JPH0227502Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、ボタン型電池の保持構造に関する。

〔従来技術〕

電子腕時計または、電子式卓上計算機等の小形
電子機器に使用されるボタン型電池の保持構造と
しては、第１図に示す様に、ハウジング１に電池
２を収納し、前記電池２の端面２ａを電池押え板
３で押えると共に電気的な接続をさせる構造が従
来より知られているが、部品点数が多く、また、
機器を薄型化する場合の障害になつていた。この
様な問題を解決すべく、第２図に示す様に前記電
池２の一方の電極に接触する一方の電極板４に弾
性を有する接触片４ａを設け、該接触片４ａを前
記電池２の周側面２ｂの電極に圧接させて電気的
に接続させると共に前記電池２に偏倚力を与えて
保持する構造のもの、さらには電極板４の接触片
４ａの形状を第３図、第４図に示す如く、接触片
４ａの側端面４ｂを前記電池２の周側面２ｂに接
触させ、あるいは接触片４ａを折曲げて先端部４
ｃが前記電池２に圧接させる様にして前記電池２
を保持すると共に電気的な接触を得ようとする構
造のものが提案されている。

〔従来技術の問題点〕

上述した従来技術の構造であつて、第１図に示
す構造では部品点数が多く、且つ電池押え板３を
用いる為に電池２の厚さ方向の寸法が大きくなる
という欠点がある。また、第２図〜第４図に示し
た従来技術の構造では、前記電池２がハウジング
１から抜け易いという欠点がある。特に、機器の
薄型化に伴ない薄形のボタン型電池を用いる場合
には、電池２の周側面２ｂの寸法が小さいことに
加えて角に丸みが付してある為に極めて抜け易す
く、組立作業上の大きな問題点になつていた。

〔考案の目的〕 本考案は、上述の問題点を解決することを目的
とするもので、部品点数を減少させると共に、薄
形で実装密度を高め、さらに、組立作業中におい
て電池の脱落を防止すると同時に電気的な接続状
態及び機械的な保持を確実にしたボタン型電池の
保持構造を提供せんとするものである。

〔考案の要点〕

上述した目的を達成する為に、本考案は、ハウ
ジングに収納されたボタン型電池の一方の電極に
電気的に接続される電極板に、該電極板の一部を
前記ボタン型電池の周側面に沿わせて延長し、前
記ボタン型電池の周側面を弾性的に押圧する接触
片と、この接触片により弾性的に押圧された前記
ボタン型電池の周側面を受け止める為の単数又は
複数個の前記ハウジングの内方へ凸な突起とを一
体的に形成し、この様な電極板の接触片と突起と
によつて前記ボタン型電池を弾性的に保持する様
にしたところを要旨とするものである。

〔実施例〕

本考案は、電子腕時計または電子式卓上計算機
等の小形で且つ薄形の機器に用いられるボタン型
電池の保持構造に適用させることができるもので
あり、以下にその具体的な実施例について、第５
図及び第６図を参照して詳細に説明する。これら
の図面において、１１は一方の端面１１ａ及び周
側面１１ｂで一方の電極（陽極）を構成し、他方
の端面１１ｃで他方の電極（陰極）を構成するボ
タン型電池で、ハウジング１２に形成された凹部
１２ａに収納されている。前記ハウジング１２の
上面には図示しない電子部品を載置した回路基板
１３が配置され、さらにその上方には前記ボタン
型電池１１の一方の電極（陽極）と電気的に接続
される電極板１４が配置され、この電極板１４
は、前記ハウジング１２に図示しない孔と爪等の
周知の結合手段によつて、前記回路基板１３と共
に取付けられている。また、この電極板１４は、
前記ボタン型電池１１に向けて突出した複数個の
突起１４ａが形成され、該突起１４ａの外側には
該突部１４ａに弾性を持たせる為の孔部１４ｂ
と、前記電極板１４の一部を前記ボタン型電池１
１の周側面に沿つて延長させ、この周側面を弾性
的に押圧する接触片１４ｃとが一体的に形成され
ている。

以上の構成からなるボタン型電池の保持構造で
は、ボタン型電池１１を前記接触片１４ｃの弾性
力に抗して前記ハウジング１２の凹部１２ａの中
に挿入させると、前記電極板１４の突部１４ａと
接触片１４ｃとにより強く弾性的に保持され、前
記ボタン型電池１１の一方の電極と電気的に確実
に接続され、且つ機械的にも確実に保持される。
また、前記ボタン型電池１１の他方の電極はハウ
ジング１２の凹部１２ａの底部に設けられた他の
電極板１５と接触し、前記ボタン型電池の陽極及
び陰極はそれぞれ電気的な接続が保たれている。

尚、上述した実施例における電極板１４の突部
１４ａの数は単数または複数個のどちらでも良
く、また、前記突部１４ａに対応させて形成した
孔部１４ｂは、前記突部１４ａにわずかな弾性を
持たせるものである。さらに、前記突部１４ａの
形状は前述した実施例の形状に限ることなく、第
７図ａ，ｂに示す様な矩形状の突部１４′ａ、あ
るいは複数個の山形形状の突部１４″ａの様な形
状とすることもできる。

〔考案の効果〕

以上述べた如く、本考案は、第１図に示す様な
電池押え板３を使用しない為、部品点数が減少
し、且つボタン型電池１１の厚さ方向の寸法を小
さくすることができ、機器の小型化及び実装密度
が大きくなるという利点がある。また、ボタン型
電池１１は電極板１４の突部１４ａと接触片１４
ｃとにより弾性的に強く保持されている為、組立
工程中に前記ボタン型電池１１が脱落することが
なく、組立中の取扱いが容易になると共に、機械
的にも、電気的にも確実に保持され、且つ接続さ
れるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来技術によるボタン型電池の保持
構造を示す断面図、第２図は従来技術によるボタ
ン型電池の保持構造を示す平面図、第３図及び第
４図は従来技術の接触片の構造を示す斜視図であ
る。第５図は本考案を用いたボタン型電池の保持
構造の一実施例を示す平面図、第６図は前記第５
図のＡ−Ａ線で切断した断面図、第７図ａ，ｂは
前記第５図に示す実施例における突部の他の実施
態様を示す部分拡大図である。 １１……ボタン型電池、１１ａ……端面、１１
ｂ……周側面、１２……ハウジング、１２ａ……
凹部、１３……回路基板、１４……電極板、１４
ａ……突部、１４ｂ……孔部、１４ｃ……接触
片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボタン型電池の周側面を電極板に形成した接触
   片によつて弾性的に押圧することにより前記ボタ
   ン型電池を保持するボタン型電池の保持構造にお
   いて、前記電極板は前記接触片によつて押圧され
   る前記ボタン型電池の周側面から少なくとも反対
   側の周側面迄前記ボタン型電池の周側面に沿つて
   延長配置されており、前記反対側の周側面に対向
   する位置の電極板には、前記接触片によつて押圧
   される前記ボタン型電池の周側面を受け止める突
   部と、この突部に弾性を持たせる為の孔部とが形
   成されていることを特徴とするボタン型電池の保
   持構造。