JPH022507A - 空間光変調素子 - Google Patents

空間光変調素子

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JPH022507A
JPH022507A JP14823288A JP14823288A JPH022507A JP H022507 A JPH022507 A JP H022507A JP 14823288 A JP14823288 A JP 14823288A JP 14823288 A JP14823288 A JP 14823288A JP H022507 A JPH022507 A JP H022507A
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mqw
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(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、画像の光学的二次元並列処理に必要な空間光
変調素子に係り、特に電場に応じ゛〔光吸収係数が変化
する効果(QC5E−Quantuv+ Confin
edStark Effect)を持つ多重量子井戸(
MQW−Mulitiple Quantum Wel
l)構造の材料によって光変調部を構成し、この光変調
部と光伝導層を積層して組み合わせた構造を有し、必ず
しも偏光を用いることなしに低電圧で高速動作ができる
空間光変調素子に関する。
[発明の概要] 本発明は、画像情報を光学的に二次元並列処理する際に
必要な空間光変調素子に関するもので、多重量子井戸(
MQW−Mulitiple Quantum Wel
l)構造の材料から構成される光変調層と受光部として
の光伝導膜とを積層し、量子井戸中に閉じ込められた電
子、正孔および励起子の振舞いによって生じる電場によ
る光吸収係数の変化(Electro−Absorpt
ion、またはQC5E−Quantum Confi
nedStark Effect) と入力光強度に応
じて変化する光伝導層の抵抗率とを結合して、デイスプ
レィ、画像間の演算、画像の閾値動作などを低電圧で高
速で行うことができるようにしたものである。
[従来の技術] 従来、空間光変調素子として主に用いられてきたものに
は、 (イ)光伝導効果と電気光学効果とを併わせ持つ結晶(
例えば、B112SiO2o (BSO) 、B112
Ge02o(BGO) 。
KIhPO4(DKDP))を利用したもの(ロ)光伝
導膜と液晶とを組み合わせたもの(ハ)光電子放出膜、
マイクロチャンネルプレート(MCP−Micro−C
hannel Plate)および電気光学結晶を組み
合わせたもの などがある。これらを含めて、従来の空間光変調素子に
ついては次の文献に詳しく述べられている。
窪田恵−5西田信夫二 「光空間変調素子」 ;光学、 Vol、14.No1.pp、19−28(1985)
一方、最近、極めて薄い薄膜結晶(数nm)の製作技術
の進展により、例えば、GaAsと AuAsやAu 
xGa、−xAsとの周期的積層構造の結晶が比較的容
易に得られるようになり、それらが示す新しい物性を利
用したデバイスが開発されつつある。量子井戸構造もこ
のような超薄膜構造の一種であり、例えば、 Au X
Ga、−、As/GaAs/ An xGa、−KAs
なる積層構造でGaAs層の厚さが10nm程度以下の
場合、電子や正孔はGaAsとAn xGa+−xA!
;のポテンシャル差のためにGaAs層に井戸形ポテン
シャルの形で閉じ込められ、バルク結晶中の振舞いとは
異なった特性を示す。
その一つとして、電子と正孔が互いにクーロン力で束縛
された状態にある励起子の振舞いがあり、GaAsバル
ク結晶では、室温では消滅したり、低温でも少しの電場
で消滅する励起子が、量子井戸中では室温で10’V/
cmの電場の下でも安定に存在しつる。そして、この励
起子の光吸収スペクトルが電場によってシフトする現象
が発見され(Qll:SE)、ある波長の入射光に対し
て、電場によって光吸収係数を変化させて、出力光の強
度を変化させる、いわゆる光変調作用が可能なことがわ
かった。
第2図は、MQW構造を用いた従来の光強度変調器の基
本構成を示すもので、GaAsとAJZ xGa、−、
As(以下ではXを明示する必要がある場合を除き、A
ItGaAsと表す)から成るMQWをi (intr
insic)層101 とし、p”−An GaAs層
102およびn ”−AflGaAs層103で挟んだ
p−4−n構造をn ”−GaAs基板104上に設け
ている。105はp+−AfL GaAs層102の上
面に設けたオーミックコンタクト用Au層、106は基
板104の下面に設けたオートミックコンタクト用Au
/Sn層、107はAu層105にあけた入射光受光用
窓に配置したSi3N4窓層、108は基板108にあ
けた透過光取り出し用窓である。
ここで、p−1−n構造に加えられた逆バイアス電圧を
変化させることにより、MQW層101の光吸収係数を
変化させ、一定の強度の入射光に対して透過光の強度を
変調している。
p−1−n構造を用いているのは、単なるi−MQW層
101のみでは、抵抗率が低く、電流損失による温度上
昇が生じるので、これを避けること、高抵抗にし電場が
有効に加えられるようにすること、p−1−n構造にお
