JPH0226713B2

JPH0226713B2 -

Info

Publication number: JPH0226713B2
Application number: JP58230051A
Authority: JP
Inventors: Koji Ishijima; Fumiaki Sano; Takuho Hirahara; Susumu Kawaguchi; Kazuhiro Nakane; Osamu Iwabuchi
Original assignee: Mitsubishi Electric Corp
Current assignee: Mitsubishi Electric Corp
Priority date: 1983-12-06
Filing date: 1983-12-06
Publication date: 1990-06-12
Also published as: JPS60122287A; KR870001339Y1

Description

【発明の詳細な説明】〔発明の技術分野〕この発明はたとえば冷凍サイクルに組み込まれ
る圧縮機に用いる吐出弁装置に係り、特に吐出効
率の改善に関するものである。

〔従来技術〕

第１図は、たとえば、特公昭57−12909号公報
に示された従来の圧縮機の吐出弁装置の要部断面
図で、１はハウジング壁１ａに形成された吐出
口、２は吐出弁座で上記吐出口１の吐出側周縁部
に位置し、上記ハウジング壁１ａと一体に突出成
形され、かつその断面形状はかまぼここ状の曲率
を成している。３は吐出弁押え、４はその一端が
ハウジング壁１ａに固定された弾性材料で構成さ
れた吐出弁で、上記吐出弁座２と吐出弁押え３の
間に設けられ、圧縮室（図示せず）の圧力差に応
じて吐出口１の開閉動作を行うようになつてい
る。

従来の圧縮機の吐出弁装置は、以上のように構
成され、たとえば圧縮機（図示せず）で圧縮され
たガスは所定の吐出圧力になると上記圧縮室と連
通する吐出口１の吐出側に設けた吐出弁座２と密
着している吐出弁４が上記吐出圧力によつて開放
側に動作して、その吐出弁４と吐出弁座２とにで
きたすき間より圧縮されたガスが吐出される。そ
の後圧縮室の圧力が低下することで、吐出弁４が
閉じ側に動作して、吐出弁座２に着座し、ふたた
び圧縮室の圧縮行程に移る。そしてこの一連の動
作を連続して行うようになつている。

このような一連の動作を円滑に行うには、特に
吐出弁４と吐出弁座２とにおいて吐出弁４が閉じ
状態の時のガス逆流と開放状態時の開き遅れとを
防止することが重要な点とされ、その吐出弁４と
吐出弁座２との接触部には、ガスシール性を高め
るための油膜と共に、上記吐出弁座２の断面形状
をかまぼこ状の曲率とし、外表面に曲率面をもた
せることにより、吐出弁４との接触部を環状の接
触とし、さらに吐出弁座２の頂点部を結ぶ径を吐
出口１の径よりも大きくして吐出弁４と吐出弁座
２の接触圧力を高めるようにしていた。

しかるに、上記のような従来の圧縮機の吐出弁
装置においては、たとえば圧縮室で圧縮されたガ
スの吐出時、そのガスと共に潤滑油も同時に吐出
されるため、吐出弁４と吐出弁座２との接触部に
は、その油膜が帯状に広がり、所望のシール用接
触幅を超えてしまい、その結果吐出弁４を開く際
上記帯状に広がつた油膜のために油膜抵抗が増加
し、開き遅れを生じる問題が生じていた。

そのために従来の装置では圧縮機の入力を増加
させる原因となつていた。

また、上記吐出弁４が上記油膜を破つて開放側
に動作する時に、上記油膜の抵抗力が大きいた
め、その油膜を破る際に騒音を発生する原因とな
つている。

〔発明の概要〕

この発明は上記従来の圧縮機の吐出弁装置が有
していた問題点を改善する目的でなされたもの
で、吐出弁と吐出弁座の接触により生ずる油膜シ
ール接触巾を、吐出弁座の曲率が等しく且つ平坦
な吐出弁により生ずる油膜シール接触巾と比較し
て減少させることにより、吐出弁の開放動作にお
ける開き遅れを防ぎ、吐出効率の優れた圧縮機の
吐出弁装置を提案するものである。

