JPH0227202B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は内容物を充填してから偏平化し、密封
し、そしてその内容物の面の下で切り離すチユー
ブ状の可撓性包装材料からの包装容器の製造に於
る内容物の分与方法に関する。

［従来の技術およびその問題点］ 例えば牛乳その他の、特に液体の食料品などの
液状内容物（以下「内容物」と省略として言う）
用の包装容器は一般に紙と熱可塑性プラスチツク
の層を含む可撓性のある積層材料で作られてい
る。公知の包装容器は、ラミネートウエブを包装
機械の中に通しながらその２つの長手方向の縁を
互いに接合すると共に液漏れのないように互いに
封止することによつて順次チユーブの形に形成さ
れる。このように作られたチユーブは、その上部
開放端の中に導入され且つこのチユーブの内側を
下方に延びる充填管を経て内容物を供給されると
同時に、包装機械を通してほぼ垂直の方向に下降
する。包装機械はチユーブの下端に対応する位置
に互いに共働する往復処理にあごを備え、これら
のあごは通過するチユーブを規則的な間隔で圧迫
して、その壁が液漏れのない状態で互いに封止さ
れる横方向偏平領域を形成する。包装材料チユー
ブの横方向封止は内容物の液面下で行なわれ、内
容物で完全に満たされ、つながつた状態のほぼク
ツシヨンの形の包装容器に変換される。このクツ
シヨン形の包装容器が横方向封止領域での切目に
よつて相互に分離されてから、この包装容器が所
望の、例えば平行六面体の形を得るように最終成
形処理が行なわれる。

このクツシヨン形包装容器を平行六面体に変換
するための次の成形工程同様、包装材料チユーブ
の分離部を偏平化する間、内容物は内部「マンド
レル」、即ち、包装容器内の保圧手段として使わ
れる。即ち、望ましくない形くずれなしに包装容
器の成形を行なうに必要な内部背圧を内容物が与
えるわけである。

成形工程で内容物を保圧手段として使用すると
いうこの原理は、包装容器が非圧縮性液体内容物
で完全に満たされるように、即ち、空隙なしに製
造されている場合にはなんら不都合なしに用いら
れ得る。しかしながら、空隙（いわゆる「ヘツド
スペース」）のある包装容器を製造しようとする
場合には、内容物が包装容器の全面にわたつて先
に述べたと同様のしつかりと安定した背圧を与え
ることはなく、しわその他の形くずれの発生の危
険が増す。従つて、上述の製造原理は部分的充填
形すなわち不完全充填形の包装容器の製造にはあ
まり適していないことがこれまでに証明されてい
る。

［発明の目的］ 上記従来技術の問題点に鑑みて、本発明の目的
は包装容器が不完全に作られたり、あるいは、形
くずれすることがないように満足できる結果をも
つて前記の原理に従つて部分充填包装容器を製造
し、成形することができる方法を提供することに
ある。

本発明の別の目的は各包装容器に正確な量の内
容物を分与することのできる方法を提供すること
にある。

［問題を解決する手段］ 本発明によれば、チユーブ状可撓性包装材料８
に所定量の内容物を送り込んでから、偏平化し、
密封し、成形型内で所望の形状に成形後に、内容
物の面の下で切り放して得られる包装容器を製造
するに際して、上記内容物を分与する方法におい
て、上記チユーブ状の可撓性包装材料８に送り込
む前に内容物にガスを微細な泡の形で一様に混入
し、しかしてガスの混入量が、内容物の所定量と
の合計で、成形型内で上記チユーブ状可撓性包装
材料８が、この型内成形空間にぴつたりと収まる
ような内部圧力を与えるように設定されることを
特徴とする内容物の分与方法が提供される。

また上記別の目的を達成すべく、本発明は上記
の方法においてガスの混入は内容物が包装容器チ
ユーブに導入されると同時に内容物の中へのガス
の制御された吹き込みによつて行なわれることを
特徴とする方法を提供することにある。

