JPH0223803B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、スポツト溶接用ロボツトにおいて、
ガンチツプを支持する溶接ガンのシヤンクの曲り
を自動的に検査するための装置に関する。

この種の溶接ガンでは、溶接時に、ガンチツプ
を支持するシヤンクに大電流が流れるため、シヤ
ンクが高温となるうえ、溶接個所を強く挾持する
必要から比較的大きな軸力がシヤンクに作用する
ため、しばしばシヤンクの曲りを生ずる問題があ
り、シヤンクが曲ると、溶接位置のずれや溶接不
良を招来するといつた不具合があつた。

従来においては、溶接状態を目視することによ
つて間接的にシヤンク曲りを検出したり、定期的
にタガネで被溶接部材の溶接箇所を叩いて、被破
壊検査等を行なつてシヤンク曲りを検出するとい
つたごく原始的な検査法が採用されているに過ぎ
なかつた。

本発明は、溶接ガンのシヤンク曲りを自動的に
検出することができる検査装置を提供することを
基本的な目的としている。

一般的に、棒状物の曲りを被接触で検出する装
置は従来より知られている（実願昭49−1399号明
細書及び図面参照）。しかしながら、従来のこの
種の検出装置は、被測定物そのものを軸方向に移
動させて、その曲りを検出するようにしており、
溶接ガンの場合には、溶接ガンの移動方向とシヤ
ンクの軸方向とは直交しているため、上記従来の
検査装置をそのまま用いることは不可能である。
また、シヤンクを軸方向に移動させるためには、
重量物である溶接ガン全体を本来の移動方向とは
異なる方向に移動させるための機構を別途設ける
必要があり、機構の大型化、重量化が避けられ
ず、溶接ガンと他の周辺装置との干渉も問題とな
る。

本発明は、かかる問題に鑑みてなされたもので
あつて、作業位置と待機位置との間を移動する溶
接ガンでワークの溶接を行なうものにおいて、上
記溶接ガンの待機位置に設けられ、溶接ガンを所
定位置に固定するクランプ部材と、該クランプ部
材によつて所定位置に固定した溶接ガンのシヤン
クに対応する位置に設けられ、正常なシヤンクに
対し接線方向に光線を出力する発光素子と上記光
線を受光する受光素子とを備えたセンサ部材と、
該センサ部材を支持し、シヤンクの軸方向に案内
する案内部材と、該案内部材を介して、上記セン
サ部材をシヤンクの軸方向に移動させる移動手段
とを設けたことを特徴とする溶接ガンのシヤンク
曲り自動検査装置を提供するものである。

即ち、本願発明においては、溶接ガンが待機位
置に復帰するごとに、センサ部材をシヤンクの軸
方向に移動させて、シヤンクの曲りを自動的にチ
エツクすることができるようにしたものであつ
て、非接触式のセンサ部材をシヤンクの軸方向に
移動させる構造とすることにより、溶接ガンを移
動させることなしに、シヤンク曲りを有効にかつ
確実に検出することができる。

以下、図示の実施例に基いて本願発明をより具
体的に説明する。

第１図において、１はコ字形状のアーム２を備
えた溶接ガンで、この溶接ガン１は図示しない移
動装置によつて、図示しない溶接位置と図に実線
で示す待機位置との間で移動されるようになつて
いる。

この溶接ガン１の上側アーム２ａ先端には、垂
直下向きに押下げ用シリンダ３を取付けて、下端
にガンチツプ４を固定した上側シヤンク５を上下
動可能に支持する一方、下側アーム２ｂ先端に
は、上側シヤンク５と同軸となるように下側シヤ
ンク６を垂直上向きに固定して、その上端にガン
チツプ７を固定している。

この溶接ガン１の待機位置には、基礎フレーム
８から垂直上向きに伸びる支持フレーム９を立設
し、この支持フレーム９には、溶接ガン１を所定
位置にクランプ固定するためのクランプ装置１０
と、シヤンク曲りを検査するための検査装置１１
を支持する。

