JPH0224389Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、一般に、無端履帯組立体、特に、垂
直力が履帯シユーに加えられる際に垂直方向への
シユーの偏向を制限する履帯組立体の各履帯シユ
ーに関連するストツプ部材に関する。

（従来技術） ブルドーザ、バケツトローダおよび掘削機の様
な履帯式車輛は、鋼履帯シユーを備える無端履帯
チエーンによつて支持されかつ推進される。履帯
シユーの大きな地面接触面積は、比較的低い単位
地面圧力を生じる。特定の土の条件および作業の
適用の際、著しく広い履帯シユーは、低減した単
位地面圧力を与えるために車輌に使用される。広
い履帯シユーが使用されるとき、シユーの支持さ
れない外側端部に加えられる垂直負荷は、履帯構
成要素の応力および履帯組立体の捻りを増大す
る。応力の増大は、リンクの割れ、シユーの曲り
およびボルトの緩みの様な履帯構成要素の早期の
構造的不全を生じ得る。捻り運動の増大は、潤滑
剤の喪失、塵埃の侵入および増大する内部摩耗を
生じる端部遊びを履帯継手に発展させる。

広い履帯シユーの横方向こわさを増大する一型
式の構造は、1978年12月５日付のT.C.マイセル
ジユニアによる米国特許第4128277号に開示され
る。この特許では、１つまたはそれ以上の剛性部
材は、各履帯シユーを横方向に横切つて延び、シ
ユーおよび履帯リンクに取付けられる。この構造
は、広いシユーの効果的な横方向剛性を与える
が、著しい重量および出費が履帯組立体に付加さ
れる。

履帯組立体の広い履帯シユーに加えられる捻り
負荷に抵抗する他の型式の構造は、発明者T.C.
マイセルジユニアに対し1981年３月５日付の
PCT公開第WO81／00543号に開示される。この
公開では、１つまたはそれ以上の補助チエーン組
立体は、履帯シユーを連結し、シユーの外側端部
に配置される。また、この構造は、広い履帯シユ
ーに効果的な横方向安定性を与えるが、大きな量
の重量および費用を追加し、また全く複雑であ
る。

（考案の目的） 本考案は、上述の様な問題の１つまたはそれ以
上を克服することに指向される。

（考案の構成及び作用効果） 本考案による、無端履帯組立体は、複数の連結
される履帯リンクと、履帯シユーとを有し、各シ
ユーは、装着面と、先導端部と、後尾端部と、外
側端部とを有している。各履帯シユーは、隣接す
るシユーの関連する後尾端部に重なる各シユーの
先導端部を伴つて、履帯リンクによつて隣接する
履帯シユーに回動可能に結合される。ストツプ部
材は、各履帯シユーの外側端部に結合され、隣接
するシユーの先導端部に重なる偏向ストツプ部分
を有している。

履帯式車輌は、それに低い単位地面圧力ないし
沈下抵抗力を与える様に広い履帯シユーを屡々備
えている。これ等のシユーは、通常、その中心部
分に近い複数のリンク組立体に結合されて、該組
立体によつて支持される。シユーの外側端部は、
比較的に支持されず、垂直に加えられる力を屡々
受け、該力は、履帯構成要素に応力を与え、履帯
組立体を捻る。これは、加速される摩耗および早
期の構造的破損を生じ得る。

本考案の偏向ストツプは、隣接するシユー間の
垂直に加えられる力の分担を改善することにより
履帯構成要素の応力および履帯組立体の捻れをか
なり低減する。応力を低減することにより、履帯
組立体の有用寿命は、延長される。

（実施例） 図面、特に第１図、第２図を参照すると、無端
履帯組立体１０は、複数の連結される履帯リンク
１２と、複数の個々の履帯シユー１４とを有し、
各シユー１４は、履帯リンク１２によつて隣接す
るシユー１４に回動可能に結合される。各履帯シ
ユー１４は、装着面１６と、先導端部１８と、後
尾端部２０と、第１、第２の外側端部２２，２４
とを有している。履帯シユー１４は、隣接するシ
ユー１４の後尾端部２０に重なる各シユー１４の
先導端部１８を伴つて一体に結合される。