〔発明の実施例〕

以下、図面に従つてこの発明の圧縮機の吐出弁
装置を詳細に説明する。

第２図はこの発明の実施例による圧縮機の概略
構成図であつて、密閉容器１１内にステーター１
２、ローター１３からなる電動機を収納し、この
電動機により駆動されるクランク軸１４とシリン
ダ１５とピストン１６と圧縮室を高圧室に分ける
ベース（図示せず）とにより圧縮動作が行なわれ
る。また、圧縮室を形成し、クランク軸１４の軸
受を兼ねたサイドハウジング１７ａ，１７ｂがシ
リンダの両端に配置されている。

吸入管（図示せず）から導びかれた冷媒は圧縮
室に導びかれ、電動機により駆動されるクランク
軸１４によつて偏心回転するピストン１６とシリ
ンダ１５、ベーン（図示せず）により圧縮動作が
行なわれ密閉容器１１の内圧に比べ圧縮室圧力が
少し高くなると吐出弁１８が開きサイドハウジン
グ１７ａに設けた吐出口により、吐出マフラー２
０内にガスが流出する。このときの吐出弁１８の
運動を規制するために吐出弁押え１９が設けられ
ている。吐出マフラー内で減音された吐出冷媒ガ
スは、密閉容器１１内に流出し、吐出管を通り熱
交換器へ導びかれ、冷凍サイクルを構成すること
になる。

第３図はこの発明の実施例による吐出弁装置の
拡大斜視図であり、この発明の要部詳細構成は後
述するので省略してある。

第３図に於て、サイドハウジング１７ａに設け
られた吐出口部分は、吐出弁１８と吐出弁押え１
９がボルト２１等によりサイドハウジング１７ａ
に固定されている。

次に、以下詳細図面に従つてこの発明の実施例
による圧縮機の吐出弁装置を詳細に説明する。

第４図はこの発明の第１の実施例を示す要部構
成断面図で、１はハウジング１７ａに成形された
吐出口である。２２はほぼ円形をなす吐出弁座
で、上記吐出口１の吐出側周縁部に位置し、断面
形状がほぼ等しい曲率を有するものである。１９
は吐出弁押え、１８ａは弾性を有する薄板で構成
された吐出弁で、吐出弁座２２の対応部にプレス
加工等により一部凸部分を設け、その角部が吐出
弁座曲率面の頂点より外側で着座するようになつ
ている。

この発明の第１の実施例は上記のように構成さ
れ、その動作は第１図で説明した従来の装置とほ
ぼ同様の基本動作を行うが、吐出弁１８ａ及び吐
出弁座２２との接触部部にて圧縮（図示せず）外
の高圧部から圧縮室内へ逆流する冷媒ガスをシー
ルしている。

また、吐出弁１８ａが開放動作に移行する際の
抵抗力は主に吐出弁１８ａと吐出弁座２２との接
触部における油膜量、すなわち油膜シール接触巾
並びに油膜厚さで決定されるが、上記吐出弁１８
ａに凸部を設けることでその油膜シール巾を減ら
すことにより油膜量を抑制し、吐出弁１８ａの開
放動作時の油膜抵抗を減少させるので、開き遅れ
が生じないようになつている。また吐出弁１８ａ
が逆流防止用に形成された油膜を破つて開放動作
に移行する時、騒音を発生していたが、油膜抵抗
の減少により、騒音を抑制することができるもの
である。

次にこの発明の第２の実施例を第５図並びに第
６図に示し説明する。第５図はその構成断面図、
第６図は吐出弁装置の組立概略図である。第５図
第６図に於て、吐出弁２８ｂは吐出口１の対応部
に穿孔がなされており、吐出弁２８ｂ及び吐出弁
座２２との接触部にて圧縮室（図示せず）外の高
圧部から圧縮室へ流入する冷媒ガスをシールして
いる。吐出弁２８ａは吐出弁座２２の曲率断面の
頂点の外側に着座するものであり、上記第１の実
施例と同様に吐出弁１８ｂの開き遅れを防ぎ、か
つ騒音を抑制することができる。当然ながら、吐
出弁２８ｂと２８ａ間が開く以前に吐出弁２８ｂ
と吐出弁座２２間が開く構造でなければならない
が、これは、吐出弁２８ａと２８ｂ間の油膜接触
面積が吐出弁２８ｂと吐出弁座２２間の油膜接触
面積より大であれば容易に構成できるものであ
る。