上記クランプ装置１０は、Ｔ字形状断面の下側
アーム２ｂの上部ウエブを両側から挾持する一対
のクランパ１２，１２と各クランパ１２作動用の
シリンダ１３，１３とを備えており、各シリンダ
１３は支持フレーム９の中間部に取付けた支持ブ
ラケツト１４に取付け支持されている。

第２図に示すように、上記クランパ１２は、シ
リンダ１３から上向きに伸びるプランジヤ１３ａ
の上端にその下部ブラケツト１２ａがヒンジ連結
されており、クランパ１２から下向きに伸びるロ
ツド１５の下端は、シリンダ１３本体側から上向
きに設けたブラケツト１６にヒンジ連結されてお
り、シリンダ１３の作動でクランパ１２を首振り
させることにより、溶接ガン１を所定位置にクラ
ンプし、或いはアンクランプする。

一方、検査装置１１は、第１図に示すように、
シヤンク曲りを検出するためのセンサ部１７を水
平方向に伸びる支持アーム１８によつて上側、下
側シヤンク５，６と同軸をなすように、両シヤン
ク５，６の間に支持し、この支持アーム１８を案
内部材としてのガイドブロツク１９によつて支持
し、このガイドブロツク１９は一対の支持金具２
０，２０によつて支持フレーム９の上部に固定し
た垂直方向のガイドロツド２１によつて上下方向
に変位自在にガイドするとともに、上下２段に向
きを異ならせて本体部を直列した移動部材として
のエアシリンダ２２，２３でガイドブロツク１９
を上下方向に変位させるようにした構造を有す
る。

第３図および第４図に示すように、上記センサ
部１７は、上側、下側シヤンク５，６の直径の約
２倍程度の辺長を有する正方形状の枠部２４を有
し、相対向する壁面には、上側、下側シヤンク
５，６の直径にほぼ等しい幅をおいて、各一対の
発光素子２５，２５と受光素子２６，２６を対向
設置したものである。上記枠部２４は、その開口
中心が曲りを生じていない上側シヤンク５或いは
下側シヤンク６の軸中心に一致するように位置決
めし、例えば、枠部２４を上側シヤンク５に嵌合
させて上昇させたときに、上側シヤンク５に曲り
がない正常時には、計４個の受光素子２６の全て
がオンするようにしている。逆に、もしも上側、
下側シヤンク５，６のいずれかに曲りが発生した
場合、枠部２４の開口中心に対して、シヤンク軸
心が偏心するため、少なくともいずれか１つの受
光素子２６はオンせず、これによつてシヤンク曲
りを検出することができることとなる。

また、センサ部１７の支持アーム１８のガイド
ブロツク１９を支持する上、下２段のエアシリン
ダ２２，２３は、上側シヤンク５と下側シヤンク
６との間の中間位置Ｍ、上側シヤンク５に嵌合す
る上昇位置Ｕおよび下側シヤンク６に嵌合する下
降位置Ｄの計３位置にセンサ部１７を変位させる
ためのものである。即ち、上側のエアシリンダ２
２のプランジヤ２２ａの上端は、取付金具１９ａ
を介してガイドブロツク１９に結合し、下側のエ
アシリンダ２３のプランジヤ２３ａの下側は支持
ブラケツト２７に取付けて支持し、センサ部１７
の中間位置Ｍの割出しは、上側、下側エアシリン
ダ２２，２３をともに下降させた状態（各ピスト
ンが上昇位置にある状態）に保持することによつ
て行なう。そして、上側エアシリンダ２２をその
ままロツクしておいて、下側エアシリンダ２３を
プランジ２３ａに相対して上昇作動させることに
より、センサ部１７を上昇位置Ｕに上昇させるこ
とができ、その上昇位置Ｕで上側シヤンク５の曲
りの有無を検査する。また、中間位置Ｍにおい
て、下側エアシリンダ２３を保持したまま、上側
エアシリンダ２２のシリンダ上室にエアを供給し
て、プランジヤ２２ａを下降させることにより、
センサ部１７を下降位置Ｄに下降させることがで
き、この下降位置Ｄにおいて下側シヤンク６の曲
りの有無を検査することができる。

