JPH0228343Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は天井埋込形空気調和装置、詳しくは
相対向する１対のクロスフイン形熱交換器を備
え、これら熱交換器の対向面間に遠心形室内フア
ンを配設した天井埋込形空気調和装置に関する。

（従来の技術） 従来この種天井埋込形の空気調和装置は、例え
ば実開昭58−103624号公報に記載され、かつ第４
図に示すごとく、ケーシング１の内方上部に、相
対向する１対の熱交換器２，２を配設すると共
に、前記ケーシング１の内方下部にフアン室ａを
形成して、該フアン室ａにシロツコフアンｂを、
その吐出口を上方に向けて配設する一方、前記フ
アン室ａと対応する前記ケーシング１の下部に、
被空調室に開口する吸込口５を形成し、また前記
ケーシング１の外周内方部位に、被空調室に開口
する吹出通路４を形成している。

斯くして前記フアンｂの回転駆動により、前記
吸込口５から被空調室内の空気を前記フアンｂ内
に吸込んで、該フアンｂの吐出口から前記ケーシ
ング上部に吹出し、前記各熱交換器２，２を通過
させて、この各熱交換器２，２の通過時に熱交換
して、前記吹出通路４から空調空気を被空調室内
に吹出すごとくしている。

（考案が解決しようとする問題点） ところで前記のごとき天井埋込形空気調和装置
にあつては、前記フアンｂの吐出口から吹出され
る空気の一部を前記ケーシング１の天板１ａに当
ててから前記熱交換器２に供給するごとくしてい
るため、前記フアンｂから熱交換器２に至る空気
の流通抵抗が大きく、フアン性能が悪い問題があ
り、しかも前記空気調和装置ではシロツコフアン
ｂを採用して、該シロツコフアンｂを前記フアン
室ａに内装しているため、該フアン室ａとして大
きな空間を確保する必要があつて、前記ケーシン
グ１が大形化し、ひいては空気調和装置の全体構
造が大きくなる問題があつた。

本考案の目的は、フアンの配置及び構造を改良
し、動力に対するフアン能力を向上できながら、
フアンからの熱交換器に至る空気の流通抵抗を低
下でき、装置全体を小形化できるようにする点に
ある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は以上のごとき問題点を解決するため
に、室内フアンとしてロータ状の回転翼３ｂを内
装した、ロータ形のフアン３を用い、該フアン３
を前記熱交換器２の対向面間に、フアン軸３ｃを
水平方向に向けて配設すると共に、フアンハウジ
ング３ａにおける前記フアン軸３ｃの軸方向両側
に吸入口３ｅ，３ｅを設け、かつ、前記フアンハ
ウジング３ａにおける前記フアン軸３ｃの軸方向
一側と他側とに、前記フアン軸３ｃを挟んで反対
方向に開口する吐出口３ｄ，３ｄを、前記フアン
軸３ｃの軸方向に互いに齟齬するごとく設けてこ
れら吐出口３ｄ，３ｄを前記熱交換器２，２に対
向させる一方、前記フアンハウジング３ａ内に、
前記各吐出口３ｄ，３ｄに臨むロータ状の回転翼
３ｂを内装したのである。

（作用） しかして反対方向に開口する吐出口を有するロ
ータ形フアン３を前記１対の熱交換器２の対向面
間に配設したことにより、ケーシングを薄形とし
て空気調和装置を小形化し、また空気調和装置の
運転時には、前記フアン３の回転駆動に伴い、前
記ケーシング内に吸込んだ空気を前記フアン３の
各吐出口３ｄから前記各熱交換器２に直接供給
し、つまり前記フアン３から前記各熱交換器２に
流通抵抗小として空気を供給するごとくなすと共
に、前記フアン３の各吐出口３ｄを互いに齟齬さ
せることにより、該各吐出口３ｄから前記各熱交
換器２に吹出される空気の吹出圧力を高めるごと
くしたのである。

