JPH0225510B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、原本即ちオリジナルを保持するキヤ
リツジに運動を与える装置、特にキヤリツジを正
確な速度で動かす装置を備えた複写機に関する。
説明を簡単にするため、本明細で用いるキヤリツ
ジという用語は、オリジナルを保持し、直線運動
と否とに拘らずそのオリジナルを動かす部材を指
すものとする。

透明な平面を有するキヤリツジ上にオリジナル
を置くという技術は、例えば米国特許第3900256
号明細書に開示されている如く、既知であり、こ
のような既知のものにおいては、キヤリツジは、
このキヤリツジの運動方向に対し横方向に配置し
た走査用スリツトの上方を動き、このスリツトを
通してオリジナルの部分を連続的に照射する。オ
リジナルの画像は、スリツトに隣接してそのスリ
ツトの下方に固定配置した光学システムにより感
光性素子上に転写されるようになつており、この
感光性素子はキヤリツジの速度と実質上同じ速度
又はキヤリツジの速度に対して一定の比率を有す
る速度を保つようになつている。

感光性素子は静電的に帯電可能な光伝導性の層
を外表面に有する円筒体で構成し、この表面上で
電気的な潜伏性画像を形成させ、現像し、非感光
性コピー用紙上に転写させてもよいし、またはコ
ピー用紙自体の一面を静電帯電可能な光伝導性材
料で被覆し、これをオリジナルの画像にさらして
このコピー用紙の一面に潜伏性画像を形成させ、
現像剤又は現像液によりこの画像を現像し、コピ
ー用紙上で定着させてもよい。これはエレクトロ
フアツクス複写技術において既知である。

使用する方法及び使用する感光性素子がどんな
ものであつても、可動キヤリツジを利用する複写
機は次のような欠点を有する。即ち、少なくとも
照射されて明るくなつた画像へ感光性素子をさら
している間、感光性素子の運動は定速で生じるが
キヤリツジの運動速度は同じ程度に一定とはなら
ないという欠点である。その理由は、伝達機構及
び駆動シヤフトの回転運動をキヤリツジの並進運
動に変換する機構を構成する部品内に遊びがある
からであり、またキヤリツジを滑動案内させるガ
イドに遊び、摩耗、不規則さが存在するためであ
る。

幾何学的な歪みを生じさせずにオリジナルの画
像を感光性素子上に転写するためには、キヤリツ
ジと感光性素子との間の速度比を精確に一定に保
つことが必須である。

キヤリツジ速度に定速性を与えるための電子的
な制御システムは極めて高価であるという欠点を
有し、従つてこのようなシステムを使用した複写
機も著しく高価になつてしまう。可動キヤリツジ
を使用するのは複写機を安価にするためである。
従つて、上述の如き制御システムの使用は好まし
くない。

それ故、本発明の目的は、露出区域において感
光性素子を第１の一定速度で前進させるための駆
動素子と、オリジナルの画像を感光性素子上に転
写すべく走査径路に沿つて第２の一定速度でオリ
ジナルを運動させるためのキヤリツジとから成る
複写機を提供することであり、この複写機の特徴
とするところは、前記第２の一定速度を越える速
度でキヤリツジを駆動させる傾向をもつキヤリツ
ジ駆動手段と、キヤリツジ速度を前記第２の一定
速度に制限するようにキヤリツジとキヤリツジ駆
動手段とを連結する連結手段と、キヤリツジ駆動
手段内にスリツプを生じさせる装置として設けて
成ることである。