けるビルトイン電場の利用により印加電圧の低減化が可
能なこと、逆バイアス電圧によりキャパシタンスが小さ
くなること、などの利点があるためである。
また、入射光および透過光の波長に対してp−1−n構
造の部分は比較的透明であるが、GaAs基板104は
この光を吸収するので、基板104のうち光路に当たる
部分をエツチングで除去して窓としている。
第3図の従来例は、基本的には第2図と同じ構成である
が、MQW層101に隣接する両側にイントリンシック
(i)のGaAs/Au GaAs超格子(SL−5u
perLattice)層111および112を配置し
、これら超格子111および112の両側にp型および
n型のGaAs/Au GaAs超格子によるコンタク
ト層113および114を、それぞれ、配置して、特性
の改善を図っている。
すなわち、1−GaAs/Au GaAs−5L層11
1および112は、界面近傍のMQWの結晶性を向上さ
せるためと、p−1−n構造における2層およびn層か
らの不純物がi−MQW層101へ進入するのを阻止す
るため、ならびにp−1−n構造におけるp−iおよび
i−n界面近傍の高電場の不均一性を層相してi−MQ
W層101に加わる電場の均一性を得るために導入され
ている。
また、p型およびn型SLコンタクト層113および1
14は、結晶薄膜製作時にA+原料の蒸発量を一定にし
てGaAs層およびAj2 GaAs層の厚さ(時間に
比例)を制御することにより実効的にXを制御したのと
同等なへλXGa1−X八S混晶を得るために用いられ
ている。
これまでに述べたMQW構造におけるQ(:SE作用は
、ps程度と非常に速く、かつ数V程度の低電圧で動作
し、さらに半導体レーザーと同一の材料が使用可能であ
るため、発光素子および受光素子とのモノリシック集積
化の可能性も大きく、現在、光通信分野における光変調
器/スイッチなどへの応用を目脂してQC5Eを利用し
た光デバイスの開発がきわめて盛んに行なわれている。
QC5Eを光情報処理用デバイスに応用する試みも、ま
だ初歩的段階ではあるが、追求されている。たとえば、
第4図は、MQWにおけるQC5Eを利用した反射型の
光変調器である。GaAs基板120上にAn xGa
、−xAsの平均のXが0.188なる超格子層と 八
λAsを十数層積層してなるn型の反射鏡層121を配
置する。その上にGaAsと AflGaAsから成る
i−MQWQll2、さらに層122の上にp型のAu
GaAs層123を配置したp−1−n構造を設ける。
124はp型層123上に配置したAu電極である。入
射光をハーフミラ−125およびレンズ126を介して
p−1−n構造に入射させ、MQWQll2で変調され
た光は反射鏡層121で反射され、再びMQWQll2
を通過して変調されてから、レンズ126を介してハー
フミラ−125により受光素子127に導かれる。この
反射型の構成によれば、GaAs基板120での光吸収
を避けることができ、さらにp−1−n層を往復するこ
とにより変調感度を向上させることができる。
第5図(A)は、5EED (Selj’−Elect
roopticEffect Device)と称され
るデバイスであって、光双安定動作を通じて光情報処理
用デバイスとして非常に期待されている素子である。こ
の素子はi−MQW層131をi−バッファ層132お
よび133ではさみ、さらにその両側に9層134とn
層135とを配置したp−1−nホトダイオード構造に
?iI源Voより抵抗Rを介して逆バイアス加えた構成
である。
逆バイアス電圧の減少と共に光吸収が増加する動作状態
にしておくと、入射光の増加−光吸収の増加−光電流の
増加−抵抗Rによる電圧降下の増加→素子への印加電圧
の減少−光吸収の増加なる正帰逼勅作により、第5図(
B)に示されるように光双安定動作が得られる。
すなわち、はじめは入射光の増加と共に出力光も増加す
るが、ある入射光強度で出力光が低レベルにスイッチさ
れ、この低レベル状態で入射光強度を減少させると下向
きのスイッチングが生じた値より小さい入射光強度で今
度は上向きに高レベル状態へのスイッチングが起こる。
この光双安定特性を利用して、光メモリ−、光論理演算
、光閾値動作などの情報処理を行うことができることが
原理的に実証されている。
さらに、この素子を二次元並列的な画像処理に適用する
ための初歩的な試みとして、第6図に示す構成を2X2
のアレイに構成した素子も報告されている。第6図にお
いて、141はGaAs基板、142は基板141にあ
けた窓、143は基板141上に設けた、 lの平均的
成分比の大きいGaAsとAu GaAsのn型超格子
層、144は層143上のGaAsとAfl、GaAs
のn型超格子層、145は層144上に配置したl−バ
ッファ層、146はi−MQW層、147は層146上
に配置したi−バッファ層、148は層147上に配置
したGaAsと八n GaAsのp型超格子層である。
以上の層143〜148によりi−MQW層146を含
むp−1−nホトダイオードを構成する。このホトダイ
オードの上に、GaAsと AJZ GaAsの超格子
による91層149およびn1層150を配置し、その
上にGaAsとAl1GaAsとによる超格子の形態の
0層151. i層152.2層153をこの順序で配
置して第2のp−1−nホトダイオードを構成する。層
145〜153の周囲を覆うようにしてポリイミド層1
