JPH02255771A - 天然物より脂溶性成分の抽出分離法とカロチノイドの安定抽出法 - Google Patents

天然物より脂溶性成分の抽出分離法とカロチノイドの安定抽出法

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JPH02255771A
JPH02255771A JP1077014A JP7701489A JPH02255771A JP H02255771 A JPH02255771 A JP H02255771A JP 1077014 A JP1077014 A JP 1077014A JP 7701489 A JP7701489 A JP 7701489A JP H02255771 A JPH02255771 A JP H02255771A
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JP
Japan
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extraction
solvent
astaxanthin
trichloromonofluoromethane
carotenoids
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Application number
JP1077014A
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English (en)
Inventor
Ikuo Shishido
宍戸 郁郎
Akira Sugano
菅野 昭
Yasuo Suzuki
康夫 鈴木
Masanori Konno
今野 正憲
Yukiko Satou
由希子 佐藤
Umiji Watanabe
海司 渡邉
Shoichiro Hatakeyama
畠山 正一郎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TAISEI SETSUBI KOGYO KK
Miyagi Prefectural Government.
Original Assignee
TAISEI SETSUBI KOGYO KK
Miyagi Prefectural Government.
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、天然物より脂溶性成分を安定した状態で分離
するための脂溶性成分の安定抽出法と、その具体的応用
例としてえび、かに、オキアミ、イサザアミなどの甲殻
類からアスタキサンチンを安定した状態で含むカロチノ
イドを安定した状態で抽出するための方法に関する。
「従来技術」 天然物より脂溶性成分を分離する方法の中で、現在、工
業的に実施されているのは、主に融出法、圧搾法および
溶剤抽出法の三法がある。中でも、原料を有機溶媒と接
触させ、その脂溶性成分を拡散溶解させ、得た溶液(通
常ミセラと称される)から溶媒を回収して脂溶性成分を
得る溶剤抽出法は、油脂採取法の中でも最も有効なもの
とされている。通常工業的には、含油量の低い原料には
直接、溶剤抽出法が用いられ、含油量の高い原料ではあ
らかじめ予備圧搾した原料について更に溶剤抽出が行な
われており、後者は一般的に圧油法と呼ばれている。抽
出用の溶剤としては、水、塩化メチレン、アルコール、
ケトンなども用いられるが、圧倒的にノルマルヘキサン
(以下n−ヘキサンという。)が多用されている。また
トリクロロエチレンが一時用いられた時代があったが、
毒性の懸念から使用されなくなった。
かわって低毒性、不燃性、安定性からトリクロロフルオ
ロエタン(化学式ccg□F−CCfiF、、−船名F
−113)が溶剤として検討されたが(S、Tempf
2e  :  J、Am、Oi  lChem、Soc
、、53.32  (1976))、これは5〜70”
Cでの大豆油抽出試験において抽出力をn−ヘキサンと
比較した結果、温度依存性が高いことが解り(S、Te
mple、et  a  IJ、Am、Oil  Ch