［発明の作用および効果］ この方法によれば、部分充填包装容器を製造し
ようとしている場合でも、内容物が包装容器に充
填される前にガスを混入させ、気泡を含んだ状態
で充填されるので、充填後にガスが包装容器の上
部空隙即ちヘツドスペースを満たし、先に述べた
原理を満足できる結果をもつて実施することがで
きる。従つて、部分充填した包装容器を形くずれ
なしに成形することができる。

さらに本発明によれば、内容物の量は個々の包
装容器に供給するガスの量を変えることによつて
簡単且つ非常に正確に調整することができる。

またさらに、製品に害のない適当なタイプのガ
スを選択することによつて、本発明の方法はあら
ゆる現存するタイプの内容物に応用することがで
きる。

［実施例］ 以下、本発明による方法をこれを実施するに好
ましい装置の一例に関連して図面を参照しながら
詳細に説明する。

第１図に示す包装機械はウエブ形包装材料を個
個の包装容器に変換する既知の型式の機械であ
る。この包装ラミネートは一般に、両側に熱可塑
性例えばポリエチレンの薄い、水密層が塗布され
た紙の中央支持体層を含む。この包装ラミネート
は折り曲げと完成包装容器への変換を容易にする
ため折り目が設けられている。このラミネートは
この包装機械１にこの機械のマガジンの中で回転
できるように吊下げられたロール２の形で送られ
る。このマガジンから包装材料ウエブ３は多数の
案内ローラ４を経てこの機械の上部に走り、そこ
でこのウエブは反転ロール５の上を走りその後こ
の包装機械を通るほぼ垂直に下向の走行を続け
る。

材料ウエブ３の運動の軌跡に沿つて配設された
各種折曲げ及び成形要素６，７の援助によつて、
この包装材料ウエブ３はこの機械を通る下方運動
の間に連続的にチユーブ形に変換され、そこでは
その２つの長手方向の縁が互に近づく方向に案内
され且つ互に封止されて縦の水密封止された包装
材料チユーブ８が作られる。この長手方向の２つ
の縁を互に封止することは加熱空気ノズル９によ
る熱の供給を通して達成され、それによつてこの
縁にある熱可塑性層の部分は溶融を生ずる。２つ
の長手方向の縁は次にそれらが冷却されている間
互に押しつけられそれによつて熱可塑性層を互に
接合させ、所望の全水密接合が作られる。

そのように作られた包装材料チユーブ８はその
後この包装材料チユーブ８の上部、開放端を通つ
て延びる充填管１０を介して内容物が充填され
る。この充填管はそこで包装材料チユーブを通し
てほぼ同心に下方に走り且つその下端の小し上で
開く。この充填管１０の開口部の下にある距離
に、包装材料チユーブ８の両側に配置された成形
及び封止あご１１，１２（第２図）が設けられ、
それらは２つずつ組んで包装材料チユーブがそれ
ら自身の間で処理するようにされている。平明の
ために一組の成形及び封止あごだけを図面に示す
が、実際には通常交互に包装材料チユーブを処理
するそれ以上の数のあごが設けられる。

封止あご１２は包装材料チユーブを横封止領域
に沿つて規則的間隔で圧縮且つ封止し同時に内容
物を変位させるように互に近づく方向及び離れる
方向に連続的に前後に動かされる。封止あご１２
は、それらが上転換位置にあるときそれらが互の
方向に動いて包装材料チユーブを圧縮し且つ保持
するように、同時に垂直方向に上下に動かされ
る。次のこの包装機械を通る下方の運動で、この
包装材料チユーブの壁は圧縮されて互に溶接さ
れ、材料チユーブは同時に一つの包装容器ブラン
クの長さに相当する距離だけ前に引張られる。下
方運動の間に２つの成形あご１１は同時に互の方
向に回転され、封止あご１２のすぐ上にある包装
材料チユーブ８の部分が部分的に圧縮されて所望
の形、即ちこの場合は矩形断面のほぼクツシヨン
形に成形される。この封止あご１２がその最低位
置に達し同時に材料チユーブ８がこの封止あごに
よつて圧縮された領域での横切目によつて切断さ
れるときこの成形あご１１は第２図に示す位置へ
再び外に回転される。その結果前に作られた包装
容器１３は包装材料チユーブから分離されるだろ
う。次にこの包装容器１３は、所望の形（この場
合は平行面体の）包装容器が作られるように連続
的に処理し且つ最終造形するために、図示しない
コンベアの助力によつて更に運搬される。