54を設け、この層154の表面をAu膜155で覆う
。さらに、2層153の上面の一部分にはp−GaAs
層15[iおよびp”−GaAs層157を設け、その
表面をもAu膜155で覆う。さらに、2層153の上
面の一部分にはAu膜155で覆われていない窓158
を設け、この窓158より入射赤外光および赤色制御光
を上部のp−1−nホトダイオードに入射させる。この
素子ではi−MQW層146を1ffiとして含むp−
1−nホトダイオードの上に通常のp−4−nホトダイ
オードを積層した構成となっており、上部のp−4−n
ホトダイオードは第5図における抵抗Rの代りとして用
いられている。入射赤外光と透過赤外光の間の双安定動
作は赤外光によって得られるが、この時の動作点の設定
は、上部のp−1−nホトダイオードに別に入射させる
赤色の制御光の強度を変えることによってp−1−nホ
トダイオードの抵抗を制御することにより行われる。
なお、この素子では、MQW層146をのぞき全ての層
はGaAsと AflGaAsの超格子から作られてお
り、iの平均的成分比を大きくして入射赤外光に対し吸
収を少なくしている。また、透過光を利用しているので
、GaAs基板141の一部分をエツチングにより除去
して窓142を形成している。
第7図はCCDとMQW光変調器を積層して構成した従
来の空間光変調素子の一例を示す。
第7図において、161はp’−An GaAs基板、
162は基板161上に配置したGaAs/AflGa
ASによるMQW層、163はMQW層162上のi−
An GaAs層、164は層163上のGaAsC(
:DのQWチャンネル層、165はチャンネル層164
上に配置したn−An GaAs層、166は層165
上に配置した不透明なCCDゲート、167は層165
において光の入射する部分に配置した透明なCCOゲー
トである。
この空間光変調素子に対して、透明CCDゲート167
より画像パターンとして波長λの光を入射し、この光で
生じた電荷をCCDチャンネル層164に貯え、この電
荷によってもたらされたMQW層162に加わる電場の
変化により励起子吸収に相当する波長λIIXの光を変
調する。なお、ここで、CCDチャンネル層164の部
分に、電荷を貯えるために、この層164としてシング
ルのQWが用いられている。
[発明が解決しようとする課題] 実用化されている上述の3つの空間光変調素子、ならび
にMQW構造におけるQC5Eの空間光変調素子への応
用について分析し、その問題点とかかる問題点の解決を
目指す本発明の目的についで述へる。
(イ)光伝導効果と電気光学効果を合わせ持つ結晶を用
いた素子(PROM−Pockels Read−Ou
t OpticalModulator)は、結晶を透
明絶縁膜で包み、両端面に透明電極をつけた構成から成
っており、電極間に1kV以上の電圧を加えて動作させ
る。入射された画像情報としての光強度分布は、光伝導
効果により結晶内に電子と正孔を発生させ、それぞれ、
正電極および負電極側に移動し空間電荷分布を生じさせ
るが、この空間電荷分布は結晶に加えられている電場を
打ち消すように働くため、結晶内に空間的に電場分布を
与える。この電場分布は、電気光学効果を通じて屈折率
分布をもたらすので、この屈折率変化を読出し光の偏光
状態の変化として検出し画像として読出す。この素子で
は、電場に対する屈折率変化が小さいため、高電圧を必
要とする問題点があり、これに対応して透明絶縁膜にも
耐電圧の大きい材料(通常はパリレン)を用いる必要が
ある。
(ロ)光伝導膜と液晶を組み合わせた素子(LCLV−
Liquid Crystal Light Valv
e)の基本構成は、液晶セルと光伝導膜を積層し、これ
を透明電極で挟んだ形となっている。入射光の強度分布
に応じ、光伝導膜にインピーダンスの分布が生じ、この
ため液晶に加わる電圧の空間的分布が生じる。空間的電
圧分布は液晶における複屈折の空間分布を与えるが、こ
の複屈折の変化を読出し光の偏光状態の変化として検出
し二次元並列的に画像として読み出す。この素子は数十
V程度の低電圧で動作するが、液晶の応答速度が遅く、
せいぜい30m5と低速であることが問題点である。
(ハ)光電子放出膜、MCP (マイクロ チャンネル
プレート)および電気光学結晶を組み合わせた素子(M
SLM−Micro−channel−plate 5
patial LightModulator)では、
入射された光強度分布に対応して光電子放出膜から放出
される電子数の空間分布が得られ、この電子分布はMC
Pで増倍された後、電気光学結晶上に誘電体を介して電
荷パターンを形成する。この電荷パターンは電気光学結
晶に電場分布を与え、その結果、屈折率分布が生じ、読
出し光の偏光状態の分布として検出され、画像として出
力される。この素子では、真空中に放出される電子を利
用するため真空を必要とすること、また、FROMと同
様に電気光学効果が小さいために高電圧を必要とする点
に加えて、MCPの動作のために高電圧を要することが
問題点としてあげられる。
以上、3つの主な空間光変調素子の分析とその問題点に
ついて述べたが、このほかに共通していることとして、
いずれの素子も偏光を用いている点がある。すなわち読
み出し光として直線偏光を用い、光変調部で偏光状態の
変化を受けた光を検光子で強度変化された光に変える。
偏光の利用は光エネルギーの損失が原理的にないなどの
特長があるが、空間光変調素子など大面積の光ビームが