図を参照すると、オリジナルを保持しているキ
ヤリツジ５は、複写機のフレーム８に固定したガ
イド７上のボールベアリング９上で滑動できるよ
うになつている。透明な照射表面６に照射窓１１
を設け、この窓を通してオリジナルの帯状部分
（ストリツプ）が照射され、また図に略示する光
学システム１４を用いてストリツプの画像の焦点
を露出窓１５に合わせる。なお、コピー用紙２１
上にオリジナルと同じ方向の像を得るため、周知
のように、光学システム１４はレンズと、奇数個
の鏡（図示せず）とを有しており、これによつて
オリジナルと同じ方向に像を方向づける。シヤフ
ト１８，１９に設けた一対の駆動ローラ１６，１
７は露出窓１５に隣接してこの窓の下方に位置
し、これらのローラは光伝導性材料で被覆した上
表面を有するコピー用紙２１を前進させるように
なつている。オリジナルのストリツプの画像は露
出窓１５を通してコピー用紙２１上に投射され、
そして例えば米国特許第3900256号明細書に開示
されるような既知のエレクトロフアツクス複写法
により、現像及び定着を行なつたのち、オリジナ
ルの最終コピーが複写される。

ローラ１６は、シヤフト２２に固定した歯付ホ
イール２３、シヤフト１８に設けた歯付ホイール
２４及びこれらのホイールに懸架した歯付ベルト
２８を介して、シヤフト２２により駆動される。

キヤリツジ５にはラツク３１，３２が固定して
あり、キヤリツジ５はラツク３１を介して並進運
動を与えられる。即ち、ラツク３１はシヤフト３
５に固定した歯付ホイール３９とかみ合い、この
シヤフト３５には既知の型式の摩擦クラツチ３８
が設けてあり、またシヤフト３５には歯付ホイー
ル３４が自由に回転できるように設けてあり、こ
の歯付ホイール３４は歯付ベルト３６を介して駆
動シヤフト２５の歯付ホイール３３に接続されて
いる。摩擦クラツチ３８は、歯付ホイール３４に
固定したデイスク３８ａと、シヤフト３５に固定
したデイスク３８ｂと、これら２つのデイスク間
に位置した中間のクラツチ板３８ｃとから成り、
歯付ホイール３４の運動を摩擦によりシヤフト３
５に伝達するようになつている。

光学システム１４及び露出窓１５により照射窓
１１を介してオリジナルの画像にコピー用紙を露
出させている間、キヤリツジ５は矢印５０の方向
へ動きコピー用紙２１は矢印５１の方向へ動き、
シヤフト２２，２５は同じ角速度で共に右回りに
回転する。歯付ホイールの直径及び歯数は、キヤ
リツジ５に与えられる直線運動速度が駆動ローラ
１６の周速度よりも僅かに大きくなるように選ん
である。例えば、ホイール２３，２４，３３は同
じ直径を有ししかも同じ数の歯数（Ｚ＝）14を有
し、一方ホイール３４は13個の歯数を有し、ホイ
ール３９はローラ１６と同じ有効直径を有し、そ
の結果は、クラツチ３８のデイスク３８ａ，３８
ｂ間にスリツプが生じていないとすれば、ローラ
の周速度VOに対してキヤリツジ５の並進速度VI
は14／13VOとなる。

しかし、シヤフト１８には、このシヤフト上で
自由に回転しかつ歯付ホイール３９と同径で同歯
数の歯付ホイール４３が設けられており、このホ
イール４３はシヤフト４１上で自由に回転する遊
動歯付ホイール４０を介してラツク３２に連結さ
されている。その結果、この露出工程の期間中、
ラツク３２はキヤリツジ５の速度に等しい周速度
をもつ左回りの回転をホイール４３に与える。

ホイール４３には装置２９が固定してあり、こ
の装置２９はホイール４３とシヤフト１８との間
で一方向性の運動伝達を与える。このような装置
は例えば一方向クラツチとかはずみ車（フライホ
イール）の如き既知のものでよい。装置２９はホ
イール４３が右回りに回転するときにはホイール
４３をシヤフト１８に結合し、そのためホイール
４３はローラ１６の周速度VOより大きな周速度
で回転するのを阻止される。一方、装置２９は、
ホイール４３が左回りに回転するときはホイール
４３をシヤフト１８上で遊動させる。

