JPH02247316A - 脱ガス槽 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、溶鋼を循環させながら脱ガス処理する脱ガ
ス槽に係り、特にＲＨ脱ガス法に用いられる脱ガス槽に
関する。

［従来の技術］ 近時、鋼材品質に対する要求は益々厳しく、従来の［Ｐ
］、［Ｓ］、［０］を低減化した高級鋼が脱ガス精錬に
より製造される傾向にある。例えば、極低炭素鋼をＲＨ
脱ガス槽により脱ガス処理する場合は、脱ガス槽下部の
１対の浸漬管を溶鋼中に浸漬し、溶鋼を鍋および脱ガス
槽の間で循環させつつ脱ガスする一方、槽内に吸い上げ
た溶鋼に副原料および合金材を添加し、これを所望の目
標成分とする。

しかしながら、ＲＨ脱ガス槽は脱ガスを主要な機能とし
、スラグによる精錬は別の精錬容器を必要とする。この
ため、清浄鋼を溶製するためのプロセスが極めて複雑に
なり、物流を阻害し、生産効率が低い。この解決のため
に、例えば、特開昭６１−１３０４１３号公報に記載さ
れているように、真空脱ガス槽内に副原料をインジェク
シヨンする方法等がある。しかしながら、この方法にお
いては、脱ガス槽内壁への地金付着や耐火物の溶出、更
に、吹込み口の詰り防止のためにガスを流し続ける必要
があり、処理コストが増大するという問題点がある。

［発明が解決しようとする課題］ 従来の脱ガス槽は、その上部に投入孔を有し、投入孔を
介してホッパから所定量の副原料および合金材が槽内溶
鋼に投入されるようになっている。

しかしながら、従来の脱ガス槽においては、ホッパから
副原料を投入すると、投入直後に副原料の一部が循環流
に巻込まれ、溶鋼と共に下降管を介して鍋内に流出する
。このため、投入された副原料の全量が槽内の反応に寄
与せず、脱硫および脱酸反応が遅延するので、介在物が
極微量に規定される高級鋼を溶製する場合に不都合を生
じていた。

この発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、
投入された副原料の全量が槽内の反応に寄与することが
できる脱ガス槽を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ この発明に係る脱ガス槽は、容器内の溶湯に浸漬され、
脱ガス槽本体内に溶湯を吸い上げる一方、脱ガス槽本体
内に吸い上げた溶湯を前記容器に返戻する１対の浸漬管
と、前記脱ガス槽本体内の湯面を溶湯吸い上げ領域と溶
湯返戻領域とに仕切る堰部材と、を有することを特徴と
する。

［作　用］ この発明に係る脱ガス槽においては、脱ガス槽本体内の
湯面を、堰部材により溶湯吸い上げ領域と溶湯返戻領域
とに二分している。このように限定された溶湯吸い上げ
領域に副原料を投入すると、湯面に浮いた副原料は堰部
材により遮られ、返戻溶湯流に巻込まれなくなる。この
結果、副原料は、溶湯容器に実質的に流出せず、脱ガス
槽本体内に長時間に亘り滞留し、槽内の反応に寄与する
。

［実施例］ 以下、添付の図面を参照してこの発明の実施例について
説明する。

第１図は、この発明の実施例に係るＲＨ脱ガス槽の下部
を示す断面模式図である。ＲＨ脱ガス設備の建屋−階に
軌条が敷設され、取鍋２が走行台車により転炉工場から
搬送されるようになっている。脱ガス槽１０が建屋上部
に設けられ、この直下に取鍋２を昇降するためのリフテ
ィングテーブル６が設置されている。

脱ガス槽１０は、その外面が鉄皮１１で覆われ、鉄皮１
１内に耐火物１２が内張すされている。脱ガス槽１０の
上部には、ガス排気孔及び合金材投入孔（図示せず）が
設けられている。一方、脱ガス槽１０の下部には１対の
短管部１４．１６が形成されており、短管部１４には上
昇管２４が、短管部１６には下降管２６が、それぞれフ
ランジ継手１７．１８により接続されている。ガス吹込
み管１５が上昇管２４を貫通し、通路２５に不活性ガス
が吹込まれるようになっている。

堰部材３０が、脱ガス槽１０の内部に設けられている。

堰部材３０は、壁状をなし、槽本体の軸に沿って槽上部
から下方に向かって延びており、その下端部が槽内に吸
い上げられた溶鋼３に浸漬されるような位置に到達して
いる。すなわち、脱ガス処理中においては、堰部材３０
により槽内の湯面が、溶湯吸い上げ領域３３と、溶湯返
戻領域３４とに仕切られるようになっている。副原料の
投入孔（図示せず）は、溶湯吸い上げ領域３３の側に位
置している。なお、堰部材３０は、耐火物３２で覆われ
、その内部に強度部材としての芯材３１が埋設されてい
る。