（実施例） 以下本考案にかかる天井埋込形空気調和装置を
図面の実施例によつて説明する。

第２図において、１は下部を開放した矩形状を
なすケーシングであつて、該ケーシング１の内部
に、相対向する１対のクロスフイン形熱交換器
２，２を、前記ケーシング１の側壁１ｂと平行に
垂直状に設けると共に、これら熱交換器２，２の
対向面間に、室内フアン３を配置している。

また前記各熱交換器２と前記ケーシング１の側
壁１ｂとの間に、吹出通路４を形成すると共に、
前記ケーシング１の下端開放部には、多数の吸込
口５をもつ吸込グリル６を取付けている。

斯くして前記フアン３の回転駆動に伴い、前記
吸込グリル６の吸込口５から被空調室内の空気を
吸込み、この空気を前記各熱交換器２に供給し
て、該各熱交換器２の通過時に熱交換して前記吹
出通路４から被空調室内に吹出すごとくしてい
る。

しかして前記のごとき天井埋込形空気調和装置
において、前記フアン３としてロータ形フアン３
を採用し、該フアン３を駆動するフアン軸３ｃを
水平方向に配設すると共に、フアンハウジング３
ａにおける前記フアン軸３ｃの軸方向両側に吸入
口３ｅ，３ｅを設け、かつ、前記フアンハウジン
グ３ａにおける前記フアン軸３ｃの軸方向一側と
他側とに、前記フアン軸３ｃを挟んで反対方向に
開口する吐出口３ｄ，３ｄを、前記フアン軸３ｃ
の軸方向に互いに齟齬するごとく設けて、これら
吐出口３ｄ，３ｄを前記熱交換器２，２に対向さ
せる一方、前記フアンハウジング３ａ内に、前記
各吐出口３ｄ，３ｄに臨むロータ状の回転翼３ｂ
を内装したのである。

具体的には、天地逆にして図示する第１図に詳
しく示したごとく、前記フアン３を、縦断面概略
長方形状をなすフアンハウジング３ａを該ハウジ
ング３ａに内装するロータ状の回転翼３ｂとから
構成し、この回転翼３ｂに結合するフアン軸３ｃ
を水平方向に延出させて、該フアン軸３ｃの軸端
にモータ７を結合すると共に、前記フアン軸３ｃ
を挟んだ前記ハウジング３ａの外周壁両側に、そ
れぞれ反対方向に開口する矩形状の吐出口３ｄ，
３ｄを形成して、この各吐出口３ｄ，３ｄを前記
各熱交換器２，２に対向させる一方、前記ハウジ
ング３ａにおける前記フアン軸３ｃの延出方向両
側壁に吸入口３ｅ，３ｅを形成して、前記モータ
７の駆動に伴う前記回転翼３ｂの回転により、前
記ハウジング３ａの各吸入口３ｅから空気を内部
に吸入し、この吸入空気を前記各吐出口３ｄから
前記各熱交換器２に直接供給するごとくしたので
ある。

前記ハウジング３ａの外周壁両側に形成する各
吐出口３ｄは、前記フアン軸３ｃの軸方向に対
し、それぞれ前後方向に変位させて形成するので
あり、斯くすることにより前記各吸入口３ｅから
ハウジング３ａ内に吸入され、前記回転翼３ｂの
回転に伴い前記各吐出口３ｄから吹出される空気
の加圧力を高めて、前記フアン３のフアン性能を
高めるごとくなすのである。

即ち。例えば前記各吐出口３ｄを互いに齟齬さ
せることなく、前記ハウジング３ａの外周両側壁
に対向状に設ける場合、前記ハウジング３ａ内に
吸入された空気の前記回転翼３ｂにより加圧範囲
が小さくて、前記各吐出口３ｄから吹出される空
気の加圧力が充分ではなく、前記フアン３のフア
ン性能低下を招くのであるが、前述したごとく前
記各吐出口３ｄを互いに齟齬させて形成する場合
には、前記回転翼３ｂの回転に伴いハウジング３
ａ内に吸入された空気を、該ハウジング３ａ内で
広範囲にわたつて加圧することが可能となり、前
記各吐出口３ｄから吹出される空気の圧力を高
め、前記フアン３のフアン性能を向上させ得るの
である。