必要な場合には、大面積の偏光子や検光子を用いなけれ
ばならず、高性能な素子を用いるときには高価となる。
また、偏光子や検光子を用いない場合に比べて、装置が
大型かつ複雑になり、光の損失も増加する。
次に、MQW構造におけるQC5Eを用いた画像処理用
素子の問題点について述べる。第4図〜第7図に示した
素子を二次元的にアレイ状に配列し、1画素に1素子を
割り当てるように構成すれば、極めて高性能な空間光変
調器が得られるので、米国を中心としてその実現に向け
て精力的に研究が進められている。しかし、現在、第6
図の素子については、FffFiio、to以下の素子
についてアレイ化ができるかできないかという段階であ
り、第7図の素子についてはCCDおよびMQWの個別
の動作が確認された段階にしか過ぎず、大規模アレイ化
には極めて先端的な超薄膜結晶製作技術と微細加工技術
の成熟を必要とするため、ここしばらくはその実現が困
難視されている。そしてまた、たとえ実現されても、当
初はきわめて高価であると予想される。そこで、本発明
の目的は、上述した各問題点の解決を図り、かつ簡単な
構成となして、比較的容易に実現可能となし、加えて、
従来の空間光変調素子に比べて低電圧かつ高速動作が期
待できる空間光変調素子を提供することにある。
本発明の他の目的は、上述した各問題点の解決を図り、
かつ簡単な構成となして、比較的容易に実現可能となし
、加えて従来の空間光変調素子に比べて低電圧かつ高速
動作が期待できる双安定空間光変調素子を提供すること
にある。
[課題を解決するための手段] このような目的を達成するために、本発明空間光変調素
子は、2次元的入力光強度に応じて抵抗率が変化する光
伝導層と、電場に応じて光吸収係数が変化する効果を有
する多重量子井戸構造の材料で構成した光変調層と、光
伝導層と光変調層との間に配置された透明絶縁層と、光
伝導層と光変調層との間に直流電圧を印加する手段と、
光伝導層に入力光と読出し光を導く手段とを具え、光変
調層より出力を取り出すようにしたことを特徴とする。
本発明の他の形態は、2次元的入力光強度に応じて抵抗
率が変化する光伝導層と、電場に応じて光吸収係数が変
化する効果を有する多重量子井戸構造の材料で構成した
光変調層と、光伝導層と光変調層との間に配置された反
射層と、光伝導層と光変調層との間に直流電圧を印加す
る手段と、光変調層に読出し光を導く手段とを具え、光
伝導層に入力光を導き、光変調層より出力を取り出すよ
うにしたことを特徴とする。
本発明双安定空間光変調素子は、2次元的入力光強度に
応じて抵抗率が変化する光伝導層と、電場に応じて光吸
収係数が変化する効果を有する多重量子井戸構造の材料
で構成した光変調層と、光伝導層と光変調層との間に配
置された透明絶縁層と、光伝導層と光変調層との間に直
流電圧を印加する手段と、光伝導層に制御光を導く手段
とを具え、光変調層に入力光を導き、光伝導層より双安
定出力光を取り出すようにしたことを特徴とする。
[作 用] 本発明では、MQW Nと光伝導層の積層構造の両端面
に透明電極をつけた構成から成り、両層間に透明絶縁層
あるいは反射層を介在させた構成であるから、素子の構
成が簡単であり、したがって、比較的容易に実現するこ
とができる。しかもまた、本発明による空間光変調素子
は駆動電圧も数十V以下で動作し応答速度も1ms以下
と予想され、従来の空間光変調素子に比べて低電圧かつ
高速動作が期待できる。さらに加えて、本発明では、偏
光を用いないので、より簡易なシステム構成とすること
も可能である。
[実施例コ 以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する
実施例1 (空間光変調素子) 第1図は本発明の最も基本的な構成を示し、ここで、光
伝導層2とMQW光変調層4とを透明絶縁層3を介して
積層し、これら層2および4の雨露出面に透明型7′f
111および12を、それぞれ、付着する。透明電極1
1と12との間に直流電圧源5より直流電圧を印加する
。入力光パターンIPをダイクロイックミラー6を介し
て透明電極11から光転4層2に導く。出力光パターン
OPは、MQW光変調層4から透明電極12を経て取り
出す。
この構成では、MQW光変調層4としては、例えば、第
3図に示したようなGaAs/Au GaAsから成る
MQWをi層とし、n型およびn型のAfLGaAs 
(あるいはAJlGaAs/GaAs−5L)で挟んだ
p−1−n構造を用いる。
透明絶縁層3としては、第1図における読出し光RDの
波長に対して透明であり、かつ入力光パターンIPによ
り光伝導層2で発生した光誘起キャリヤ(電子)がMQ
W光変調層4に移動するのを阻止し得る材料を選ぶ必要
がある。このような材料としては、たとえば、石英やサ
ファイアの他に、後で述べるように、 Aj2 Asや
八での成分比の高いA、QGaAsあるいは+l Ga
As/GaAs−5Lがある。
さらに、光伝導層2には、入力光IPの波長に対し光伝
導効果を示すと共に、読出し光RDの波長に対しては透
過する材料を選ぶ必要があり、例えば、CdS、CdT
e、B112SiO2oなどがこれに該当する材料であ
るが、後述するように、GaAs/Aj2 GaAs−
MQWを光変調層4とする場合には、八1の成分比を適
当に選んだ+11j2 GaAsを用いることもできる
。ここで、光伝導層2としては、入射光強度に対して抵