その結果、露出工程期間中、一方向クラツチ装
置２９の効果のため、ホイール４３はキヤリツジ
５の運動にブレーキをかけ、キヤリツジの速度を
VOに減速させる。その結果、速度VI＝14／
13VOで駆動されるデイスク３８ａと、上述のブ
レーキ作用のためVOの速度で駆動されるデイス
ク３８ｂとの間で連続的なスリツプが生じる。こ
のような効果のため、キヤリツジへの駆動伝達に
おける速度変化が補償される。即ち、摩擦クラツ
チ３８のデイスク３８ａ，３８ｂ間に大なり小な
りのスリツプが生じて、キヤリツジの並進速度は
VO値に等しい実質上一定の値に維持される。

露出工程の終期に、コピー用紙が露出区域を去
つてローラ１６，１７から離れたときに、駆動シ
ヤフト２５の回転方向を逆転させると共にその回
転速度を（例えば３倍に）増大させ、キヤリツジ
５を矢印５０とは反対の方向へ休止位置まで迅速
に戻す。この間、ホイール４３はシヤフト１８上
で自由に回転し、そのため摩擦クラツチ３８のデ
イスク３８ａ，３８ｂ間のスリツプは実質上生じ
ない。

上述した装置の１つの変形例において、シヤフ
ト１８は、感光性材料を被覆したコピー用紙のた
めの駆動ローラ１６の代りに、（被覆していない
コピー用紙を用いる電子写真複写機において使用
するような）感光性ドラムを備えてもよく、この
場合オリジナルの画像はこのドラム上で現像され
て用紙上へ転写される。

更に別の変形例としては、伝達装置を構成する
種々の機素の寸法は次のようにして決めてもよ
い。すなわち、露出工程の間、キヤリツジの速度
を前述のように感光性素子の速度に等しくさせる
代りに、キヤリツジの速度を感光性素子の速度に
関して一定の比率に維持させ、それによつてオリ
ジナルに関して縮少コピー又は拡大コピーが得ら
れるように、前記種々の機素の寸法を決めてもよ
い。

上述した装置は電子写真における使用のみに限
定されるものではなく、オリジナルの速度と感光
性素子の速度とを一定の関係に保つ必要のある複
写技術分野においても使用できる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例に係る複写機の一部の斜
視図である。 ５：キヤリツジ、１６：駆動ローラ、１８：シ
ヤフト、２２，２５：シヤフト、２１：コピー用
紙、３１，３２：ラツク、３３，３４：歯付ホイ
ール、３５：シヤフト、３６：歯付ベルト、２
９：一方向クラツチ、３８：摩擦クラツチ、３
９，４０，４３：歯付ホイール。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 露出区域において感光性素子を第１の一定速
   度で動かすための駆動素子と、走査経路に沿つて
   オリジナルを第２の一定速度で動かすキヤリツジ
   とから成り、オリジナルの画像を感光性素子上に
   転写するようになつた複写機において、 前記キヤリツジを前記第２の一定速度より大き
   な速度で駆動させる傾向をもつキヤリツジ駆動手
   段（25、33、36、34、38、35、39、31）と、該キ
   ヤリツジの速度を該第２の一定速度に制限するよ
   うに該キヤリツジと前記駆動素子１８とを連結す
   る手段（32、40、43、29）と、前記キヤリツジ駆
   動手段内にスリツプを生じさせる手段（38）とを
   設けてなることを特徴とする複写機。 ２ 前記スリツプを生じさせる手段が摩擦クラツ
   チであることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   に記載の複写機。 ３ 前記第１の一定速度と第２の一定速度とが同
   速度であることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項又は第２項に記載の複写機。 ４ 前記駆動素子１８が感光性コピー用紙を前進
   させるための一定の周速度で動く駆動ローラ１６
   を備えていることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項ないし第３項のいずれかに記載の複写機。 ５ 前記連結手段が、前記キヤリツジに固定した
   ラツク３２と、前記駆動素子１８と同軸的に回転
   することができかつ該ラツクの速度に等しい角速
   度で、該ラツクの運動により、駆動される回転素
   子４３と、該回転素子と該駆動素子との間に設け
   た一方向クラツチ２９とから成ることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項ないし第４項のうちのい
   ずれかに記載の複写機。