また前記ハウジング３ａに前記各吐出口３ｄを
形成するにあたつては、前記ハウジング３ａにお
けるフアン軸３ｃの軸方向一側で外周壁上部に、
前記フアン軸３Ｃを中心として半径方向外方に
徐々に径大となる膨出部を形成し、この膨出先端
部に前記１つの吐出口３ｄを形成すると共に、前
記ハウジング３ａにおけるフアン３ｃの軸方向他
側には、該ハウジング３ａの外周壁下部側に、半
径方向外方に徐々に径大となる膨出部を形成し、
この膨出先端部に前記吐出口３ｄと反対方向に開
口し、かつ該吐出口３ｄと互いに齟齬する他方側
の吐出口３ｄを形成するのである。

前記各吐出口３ｄには、該各吐出口３ｄに連通
し、前記各熱交換器２と対向する吐出チヤンバー
３ｆをそれぞれ形成するのであり、斯くして前記
各吐出チヤンバー３ｆにより前記各吐出口３ｄか
ら吹出される空気の流通面積を増大し、前記各熱
交換器２の全面に均一に空気を供給するごとくな
すのである。

しかも、第１図より明らかなように、前記ハウ
ジング３ａにおける一側側の前記吐出口３ｄに隣
接する、前記ハウジング３ａにおける他側側の外
周壁は前記一側側吐出口３ｄに対し凹入し、そこ
に余剰空間が形成されるのであつて、前記一側側
の吐出口３ｄに設ける前記吐出チヤンバー３ｆ
は、該一側側吐出口３ｄから前記ハウジング３ａ
における他側側に形成される前記余剰空間に向か
つて張りだすように形成したから、この余剰空間
の有効利用による装置の小型化も計れるのであ
る。

また前記室内フアン３を形成するにあたつて
は、第３図に示すごとく、前記ハウジング３ａに
おけるフアン軸３ｃの軸方向両側壁にそれぞれ吸
入口３ｅを形成し、かつ前記ハウジング３ａの前
記フアン軸３ｃを挟んだ外周壁両側に互いに齟齬
する吐出口３ｄを形成して、このハウジング３ａ
に１つの回転翼３ｄを内装し、この回転翼３ｂを
前記各吐出口３ｄ，３ｄに臨ませるのである。

第１図の実施例においては、前記室内フアン３
の２つを前記熱交換器２に対向配置し、この２つ
の室内フアン３により前記熱交換器２に空気を吹
出供給するごとくしている。

また同図の実施例においては、前記各熱交換器
２に設ける多数のフイン２ａ……を、前記フアン
軸３ｃと直交状に縦方向に配列して、前記ハウジ
ング３ａの吐出口３ｄから吐出された空気が前記
熱交換器２を通過するときの抵抗を小ならしめる
ごとくしている。

即ち、前記回転翼３ｂの回転に伴い前記ハウジ
ング３ａにおいて、第２図の右側では上方から下
方への空気流が生じ、また左側にあつては下方か
ら上方への空気流が生じるのであるが、例えば前
記各熱交換器２のフイン２ａ……を横方向に配列
する場合、該各フイン２ａに前記左右の空気流が
衝突して、前記各フイン２ａが空気流に対する大
きな抵抗となるのに対し、前記したごとく各熱交
換器２の各フイン２ａを前記フアン軸３ｃと直交
状に縦方向に配列するときには、このフイン２ａ
が前記空気流の大きな抵抗となることがなく、前
記ハウジング３ａの各吐出口３ｄから吐出される
空気を、前記各熱交換器２に円滑に通過させるこ
とができるのである。

また第２図の実施例においては、前記各熱交換
器２と室内フアン３及びモータ７を前記ケーシン
グ１の天板１ａにそれぞれ支持させると共に、前
記ケーシング１の内部で前記各熱交換器２の下部
には、それぞれドレン受け８を設けている。