抗率が大きく減少する材料が好ましいが、光が入射され
ていないときには高い抵抗率を持つことも必要で、この
ため、 ^It GaAsなどを用いる場合には、無ド
ープの材料が使われる。また、最近、超格子内での電子
と正孔の有効質量の差に基づいたトンネル効果の差(電
子の方が2桁程度トンネルしやすい)を利用して、より
大きな光伝導効果を1ms程度の速度で得た例もあり、
このような材料も利用可能と考えられる。
透明電極11および12としては、10nI11程度の
厚さの金属(金など)または酸化錫やITO(Indi
umTin 0xide)などを用いることができる。
第1図における空間光変調動作は、液晶空間光変調器の
動作と類似しており、入力光パターンIPを照射するこ
とにより、光伝導層2に入力光パターンIPの光強度分
布に応じた抵抗率分布が生じ、このため、電圧源5から
素子の両端に加えられた一定の直流電圧に対してMQW
光変調層4に加わる電圧に空間的分布が生じる。この電
圧の空間分布は、MQW光変調層4に光吸収係数の空間
分布を与え、−様な強度分布をもつ読出し光RDをダイ
クロイックミラー6を介して素子に照射することにより
、その透過光はMQW光変調層4の光吸収係数の空間分
布を反映したパターンとして出力される。
ここで、光変調については、MQW構造における励起子
吸収の電場による変化を利用しているため、読出し光R
Dの波長は励起子吸収線近くに運ぶ必要があり、例とし
てとりあげたGaAs/AJlGaAs−MQWを用い
る場合には、約86Ono+の波長の光を使用 する。
また、入力光パターンIP用の光としては、光伝導層2
が860nm近傍の波長の光に対して透明であることが
必要であるから、一般には、約800nmより短波長領
域に光吸収・光伝導効果を有する光伝導層を選び、赤色
光などを用いればよい。ここで注意すべき点は、入力光
IPが光伝導層2で完全に光吸収されずにその透過光が
MQW構造にまで達すると、MQW層4内にキャリヤを
生じ励起子吸収に悪影響を及ぼす惧れがあることである
。これを避けるためには、光伝導層2で完全に吸収され
る波長を選ぶか、あるいは入力光IPを阻止し、かつ8
60nmの被変調光を透過する層を光伝導層2と透明絶
縁層3との間に設ける必要かある。
以上に述べた動作に基づき、被変調光として約860n
mのレーザ光を読出し光RDとして用いることによって
、インコヒーレント光て照射された入力光パターンIP
をコヒーレント光パターンとして出力でき、いわゆるイ
ンコヒーレント−コヒーレント変換を行うことができる
。また、読出し光RDとして強い光を用いれば、弱い光
の人カバターンIPを強い光の出カバターンOPとして
得ることができ、画像増幅が可能となる。そのほか、読
出し光RDとして画像を人力し、入力光パターンIPを
種々変化させることにより、入力光パターンIPに応じ
て処理された画像を出力光パターンOPとして得ること
ができる。
実施例2(目体的構成) 本発明空間光変調素子の基本的構成例を第1図に示した
が、第8図に、GaAsおよびA、QGaAs系の化合
物半導体により、第1図におけるMQW光変調層4、透
明絶縁層3および光伝導層2を一体化して本発明素子を
構成する具体例を示す。
第8図において、MQW光変調層4は、第3図に示され
た構成と基本的に同じであり、p−Ga八へ/An G
aAs−5L層61とn−GaAs/AflGaAs−
5L層62との間に1−GaAs/AflGaAs−5
L層71および72を、それぞれ、介して、1−GaA
s層Al2 GaAs−MQW層4を配置して成るp−
1−n構造20である。
乳層7エおよび72はバッファ層であり、MQW層4の
界面近傍の結晶性の向上とともに、p型およびn型Ga
As層Al2 GaAs−5L層61および62からの
不純物のMQW層4への進入の阻止ならびにMQW層4
に加わる電場の均一性の向上に寄与している。
光伝導層2としてはi−八J2 GaAsを用い、光が
照射されないときには高抵抗率で光の照射と共に抵抗率
が低減する効果を利用する。この光伝導層2としては、
 AflGaAs混晶の代わりにGaAs井戸層 Ga
As−5Lを用いることができるほか、先に述べたよう
に、電子と正孔の有効質量差に基づく超格子内のトンネ
リング確率の差を利用した高感度光伝導効果を利用する
こともできる。
光伝導層2とp−1−n光変調層20との間のj−高/
l −GaAs層 Al2 GaAs−5Lによる透明
絶縁層31は、iの成分比の高い (薄いGaAs層と
lの成分比の高いAlGaAs層とから成る)超格子で
あって、第1図における透明絶縁層3に相当する。すな
わち、/l 、Ga、−xAs混晶では、AJZの成分
比(×)が高くなるほどバンドギャップが大きくなり、
透明領域が短波長に広がるとともに、GaAsとの界面
では伝導帯および価電子帯のポテンシャル差が大きくな
り、GaAs中の電子および正孔にとってバリヤーとし
ての壁が高くなる。これと同等の機能がGaAs/Af
1.GaAs−5Lでも実現でき、GaAs層を薄くか
つAn GaAs層のAilの成分比を高くするほど超
格子としての実効的バンドギャップを大きくすることが
できる。従りて、Al2の成分比の高いAnGaAs混
晶またはGaAs層が薄く、かつAItG′a八s層の
Aへ2成分比の高いGaAs層Al2 GaAs−5L
層31は、読出し光RDに対して透明であり、かつ光伝
導層2から隣接するMQW層4を含むp−1−n構造2