この発明の第１及び第２の実施例は以上説明し
たとおり、吐出弁の吐出弁座対応部に凸部分を設
け、または複数枚の形状の異なる吐出弁を用いて
吐出弁座曲率面の頂点より外側で着座する構造と
したので接触部である吐出弁座と吐出弁との間に
形成される油膜層を制限し、上記吐出弁が開放動
作に移行する際の油膜抵抗を減少させるので上記
吐出弁の開き遅れを防止できる。また吐出弁が動
作する際の油膜層を破壊するエネルギーが減少す
ることから、その破壊時に発生した騒音を抑制す
る効果も有している。

次にこの発明の他の実施例を第７図、第８図に
示し説明する。第７図はこの発明の第３の実施例
を示す構成断面図で、１はハウジング１７ａに成
形された吐出口である。２２は吐出弁座で、上記
吐出口１の吐出側周縁部に位置し、断面形状がほ
ぼ等しい曲率を有する。１９は吐出弁押え、１８
ｃは吐出弁で、吐出弁座２２の対応部に一部凸部
分を設け、その角部が吐出弁座曲率の頂点より内
側で着座するようになつている。

この発明の第３の実施例は上記のように構成さ
れ、その動作は第４図で説明した第１の実施例の
装置とほぼ同様の動作を行い、吐出弁１８ｃ及び
吐出弁座２２との接触部にて圧縮室（図示せず）
外の高圧部から圧縮室内へ逆流するガスをシール
している。

また、吐出弁１８ｃが開放動作に移行する際の
抵抗力は主に吐出弁１８ｃと吐出弁座２２との接
触部における油膜量、すなわち油膜シール接触巾
並びに油膜厚さで決定されるが、上記吐出弁１８
ｃに凸部を設けることでその油膜シール巾を減ら
すことにより油膜量を抑制し、吐出弁１８ｃの開
放動作時の油膜抵抗を減少させるので、開き遅れ
が生じないようになつている。また吐出弁１８ｃ
が逆流防止用に形成された油膜を破つて開放動作
に移行する時、騒音を発生していたが、油膜抵抗
の減少により、騒音を抑制することができる。

さらにまた第８図はこの発明の第４の実施例の
構成断面図を示すものであり、吐出弁１８ｄの先
端が吐出弁座２２の曲率断面の頂点の内側に着座
するものであり、上記第３の実施例と同様に吐出
弁１８ｄの開き遅れを防ぎ、かつ騒音を抑制する
ことができるものである。

この発明の第３及び第４の実施例は以上説明し
たとおり、吐出弁１８ｃ，１８ｄの吐出弁座２２
の対応部に凸部分を設け、吐出弁座曲率面の頂点
より内側で着座する構造としたので接触部である
吐出弁座と吐出弁との間に形成される油膜層を制
限し、上記吐出弁が開放動作に移行する際の油膜
抵抗を減少させるので上記吐出弁の開き遅れを防
止できる。また吐出弁１８ｃ，１８ｄが動作する
際の油膜層を破壊するエネルギーが減少すること
から、その破壊時に発生した騒音を抑制する効果
も有している。

次にこの発明の第５の実施例を第９図〜第１１
図に示し詳細に説明する。第９図はこの発明の第
５の実施例を示す構成断面図で、１はハウジング
２７に形成された吐出口である。３２は上記吐出
口１の周縁部に位置し、上記ハウジング２７と一
体に突出成形された突部を有する吐出弁座、１９
は吐出弁押え、３８は薄板状吐出弁で、吐出弁座
３２の突部頂点近傍に着座し、当該弁座着座筒所
３８ａは、断面が曲率半径ρ₁の曲面をなしてい
る。第１０図は、当該吐出弁装置を、第９図とは
90゜異なる断面で切断した構成図で、薄板状吐出
弁３８の弁座着座箇所３８ａの断面は、ρ₁とは異
なる曲率半径ρ₂を有する。第１１図は、上記吐出
弁３８の斜視図であつて、弁座着座箇所３８ａは
曲面を成し、楕円体３０の表面の一部であり、Ｘ
方向の曲率半径ρ₁とＹ方向の曲率半径ρ₂が異なつ
ている。