本考案は以上のごとく構成したもので、空気調
和装置の運転時には、前記モータ７の回転駆動に
伴い、前記室内フアン３のロータ状回転翼３ｂが
ハウジング３ａ内で回転され、この回転翼３ｂの
回転により被空調室内の空気が前記吸込グリル８
の吸込口５から、前記ハウジング３ａの吸入口３
ｅを経て内部に吸込まれ、この吸込空気が前記ハ
ウジング３ａで加圧されて、該ハウジング３ａの
外周壁両側に互いに齟齬するごとく形成した各吐
出口３ｄから前記各熱交換器２に直接供給され、
該各熱交換器２の通過時に熱交換されて、この各
熱交換器２と前記ケーシング１との間に形成する
吹出通路４から被空調室に吹出されるのである。

（考案の効果） 以上説明したごとく本考案にかかる天井埋込形
空気調和装置では、ロータ形のフアンを用い、該
フアンをケーシング内に、フアン軸を水平方向に
向けて配設すると共に、フアンハウジング３ａに
おける前記フアン軸３ｃの軸方向両側に吸入口３
ｅ，３ｅを設け、かつ、前記フアンハウジング３
ａにおける前記フアン軸３ｃの軸方向一側と他側
とに、前記フアン軸３ｃを挟んで反対方向に開口
する吐出口３ｄ，３ｄを、前記フアン軸３ｃの軸
方向に互いに齟齬するごとく設けてこれら吐出口
３ｄ，３ｄを前記熱交換器２，２に対向させる一
方、前記フアンハウジング３ａ内に、前記各吐出
口３ｄ，３ｄに臨むロータ状の回転翼３ｂを内装
したから、前記吐出口３ｄ，３ｄを前記熱交換器
２，２に対向させることができ、従来に比較して
室内フアン３から各熱交換器２，２に至る空気の
流通抵抗を小ならしめることができる。しかも、
前記フアン軸３ｃの軸方向に互いに齟齬するごと
く設けた前記各吐出口３ｄ，３ｄに臨むように、
ロータ状の回転翼３ｂを前記フアンハウジング３
ａ内に内装したから、前記フアン３内に吸入され
た空気を広範囲にわたつて加圧でき、前記室内フ
アン３のフアン性能を向上させ得るのであり、ま
た、前記フアン３を相対向する一対の熱交換器
２，２の対向面間に配設したから、この対向面間
の空間を有効に利用でき、空気調和装置を薄形と
なし得て、全体として小形化できるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる天井埋込形空気調和装
置の要部を天地逆にして示す斜面図、第２図は同
空気調和装置の全体構造を示す縦断面図、第３図
は室内フアンの形成例を示す簡略的な断面図、第
４図は従来の空気調和装置を示す縦断面図であ
る。 ２……熱交換器、３……室内フアン、３ｂ……
回転翼、３ｃ……フアン軸、３ｄ……吐出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 相対向する一対のクロスフイン形熱交換器２，
   ２を備え、これら熱交換器２，２の対向面間に遠
   心形室内フアン３を配設した天井埋込形空気調和
   装置であつて、前記フアン３を駆動するフアン軸
   ３ｃを水平方向に配設すると共に、フアンハウジ
   ング３ａにおける前記フアン軸３ｃの軸方向両側
   に吸入口３ｅ，３ｅを設け、かつ、前記フアンハ
   ウジング３ａにおける前記フアン軸３ｃの軸方向
   一側と他側とに、前記フアン軸３ｃを挟んで反対
   方向に開口する吐出口３ｄ，３ｄを、前記フアン
   軸３ｃの軸方向に互いに齟齬するごとく設けてこ
   れら吐出口３ｄ，３ｄを前記熱交換器２，２に対
   向させる一方、前記フアンハウジング３ａ内に、
   前記各吐出口３ｄ，３ｄに臨むロータ状の回転翼
   ３ｂを内装したことを特徴とする天井埋込形空気
   調和装置。