0へのキャリヤの進入を阻止する機能を果たす。第8図
の光伝導層2の上にも、同じ機能をもつi−高AJZ 
−GaAs層 A4 GaAs−5L層32を配置する
。p2およびn”−GaAs/八fl へaAs−5L
層51および52は不純物濃度が大きい材料であり、そ
れぞれ、透明電極11および12とのオーミックコンタ
クトを得るために用いられる。
以上、GaAs層Al2 GaAs系材料を用いた一体
化素子の構成例について述べてきたが、ここで、各層に
用いる材料の光吸収および透過特性を示すと第9図のよ
うになる。GaAs単体では、約900nm付近に吸収
端があり、これより短波長の光は透過されない。GaA
s混晶、QGaAs−MQWでは、電子および正孔はG
aAs井戸層に閉じ込められるため、その基底準位はG
aAsの伝導帯の底および価電子帯の頂よりエネルギー
的に高くなり、吸収端は短波長側にシフトするとともに
、室温でも励起子吸収が安定に存在するようになり、し
たがって第9図に示すような透過特性を示す。
そして、この励起子吸収の電場による変化が光変調作用
を与えるので、読出し光としては、この近イカの波長の
光を用いなければならない。
AflGaAs混晶では、A1の成分比が高くなるほど
、またGaAs/All GaAs超格子では、GaA
s層が薄く、かつGa1l As層のAl2の成分比が
高くなるほど、バンドギャップが大きくなり、吸収端は
短波長側にシフトするので、これらを制御することによ
り光吸収および透過特性を設定することができる。
従って、光伝導層2としては、読出し光RDの約860
nm近傍の波長に対して透明であり、かつ赤色光より短
波長の光に対して十分吸収する比較的バンドギャップの
小さいAl2 GaAs混晶またはGaAs層Al2 
GaAs超格子を用い、第8図でその前面に位置するp
”−GaAs層 AflGaAs−5L層51ならびに
i−高Au −GaAs層 Al2 GaAs−5L層
32としては、入力光パターンIPの波長に対して十分
透明であることが必要であり、バンドギャップの大きい
、いわばGaAs層が薄く、Al1GaAs層のi成分
比が高い超格子を用いる。
また、第8図のp−1−n構造2oにおけるp、iおよ
びn−GaΔs/AflGaAs−5L層fil、71
,72.62および52は、MQW構造における励起子
吸収線の波長約86Or+mに対して透明であり、かつ
透明絶縁層3に相当するi−高Afl−GaAs/ A
j2 GaAs−5L層31よりバンドギャップが小さ
いように設定する。
最後に、これまでに述べた構造は、分子線エピタキシー
(MBE−Molecular Beam Epita
xy)技術などの超薄膜結晶製作技術を用いて形成され
、第8図の構成の場合には、基板IOとしてGaAs結
晶が用いられ、順次に各超薄膜構造が育成されるが、第
9図かられかるように、GaAsは読出し光を吸収して
しまうので、透過光を出力光として得るときには、Ga
Asと Al1GaAsとの選択エツチングによりGa
As基板lOの一部分を除去して窓15を形成する必要
がある。
これまで、GaAs/Au GaAs−MQWを光変調
層4として利用することを前提にした場合について、本
発明空間光変調素子の構成例について述べてきたが、M
QW構造における励起子吸収効果は他の材料系でも一般
性を持っており、従って、第1図および第8図と第9図
に関して述べたことは他の材料系についても適用できる
例えば、InPを基板とした1nGaAs (井戸層)
/InGaAj2 As (バリア層) 、InGaA
s/InAu 八s、 InGaAs/InP、GaS
b基板上のGaSb/GaA、e SbなどのMQWに
おけるQC5Eについては既に報告があり、将来的には
さらに多くの材料系、例えば、Zn5e/Zn5l−x
sexなど周期律表の1夏族およびVl族元素から成る
II −Vl族化合物系の量子井戸および超格子構造の
研究の発展も期待されており、これらの材料に本発明を
適用すればさらに広い波長領域の光での利用が可能とな
る。
実施例3(反射型空間光変調素子) 第10図は第1図の構成を変形して読出しを反射で行う
実施例の構成を示す。この実施例では、入力光側から順
次に透明電極11.光伝導層22反射層8.MQW光変
調層4および透明電極12を配置する。読出し光RDを
半透鏡9を介して透明電極12側より入射させ、出力光
パターンOPを透明電極12から半透鏡9を介して取り
出す。
この実施例においても、入力光パターンIPの強度分布
に応じた光伝導層2の抵抗率分布、さらにMQW光変調
層4における電場分布が生じることは第1図の実施例の
構成と同じであるが、この電場分布による光吸収係数の
変化の読出しを光伝導層2とMQW光変調層4との間に
配置した反射層8での読出し光RDの反射によって行う
。この構成では、入力光パターンIPと読出し光RDと
が空間的に分流されているので、光伝導層2とMQW光
変調層4を比較的独自に設計でき、かつ用いる光の波長
の範囲の自由度も広げられる。すなわち、光伝導層2で
は、読出し光RDの吸収や透過を考慮する必要はなく、
例えばGaAs/AflGaAs−MQW光変調層4に
対して、第1図の実施例ではGaAsを光伝導層2とし
て用いることはできなかったが、第1O図の実施例では
GaAsを用いることもできる。また、読出し光はMQ
W光変調層4を往復するので、変調感度が倍増し、その