上記の構成において、溶接ガン１が溶接位置か
ら図示の待機位置に復帰されると、クランプ装置
１０はシリンダ１３，１３の作動で一対のクラン
パ１２，１２をクランプ動作させ、溶接ガン１の
下側アーム２ｂをクランプして固定する。この間
センサ部１７は中間位置Ｍに保持されている。

溶接ガン１がクランプされると、直列のエアシ
リンダ２２，２３のうち、下側のエアシリンダ２
３が作動され、前述の如く、センサ部１７を上昇
位置Ｕに上昇させ、この上昇位置Ｕで、全ての発
光素子２５，……，２５を発光させ、対応する全
ての受光素子２６，……，２６がオンしているか
否かをチエツクする。いずれか一つの受光素子２
６がオフのときには、シヤンク曲り“有”と判定
する。

次いで、センサ部１７を中間位置Ｍを経てさら
に下降位置Ｄまで下降させ、下側シヤンク６につ
いて、上記と同様、光学的にシヤンク曲りの有無
を検査する。

実際にシヤンク曲りが検出されたときには、曲
りの程度に応じて矯正するか、或いは交換する。

以上の実施例では、センサ部１７をシヤンク
５，６に相対して上下動させるようにしたが、第
５図に示すように、コ字形状の開断面を有し、上
側シヤンク５の下半部および下側シヤンク６の上
半部を含む長さのセンサ部２８を支持アーム２９
に固定し、このセンサ部２８の上面および下面
に、第６図に示すように、計４対の発光素子３０
と受光素子３１とを、シヤンク５，６の嵌合方向
に対して傾斜させて配置する構造としてもよい。

この場合には、センサ部２８を上下方向に移動
させる必要がなく、しかも上側、下側シヤンク
５，６のシヤンク曲りを同時に検出することがで
きる。

以上の説明から明らかなように、本発明によれ
ば、溶接ガンを待機位置に復帰させるごとに、シ
ヤンク曲りの有無を自動的にチエツクすることが
でき、シヤンク曲りを確実に検出できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す側面図、第２
図は第１図のクランパの作動機構を示す正面説明
図、第３図、第４図は夫々センサ部の拡大平面
図、側面図、第５図は本発明の他の実施例を示す
要部斜視図、第６図はセンサ部の平面図である。 １……溶接ガン、５……上側シヤンク、６……
下側シヤンク、１０……クランプ装置、１２，１
２……クランパ、１３，１３……シリンダ、１１
……検査装置、１７……センサ部、２２，２３…
…エアシリンダ、２５，…，２５……発光素子、
２６，…，２６……受光素子、２８……センサ
部、３０，…，３０……発光素子、３１，…，３
１……受光素子。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 作業位置と待機位置との間を移動する溶接ガ
   ンでワークの溶接を行なうものにおいて、 上記溶接ガンの待機位置に設けられ、溶接ガン
   を所定位置に固定するクランプ部材と、該クラン
   プ部材によつて所定位置に固定した溶接ガンのシ
   ヤンクに対応する位置に設けられ、正常なシヤン
   クに対し接線方向に光線を出力する発光素子と上
   記光線を受光する受光素子とを備えたセンサ部材
   と、該センサ部材を支持し、シヤンクの軸方向に
   案内する案内部材と、該案内部材を介して、上記
   センサ部材をシヤンクの軸方向に移動させる移動
   手段とを設けたことを特徴とする溶接ガンのシヤ
   ンク曲り自動検査装置。