この発明の第５の実施例は上記の様に構成さ
れ、その動作は第４図で説明した第１の実施例の
装置とほぼ同様の動作を行い、吐出弁３８の吐出
弁座３２に対する接触線３９は、第１１図に示す
通り、略楕円形をなしており圧縮室外の高圧部か
ら圧縮室内へと逆流するガスを防ぐシール性を有
する。しかも吐出弁３８の開放動作においては、
上記環状をなす接触線３９が略楕円形をなしか
つ、同一平面内には存在せずうねりを有している
ので、吐出弁３８の開放動作時の油膜シール用接
触巾を吐出弁座３２の低い部分で減小させ、開き
遅れが生じないようになつている。また吐出弁３
８が逆流防止用に形成された油膜を破つて開放動
作に移行する場合に生じていた騒音も、油膜抵抗
の減小により低下する。さらに、吐出弁３８と吐
出弁座３２の接触箇所は略楕円形の環状をなして
いるので、吐出弁３８の開き始める方向が一定
し、吐出ガス騒音の音響特性が一様になり騒音レ
ベルのばらつきが小さくなるという利点を有す
る。

この発明の第５の実施例は以上説明した通り、
吐出弁３８の吐出弁座３２への着座部分を異方性
を有する曲面により形成し、吐出弁座３２との接
触線を略楕円形状のうねりをもつた環状線となす
ことにより、吐出弁３８が開放動作に移行する際
の油膜シール用接触巾を吐出弁座３２の低い部分
で減少させ、吐出弁３８の開き遅れを防止し、圧
縮機を高効率化できる。また吐出弁３８が動作す
る際の油膜層を破壊するエネルギーが減少するこ
とから、その破壊時に発生した騒音を抑制する効
果も有し、さらに吐出弁３８の開き始める方向が
一定となるので騒音レベルのばらつきが小さくな
る。

次にこの発明の第６〜第10の実施例を第１２図
〜第１８図に示し詳細に説明する。第１２図Ａ，
Ｂはこの発明の第６の実施例を示す構成断面図並
びに吐出弁座の斜視図で、１はハウジング４７に
形成された吐出口である。４２は上記吐出口１の
吐出側周縁部に位置し、上記ハウジング４７と一
体に成形された断面形状がほぼ等しい曲率を有す
る吐出弁座である。１９は吐出弁押え、４は第１
図に示したものと同様な平坦な吐出弁、４５は吐
出弁座４２に設けられ、吐出口１と同心なる円周
と交わるように設けられた溝である。

この発明の第６の実施例は上記のように構成さ
れ、その動作は、第４図で説明した第１の実施例
の装置とほぼ同様の動作を行なう。また吐出弁４
が開放動作に移行する際の抵抗力は主に吐出弁４
と吐出弁座４２との接触部における油膜シール接
触巾並びに油膜厚さで決定されるが、上記吐出弁
座４２に吐出口１と同心な円周と交わる方向に溝
を設けることでその油膜シール巾を減らすことに
より油膜量を抑制し、吐出弁４の開放動作時の油
膜抵抗を減少させるので、吐出弁４の開き遅れを
生じないようにすることができる。また、円滑な
吐出弁４の開き動作が行なわれるため、吐出弁４
開き動作時の騒音を低く抑制することができる。
さらに、上記溝４５を吐出弁座４２にて偏つて設
けることにより、吐出弁４の開き始める方向を一
定とし、音響特性のバラツキの少ない圧縮機を提
供することが出来る。但し、この吐出弁座４２の
溝４５の深さは、吐出弁４閉時のガスのシール性
を良くするという理由から、あまり深くすること
は好ましくないことは言うまでもない。

さらにまた、第１３図〜第１６図は、この発明
の第７〜第10の実施例を示すもので、第１３図、
第１４図は、吐出弁座４２の溝を吐出口に対して
略放射状に配置したこの発明の第７、第８の実施
例であり、第１５図、第１６図は、吐出弁座４２
の頂点の内側と外側に交互に略放射状の溝４５を
配置したこの発明の第９、第10の実施例である。

ここで、この発明の第６〜第10の実施例による
ものの騒音特性の改善について説明するに、第１
７、第１８図はこれらの実施例の、騒音特性Ｂと
従来の騒音特性Ａの比較を示すものである。第１
７図は溝４５を偏つて設けた第１２図、第１４
図、第１６図に対応した第６、第８、第10の実施
例であり、従来例Ａに比較して騒音レベル及びそ
のバラツキが改良されていることが理解出来る。
第１８図は溝４５が偏つていない第１３図、第１
５図に対応した第７、第９の実施例であり、従来
例Ａに比較して騒音レベルが改良されていること
が理解出来る。