履帯組立体１０は、各シユー１４の後尾端部に
隣接してシユー装着面１６に結合される装着部分
２８を有するストツプ部材２６を更に備えてい
る。ストツプ部材２６は、各シユー１４の第１、
第２の外側端部２２，２４の各々に結合される。
ストツプ部材２６は、装着部分２８から離れてい
て隣接する履帯シユー１４の先導端部１８に重な
る偏向ストツプ部分３０を有している。装着部分
２８と、偏向ストツプ部分３０とは、それ等の間
に溝３２を限定する。溝３２は、履帯組立体１０
の逆曲げの際に履帯シユー１４の先導端部１８に
間隙を与える。ストツプ部材２６は、複数のねじ
付きフアスナ３４によつて各シユー１４の装着面
１６に結合される。装着面１６にストツプ部材２
６を結合するその他の好適な装置は、ボルトおよ
びナツトと、溶接とを包含する。

第３図、第４図を参照すると、履帯組立体３６
に関する従来技術の問題が示される。該履帯組立
体は、無端履帯組立体の構造で通常の様に、履帯
リンク４０，４２によつて回動可能に連結される
複数の履帯シユー３８を有している。履帯組立体
３６の作用の際、垂直方向に加えられる力Ｆは、
履帯シユー３８の外側端部４４を想像線の位置に
上方へ移動する。第４図に示す様に、シユー３８
の後尾端部４５は、隣接するシユー３８の先導端
部４７に接触し、シユー３８のこの領域の力は、
両シユーによつて分けられる。しかしながら、変
位されるシユー３８の先導端部４７は、自由に上
方へ移動し隣接するシユーの後尾端部との負荷の
分配にあづからない。外側端部において反復され
る高い垂直方向負荷は、連鎖捻りにより加速され
る摩耗と、高い応力による履帯構成要素の早期の
構造的破損とへ導き得る。

第５図を参照すると、本考案の異なる実施例が
示される。この実施例では、隣接する履帯シユー
４６は、１つのシユー４６の装着面４８と後尾シ
ユー４６の先導端部５０との間にほゞ平坦な面を
限定する。ストツプ部材５２は、複数のフアスナ
５４によつて装着面４８に結合される。ストツプ
部材５２は、装着部分５６と、偏向ストツプ部分
５８とを有し、ストツプ部分５８は、装着部分５
６から離れていて、隣接するシユー４６の先導端
部５０に重なる。装着部分５６と、偏向ストツプ
部分５８とは、それ等の間に小さい溝ないし空所
６０を限定する。

第６図を参照すると、本考案の他の異なる実施
例が示される。この実施例では、履帯シユー６４
およびストツプ部材６６を包含する無端履帯組立
体６２の一部のみが示される。しかしながら、全
体の履帯組立体６２は、第１図、第２図に示すも
のと同様な複数の連結される履帯リンクを有し、
履帯シユー６４が履帯リンクによつて隣接するシ
ユー６４に回動可能に連結されることが認められ
る。

履帯シユー６４は、ほゞ３角形の断面形状を有
すると共に、ほゞ平坦な装着面６８を有し、その
先導端部と後尾端部との間に重なりがない。各ス
トツプ部材６６は、装着部分７０と、前方へ延び
る舌部分７２と、後方に面する偏向ストツプ部分
７４とを有している。各ストツプ部材６６の装着
部分７０は、フアスナ７６の様な複数の装着装置
によつてシユー６４の装着面６８に結合される。
各ストツプ部材６６の偏向ストツプ部分７４は、
各シユー６４の装着面６８の一部から離れて重な
り、装着面６８との間にスロツト７８を形成す
る。各ストツプ部材６６の舌部分７２は、隣接す
るスロツト７８に嵌入する様に構成される。

この偏向ストツプ部材２６，５２，６６は、ブ
ルドーザおよび掘削機の様な履帯式車輌の無端履
帯組立体に特に有用である。履帯式車輌は、比較
的低い単位地面圧力を与えるため、軟質地面条件
を含む用途に屡々使用される。著しく軟質の地上
条件では、履帯式車輌は、均等な一層低い単位地
面圧力を与える様に、特別に広い履帯シユーを屡
屡装着する。

