JPH0227135Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は排気管伸縮継手に関し、特に、蛇腹
状の金属ベローズと、金属ベローズの内側に配置
された内筒とを具え、内筒の内部空間を排気ガス
を通過するようになつた排気管伸縮継手に関する
ものである。

〔従来技術〕

一般に、この種の排気管伸縮継手は、第２図に
示すように構成されている。

第２図に示す排気管伸縮継手は、大型または中
型のデイーゼル機関（あるいはガソリン機関）に
適用されるものであつて、一端のフランジ２１は
デイーゼル機関の図示しない排気集合管にボルト
２２で固定され、他端のフランジ２３は図示しな
い排気管にボルト２４で固定されるようになつて
いる。

前記フランジ２１と、前記フランジ２３に一体
に設けられた補助フランジ２５との間には、中間
部にスペーサ２６を具えた金属ベローズ２７，２
７が取りつけられ、金属ベローズ２７，２７の内
側にはフランジ２３および補助フランジ２５に固
着された内筒２８が配置され、また、金属ベロー
ズ２７，２７の外側には補助フランジ２５に取り
つけられたカバー２９が設けられている。

そして、このように構成された排気管伸縮継手
は、デイーゼル機関から排出された高温の排気ガ
スを、大気に放出させるため第２図に示す矢印に
したがつて排気管に導くものであり、その際、フ
ランジ２１が固定された排気集合管およびフラン
ジ２３が固定された排気管の熱膨張および振動等
による変位を、金属ベローズ２７，２７によつて
吸収するものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このような従来のものにあつて
は、金属ベローズ２７，２７と内筒２８との間は
単なる空間であるため、断熱効果が充分でなく、
そのため金属ベローズ２７，２７が内筒２８を介
して伝わる排気ガスの高温にさらされながら伸縮
動作を繰り返すこととなつて、金属ベローズ２
７，２７の寿命が短くなつてしまうという問題点
を有していた。

この考案は前記のような従来のもののもつ問題
点を解決して、排気ガスの高温環境下において金
属ベローズの寿命をのばすことのできる排気管伸
縮継手を提供することを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は前記のような目的を達成するため、
蛇腹状の金属ベローズと、前記金属ベローズの内
側に配置された内筒とを具え、前記内筒の内部空
間を排気ガスが通過するようになつた排気管伸縮
継手において、前記金属ベローズと前記内筒との
間に、冷却水が供給される環状の水冷室を、その
内壁部材と前記内筒との間で環状の空間部を形成
した状態で設けたものである。

〔作用〕

この考案は前記のような手段を採用したことに
より、排気ガスの熱は、内筒と水冷室との間に形
成された環状の空間部、および水冷室の冷却水に
よつて熱的に遮断され金属ベローズは排気ガスの
高温に比べて実質的に低温に保たれることとな
る。

〔実施例〕

以下、図面に示すこの考案の実施例について説
明する。

第１図にはこの考案による排気管伸縮継手の一
実施例が示されており、この排気管伸縮継手は、
大型または中型のデイーゼル機関（あるいはガソ
リン機関）に適用されるものであつて、一端のフ
ランジ１はデイーゼル機関の図示しない排気集合
管にボルト２で固定され、他端のフランジ３は図
示しない排気管にボルト４で固定されるようにな
つている。

前記フランジ１と、フランジ３に一体に設けら
れた補助フランジ５との間には、中間部にスペー
サ６を具えた金属ベローズ７，７が取りつけら
れ、金属ベローズ７，７の内側にはフランジ３お
よび補助フランジ５に固着された内筒８が配置さ
れ、また金属ベローズ７，７の外側には補助フラ
ンジ５に取りつけられたカバー９が設けられてい
る。

さらに、金属ベローズ７，７と内筒８との間の
空間部には環状の水冷室１０が、その内壁部材１
０ａと前記内筒８との間で環状の空間部を形成し
た状態で配設され、この水冷室１０には、補助フ
ランジ５に設けた冷却水入口１１から冷却水が供
給され、使用済みの冷却水は補助フランジ５に設
けた冷却水出口１２から排出されるようになつて
いる。

次に前記のものの作用について説明する。

まず、デイーゼル機関から排出された高温の排
気ガスは、第１図に示す矢印にしたがつて排気管
に導かれて大気に放出され、その際、フランジ１
が固定された排気集合管およびフランジ３が固定
された排気管の熱膨張および振動等による変位
は、金属ベローズ７，７によつて吸収される。

そして、冷却水入口１１および冷却水出口１２
を介して水冷室１０に冷却水が供給されるため、
内筒８が排気ガスにより高温になつた際には、金
属ベローズ７，７は、内筒８と水冷室１０の内壁
部材１０ａとの間で形成されている空間部、およ
び水冷室１０内の冷却水により２重に断熱されて
排気ガスの高温から熱的に確実に遮断されること
となり、そのため金属ベローズ７，７は排気ガス
の高温に比べて実質的に低温に保たれた状態で伸
縮動作を繰り返すこととなつて、その結果、金属
ベローズ７，７の寿命がのびることとなる。

〔考案の効果〕

この考案は前記のように構成したことにより、
内筒内の排気ガスの熱は、まず、内筒の外側に形
成した環状の空間部で断熱され、さらに、その外
側に設けた水冷室の冷却水で断熱されるようにな
り、このために断熱効果が著しく高められ、その
ため排気ガスの高温環境下において金属ベローズ
の寿命を伸ばすことができるなどのすぐれた効果
を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による排気管伸縮継手の一実
施例を示す断面図、第２図は従来の排気管伸縮継
手の一例を示す断面図である。 １，２１……フランジ、２，２２……ボルト、
３，２３……フランジ、４，２４……ボルト、
５，２５……補助フランジ、６，２６……スペー
サ、７，２７……金属ベローズ、８，２８……内
筒、９，２９……カバー、１０……水冷室、１０
ａ……内壁部材、１１……冷却水入口、１２……
冷却水出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蛇腹状の金属ベローズと、前記金属ベローズの
   内側に配置された内筒とを具え、前記内筒の内部
   空間を排気ガスが通過するようになつた排気管伸
   縮継手において、前記金属ベローズと前記内筒と
   の間に、冷却水が供給される環状の水冷室を、そ
   の内壁部材と前記内筒との間で環状の空間部を形
   成するように設けたことを特徴とする排気管伸縮
   継手。