前に述べたように、所望の内容物が充填管１０
を介して包装材料チユーブ８の下端に送られる。
この包装機械を連続運転し完全に充填された容器
の製造に際しては、内容物はその内容物の高さが
この包装容器の封止され且つ成形される領域の常
に上に位置するような量で送られる。これは一方
で容器が内容物で完全に充されることを保証し、
他方で、満足な成形を達成するためには包装材料
チユーブ又はむしろ包装容器の中に存在する液体
によつて生ずる内部背圧を利用することが必要な
ので、成形を可能にする。

全部は充されていない包装容器、即ち空隙のあ
る包装容器を製造する際には、所望の空隙ができ
るような量の内容物を各包装容器に送ることにな
る。この分配供給は勿論空隙が包装容器の上端に
できることを意味し、それは、成形工程の間、内
容物によつて生ずる背圧がこの包装容器の異なる
部分で変わり、それで成形は不確実であり且つ誤
作の危険、例えばしわの発生が著しく増すことを
意味する。

本発明によれば、部分充填された包装容器が充
填管１０を通しての内容物の連続供給によつて製
造されるが、しかしこれらの内容物は包装材料チ
ユーブ８に供給される前にガスと混合されてい
る。このため本発明による装置は充填管１０の開
口部のある距離前で且つ包装材料チユーブ８の外
側に位置する充填管１０の部分に適切に接合され
たガス供給管１４を含む。ガスの混合を改良し、
所望の大きさの気泡を得るため、このガス供給管
は充填管に接合する点にノズル１５を適宜に備え
ている。

この機械で部分的に充填された包装容器を製造
するときは、内容物はその高さが運転中成形場所
の少し上の所望の位置に実質的にとどまるような
周期で連続的に送られ、それはフロート制御弁に
よつてそれ自身知られている方法で制御される。
同時にガスはこのガスを含んだ内容物の所望の量
が包装材料チユーブから閉鎖後に包装容器を完全
に充すような量でガス供給管１４を通して供給さ
れる。好ましくは直径0.2乃至0.6mmのノズル１５
の助力で、ガスの混入は多数の泡が内容物の中に
形成されるような方法で行われる。これらの泡は
非常に小さく且つ内容物の中に均一に分布され、
それでこの混合物は内容物が充填管１０を通過し
包装材料チユーブ８の下端に流れでるに要する時
間の間ほぼ均質なままである。混入されたガスの
一部が逃げ、包装材料チユーブを通つて上方に流
れるため生ずる損失を補償する必要があるが、ガ
スの混入は、この過剰量は充填される製品の粘度
によるので個々のケースによつて決定すべきであ
る。所望の充填比が完成包装容器で90％の場合、
このため10％をいくらか超えるガスが内容物に供
給されるべきである。例えば牛乳のような比較的
易移動性の内容物の場合、過剰ガスの量の典型的
値は50％であることが知られている。これは完成
包装容器で90％の充填比を得るためには約15％の
ガスが内容物に加えられるべきことを意味する。

実験は、更に、脂肪含有率1.5乃至３％の標準
牛乳の充填に対しては、直径0.2乃至0.6mm、好ま
しくは0.4mmのノズルを通して約３乃至４バール
の圧力でガスを送るのが適当であることを示して
いる。この方法で平均直径約50μの多数のよく分
布した泡が得られる。泡の絶対多数は３０乃至
80μの直径を有し、これは内容物の中の気泡の均
一な分布が成形工程中ほぼ変わらないままである
ことを意味する。ガスの混入後１５乃至20分後に
泡の大部分がこの完成包装容器の上部に移動して
安定する。

