の遠心分離操作によって得られたそれぞれの沈
渣を1mQのPBSにて1分間、低速回転させながら洗
浄した。
(11)洗浄した沈渣を50μρのPBS中にけん濁さ
せて螢光抗体測定用のスライドに1検体にっき2スポツ
トずつ塗布した。
(iii)  塗布後、スライドごとメタノール中に浸
漬して固定化処理した。
(1v)固定化処理したスポットにアセトンを加えて風
乾した。
(v)HIV(p24)抗体−PBS溶液(容量比: 
1: 40) 20μgを各スポットに添加した。
(vl)  これを37℃にて20分間インキュベート
した後、PBS溶液にて20分間洗浄した。
(vii)  vウス抗1gG抗体−PBS溶液(容量
比:120) 20μgを各スポットに添加した。
(vii)  これを37℃にて20分間インキュベー
トした後、PBS溶液にて20分間洗浄した。
(1x)ストレプトアビジン(5treptoavid
in) /フルオレセン(Fluorescein) 
−P B S溶液(容量比、1・50) 20μQを各
スポットに添加した。
(X)  これを37℃にて10分間インキュベートし
た後、暗所でPBS溶液にて洗浄した。
(xi)  90%グリセリン−10%PBS混合液を
lスポット当り1滴加えた。
(xii)  紫外線照射下でそれぞれのスポットにお
ける螢光部分の有無を顕微鏡で観察した。
C2各々の薬剤のリンパ球への影響の観察HIVを接種
して一週間培養した後のOEM細胞中のリンパ球数、お
よび各々の薬剤を添加処理したH I Xlを接種して
一週間培養した場合のCEM中のリンパ球数をトリパン
ブルーで染色し、計数板上にて光学顕微鏡下でカウント
して各々の薬剤のリンパ球への影響を観察した。
D、それぞれの薬剤の抗HIV効果の判定それぞれの薬
剤の抗)(IV効果を上述したAlBおよびCの3方法
によって判定して第1表に一括して示す。
また、EL I SA法と間接免疫螢光抗体法の検出感
度の比較を行い、それらの測定結果を第2表に示す。
第2表から明らかなように、ELISA法で(−)と判
定される薬剤はいずれも間接免疫螢光抗体法でも(−)
となり、(比較例3.4)あたかも抗HIV効果が優れ
ているように見受けられるが、ポジティブコントロール
におけるリンパ球数3×105個/’mQがO個/mQ
に激減しており、これらの薬剤はリンパ球に対して細胞
毒性があることを示唆している。本発明においては、均
一系内において不活性化し感染力を低下させることを目
的としているが、HIV(p24)を(−)(完全に消
失)領域まで低下させるということはリンパ球に対して
も強い細胞毒性を有することになるのであろう。
第1表においてはEL r SA法と間接免疫螢光抗体
法の2つの方法を並行して判定したが、第2表に示すよ
うに、これらの2つの方法の検出感度は異なり、前者に
くらべて後者のほうが約100倍高感度であり、後者に
よる(−)判定は元の試料にくらべてHIVの感染力が
ほぼ完全に消失していることを示すものである。
先述したように、患者の血液中のHIVは主にリンパ球
のサブセットT−4細胞に侵入して増殖、発芽を繰り返
し、これを破壊するのであるが、本実施例で示されるよ
うに、リンパ球内での抗原産生が(−)であり、しかも
リンパ球数が減少しないことは抗HI V剤として極め
て有効な薬剤であることを示している。以上の実験結果
から本発明の効果は明らかである。
なお、PVA (完全ケン化物)及びPVA (部分ケ
ン化物)は厚生省薬務局審査評監修の1日本薬局方外医
薬品成分規格J (1983年)で定められた医薬品で
あり、本発明の抗HI V剤に使用されるPVA (完
全ケン化物、部分ケン化物)は、同規格第814頁〜8
17頁に規定されている確認試験、純度試験、乾燥減量
、強熱残分等の試験に全て合格している。
また、PVAの薄性試験は急性及び慢性毒性試験につい
て「化粧品原料規準」に次のように記載さノ1ている。
(1)急性毒性試験 (a) マウス30匹を用い、100−1500mg/
 kgを経口投与し、その後10日間一般症状を観察し
た。投与直後はいずれも運動停止、不安状態を示したが
これは胃内への大量投与による物理的なものと考えられ
