JPH0224733Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は玩具、娯楽具等の比較的小物物品を
収納する物品収納箱に係り、箱体自体を、中身に
収納される物品と関連を持たせるように形成した
物品収納箱に関するものである。

（従来の技術） 従来より物品収納箱といえば、物品を収納する
ことを直接の目的としており、無味乾燥で面白み
のないものであつた。また、装飾的効果を持たせ
るために、箱体に各種図柄、模様を施したものは
あつたが、特定物品を収納する箱体としての機能
的面白みに欠け、使用者の興趣を満足させるもの
ではなかつた。

また、特定物品を収納する箱体としての面白み
を出すため、中に収納される物品と関連する絵柄
が施された包装容器が、実公昭60−16499号とし
て提供されている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、この従来の包装容器は、開口を
有した容器本体の周壁外面に容器本体に収納され
る被包装物に関連する第１の表示を設け、容器本
体にはその開口を開閉自在な蓋を設け、且つこの
蓋における容器本体の内側に差し込まれる差し込
み部には、この差し込み部の中途までの引き出し
により第１の表示と互いに関連して連続的に視認
される表示を形成する第２の表示を設けたもので
あり、具体的には、差し込み部に描かれた絵柄と
容器本体の周壁外面に描かれた絵柄とが連続する
ことで別の絵柄と認識されるものであり、施され
た絵柄自体が動くものではないので、面白みに欠
けるものであつた。

すなわち、使用者が箱を開ける際に、差し込み
部を中途の状態に引き出して静止したときに初め
て別の絵柄として楽しめるものであるから、差し
込み部を中途の状態で引き出した状態で展示する
見本品としては楽しめるが、使用者が実際に箱の
蓋を開ける際には一々途中の段階で止めるなどと
いうことはあまりしないから、実際の使用に際し
ては十分楽しめないという欠点があつた。

そこで、この考案は、叙上の欠点を解消するた
めに案出されたものであり、中に収納される物品
と関連する絵柄を箱体に施し、蓋部の開閉動作に
伴い、実際にその絵柄の一部が動いて絵柄が変化
するかのように見える極めて興趣に富んだ物品収
納箱を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） このため、この考案は、箱体前面及び側面の少
なくとも一面に、箱体内に収納する物品に関連す
る絵柄を施し、蓋部には蓋部の開閉動作に連動し
て揺動する揺動片を連設し、この揺動片に前記絵
柄に関連する飾り片を設ける一方、絵柄が施され
た箱体前面及び側面の少なくとも一面に、揺動片
の飾り片が箱体内から外がわに露出するよう挿入
して配設される切り込み部を形成し、蓋部の開閉
動作により、箱体の絵柄上で飾り片が揺動して絵
柄が変化するようにしたことにより、 上述した課題を達成した。

（作用） しかして、この考案の物品収納箱にあつては、
蓋部に連設された揺動片に設けられた飾り片が、
絵柄が施された箱体前面及び側面の少なくとも一
面で切り込み部から外がわに露出しており、蓋部
の開閉動作を行うと、それに伴い箱体の絵柄上で
飾り片が切り込み部に沿つて揺動し、恰もその絵
柄の一部が動いて変化するように見える。

（実施例） 以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。

図において示される符号Ａは、この考案に係る
箱体である。箱体Ａは、例えば第１図乃至第４図
に示すように、右側板１、後板２、左側板３及び
前板４を、左右方向へ折目２１，２２，２３を介
して連設し、最右側に連設された前板４の開放側
端には、最左側に連設された右側板１の開放側縁
部の内側に糊付けして、右側板１、後板２、左側
板３及び前板４を平面四角形の箱形状に組み立て
る糊付片７を、折目２４を介して連設する。ま
た、右側板１、後板２、左側板３及び前板４の下
端には、折曲操作にて底板６を構成する略台形状
の各底片１４を、前記折目２１，２２，２３，２
４に直角の共通な直線状の折目２５を介して夫々
連設する。そして、右側板１、後板２、左側板３
の上端には、折目２５と平行な直線状の折目２６
を介して、蓋部１３を構成する右中折片９、上板
５、左中折片１０を夫々連設する。

すなわち、上板５を挾んで左側に、折目２１に
連続する折目２７を介して右中折片９が連設さ
れ、右側に折目２２に連続する折目２８を介して
左中折片１０が連設されている。右中折片９と左
中折片１０とは上板５の中心線に対して対称であ
り、夫々、右側板１及び左側板３と同一形状の四
角形から、その開放角部を中心とした扇形を切除
した形状であり、この開放角部との対角線上に、
蓋部１３の開閉運動を容易とする折込破線３２が
設けられている。

また、上板５上端には折目２９を介して差込片
８が連設されており、組立時、前板４と右中折片
９及び左中折片１０との間に挿入し得るように形
成されている。

一方、左中折片１０右端には、折目３０を介し
て揺動片１１が連設されており、組立時、前板４
角部付近に設けられた切り込み部１５に内側から
挿入され、蓋部１３の開閉動作に連動して揺動す
るように形成されている。

そして、これが組立てば、先ず折目２５を介し
て各底片１４を、右側板１、後板２、左側板３、
前板４と直角になるよう内側に折曲し、次に折目
２１，２２，２３，２４を夫々内側に折曲して右
側板１開放側縁部の内側に、糊付片７を糊付けし
て平面四角形の箱形状に組立てる。このとき、各
底片１４は夫々互いに重合して底板６と成し、右
中折片９及び左中折片１０は折目２７，２８を介
して上板５と直角になるよう内側に折曲すると共
に左中折片１０に連設された揺動片１１を折目３
０を介して折曲し、内側から前板４の切り込み部
１５に挿入する。そして、右中折片９及び左中折
片１０を折込破線３２を介して内側に折曲する一
方、上板５に連設された差込片８を折目２９を介
して上板５に直角となるように内側に折曲し、差
込片８を前板４と右中折片９及び左中折片１０と
の間に差込自在に組立てる。