em、Soc、、55゜587 (19781)実用化
のメリットが乏しいとされている。
抽出法としては、数基の抽出缶を組み合わせ、半連続的
に向流抽出操作を行なう方法(バッテリー法と称されて
いる。)と連続法の二種類が大規模に行なわれており、
連続法では、気密の抽出塔の中で原料と有機溶剤を向流
、あるいは併流させ両者を接触せしめることにより連続
的に脂溶性成分を抽出するものである。
次に、天然物より脂溶性成分を安定した状態で分離する
ことが実際に行なわれている事例として、甲殻類から不
安定なカロチノイドであるアスタキサンチンを工業的に
得る方法がある。アスタキサンチンは、えび、かに、オ
キアミ、イサザアミなどの甲殻類に最も普通に見出され
るカロチノイドの一つである。当該アスタキサンチンは
、遊離の状態あるいはエステルとして存在するほか、蛋
白質と結合して種々の色調を呈する色素蛋白質として存
在する。アスタキサンチン自体は、アルカリ処理には不
安定で容易に酸化されてアスタシンになるが、通常の1
00℃で20〜30分間程度の加熱では変化せず、色素
蛋白質を形成している相手方の蛋白質部分が変性するた
め、結合状態が変化して、アスタキサンチン本来の色調
(赤色)が現われる。即ち、これらの色素蛋白質は、加
熱、光有機溶媒の作用によって、分解して赤色に変化し
やすいものである。
このような甲殻類からカロチノイドを抽出する方法とし
ては、従来より溶媒として、ヘキサン、酢酸エチル、ア
セトンなどを用いる方法などが考えられている。これら
のうち、n−ヘキサン、アセトンは食品用抽出溶媒とし
て許可され、−49には経済性からn−ヘキサンが多用
されている。
「発明が解決しようとする問題点」 取上のように、従来から広(用いられているn−ヘキサ
ンに代表される液体溶剤による溶媒抽出は、とくに食品
関係の抽出・分離に多用されているが、次に示す即題点
がある。
(A) −Mに溶解力が強すぎ、目的物以外の化学的構
造の類似した不要成分まで抽出してしまい、後処理とし
て、脱ガム、脱酸、脱色、脱臭等の精製工程が必要とな
る。
(B)溶媒の蒸留回収による所要エネルギーの増大や、
目的物の熱劣化、さらに製品中の有害残留溶剤量の極低
減化の問題がある。
(C)溶媒の粘度が比較的大きく、物質移動速度や原料
への溶媒の浸透速度が遅いので、前処理や抽出装置に工
夫を要する。
(D)抽出相の粘度が大きくなりやす(、抽残物とくに
固体粒子等の夾雑物が抽出物中に混入しやすい。
以上の問題点に対処するため、近年、超臨界流体を抽出
溶媒とする数多くの実験的な研究がなされ、特許出願も
されている。
く研究報告〉 ■[液および超臨界C02による天然物の抽出」:Ra
jaraman、に、、NarayananS、  e
t  al、:Indian  FoodInd、、旦
、48 (1984) ■「超臨界CO2による抽出で得たトウモロコシ油の特
性と処理」 :LLst、G、R,,Fr1edrich。
J、P、  et  al、:J、Am、OilChe
m、Soc、、61.1849 (1984)■「超臨
界COxによる植物油の抽出」:谷口正之、辻利史ら:
化学工学、48,862■「レモン油の超臨界Co2抽
出」 :Coppella、S、、Barton、P、:Pr
epr、Pap、−Am、Chem。
Soc、、DLv、Fuel   Chem、、30゜
く特許出願〉 ■「脂肪および油の脱臭法」 特開昭49−52806号 ■「植物材料から有効物質を単離する方法」特開昭57
−145195号 ■「種実からの油脂の抽出分離法」 特開昭60−127397号 ■「親油性食用色素の製造法」 特開昭60−176563号 ■「藻類からのカロチノイドを含む脂質の製造装置」 特開昭60−207567号 しかしながら、当該超臨界流体を抽出溶媒とする方法は
、高圧装置が必要になるばかりではなく、とくに二酸化
炭素を溶媒とする場合、高い選択性は得られるものの溶
解量(抽出量)は絶対的に不足し、実用化には困難を伴
なわざるをえない欠点があった。
以上は、溶媒抽出法の共通した技術課題であり、本願発
明は、先ず、第一にこのような技術課題を解決せんとす
ることを目的とする。