広い履帯シユーが使用されるとき、例えば岩石
上を走行することによつて生じるシユーにおける
上向きの力Ｆ（第３図、第４図）は、シユー３８
の外側端部４４を移動してシユーの捻れおよび偏
向を生じ履帯構成要素の高い応力と、履帯組立体
の増大する捻れとを発生し得る。第４図に示す様
に、変位したシユー３８の後尾端部４５は、隣接
するシユー３８の先導端部４７に接触し、負荷
は、シユーの間に分けられる。しかしながら、保
持されない変位するシユー３８の先導端部４７の
上方運動を制限するものは存在せず、上述の捻れ
および偏向が生じる。

この偏向ストツプ部材２６，５２は、垂直方向
力がシユー１４，４６に加えられるとき、先導端
部１８，５０の上方運動を制限する。ストツプ部
材２６，５２が隣接する履帯シユー１４，４６に
固定されるため、力の一部は、隣接するシユーに
移され、力は、シユーによつて分配される。偏向
ストツプ部材２６，５２は、シユー間の垂直負荷
分配を改善し、履帯組立体の捻れを低減する。こ
れは、履帯構成要素における応力を低減し、履帯
組立体の有用寿命を延長する。

第６図の実施例では、シユー６４は、重なる先
導端部および後尾端部を持たない。従つて、同様
な構造は、偏向ストツプ部分６６に設けられる。
シユー６４が上方へ移動されるとき、変位するシ
ユー６４に取付けられるストツプ部材６６の舌部
分７２は、ストツプ部分７４に接触し、垂直力
は、シユーの捻れおよび偏向を制限する様に、隣
接するシユーによつて分けられる。シユー６４の
反対側端部が上方へ移動すれば、シユーの隅は、
隣接するシユー６４のストツプ部材６６の舌部分
７２に接触し、上方運動は、制限される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を具現する履帯組立体の一部の
図式的な側部立面図、第２図は第１図の線−
に大概沿う図式的な断面図、第３図は従来技術で
の問題を例示する履帯組立体の一部の図式的な前
面図、第４図は第３図の線−に大概沿う図式
的な側面図、第５図は本考案の異なる実施例の図
式的な側面図、第６図は本考案の他の異なる実施
例の図式的な側面図を示す。 １０……無端履帯組立体、１２……履帯リン
ク、１４……履帯シユー、１６……装着面、１８
……先導端部、２０……後尾端部、２２……第１
外側端部、２４……第２外側端部、２６……スト
ツプ部材、２８……装着部分、３０……偏向スト
ツプ部分、３２……溝、３４……ねじ付きフアス
ナ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 複数の回動可能に連結される履帯リンク１２
   と、 各々が装着面１６と、先導端部１８と、後尾
   端部２０と、第１、第２の外側端部２２，２４
   とを有し、各々が隣接するシユー１４の関連す
   る後尾端部２０に重なる各先導端部１８を伴つ
   て前記履帯リンク１２によつて隣接する履帯シ
   ユー１４に回動可能に結合される複数の履帯シ
   ユー１４と、 前記外側端部２２，２４の各々に取外し可能
   に結合され、前記後尾端部２０に隣接する前記
   シユー装着面１６に結合される装着部分２８
   と、該装着部分２８から離れて隣接するシユー
   １４の先導端部１８に重なる偏向ストツプ部分
   ３０とを有し、該装着部分２８と該偏向ストツ
   プ部分３０との間に形成される溝３２を限定す
   るストツプ部材２６と、 該ストツプ部材２６を前記装着面１６に結合
   する装置３４とを備える無端履帯組立体１０。 (2) 前記各履帯シユー１４の先導端部１８が、垂
   直力の影響の下で前記偏向ストツプ部分３０に
   接触する様に構成され、該接触が、該シユー１
   ４の偏向を低減し前記履帯組立体１０の応力を
   低減する様に構成される。 実用新案登録請求の範囲第１項に記載の無端履
   帯組立体。