そして、このとき、箱体Ａに収納する物品と関
連のある絵柄を、少なくとも前記揺動片１１が配
設された箱体Ａの一面に施すものであり、例え
ば、団子、団子載置台、すすき等を模した玩具か
ら成る月見セツト玩具の場合、第２図及び第３図
に示す如く、前板４表面に予め月見にふさわしい
背景の絵柄を施しておき、前板４の切り込み部１
５に内側から挿入された揺動片１１先端には、月
を模した飾り片１２を設ける。

したがつて、これが使用に際しては、前板４に
施された絵柄と関連する月見セツト玩具を収納す
る収納箱として使用するものであり、蓋部１３の
開閉動作により、左中折片１０に連設された揺動
片１１が前板４の切り込み部１５を介して左右に
揺動するから、それに伴い揺動片１１の先端に設
けられた月を模した飾り片１２が切り込み部１５
に沿つて揺動する。そうすると、前板４に施され
た背景の中で、あたかも月が登つたり降りたりす
るように絵柄が変化する。

また、飾り片１２を飛行機とし、前板４表面に
飛行機の絵柄を施したり、飾り片１２をトナカイ
のソリに乗つたサンタクロースとし、前板４表面
に雪景色の絵柄を施したりする等、中に収納する
物品を想定して、これと関連する絵柄をあれこれ
工夫して形成するものである。

そして、この箱体Ａは、箱体Ａに施された絵柄
と関連する物品を収納するものとして、中に収納
する物品とセツトにして販売してもよいし、ま
た、使用者が箱体Ａに施された絵柄に関連するも
のを任意に収納して使用してもよい。

また、箱体Ａは、前記の形状、構成に限定され
るものではなく、箱体Ａ前面及び側面の少なくと
も一面に、箱体Ａ内に収納する物品に関連する絵
柄を施し、蓋部１３には蓋部１３の開閉動作に連
動して揺動する揺動片１１を連設し、この揺動片
１１に前記絵柄に関連する飾り片１２を設ける一
方、絵柄が施された箱体Ａ前面及び側面の少なく
とも一面に、揺動片１１の飾り片１２が箱体Ａ内
から外がわに露出するよう挿入して配設される切
り込み部１５を形成し、蓋部１３の開閉動作によ
り、箱体Ａの絵柄上で飾り片１２が揺動して絵柄
が変化するようにしたものであればよい。

（考案の効果） したがつて、この考案は、箱体Ａ前面及び側面
の少なくとも一面に、箱体Ａ内に収納する物品に
関連する絵柄を施し、蓋部１３には蓋部１３の開
閉動作に連動して揺動する揺動片１１を連設し、
この揺動片１１に前記絵柄に関連する飾り片１２
を設ける一方、絵柄が施された箱体Ａ前面及び側
面の少なくとも一面に、揺動片１１の飾り片１２
が箱体Ａ内から外がわに露出するよう挿入して配
設される切り込み部１５を形成し、蓋部１３の開
閉動作により、箱体Ａの絵柄上で飾り片１２が揺
動して絵柄が変化するように構成したから、使用
者は、箱体Ａに施された絵柄により、中に収納さ
れている物品を想像したり、あるいは、様々な物
品をその関連のある箱体Ａに区分して収納したり
して楽しむことができ、しかも、この絵柄は箱体
Ａ蓋部１３の開閉動作により、直接箱に施された
絵柄上で、その絵柄に関連する飾り片１２が揺動
するので、恰も絵柄の一部が揺動するかの如く見
え、極めて興趣に富んだものとなる。

更に、飾り片１２は箱体Ａの絵柄が施された適
宜面に設けられた切り込み部１５から外に露出し
て、この切り込み部１５に沿つて揺動することが
でき、この飾り片１２の揺動動作は、使用者が箱
体Ａの蓋部１３を開閉する際に必然的に行われる
ために、使用者自身が絵柄を変化させて楽しむこ
とができ、玩具として極めて高い遊戯性を備える
ものである。

以上説明したように、この考案によれば、中に
収納する物品と相俟つて使用上種々楽しむことが
でき、しかも箱体蓋部の開閉動作により、実際に
箱体の絵柄の一部が動いて絵柄が変化するかのよ
うに見える極めて興趣に富んだ絵柄の変化も楽し
める等実用上有益な種々の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は展開図、第２図は組立てた閉蓋状態の斜視図、
第３図は同上の開蓋状態の斜視図、第４図は要部
の縦断側面図である。 Ａ……箱体、１……右側板、２……後板、３…
…左側板、４……前板、５……上板、６……底
板、７……糊付片、８……差込片、９……右中折
片、１０……左中折片、１１……揺動片、１２…
…飾り片、１３……蓋部、１４……底片、１５…
…切り込み部、２１，２２，２３，２４，２５，
２６，２７，２８，２９，３０……折目、３２…
…折込破線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 箱体前面及び側面の少なくとも一面に、箱体内
   に収納する物品に関連する絵柄を施し、蓋部には
   蓋部の開閉動作に連動して揺動する揺動片を連設
   し、この揺動片に前記絵柄に関連する飾り片を設
   ける一方、絵柄が施された箱体前面及び側面の少
   なくとも一面に、揺動片の飾り片が箱体内から外
   がわに露出するよう挿入して配設される切り込み
   部を形成し、蓋部の開閉動作により、箱体の絵柄
   上で飾り片が揺動して絵柄が変化するようにした
   ことを特徴とする物品収納箱。