次に、具体的事例としての先に挙げた甲殻類から不安定
なカロチノイドであるアスタキサンチンを安定に抽出し
ようとする場合について従来より、次のような具体的な
技術課題が存在している。即ち、前述したように、n−
ヘキサン等の有機溶媒を使用する場合には、前述の(A
)〜(D)の問題があり、従来甲殻類からアスタキサン
チンを安定した状態で含むカロチノイドを得ることは、
蛋白質の変性を伴なうため、なかなか困難とされていた
。このように、アスタキサンチンは、それが蛋白質と結
合して、色素蛋白質として含有している場合には、錦鯉
や、紅鮭、金魚などの赤色発色剤として飼料等に配合し
て用いることができるが、これが熱、光或はアルカリ処
理により、酸化してアスタシンに変性してしまった場合
には、色素としての機能が失われ、これが吸収され魚な
どの生物の体内に沈着する効率が非常に悪いものとなる
つまり、甲殻類から折角カロチノイドを抽出しても、色
素蛋白質として有効な活性化状態に保持されたアスタキ
サンチン成分の含量が少なく、発色剤、着色剤としての
品質向上が望まれているのである。
したがって、具体的事例としては、上記のような色素蛋
白質として有効な活性化状態に保持されたアスタキサン
チン成分を効率的に且つ容易に抽出することが本願発明
の第2の目的である。
「問題を解決する手段」 本願発明者は、天然物より脂溶性成分を安定的に分離抽
出する方法について研究するうち溶媒としてトリクロロ
モノフルオロメタン(化学式ccg、、−船名F−11
)の特性に着目し、これを利用して溶媒抽出を行なうこ
とにより、上記技術課題を解決する手段の開発に成功し
たものである。
本願発明者が着目したトリクロロモノフルオロメタンは
、従来から冷蔵庫、クーラーなどの冷媒として、あるい
は殺虫剤や化粧品のエーロゾル用噴霧剤に広く用いられ
ているが、抽出分離溶剤として使用されたことはない。
発明者は、当該トリクロロモノフルオロメタンを、当該
天然物からの脂溶性成分の抽出分離溶剤として用いた場
合、次のような特徴を有することを見出した。
■高密度(1,48/cc  at  25℃)のため
穏やかな溶解力(抽出力)を有する一方、特異な選択的
溶解性がある。即ち、超臨界二酸化炭素が極性の高い化
合物を溶解しないのと同様、トリクロロモノフルオロメ
タンも選択的に無極性な脂溶性成分のみを抽出する性質
を有しており、従来溶媒による抽出法の前記欠点fA)
を本質的に改善しつる可能性がある。たとえば、極性の
高い溶剤であるプロピレングリコールはトリクロロトリ
フルオロメタンに約1.3g/100g溶解(at25
℃)するのに対して、トリクロロモノフルオロエタンに
は0.1g/loogL、か溶解(at25℃)しない
■従来の液体溶媒に比べ、粘度(0,42cp。
at  25℃)や、表面張力が小さい(19dyne
/cm  at  25℃)ので、固体原料中の細部ま
で速く浸透しやす(、抽出速度を速めることが可能であ
る。その結果、抽出の前・後の処理工程の簡略化が可能
となり、従来溶媒による抽出法の前記欠点fc) (D
lを改善し得る。
■沸点がトリクロロトリフルオロメタン(47,6°C
)よりもさらに低く(23’、8℃)、操作温度が常温
近辺であって、抽出の分解・変性温度以下であり、熱に
対して敏感な物質を取り扱える。
■蒸発に要する潜熱が小さく (34、5c a l 
/ g沸点温度)、蒸気圧も大きい(1,08kg/c
m”  at  25℃)ので、抽出操作後、溶媒が非
常に容易であり、蒸発させるのに要するエネルギーも少
なくて済む。従来溶媒による抽出法の削1記欠点[B)
が改善される。
■安全性が高く、次のような前記欠点(Bl の残留溶
媒の心配が不要である。
(イ)不燃性:全く燃焼性がな(、引火および爆発の危
険がないだけでなく、アセトンやエタノール等の可燃性
溶剤に添加すると、その混合割合に応じてそれらの引火
点を高めたり、なくしてしまう効果がある。
(ロ)低毒性:極めて毒性が小さく、人体への影響はほ
とんどない。米国の国定工業衛生協会(America
n  Conferenceof  Governme
ntal  Industrial  Hygieni