次に、上記脱ガス槽を用いて極低硫黄・極低酸素鋼を溶
製する場合について説明する。

脱ガス槽１０内のガスを排気し、槽内を所定圧まで減圧
する。取鍋２を脱ガス槽１０の直下にて停止させる。取
鍋２内には所定量の溶鋼３が収容されている。この取鍋
的溶鋼３の初期［Ｓ］および〔０］の値は、それぞれ３
０　ｐｐｓおよび２５１）Ｉ）Ｉである。

次いで、リフティングテーブル６と共に取鍋２を上昇さ
せ、上昇管２４及び下降管２６の下端部を取鍋的溶鋼３
に浸漬させる。このとき、スラグライン（スラグ４の湯
面）が上昇管２４及び下降管２６の適所に位置するよう
にし、ベル調整する。

更に、脱ガス槽１０内を減圧すると、上昇管２４及び下
降管２６を介して取鍋的溶鋼３が脱ガス槽１０内に吸い
上げられる。次いで、ガス吹込み管１５に所定流量のア
ルゴンガスを供給し、上昇管２４の通路２５にガスを吹
込む。これにより、溶鋼３の見掛けの比重が低下し、溶
鋼３がガスと共に通路２５を上昇する一方、下降管２６
を介して脱ガス槽１０内の溶鋼が下降し、溶鋼３が取鍋
２及び脱ガス槽１０の間を循環するようになる。

溶鋼３が循環する状態で堰部材３０の下端部が溶鋼３に
浸漬され、場面が溶湯吸い上げ領域３３と溶湯返戻領域
３４とに二分される。

ここで、投入フラックスは、脱硫能および介在物の吸着
能を考慮して、例えば、Ｃａ０６０％−Ａｌ　２ｏ、３
０％−８ｉ０２１０％またはＣａ０６０％−Ａ４７２０
３２０％−〇ａＦ２２０％等の組成のものを使用する。

処理開始から所定時間経過後、投入孔からＣａＯ等の副
原料を溶湯吸い上げ領域３３に投入する。この場合に、
副原料の投入量を溶鋼１トン当りにつき４〜５ｋｇとす
る。溶湯吸い上げ領域３３においては、アルゴンガス気
泡が場面ではじけて多量のスプラッシュが発生している
。一方、溶湯返戻領域３４の湯面は比較的穏やかである
。

投入された副原＄４８は、領域３３の湯面に浮かび、循
環流にのって領域３３から領域３４のほうへ移動しよう
とするが、堰部材３０により移動を妨げられる。このた
め、副原料８は、循環流に巻込まれて取鍋２に流出する
ことなく、領域３３に滞留する。従って、副原料８は、
活性領域である領域３３の湯面上で、その全量が速やか
に溶融し、槽内の反応に寄与する。

上記実施例によれば、約１５分間の処理で、溶鋼中［Ｓ
］を初期値の３０ｐｐ■から１０ｐｐｍまで低減するこ
とができた。また、溶鋼中［０１については、従来では
２０ｐｐ−程度までのレベルが限界であったが、これを
１０ｐｐ−以下のレベルまで低減することができた。

なお、上記実施例では、初期［Ｓ］が３０　ｐｐｍの溶
鋼を処理したが、初期［Ｓ］が２ｏｐｐ−である場合は
、これを５　ｐｐｍのレベルまで低減することができる
。

［発明の効果］ この発明によれば、脱ガス槽内に投入した副原料が、鍋
に流出することなく、槽内に滞留し、その全量が槽内の
反応に寄与する。このため、脱硫および脱酸等の反応が
迅速に進行し、介在物量の少ない高級鋼を溶製すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例に係る脱ガス槽の下部を示す
断面模式図である。 ２；鍋、３；溶鋼、４；スラグ、８；副原料、１０；脱
ガス槽、２４：上昇管、２６；下降管、３０；堰部材、
３３；溶湯吸い上げ領域、３４；溶湯返戻領域 出願人代理人　弁理士　鈴江武彦

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 容器内の溶湯に浸漬され、脱ガス槽本体内に溶湯を吸い
   上げる一方、脱ガス槽本体内に吸い上げた溶湯を前記容
   器に返戻する１対の浸漬管と、前記脱ガス槽本体内の湯
   面を溶湯吸い上げ領域と溶湯返戻領域とに仕切る堰部材
   と、を有することを特徴とする脱ガス槽。