付加されるガスの量は正確に調整されることが
でき、そこではガス供給管１４を通してのガスの
吹込みは連続的に制御され且つ充填管１０を通つ
て流れる内容物の量の関数として調整される。使
用されるガスは内容物自体と反応しないか又は何
か他の方法で影響しないような性質でなければな
らない。大ていの場合このガスは殺菌した空気か
ら成ることができるが、ある内容物、例えばフル
ーツジユースに対しては、例えば窒素ガスのよう
な不活性ガスが推奨されるべきである。

前に述べたように、充填管１０を通る内容物の
中への気泡の正確且つ均質な混入は一方でガスを
小さい直径のノズルを通して送ることにより又他
方で高圧で送ることにより保証される。その結果
このガスは内容物がほぼ泡状の特性を得るような
方法で混入される。ガスと内容物を混合する代り
の方法は充填管にそれがガス供給管を接合する場
所に内部エゼクタノズルを設けることから成る。
これによつて内容物の流れが内容物の中へのガス
の所望の混入を自動的に調整するだろうし、それ
はガスを加圧して送る必要がないので好都合であ
る。殺菌した空気が使える場合、これは又ガス貯
留槽及び圧縮機を使うことなく包装機械の殺菌空
気システムから空気を直接とることができること
を意味する。

本発明による方法は非無菌並びに無菌充填に、
即ち標準（パスツール殺菌法による）牛乳同様無
菌牛乳の充填に使うことができる。無菌製造に於
いては勿論供給される圧力媒体が別の方法による
殺菌充填内容物を害しない殺菌ガス、例えば殺菌
空気で構成されるべきであることが不可欠であ
る。実験によればこれは容易に可能であり且つ通
常の長寿命の無菌包容器が何の困難もなく製造で
きることが示されている。

【図面の簡単な説明】

第１図は公知の型式の包装機械に於いてウエブ
形の包装材料を個々の包装容器に変換する原理を
示す。第２図は本発明による方法によつて包装材
料チユーブを個々の包装に変換する方法を部分断
面で拡大して示す。 ３……包装材料、８……包装材料チユーブ、１
０……充填管、１１……成形あご、１２……封止
あご、１３……包装容器、１４……ガス供給管、
１５……ノズル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ チユーブ状可撓性包装材料８に所定量の液状
   内容物を送り込んでから偏平化し、密封し、成形
   型内で所望の形状に成型後に、内容物の面の下で
   切り放して得られる包装容器を製造するに際し
   て、前記液状内容物を分与する方法において、前
   記チユーブ状の可撓性包装材料８に送り込む前に
   液状内容物にガスを微細な泡の形で一様に混入
   し、しかしてガスの混入量が、該液状内容物の所
   定量との合計で、成形型内で前記チユーブ状可撓
   性材料８が、該型内の成形空間にぴつたりと収ま
   るような内部圧力を与えるように設定されること
   を特徴とする内容物の分与方法。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の方法に於て、ガ
   スの混入は液状内容物が前記チユーブ状可撓性包
   装材料に導入されると同時に液状内容物の中への
   ガスの制御された吹き込みによつて行なわれるこ
   とを特徴とする方法。 ３ 特許請求の範囲第１項または第２項記載の方
   法に於て、ガスの混入がインゼクター効果によつ
   て行なわれることを特徴とする方法。 ４ 特許請求の範囲第１項から第３項までのいず
   れか１つの項に記載の方法に於て、チユーブ状可
   撓性材料の個々の包装容器１３へ変換する間の損
   失を保証するためにいくらか過剰なガスが混入さ
   れることを特徴とする方法。 ５ 特許請求の範囲第１項から第４項までのいず
   れか１つの項に記載の方法に於て、ガスが殺菌し
   た空気であることを特徴とする方法。 ６ 特許請求の範囲第１項から第５項までのいず
   れか１つの項に記載の方法に於て、ガスが不活性
   ガス、好ましくは窒素ガスであることを特徴とす
   る方法。