sts)による最大許容濃度もn−ヘキサンが1100
ppであるのに対して、トリクロロモノフルオロメタン
は最高クラスである11000pp (空気中0.1%
)としている。
(ハ)安定性:酸やアルカリ等では直接は反応せず、化
学的に極めて安定であり、再生・繰返し使用に適してい
る。
以上のようにトリクロロモノフルオロメタンは、抽出溶
媒として、究めて優れた特性を発揮する物質であること
が確認された。そこで、この物質を利用して、次のよう
な天然物より脂溶性成分の抽出分離法とカロチノイドの
安定抽出法を開発したものである。
特許を受けようとする第1発明は、天然物より脂溶性成
分を分離する際の抽出溶媒にトリクロロモノフルオロメ
タンを用いることを特徴とする天然物より脂溶性成分の
抽出分離法である。この発明は、本願の基本となる特定
発明で、トリクロロモノフルオロメタンを抽出溶媒とし
た点に特徴がある。従って、この抽出分離法はトリクロ
ロモノフルオロメタンの有する上記の特性がそのまま特
長となっている新規な抽出分離法である。
特許を受けようとする第2発明は、^び、かに、オキア
ミ、イサザアミなどの甲殻類からトリクロロモノフルオ
ロメタンを溶媒として目的成分溶解液を得た後、当該目
的成分溶解液を蒸留分離法により溶媒ガス成分相と、ア
スタキサンチンを含むカロチノイドとを溶質成分相とし
て分離し、当該溶質成分相からアスタキサンチンを安定
した状態で含むカロチノイドを抽出するようにしたこと
を特徴とするカロチノイドの安定抽出法である。この第
2発明は、前記第1発明の原理を利用した具体的なカロ
チノイドの安定抽出法についての発明である。
本発明者は、前記のように、甲殻類から不安定なカロチ
ノイドを抽出する研究を進めるうち、トリクロロモノフ
ルオロメタンがカロチノイドを溶解する性質があること
と、トリクロロモノフルオロメタンの沸点が非常に低い
こと、および安全性が高いことなどから、これを溶媒に
して、蒸留分離を行なえば、不安定なアスタキサンチン
を変性させることなく多量に含んだ状態で、カロチノイ
ドの抽出が可能なことに気がつき、本発明を完成したも
のである。
トリクロロモノフルオロメタンは、前記のように、その
沸点が23.8℃と非常に低く、この温度では蛋白質を
変性しないし、アスタキサンチンを熱分解しない。この
ため、蒸留分離法によりカロチノイドを溶質物質として
分離しても、当該カロチノイドの中には、アスタキサン
チンが色素蛋白質の状態のまま多量に存在していること
となった。しかもこのトリクロロモノフルオロメタンは
人体に無害であるので、抽出したカロチノイドをたとえ
食品用に使用しても安全である。また、トリクロロモノ
フルオロメタンの水への難溶性により、フロンガスの回
収精製も容易である。−このため、トリクロロモノフル
オロメタンは溶媒として繰り返し使用が可能となり経済
的である。
特許を受けようとする第3発明は、えび、かに、オキア
ミ、イサザアミなどの甲殻類を粉砕したものを、暗所に
てトリクロロモノフルオロメタンの液体化したものに浸
漬させ、アスタキサンチンを含むカロチノイドを溶解さ
せた溶媒液(目的成分溶解液)を得た後、当該目的成分
溶解液を沸点(23,8℃)以上に加熱して、溶媒ガス
成分相と、アスタキサンチンを含むカロチノイドの溶質
成分相とに蒸留分離し、当該溶質成分相をコロイド状或
は粉末状のアスタキサンチンを安定した状態で含むカロ
チノイドとして得るようにしたことを特徴とするカロチ
ノイドの安定抽出法である。つまりこの発明は、第2発
明を更に具体化した実施態様の発明である。
「実施例」 本発明を図示した一般的な単蒸留を用いた。実施例に基
づき詳細に説明すると、第1図は本願発明の抽出法に用
いて最適な単蒸留分離装置である。当該蒸留分離装置は
分!f装置部10と溶媒回収装置部20とが組合さった
構成になっている。当該分離装置部1oは、溶媒と溶質
成分を分離する分離塔11と、その下部に加熱装置12
を備えた目的成分溶解液から溶媒成分を気化させる気化
部13と、該分離塔11の上部に設けた目的成分溶解液
の供給部14とを設け、更に、その分離塔11の上部ま
