JPH022611B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、管群の各管へ液体を薄膜状に分配す
るための液体分配器に関する。殊に、本発明は、
液体が多数の管に薄膜状に流れるようにされてい
る管群型の熱交換器、アブソーバ、デソーバ、ス
トリツパ、反応器、分解器などの装置用の液体分
配器に関する。

多くの工業分野において、熱交換器などの各種
装置の交換表面上に液体を薄膜状に均一に分配す
ることが要求されている。

液体の分配は、下記の欠点(1)〜(4)を除去するた
めに、これら装置の交換表面上ですべて均一でな
ければならない。

(1) 熱交換器、デソーバ、反応器および分解器に
おける熱交換の低効率、 (2) ストリツピング剤を使用する吸収器および分
解器における物質交換の低効率、 (3) 固形物の析出 (4) 腐食性流体が使用されている場合において、
破損を生じせしめる熱点の形成。

液体を薄膜状に分配する幾つかの方法が知られ
ている。その一つの方法は、加熱又は冷却のため
の外部ジヤケツトおよび長手方向の羽根を有する
外部ロータを具備している管に液体を供給するも
のであつて、前記羽根は前記管と同一長さを有し
て液体を管壁に対して遠心力により推進せしめて
液体の薄膜状流れを生じせしめるようにしてい
る。

このようなシステムにおいては、最も得策な手
段で薄膜状液体を提供しているにもかかわらず、
次のような欠点が生ずる。すなわち、モータが必
要とされ、またこのシステムは液体の流れが高速
のときには使用できず、このような場合には多数
の装置を必要とし、したがつてその作用が複雑と
なり、またコストが非常に高くなつてしまう。

他の公知のシステムは、システムに同軸に置い
た中央管によつて垂直管群装置の内部に液体を供
給するものである。この供給された液体は、中央
から周囲に向つて移動してシステムの頂部管板上
に集められる。この移動において、液体は管板の
各管に接続されているスリーブに出会う。これら
スリーブは、第１図に示すように多数立設した頂
部縁を有し、又は第２図に示すように接線溝を具
備している。液体は、したがつて、これらスリー
ブを介して管に入る。

多数立設した頂部縁を有するスリーブおよび接
線溝を有するスリーブの両者は、液体の水頭作用
によつて液体を各管へ流入せしめるものではな
く、したがつて各管への液体の分配が均一でな
い。接線溝を具備したスリーブは、更に、その製
作が困難であり、したがつてコストが比較的高く
なる欠点を有する。

しかも、中央から周囲に向う液体の移動により
液体が周囲に配置した管へよりも中央付近の管へ
多く流れるので、液体の分配の不均一が増加す
る。

本発明はこのような従来技術の欠点をすべて除
去すると共に液体分配器の製作コストをかなり低
減させるためになされたものであつて、これは多
数の管へ分配しようとする液体を管群の周囲区域
へ供給することによりおよび円筒形であると共に
この円筒形内表面に対して接線をなす孔を有する
スリーブを使用することによつて可能である。

本発明の目的は、熱交換器などの装置の管群の
各管に液体を薄膜状に分配する液体分配器におい
て、下記の構成要素(1)〜(4)を包含する液体分配器
を提供することにある。

(1) 垂直に配置した管群の頂部管板の上方に配置
されて、この管板との間に環状区域を限定する
円錐体。

(2) 該円錐体の下方縁を前記装置の壁に接続し
て、この円錐体を支持する複数の脚。

(3) 前記円錐体の上方において前記装置の壁に取
付けられ、この円錐体の上方面に液体を落下さ
せる多数の小孔を有する水平板。

(4) 前記管群の各管の上端にそれぞれ接続された
分配スリーブ。これらスリーブは、前記管群の
各管の内径よりも小さい内径を有する円筒形管
の形を有し、その下方端で前記管群の各管に接
続されていると共にその上方端で前記環状区域
内に開口している。これらスリーブは、それら
の壁厚を通して形成されていると共に、スリー
ブの内表面に対して接線をなす複数の孔を具備
している。これら孔の径は、0.2〜12mm好適に
は２〜４mmであり、また好適には互いから等間
隔を置かれていると共に同一水平面又はふたつ
の水平面上に配置されている。

そして、前記水平板から前記円錐体上に落下し
た液体は、この円錐体の上面をすべり落ち、その
後外方から内方に向つて流れ落ちて、前記管板上
に集まつてから水頭作用によつて前記スリーブの
孔を通して前記管群の各管へ流れる。