結果、より低電圧の動作やコントラスト比の大きな光変
調が可能となる。
実施例4(具体的構成) 第11図は、GaAs/Au GaAs−MQWを光変
調層4として用いた場合の第1O図示の反射型空間光変
調素子の構成の具体例である。ここで、第8図の具体例
と同様の箇所には同一符号を付す。
第8図に比べ、この具体例では、光伝導層2を1−Ga
Asで構成し、反射層8を、第4図の場合と同様に、 
AjZ As層とGaAs結晶、QGaAs−5L層を
読出し光に対し4分の1波長相当の厚さで積層した多層
反射膜で構成する。また、この反射膜8は、P型の材料
で構成され、i−MQW層4を含むp−1−n構造2゜
のp型部分をも構成しているほか、光伝導層2からMQ
W光変調層4へのキャリヤ流入を阻止する役割も果たし
ている。残余の層は、第8図で説明したのと同様の作用
をする。
実施例5(双 窓空間光変調素子) これまで述べた空間光変調素子はいわばアナログ素子で
あり、基本的には、入力光パターンIPの光強度分布を
読出し光RDでアナログ的に読み出すものである。これ
に対し、最近、アナログ信号である入力光パターンを2
値化したり、閾値処理を行うなど、画像のディジタル処
理技術が注目を集めており、このために第5図に関して
述べた光双安定機能を有する双安定空間光変調素子の要
望が高まっている。
第12図は、MQW光変調層4を利用した双安定空間光
変調素子の基本構成例であり、構造としては第1図にお
ける光伝導層2とMQW光変調層4の配置を入れ換えた
形となっている。ただし、入力光IPの波長は、MQW
構造中の励起子吸収線近傍の波長であり、かつ、この波
長の光に対して光伝導層2は、その一部分を吸収し光伝
導効果を示すような材料から構成されている。
第5図の5EEDと同様に、MQW光変調層4における
光吸収係数が電圧の増加とともに減少する動作設定では
、はじめ入力光が弱い場合、光伝導層2の抵抗率は大き
く、直流電圧の大部分は光伝導層2に加わっており、M
QW構造に加わる電圧は小さいため、MQW層4での光
吸収は大きい。
しかし、入力光強度を増加していくと、光伝導層2の抵
抗率が減少=MQW層4に加わる電圧が増加=MQW層
4の光吸収が減少=MQW層4の透過光が増加−光伝導
層2の抵抗率が減少、という正帰還動作がはたらくので
、第13図に示すように、ある臨界入力光強度で出力光
強度に低レベルから高レベルへのジャンプが生じる。
また、出力光強度が高レベルにある状態で入力光強度を
下げていくと、第13図に示すように、上向きのジャン
プの場合と異なった臨界値で下向きのジャンプが起こる
二つの臨界値の間の入力光強度に対して出力光強度は高
低二つの状態を取り得るので、このような動作を光双安
定動作という。この動作を利用すると、例えば、上向き
の臨界値より大きな入力光強度に対しては、出力光強度
は高レベル、臨界値より小さい入力光強度に対しては、
出力光強度は低レベルとなり、人カバターンの2値化や
閾値動作ができるほか、2つの画像を人力することによ
り、画像間の論理積や論理和などの論理演算を行うこと
もできる。
第13図に示した動作の臨界値の制御やヒステリシスル
ープの大きさの制御は電源5による電流電圧を変化させ
ることによって可能である。あるいは、また、第12図
に示したように、外部から透明型4i12側に制御光C
Lを照射し、その光強度を変化させても可能である。こ
の場合の制御光CLは光伝導層2を動作させればよく、
従ってその波長には光伝導効果が生じる広い範囲のもの
を利用できる。
このほか、第13図はある一定の直流電圧を印加した場
合についての入力光強度と出力光強度との関係を示した
ものであるが、入力光強度を一定にしておいて直流電圧
と出力光強度または制御光強度と出力光強度の間の関係
を求めても、第13図と類似の双安定特性が得られる。
第12図示の実施例についての説明において、2つの画
像間の演算が可能であることを述べたが、この場合の2
つの入力光パターンには励起子吸収線近傍の波長の光を
用いる必要があった。これに対し、第14図に示すよう
に、第12図示の構成の透明’bT Vil 1側より
第1入力光パターンIPIを入射させると共に、第2入
力光パターンIP2を半透鏡9を介して透明電極12側
に入射させ、ここで、第1入力光パターンIPIについ
ては励起子吸収線近傍の波長を用い、第12図における
制御光の代わりに第2入力光パターンIP2を用いても
、2つの画像パターン間の演算を行うこともできる。あ
るいはまた、2つの制御光を用い、それぞれに第1およ
び第2入力光パターンIPIおよびIF5の画像情報を
担わせ、同時に光伝導層2に照射させ、一方、励起子吸
収線近傍の波長の−様な強度分布を持つ光をMQW光変
調層4側から入射させることにより、第1および第2入
力光パターンIPIおよびIF5の2つの画像間の演算
結果が励起子吸収線近傍の波長の出力光パターンOPと
して得られる。これらの動作はいずれも先に述べた制御
光強度と出力光強度との間の双安定動作に基づいており
、また、制御光は光伝導層2に感度を持てばよいので、
2つの入力光パターンの光の波長にはかなり広い範囲の
自由度が得られる。
−層側6(法的構成) 第15図は、1−GaAs/Au GaAs−MQWを
光変調層4として用いる場合の双安定空間光変調素子の
具体的構成例である。ここで、MQWをi−層としたp
−1−n構造20.1−AJ2 GaAS光伝導層2.