たは中間部に設けた溶媒ガス相取出し部17とからなる
。前記溶媒ガス相取出し部17は気化した溶媒ガス相の
排出口15及びそれに連続して形成された排出管16と
からなり、その先端には溶媒回収装置部20と連結され
ている。図示実施例における加熱装置12を備えた目的
成分溶解液から溶媒成分を気化させる気化部13という
のは、気化部13を分離塔11の下部に容器状に連続的
に形成し、その周囲を溶媒の沸点より少し高い温度に温
度調整された温水で加熱することができるようにした温
水槽18を加熱装置12として備えた構成になっており
、その気化部13の下部には溶質成分回収部19が形成
されている。尚図中30は、前記温水槽18の中の水を
温めるためのヒータである。
また、溶媒回収装置20は前記溶媒ガス相取出し部7の
排出管6の先端に連結形成されたものであるが、これは
、冷却装置21を備えた液化部22と、その下部に液化
溶媒回収部23とを設けてなるものである。前記冷却装
置21を備えた液化部22というのは、図示実施例の場
合、冷水管24を循環式に連結構成し、その循環式冷水
管24の途中に送水ポンプ25と冷却部26と゛を設け
るとともに、その冷水管24の一部を筒状の液化部22
内に挿入して熱交換部を構成している。尚、図中28は
既存の冷却機である。
本発明は、例えば、上記のように構成された蒸留分離装
置を利用し、抽出溶媒にトリクロロモノフルオロメタン
を用いて、天然物より脂溶性成分を抽出分離する方法と
、それを具体化し、甲殻類からトリクロロモノフルオロ
メタンを溶媒にして目的成分溶解液を得、これから更に
アスタキサンチンを安定した状態で含むカロチノイドと
して抽出するようにしたカロチノイドの安定抽出法であ
る。
これを具体的に記載すると、えび、かに、オキアミ、イ
サザアミなどの甲殻類を粉砕したものを、暗室など光合
成の起こりにくい暗所で、トリクロロモノフルオロメタ
ンの液体化したものに約−昼夜浸漬させ、目的成分であ
るアスタキサンチンを含むカロチノイドを溶解させた溶
媒液(目的成分溶解液)を得る。次に、この目的成分溶
解液を、前記、蒸留分離装置にかける。つまり、目的成
分溶解液を供給部14に入れて、少しづつ分離塔11の
なかに滴下し気化部13内に溜るように供給する。当該
気化部13内はトリクロロモノフルオロメタンの沸点(
23,8℃)以上の25℃から30℃の雰囲気に加温さ
れ、温度管理されている。そのため、目的成分溶解液は
、過熱気化した溶媒ガス成分相と、アスタキサンチンを
含むカロチノイドからなる溶質成分相とに蒸留分離する
過熱気化した溶媒ガス成分相は溶媒ガス取出部17から
排出管16を通って冷却装置21を備えた液化部22に
導入され、ここで、沸点以下に冷却されて液化復元し、
液化部22の下部に設けられだ液化溶媒回収部23に回
収する。
一方、分1iffi塔11および気化部13内で25℃
から30℃の雰囲気に加温され溶媒成分が気化して分離
した後、残った溶質成分相はそのまま気化部13の底部
に溜り、下部の溶質成分回収部19より回収される。当
該回収された溶質成分相は、有機溶媒によっても熱によ
っても変性されておらず、コロイド状或は粉末状のアス
タキサンチンを安定した状態で含むカロチノイドとなっ
ている。
〈実施例1〉 これは、トリクロロモノフルオロメタンの溶媒としての
特異な選択的溶解性について調べる目的の実験である。
冷風乾燥後、粉砕したえびから約10gをそれぞれトリ
クロロモノフルオロメタン、アセトン、ジエチルエーテ
ル、エタノールおよびn−ヘキサンを抽出溶媒としたソ
ックスレー抽出に供した。
各30分、1時間、8時間抽出後に、それぞれの抽出率
、抽出物の性状を比較した。その結果は、表1に示した
。ただし、抽出率は(抽出物重量)/(冷風乾燥後の原
料重量)で表わし、抽出物の性状比較は目視によった。
なお、抽出物についてはロータリーエバポレータにて各
溶媒を分解・濃縮し、実施例2のサンプルに供した。表
1にみられるように、他の溶媒に比べてトリクロロモノ
フルオロエタンを抽出溶媒とした場合、抽出量が最も多
く、短時間のうちに抽出率が恒常値に漸近することが認
められる。しかるに、その色調は淡く、抽出の選択性が