液体の各管への分配は、液体の水頭が一定であ
ること、液体が外側から中央に向つて移動するこ
とおよびスリーブの孔が特別の構成であることの
ため、完全に均一である。

以下第３および４図を参照して本発明の好適な
一実施例について詳述するが、この実施例は本発
明を限定するものではないことは勿論である。

しかして、第３及び４図に示す実施例は、装置
内へ供給される流体が液体と蒸気との混合物であ
り、液体を蒸気から分離して管群の各管へ薄膜状
に分配する場合に好適なものである。このような
液体を蒸気との混合物は、例えば、処理しようと
する液体が膨張を受けて蒸気となるときに生じ
る。

第３図において、液体と蒸気との混合物は、管
１２によつて装置１１内へ供給される。液体は、
参照符号１３によつて図解的に示されている公知
技術の手段例えばサイクロンによつて蒸気から分
離される。分離した気体は破線矢印で示すように
上昇し、これに反して液体は落下して分配器１４
によつて分配され、その後多数の小孔を有する水
平板１５を通過して例えばラツシヒリングを詰め
た充てん塔１６に流入し、この充てん塔内で液体
は底部から上昇してくる蒸気と接触する。液体
は、それから、充てん塔を支持している多数の小
孔を有する水平板１７を通過して落下し、複数の
脚１９によつて頂部管板２０の上方に環状区域を
限定するように配置されている金属製の円錐体１
８の上面に衝突する。

液体は、それから、この円錐体の上面上をすべ
り落ち、その後外方から内方に向つて流れ落ちて
管板２０上に集められ、管板上の液体２２はそれ
から水頭作用によつてスリーブ２１の孔２１ａ
（第４図参照）を通して装置の管群の各管２３へ
薄膜状に流入する。

すなわち、このスリーブ２１は、第４図に断面
にして詳細に示すように、管群の各管２３の上端
に接続されている。そして、このスリーブの内径
は、本発明によれば、管２３の内径よりも小さく
設定されている。また、スリーブ２１の孔２１ａ
は、スリーブの壁厚を通して形成されていると共
にスリーブの内表面に対して接線をなしている。

スリーブ２１と管２３とに内径差があるため
に、スリーブはテーパした底部線２４を有し、こ
の縁に沿つて液体が管２３に流入したときに液体
が管２３の内壁に完全に接するようにしている。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は管群の各管に液体を薄膜
状に流入せしめる従来のスリーブの二例を示す
図、第３図は本発明の一実施例を示す図、第４図
は本発明による液体分配器の詳細を示す図であ
る。 １１……装置、１２……供給管、１３……サイ
クロン、１４……分配器、１５，１７……多数の
小孔を有する水平板、１６……充てん塔、１８…
…円錐体、１９……脚、２０……頂部管板、２１
……スリーブ、２１ａ……スリーブ２１の孔、２
２……液体、２３……管群の管、２４……スリー
ブ２１のテーパ底部縁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 熱交換器などの装置の管群の各管に液体を薄
   膜状に分配する液体分配器において、垂直に配置
   した管群の頂部管板の上方に配置されてこの管板
   との間に環状区域を限定する円錐体と、該円錐体
   の下方縁を前記装置の壁に接続してこの円錐体を
   支持する複数の脚と、前記円錐体の上方において
   前記装置の壁に取付けられこの円錐体の上方円錐
   面に液体を落下させる多数の小孔を有する水平板
   と、前記管群の各管の上端にそれぞれ接続された
   分配スリーブとを包含し、該スリーブは前記管群
   の各管の内径よりも小さな内径を有する円筒形管
   であつて、その下方端で前記管の上端に接続され
   ていると共にその上方端で前記環状区域内に開口
   し、前記スリーブはその壁厚を通して形成されて
   このスリーブの内表面に対して接線をなす複数の
   孔を具備し、前記水平板から前記円錐体上に落下
   した液体は前記管板上に集められてから水頭作用
   によつて前記スリーブの孔を通して前記管群の各
   管へ流れることを特徴とする液体分配器。 ２ 前記スリーブの孔の径が0.2〜12mm好適には
   ２〜４mmであることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の液体分配器。 ３ 前記スリーブの孔が同一平面又はふたつの水
   平面に位置することを特徴とする特許請求の範囲
   第１項又は第２項記載の液体分配器。 ４ 前記スリーブの孔が互いから等間隔を置いて
   離れていることを特徴とする特許請求の範囲第１
   〜３項のいずれか一項記載の液体分配器。