る。1.500mg群で1例が死亡した以外異常は認め
られなかった。
(b) マウス10匹を用い1日500mg/kgで2
0日間連続投与したが1例が死亡したほか何ら異常は認
められなかった。
(c)皮下注射実験では、マウス6匹を用いて100〜
300mg/kgを背部より1回投与し10日間観察し
たが、死亡例はなく正常のマウスと比べ差はなかった。
(2)慢性中毒実験 マウス30匹を用い、100.500.1000mg/
 kgを1日量とし26週間経口投与し症状を観察した
が、発育、体重増加は対照と差は認められず何ら中毒症
状(ま見られなかった。つぎに実験動物を解剖して観察
し、さらに胃、腸管、心臓、肺臓、肝臓、じん臓、すい
臓、甲状腺、ひ臓を大阪医科大学で検索した結果も慢性
毒性によると思われるような病理組織学的な変化は認め
られなかった。また皮膚に対しては、氷晶および氷晶か
らつくられるアセタールは刺激および感作作用はないと
されている。
本発明で検討したポリビニルアルコール系重合体[完全
ケン化PVA (実施例1)、部分ケン化PVA(実施
例2)、イタコン酸変性PVA (実施例3〜7)、ア
クリル酸変性PVA(実施例8)及びA P T /A
 C変性PVA (実施例9.10)コについて、家兎
による急性毒性試験を実施した。
t、I’i   i、t【 濃度設定にあたっては、現在唯一の抗HIV剤rAZT
Jの投与14 (250mg/ 1回の投与)を目安に
患者の体重を60kgとした際の濃度の約10倍とした
(参考文献、AIDS研究、最近の動向、日本臨床19
87、別冊、日本臨床社)。即ち、0.075gの該ポ
リビニルアルコール系重合体を生理食塩液150mρに
溶解し、121°Cで20分間高圧蒸気滅菌処理したも
のをさらに滅菌済みのメンブランフィルタ−で濾過し、
得られたが液を検液とした。
日本薬局方、11改定「一般試験法32」および医療用
具の規格基準解説(1985) (g集2医療用具研究
会、発行、薬業時報社)の「急性毒性試験法」の項目に
準拠し、1)発熱性物質試験、2)溶血性試験、3)皮
肉反応の3項目について実施した。
1)発熱性物質試験 体重25〜3kgの3羽の家兎に検液をlQmc/kg
静注した。注射2時間前から1時間毎に直腸にて検温し
fコ。投与直後、−時間後、2時間後てもいずれも体温
上昇は00°C〜01℃(判定基準+06°C)であり
、発熱性物質は陰性であった。
2)溶血性試験 検液]OmQに家兎脱繊維血0.1m(!を添加し、3
7°Cで24時間放置した。対照として生理食塩液を用
い、同様の操作を行った。波長415nmにお(プる対
照液と検液の吸光度の差は005〜0.10であった(
判定基準020)。1検体につきn=2で測定を行った
がいずれも合格であった。
3)反力試験 3羽の家兎の背部を刷毛し、背骨の両側の一方に検液0
.2mρ/1スポット10点、他側に生理食塩液0.2
mρ/スポット5点皮下注射を行い、72時間後肉眼に
てスポットの発赤、肥厚、壊死などを対照のスポットと
比較観察したが、いずれも異常は認めら机なかった。
また、上記各PVA系重合体につき下記の方法により毒
性試験を行なった。
毒性試験 ■、実験材料及び実験方法 1、被験物質 第1表に示される実施例1−10の各PVA系重合体に
ついて実施した。
2、実験動物 4週齢のCrj:ICR系雄マウスを購入し1週間予備
飼育した後実験に用いた。なお、各動物は予備飼育開始
時より、固形飼料および水道水を自由に摂取させた。
3 投与量および投与方法 投与量は各被験物質とも200(総投与量1400)、
100 (700) 、50 (350) mg/kg
 (公比 2)の3群とし、全投与群ともマウスを5匹
ずつ用いた。
各被験物質は注射用蒸留水で20mg/mQの濃度に溶
解し原液とし、投与容量が体重Logあたり0.1nl
になるように原液を希釈調製して投与した。コントロー
ル群には、注射用蒸留水を投与した。
投与回数は1日1回7日間連続投与とし、経路は、静脈
内投与とした。
4、諸検査および方法 1)一般症状 投与中および投与後約1時間は連続して詳細に観察する
と共に、投与開始日より14日間は、毎日午前午後の2