示唆される。これらの結果は、トリクロロモノフルオロ
メタンが固体原料中の細部まで素早(浸透し、抽出速度
を速めていることを示すとともに、溶解力が大きく、か
つ特異な選択的溶解性があることを示している。
〈実施例2〉 トリクロロモノフルオロメタンの溶解の選択性を調べる
目的で実験を行なった。実施例1において得られた各濃
縮物のうち、トリクロロモノフルオロメタンおよびn−
ヘキサンで抽出した試料を選び、試料中のβ−カロチン
を定量し、元の原料である冷風乾燥後粉砕したエビ殻の
値と比較した。
すなわち、石英砂1g、および無水N a xS04と
アルミナの等量混合物6gを混合し、乳鉢中で摩砕して
作ったカラム(1,5cm)上に、秤量した原料的1g
を加え、アセトン−石油エーテル(0,1%キノン含有
)混液100m1を通し、以下常法によってβ−カロチ
ンを定量した。結果を表2に示す。実施例1より、脂質
の抽出に対しては、トリクロロモノフルオロメタンの方
がn−ヘキサンより多い抽出量を示していたが、表2よ
り、β−カロチンに対しては、n−ヘキサンの方が高い
溶解性を示していることが認められ、当該トリクロロモ
ノフルオロメタンとn−ヘキサンとの差が明確に表われ
ている。
表2:試料中のβ−カロチンの定量比較〈実施例3〉 脂質含量の多い植物試料の例として、ひまわりの種子、
ごまの種子、椿の実、大豆、あぶら菜の種子、クルジの
実およびとうもろこしの実を選び、冷風乾燥後、粉砕し
、試料的IOgをそれぞれトリクロロモノフルオロメタ
ン、アセトン、ジエチルエーテル、エタノール、および
n−ヘキサンを抽出溶媒としたソックスレー抽出(2時
間)に供した。実施例1と同様、それぞれの抽出率、抽
出物の性状を比較した。その結果は、表3に示2した。
ただし、抽出率は、(抽出物重量)/(冷風乾燥後の原
料重量)で表わし、抽出物の性状比較は目視によった。
なお、抽出物についてはロータリーエバポレータにて各
溶媒を分離・濃縮した。表3から判ることは、本実施例
では、トリクロロモノフルオロメタンで抽出した場合、
ひまわりや椿やクルジからは抽出量が最も多く、また、
大豆やあぶら菜種子からの抽出率は最も少なく、その差
が他の溶媒に比べて大きい結果になっている。すなわち
、当該溶媒は、粗原料に含まれる脂質の中でも、脂質の
性状(例えば極性等)により、溶解に対し特異な選択性
を有していることが示唆される。
〈実施例4〉 冷風乾燥後、ドライアイスの存在下、磨砕した高麗人参
とにんにく約Logをそれぞれトリクロロモノフルオロ
メタン、アセトン、ジエチルエーテル、エタノールおよ
びn−ヘキサンを抽出溶媒としたソックスレー抽出(2
時間)に供した。実施例1と同様、それぞれの抽出率、
抽出物の性状を比較した。抽出率は、(抽出物重量)/
(冷風乾燥後の原料重量)で表わし、抽出物の性状比較
は、目視および官能検査によった。なお、抽出物につい
てはロータリーエバポレークにて各溶媒を分離・濃縮し
た。表4にその結果を示すが、トリクロロモノフルオロ
メタンによる結果はジエチルエーテルを抽出溶媒とした
場合と同様であった。
表4 :溶媒における抽出率と抽出物の性状 「効 果」 本願第1の発明は、斜上のように、天然物より脂溶性成
分を分離する際の抽出溶媒にトリクロロモノフルオロメ
タンを用いることを特徴とする天然物より脂溶性成分の
抽出分離法である。本発明は、トリクロロモノフルオロ
メタンを抽出溶媒として用いた点に本質があり、その性
状がそのまま本発明の特性となっている。すなわち本発
明にかかる抽出分離法は、 第1に、溶媒が無極性な脂溶性成分のみを選択的に抽出
する性質を有しており、従来の他抽出溶媒剤による抽出
法のように脱ガム、脱酸、脱色、脱臭等の精製工程を、
後処理として行なう必要がない。
第2に、溶媒が固体原料中の細部まで速く浸透しやすく
、抽出速度が速いので、抽出前・後の処理工程の簡略化
が可能となり、抽出物中における夾雑物の混入が従来の
抽出法に比較して少なくなる。
第3に、溶媒の沸点が23.8℃と低く、操作温度が常
温近辺であることと、この操作温度が多くの有機物質の
分解・変性温度以下であるため、熱に対して敏感な多く