i−高AIL−GaAs/+l GaAs−5L透明絶
縁層31および32など、第8図と同じ構成であり、そ
れぞれの機能も同じであるが、ただ、p−1−n構造2
0の光変調層4に関連する層62,72,4,71.6
1と光伝導層2に関連する層31゜2.32とが構造的
に入れ替わっていること、ならびに光伝導層2がMQW
の励起子吸収線近傍の波長の光の一部分を吸収し、かつ
一部分を透過させる必要があることが異なっている。後
者に関してはAflGaAS光伝導層2のlの成分比を
小さくし、第9図におけるAfLGaAs混晶の透過率
曲線を長波長側にシフトさせ、励起子吸収線近傍の波長
で一部吸収を与え、光伝導効果を生じるようにすればよ
い。
[発明の効果] 従来の空間光変調器には、液晶と光伝導層を組み合わせ
たもの(LCLV)や光伝導効果と電気光学効果を合わ
せ持つ結晶を用いたもの(FROM)が広く用いられて
いるが、前者では応答速度が数十msと遅いこと、後者
では1kV以上の電圧を必要とするなどの欠点があった
が、本発明によれば、MQW構造の電場による光吸収係
数の変化を光変調に用い、その光変調層と光伝導層とを
組み合わせて空間光変調素子を構成することによって、
数十V以下の低電圧で動作し、その応答速度もms程度
であるため、従来の素子に比べて高速かつ低電圧の動作
を実現することができる。本発明によれば、従来の素子
と同様に、透過型または反射型の素子も構成できる。
しかもまた、従来の素子が異種の材料をいわばハイブリ
ッド的に組み合わせて構成されていたのに対し、本発明
の素子は、半導体薄膜製作技術を用いて積層−法化の形
態で製造できる利点もある。
さらにまた、光変調層および光伝導層のそれぞれの構成
は同じまま両層の配置を入れ換えることによって双安定
空間光変調素子を構成でき、この素子は画像の2値化9
画像の閾値動作および画像間の論理演算など画像のディ
ジタル処理機能を有している。
そのほか、本発明素子は、必ずしも偏光を用いる必要が
ないため、光源の選択範囲の拡大、および偏光子や検光
子を使わないため、システム構成が簡単になるなどの利
点もある。
【図面の簡単な説明】
第1図は光伝導層とMQW光変調層とを組み合わせて構
成した本発明空間光変調素子の基本構成例をその動作法
と共に示す断面図、 第2図は1−GaAs/Au GaAs−MQWをi層
に持つp−4−n構造の光変調器の従来例を示す断面図
、第3図は第2図示の素子の構成の詳細従来例を示す断
面図、 第4図は反射型のGaAs/A、CGaAs−MQW光
変調器の従来例の構成を示す斜視図、 第5図(A)はMQWをi層とするピi−nフォトダイ
オードを利用した従来の光双安定素子(SEED)の構
成を示す断面図、 第5図(B)はその光双安定動作の説明図、第6図は第
5図(A)の5EEDにおける抵抗Rを通常のp−4−
nフォトダイオードに置き換えMQWフォトダイオード
と積層−法化した従来の素子の構成例を示す断面図、 第7図はMQW光変調層とCCDとを積層−法化した従
来の空間光変調素子の構成例を示す断面図、第8図は1
−GaAs/AJ2GaAs−MQWにより光変調層を
構成した場合の本発明空間光変調素子の積層一体止構成
の一実施例を示す断面図、 第9図は第8図示の各層の設計に必要な材料の光吸収お
よび透過率を定性的に示す特性図、第1O図は反射型の
本発明空間光変調素子の基本構成例をその動作法と共に
示す断面図、第11図は1−GaAs/Au GaAs
−MQWによって光変調層を構成した反射型の本発明空
間光変調素子の積層一体止構成の一実施例を示す断面図
、 第12図はMQW光変調層と光伝導層との組合せによる
双安定空間光変調素子の基本構成例をその動作法と共に
示す断面図、 第13図はその光双安定動作を説明する図、第14図は
本発明双安定空間光変調素子の別の動作法を説明するた
めの断面図、 第15図は1−GaAs/Aj2 GaAs−MQWに
より光変調層を構成した本発明双安定空間光変調素子の
積層一体止構成の一実hN例を示す断面図である。 2・・・光伝導層、 3・・・透明絶縁層、 4・・・MQW光変調層、 5・・・直流電圧源、 6・・・ダイクロイックミラー 8・・・反射層、 9・・・半透鏡、 10・・・GaAs基板、 11.12・・・透明電極、 15・・・窓、 20・・・p−1−n構造、 31.32−i−高An −GaAs/ Af!、Ga
As−5L51−−− p”−GaAs/ +’l G
aAs−5L層、52・・・n”−GaAs/ A4 
GaAs−5L層、61・−・p−GaAs/AflG
aAs−5L層、52−−・n−GaAs/AfLGa
As−5L層、71.72 −−−1−GaAs基板l
 GaAs−5L層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)2次元的入力光強度に応じて抵抗率が変化する光伝
    導層と、 電場に応じて光吸収係数が変化する効果を有する多重量
    子井戸構造の材料で構成した光変調層と、 前記光伝導層と前記光変調層との間に配置された透明絶
    縁層と、 前記光伝導層と前記光変調層との間に直流電圧を印加す
    る手段と、 前記光伝導層に入力光と読出し光を導く手段と を具え、前記光変調層より出力を取り出すようにしたこ
    とを特徴とする空間光変調素子。2)2次元的入力光強
    度に応じて抵抗率が変化する光伝導層と、 電場に応じて光吸収係数が変化する効果を有する多重量
    子井戸構造の材料で構成した光変調層と、 前記光伝導層と前記光変調層との間に配置された反射層
    と、 前記光伝導層と前記光変調層との間に直流電圧を印加す
    る手段と、前記光変調層に読出し光を導く手段と を具え、前記光伝導層に入力光を導き、前記光変調層よ
    り出力を取り出すようにしたことを特徴とする空間光変
    調素子。 3)2次元的入力光強度に応じて抵抗率が変化する光伝
    導層と、 電場に応じて光吸収係数が変化する効果を有する多重量
    子井戸構造の材料で構成した光変調層と、 前記光伝導層と前記光変調層との間に配置された透明絶
    縁層と、 前記光伝導層と前記光変調層との間に直流電圧を印加す
    る手段と、 前記光伝導層に制御光を導く手段と を具え、前記光変調層に入力光を導き、前記光伝導層よ
    り双安定出力光を取り出すようにしたことを特徴とする
    双安定空間光変調素子。
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