JPH0226730Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はフロントエンジン・リヤドライブ方式
の乗用型芝刈機等の作業機におけるエンジン冷却
装置、特にクランク軸上に設けた冷却フアンによ
る強制空冷式の冷却装置に関する。

先ず本考案を適用すべきフロントエンジン・リ
ヤドライブ方式の乗用型作業機の一例を説明す
る。１は乗用型芝刈機で、その機体前部のボンネ
ツト２４内にエンジン２を搭載する。走行用動力
はエンジン２の動力取出軸、図の場合はクランク
軸３の後部３ａから伝動軸４を介して後車輪５に
伝達する。６は前車輪、７ａ，７ｂはその伝動軸
４をクランク軸３に接続するためのフランジ継
手、８ａ，８ｂは自在継手、９はクラツチ、１０
は変速機を示す。

一方、作業用動力はエンジン２の作業用動力取
出軸、図の場合はクランク軸３の前部３ｂに設け
た駆動プーリ１１からベルト１２、テンシヨンプ
ーリ１３を介して被動プーリ１４に伝達し、その
プーリ１４の回転軸１５に取付けた刈刃１６を回
転させる。１７は刈刃収容ハウジング、１８は案
内ローラ、１９は上記駆動プーリ１１とクランク
軸３との間に設けたクラツチである。

上記のような作業機において、エンジン冷却用
のフアン２１は、なるべくエンジン２の近くに配
置するのが好ましい。ところがエンジン前側のク
ランク軸上には上記のように駆動プーリ１１やク
ラツチ１９等の作業用動力伝達機構が配置されて
いるため、冷却フアン２１をエンジン２に近接さ
せて配置することができない。

本考案は上記のような作業機にあつても充分な
冷却効果の得られるエンジン冷却装置を機体の限
られたスペースを利用してコンパクトに構成する
ことを目的とする。

即ち、機体前部のボンネツト２４内に収容した
エンジン２の前側に作業用動力取出軸３ｂを設
け、エンジン２の後側に伝動軸４を介して後車輪
５を駆動する走行用動力取出軸３ａを設けたフロ
ントエンジン・リヤドライブ方式の乗用型作業機
において、上記エンジン２の後側にエンジン冷却
用のフアン２１を配設し、そのフアン２１に対す
る冷却空気吸入用ダクト２２を、上記の走行用動
力取出軸３ａに着脱自在に連結した前記伝動軸４
の前部を囲うようにして設けると共に、そのダク
ト２２を伝動軸４の周方向において２つに分割可
能に構成し、上記ダクト２２の吸入口２２ａをボ
ンネツト２４の側面に、またダクト２２の排出口
をフアン２１およびエンジン２に向つてそれぞれ
開口させたことを特徴とする。

図示例は上記吸入ダクト２２に連通する導風カ
バー２３とその上方のボンネツト２４とでエンジ
ン２の上方を第１図に示すように二重に覆う。そ
して第２図に示すように上記ボンネツト２４の側
面に吸入ダクト２２の吸入口２２ａを開口させ
る。

また吸入ダクト２２は第４図示のように後車輪
５側から見て吸入口２２ａと反対側の略上半部２
２ｂを分割して下半部本体側２２ｃと付き合せ面
２２ｂ１，２２ｃ１で付き合せ、ねじ２２ｄで分
解組立自在に組付けたものである。

上記導風カバー２３は、エンジン２の後側面に
設けたフアンカバー２３ａと、エンジン２の上部
を覆うエンジンカバー２３ｂと、そのエンジンカ
バー２３ｂの前部の排風口２３ｂ１から出る冷却
風をボンネツト２４のフロントグリル２４ａに案
内する案内板２３ｃとより成る。ただしそれ等の
カバー２３ａ，２３ｂ及び案内板２３ｃを一体に
形成することもある。２０はフアン２１と一体的
に設けたフライホイールを示す。

本考案は上記のようにエンジン前部には作業機
への伝動系が配置されるから、冷却フアン２１を
エンジン２の後部に配置したもので、そのエンジ
ン後部のデツドスペースを利用してフアン２１を
エンジン２に近接させて設けることができる。又
それによりフアン２１を覆うフアンカバー２３ａ
およびこれに連通する吸入ダクト２２を小型に構
成することができると共に、それ等もエンジン後
部のデツドスペースを利用してコンパクトに配置
できる。さらに吸入ダクト２２を伝動軸の周方向
に二分割にしたので、伝動軸を接続したままでダ
クトを着脱できるから組付け・取外しが容易であ
り、しかもダクト２２を二分割にしたことによ
り、その一部２２ｂを外して走行用伝動軸４を取
外すこともできるから、例えばメンテナンス等で
上記伝動軸４を取外す際に大きなダクト２２全体
を取除く面倒がないので作業が容易である。また
ダクト２２の吸入口２２ａをボンネツト２４の側
面に、ダクト２２の排出口をフアン２１およびエ
ンジン２に向つてそれぞれ開口させたから、ボン
ネツト内の熱気がダクト内に侵入することなく、
ボンネツトの外の冷却空気がフアン２１を介して
エンジン２に確実に導かれてエンジンを効率よく
冷却することができる。又その際、ダクト２２で
囲まれた伝動軸前部の継手部も冷却されるもの
で、特にゴム等よりなる自在継手を用いるものに
あつては、摩耗が低減されて耐久性を向上できる
等の効果が得られるものである。

なお、前記の自在継手８ａは、第３図に示すよ
うにフランジ継手７ｂに管軸２６を固着し、その
管軸２６から伝動軸４に横断面非円形のゴム２７
を介して伝動すると共に、そのゴム２７の内方に
おいて管軸２６と伝動軸４とを球面部材２８ａ，
２８ｂで球関節継手結合したものである。４１は
伝動軸４の端部に連結した延長軸、４２は上記非
円形ゴム２７の周面に密着嵌合させた筒軸を示
す。伝動軸４はクランク軸３に対してフランジ継
手７ａ，７ｂにより着脱可能であると共に、管軸
２６に対して球面部材２８ａとの間で引抜き可能
である。自在継手８ｂも上記自在継手８ａと略同
様の構成である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案エンジン冷却装置を備えた乗用
型芝刈機の要部の側面図、第２図はその一部の平
面図、第３図は冷却フアンと吸入ダクト部分の拡
大縦断側面図、第４図は吸入ダクトの背面図であ
る。 １は機体、２はエンジン、３はクランク軸、３
ａは走行用動力取出軸、３ｂは作業用動力取出
軸、４は伝動軸、５は後車輪、２１は冷却フア
ン、２２は吸入ダクト、２３は導風カバー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 機体前部のボンネツト内に収容したエンジンの
   前側に作業用動力取出軸を設け、エンジンの後側
   に伝動軸を介して後車輪を駆動する走行用動力取
   出軸を設けたフロントエンジン・リヤドライブ方
   式の乗用型作業機において、 上記エンジンの後側にエンジン冷却用のフアン
   を配設し、そのフアンに対する冷却空気吸入用ダ
   クトを、上記の走行用動力取出軸に着脱自在に連
   結した前記伝動軸の前部を囲うようにして設ける
   と共に、そのダクトを伝動軸の周方向において２
   つに分割可能に構成し、上記ダクトの吸入口をボ
   ンネツトの側面に、またダクトの排出口をフアン
   およびエンジンに向つてそれぞれ開口させたこと
   を特徴とする乗用型作業機のエンジン冷却装置。