の物質を取り扱える点に特徴がある。
第4に、溶媒蒸発に要する潜熱が小さく、蒸気圧が大き
いので、抽出操作後、溶媒が非常に容易であり、蒸発さ
せるのに要するエネルギーも少な(て済む。
第5に、溶媒が不燃性、低毒性、化学的安定性を有する
ので、本抽出法は、その設備や工程においても、また製
品においても安全性が高く、残留溶媒の心配が不要であ
る。
次に、本願筒2の発明は、甲殻類からトリクロロモノフ
ルオロメタンを溶媒として目的成分溶解液を得た後、当
該目的成分溶解液を蒸留分離法によりトリクロロモノフ
ルオロメタン成分相とアスタキサンチンを含むカロチノ
イドを溶質成分相として分離し、アスタキサンチンを安
定した状態で含むカロチノイドを抽出するようにしたこ
とを特徴とするカロチノイドの安定抽出法である。
当該第2発明の場合も、沸点が低(、安全性があり、水
などとの分離も容易な性状を持ったトリクロロモノフル
オロメタンを溶媒として使用したことにより、有機溶媒
や熱によって変性されやすいとされていたアスタキサン
チンを、変性させることなくカロチノイドに含有させて
抽出できる。
すなわち、本発明によって、抽出されたカロチノイドは
、従来の方法で抽出したカロチノイドに比較して、色素
として有効な性状を保持したアスタキサンチンを多量に
含有する高品質なものとなる。
従来は、溶媒として、食品用に許可されているノルマル
ヘキサンを使用するのが一般的であるが、ノルマルヘキ
サンの沸点が76℃なので、大気圧下では、アスタキサ
ンチンを変性させることなく抽出させることは出来なか
った。もし当該ノルマルヘキサンを溶媒として用いてカ
ロチノイドを抽出せんとする場合には、人工的に圧力を
下げて沸点を低くし、この減圧下で抽出作業をしなけれ
ばならないため、設備費や経費が非常に多くかかり、し
かも作業に危険が伴うので、工業生産手段としては不向
きであった。これに比較して本発明の場合は、常温且つ
大気圧の雰囲気中で、充分能率的に高品質な抽出ができ
るので、非常に経済性の良好な抽出法であるということ
ができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明に係る溶媒抽出法に用いて最適な蒸留分離
装置の一例を示す説明図である。 21・・・冷却装置 22・・・液化部 23・・・液化溶媒回収部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)天然物より脂溶性成分を分離する際の抽出溶媒に
    トリクロロモノフルオロメタンを用いることを特徴とす
    る天然物より脂溶性成分の抽出分離法。
  2. (2)えび、かに、オキアミ、イサザアミなどの甲殻類
    からトリクロロモノフルオロメタンを溶媒として目的成
    分溶解液を得た後、当該目的成分溶解液を蒸留分離法に
    より溶媒ガス成分相と、アスタキサンチンを含むカロチ
    ノイドとを溶質成分相として分離し、当該溶質成分相か
    らアスタキサンチンを安定した状態で含むカロチノイド
    を抽出するようにしたことを特徴とするカロチノイドの
    安定抽出法。
  3. (3)えび、かに、オキアミ、イサザアミなどの甲殻類
    を粉砕したものを、暗所にてトリクロロモノフルオロメ
    タンの液体化したものに浸漬させ、アスタキサンチンを
    含むカロチノイドを溶解させた溶媒液(目的成分溶解液
    )を得た後、当該目的成分溶解液を沸点(23.8℃)
    以上に加熱して、溶媒ガス成分相と、アスタキサンチン
    を含むカロチノイドを溶質成分相とに蒸留分離し、当該
    溶質成分相をコロイド状或は粉末状のアスタキサンチン
    を安定した状態で含むカロチノイドとして得るようにし
    たことを特徴とするカロチノイドの安定抽出法。
JP1077014A 1989-03-29 1989-03-29 天然物より脂溶性成分の抽出分離法とカロチノイドの安定抽出法 Pending JPH02255771A (ja)

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