この発明の第６〜第10の実施例は、以上説明し
たとおり、吐出弁座４２に吐出口と同心の円周と
交わるように溝４５を設けたので、吐出弁４の開
き遅れを改善することができる。また、この吐出
弁４の開き動作を円滑にした結果、吐出弁開き動
作時の騒音を低減する効果を有する。また、この
溝４５を偏つて設けるようにすれば、吐出弁４の
開き始める方向を一定にし、吐出弁開き動作時の
騒音のバラツキを抑制する効果をも有することに
なる。

ここで、この発明の要部をなす吐出弁座と吐出
弁との間の潤滑油の油膜強度について第１９図に
より簡単に説明する。第１９図は、吐出弁座５０
と吐出弁５１との接触状態及び潤滑油の表面張力
による油膜状態を概念的に示したもので、第１９
図１は第１図に対応した従来例を、同図２は第４
図に対応したこの発明の第１の実施例を、同図３
は第７図に対応したこの発明の第３の実施例を、
同図４は第１１図に対応したこの発明の第５の実
施例を、また同図５は第１２図に対応したこの発
明の第６の実施例を示したものである。

次に、吐出弁の開き易さについて検討するに、
その開き易さαは(1)式のようになる。

開き易さ：α＝ΣF／ΣP ……(1) 但し、ΣF：油の表面張力 ΣP：内圧Pcと外圧Pdとの差圧また、油の表面張力ΣF並びに差圧ΣPは、(2)式
並びに(3)式のようになる。

ΣF＝2πra・Ｆ ……(2) ΣP＝πr²・△Ｐ＝πr²・（Pd−Pc） ……(3) 但し、ａ：平均油膜巾ｒ：平均油膜半径次に、(2)(3)式を(1)式に代入して整理すると(4)式
のようになる。

ΣF／ΣP＝2πra・Ｆ／πr²・△Ｐ＝2a／ｒ・Ｆ／△
Ｐ∝ａ／ｒ……(4) 従つて、吐出弁の開き易さαは、ａ／ｒに比例
することになる。

ここで、第１９図１の従来例の開き易さα
と、同図２〜５に示す各実施例の開き易さα 〜
α について、以下説明する。なお、小番号〜
は同図１〜５に対応する値を示す。第１９図２
の場合は、同図２からわかるように、ａ＜１／２ａ、ｒ＞ｒの各条件が成立するので、以下の通りα はα
より小さくなる。

α ＝ａ／ｒ＜１／２ａ／ｒ＜ａ／ｒ＝α 次に、第１９図３の場合、同図３からわかるよ
うに、ａ＜１／２ａ、ｒ＜ｒの各条件が成立し、ｒ＞１／２ｒのとき、α ＜α となり、α は条件付きでα より小さくなる。
なお、通常の圧縮機においては、上記条件を満足
することになり、実質的な条件とはならない。

次に、第１９図４の場合は、同図からわかるよ
うに、 α ＜ａ、ｒ＜ｒの各条件が成立し、ａ／ａ＜ｒ／ｒのとき、α ＜α となり、α は条件付きでα より小さくなる。

次に、第１９図５の場合は同図５からわかるよ
うに、ａ＜ａ、ｒ＝ｒの各条件が成立し、 α ＝ａ／ｒ＜ａ／ｒ＝α となり、α はα より小さくなる。

以上説明したように、第１９図３，４は条件付
きで、またその他の実施例は無条件で第１９図１
の吐出弁と比較して各吐出弁が開き易くなること
になる。また、シール性については、冷凍性能を
損わないような範囲で各部の寸法を適当に選ぶこ
とにより、この発明を実施することが可能となる
ものである。