回観察した。
また、投与期間中は毎日体重を測定した。
2)血液生化学検査 連続投与終了日の夜、各群よりマウスを2匹ずつ無作為
に抜き取り、翌朝まで絶食した後頚動脈より採血し、G
OT (ライトマン−フランケル法)およびBIJN 
(ウレアーゼ。
インドフェノール法)を測定しfこ。なお、測定は市販
の体外診断用キットを用い用手法により測定した。
3)臓器の観察 血液生化学検査に供したマウスを採血直後に胸膜部を切
開し、各臓器を肉眼的に観察した。
■ 実験結果 l)一般症状 死亡例および外見上の異常はまったく認められなかった
。投与期間中の体重もコントロール群とほぼ同様に推移
した。
2)血液生化学検査 GOT+はぼ正常な値を示した。
BUN:全群とも異常は認められなかった。
3)臓器の観察 いずれのマウスにも肉眼による観察では異常は認められ
なかった。
また、各被験物質投与群の胃および腸内官物の量もコン
トロール群と差は認められなかった。
■ 、  ま  と  め 各サンプルを7日間静脈内連続投与し、一般症状観察、
血液生化学検査(GOT、BtJN)臓器の肉眼的観察
を行ったが、いずれの項目にも特記すべき異常は認めら
れなかった。
遠投中の体重推移、GOTおよびBUNの変化はいずれ
のPVA系重合体においても殆んど同様であった。イタ
コン酸変性PVA系重合体(実施例6)を用いた場合の
結果を第1図〜第3図に示す・           
        以下余白第 表 [発明の効果] 本発明によれば、PVA系重合体からなる抗HIV剤を
提供することができる。該PVA系重合体は後天性免疫
不全症候群に対する薬効が高く、また毒性が低いので、
優れた抗HIV剤として期待でき、本発明の有用性は大
きい。
【図面の簡単な説明】
第1図はイタコン酸変性PVA系重合体をマウスに連続
投与したときの体重推移を示すグラフであり、第2図は
GOTの変化を示すグラフ、第3図はBUNの変化を示
すグラフである。 手続補正書 (方式) %式% 2、発明の名称 抗HIV剤 3、補正をする者 事件との関係   特許出願人 倉敷市酒津1621番地 (108)株式会社 り ラ し 代表取締役中村向 夫 4、代理人 倉敷市酒津2045の1 株式会社 り ラ し 内 株式会社 り ラ し特許部 電話 東京03 (297) 94275、補正命令の
日付(全送日) 平成1年10月17日 6、補正の対象 図面 7、補正の内容

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、ポリビニルアルコール系重合体を有効成分とする抗
    HIV剤。 2、ポリビニルアルコール系重合体が ▲数式、化学式、表等があります▼、▲数式、化学式、
    表等があります▼及び▲数式、化学式、表等があります
    ▼ で示される構成単位を含む重合体である請求項1記載の
    抗HIV剤。(式中、R_1は水素原子またはメチル基
    、R_2はアルキル基、R_3は水素原子、アルキル基
    、その他の鎖式炭化水素基または脂環式炭化水素基、R
    _4は水素原子またはイオン性基、R_5は水素原子、
    アルキル基、イオン性基、その他の鎖式炭化水素または
    脂環式炭化水素基、R_6はイオン性基、l、m、nは
    各々モル分率であり、0<l≦1、0≦m、n<1かつ
    l+m+n=1である。)
JP18138189A 1988-07-13 1989-07-12 抗hiv剤 Pending JPH02288832A (ja)

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JP63-175628 1988-07-13
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03240039A (ja) * 1990-02-19 1991-10-25 Fuji Photo Film Co Ltd フイルム内蔵カートリツジ

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