〔発明の効果〕

以上説明したようにこの発明は、吐出弁と吐出
弁座との接触により生ずる油膜シール接触巾を、
吐出弁座の曲率が等しく且つ平担な吐出弁により
生ずる油膜シール接触巾と比較して減少させるこ
とにより、吐出弁の開放動作における開き遅れを
防ぎ、吐出効率を向上させることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の圧縮機の吐出弁装置の要部を示
す部分断面図、第２図はこの発明の吐出弁装置が
実装された圧縮機全体を示す概略構成図、第３図
はこの発明の吐出弁装置全体を示す拡大斜視図、
第４図、第５図はこの発明の第１及び第２の実施
例を示す要部断面図、第６図は第５図に示したも
のの要部分解斜視図、第７図、第８図はこの発明
の第３及び第４の実施例を示す要部断面図、第９
図、第１０図はこの発明の第５の実施例を示し、
90゜異なる方向から見たそれぞれの要部断面図、
第１１図はこの発明の第５の実施例を説明するた
めの要部分解説明図、第１２図Ａ及びＢはこの発
明の第６の実施例を示す要部断面図及び吐出弁座
の斜視図、第１３図乃至第１６図はこの発明の第
７乃至第10の実施例の吐出弁座をそれぞれ示す斜
視図、第１７図は第１２図、第１４図、第１６図
に対応するこの発明の第６、第８、第10の実施例
の騒音特性を示す図、第１８図は第１３図、第１
５図に対応するこの発明の第７、第９の実施例の
騒音特性を示す図、第１９図はこの発明の各実施
例によるものの油膜強度を説明するための説明図
である。図に於て、１は吐出口、４，１８，１８ａ，１
８ｂ，１８ｃ，１８ｄ，３８は吐出弁、１７ａ，
２７，４７はハウジング、１９は吐出弁押え、２
２，３２，４２は吐出弁座、４５は溝である。な
お、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims

【特許請求の範囲】１圧縮室で圧縮されたガスを、吐出弁座を押圧
する吐出弁の押圧力と、上記吐出弁座と吐出弁と
の接触部近傍に付着した潤滑油の油膜シール密着
力とに抗して圧縮室外へ吐出させるようにした圧
縮機の吐出弁装置に於て、圧縮室に連通した吐出
口を有し、吐出側周縁部の断面形状が曲率をなす
吐出弁座と、上記吐出弁座の一部に押圧接触され
上記吐出口を上記圧縮室内の圧力に応じて開閉動
作を行なう吐出弁とを備え、上記吐出弁と吐出弁
座との接触により生ずる油膜シール接触巾を、吐
出弁座の曲率が等しく且つ平坦な吐出弁により生
ずる油膜シール接触巾に比較して減少させたこと
を特徴とする圧縮機の吐出弁装置。２吐出弁と吐出弁座との接触位置を、上記吐出
弁座の頂部より外側、又は内側に位置させたこと
を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の圧縮機
の吐出弁装置。３吐出弁は角部を有し、この角部で吐出弁座と
接触させるようにしたことを特徴とする特許請求
の範囲第１項記載の圧縮機の吐出弁装置。４吐出弁の角部を、凹又は凸成形で形成したこ
とを特徴とする特許請求の範囲第３項記載の圧縮
機の吐出弁装置。５吐出弁の角部を、穿孔を有する吐出弁と穿孔
のない吐出弁との組合せで構成したことを特徴と
する特許請求の範囲第３項記載の圧縮機の吐出弁
装置。６吐出弁が吐出弁座と接触する上記吐出弁の着
座部を、異方性を有する曲面により構成したこと
を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の圧縮機
の吐出弁装置。７吐出弁の着座部が、ほぼ楕円形であることを
特徴とする特許請求の範囲第１項記載の圧縮機の
吐出弁装置。８吐出弁座の周方向の高さを、不均一にするよ
うにしたことを特徴とする特許請求の範囲第１項
記載の圧縮機の吐出弁装置。９吐出弁座に１個、又は複数の溝を設けたこと
を特徴とする特許請求の範囲第８項記載の圧縮機
の吐出弁装置。１０吐出弁座は、吐出口に対してほぼ放射状に
伸びる溝がその表面に有することを特徴とする特
許請求の範囲第１項記載の圧縮機の吐出弁装置。１１吐出弁座の溝を、非対象に配置したことを
特徴とする特許請求の範囲第１０項記載の圧縮機
の吐出弁装置。１２吐出弁座の溝を、その弁座の頂部の内側と
外とに交互に配置したことを特徴とする特許請求
の範囲第１０項記載の圧縮機の吐出弁装置。