JPH022346A - 遺伝子導入真核生物 - Google Patents

遺伝子導入真核生物

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JPH022346A
JPH022346A JP63094772A JP9477288A JPH022346A JP H022346 A JPH022346 A JP H022346A JP 63094772 A JP63094772 A JP 63094772A JP 9477288 A JP9477288 A JP 9477288A JP H022346 A JPH022346 A JP H022346A
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mbp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) この発明は、遺伝子導入真核生物に関するものである。
さらに詳しくは、この発明は、病態モデル動物、有用動
物、実験生物等として有用な、遺伝子導入によって改変
作出してなる遺伝子導入真核生物に関するものである。
(背景技術) 生物は農業、畜産業、工業等種々の分野において利用さ
れているか、それら生物をより有用なものとするため、
新しい遺伝形質を導入、固定する生物の遺伝的改良がす
すめられている。
このような生物の遺伝的改良方法としては、従来より交
配と優良個体の選抜とを繰り返す方法、あるいは突然変
異を誘起しその突然変異を利用する方法等が知られてい
る。
しかしながら、交配と優良個体の選抜とを繰り返す従来
の方法は新たな遺伝形質の固定に長期間を必要とし、ま
た、突然変異を利用する方法は、偶然に起こる’a(入
子の変異を利用するものなので、特定の、かつ、所望の
形質は確率論的にしか得ることができない。
このような従来の方法に対して、近年、分子生物学、遺
伝子工学等の発展により、人為的に生物の遺伝子を制御
し、その発現を改変することが可能になってきた。当初
この遺伝子工学的手法の研究は単細胞微生物に対して広
く行われてきたが、今日では高等生物に対してらすすめ
られており、その形質の改変が様々なアプローチによっ
て試みられている。
たとえば、外来性遺伝子DNAを染色体の一部に安定的
に組み込んだ遺伝子導入動物 (transaenic anilal  )がカート
ンらにより報告(Proc、Na口、へcad、sci
、Us^、77巻、7380頁、1980年)されて以
来、種々の遺伝子導入動物が報告されている。
また、特頭昭60−134452号(特開昭6l−81
743)には、活性化Il!18瘍逍伝子配列を有する
′ii伝子導子導入動物示されてもいる。
これらの遺伝子導入動物は、宿主動物の全能性細胞(潜
在的に全ての細胞に分化する能力を有する細胞)として
の生殖系細胞、特に受精卵に、外来遺伝子DNAを導入
し、それを信組の子宮にもどして正常な発生を続けさせ
ることにより産出させるものである。こうして産出させ
た遺伝子導入動物は、導入した外来性遺伝子をメンデル
の法則に従って子孫に伝達すると期待されるので、形質
改良生物として注目されている。
このような遺伝子導入動物の産出に用いる遺伝子として
は、受精卵を通してβ−グロビン等の遺伝子を導入した
例(T、E、I4agner et al、、proc
Natl、八cad、 Sc i、 USA、 78巻
、5016頁、1981年)に見られるようなゲノム遺
伝子そのものと、マウスメタロチオネイン■のプロモー
ターにラットの成長ホルモン遺伝子を結合し導入した例
(1?、 D。
Pa1liter et al、、Nature、 3
00巻、611頁、1982年)に見られるような異種
プロモーターと構造遺伝子からなる人工的組換え遺伝子
とが知られている。
しかしながら、これらの遺伝子を用いることにより特定
の形質を発現させることはできるようになるが、内在性
遺伝子の働きを人為的に制御し、所要の効果を発現させ
るようにすることには成功していない。
一方、内在性遺伝子の働きを制御する方法として、近、
年、アンチセンス遺伝子を利用することが提案されてい
る。
このアンチセンス遺伝子とは、特定の機能を持つ遺伝子
(DNA)から転写されるRNA (センスRNA)と
一部または全部にわたって相補的な塩基配列を持つRN
A (アンチセンスRNA)か潜在的に転写されるよう
にした遺伝子(DNA)である。
一般に、転写の際に、遺伝子の片方のDNA鎖から、セ
ンスRNAが転写され、翻訳されて特定の蛋白質が産生
されるのに対して、相補鎖からはアンチセンスRNAが
転写、翻訳されることはない、実際、自然界の真核生物
においては、ウィルスゲノムを除いてはアンチセンスR
NAが転写、翻訳されたという例はこれまでに見出ださ
れていない。
これに対して、近年、アンチセンス遺伝子を人為的に細
胞に導入してアンチセンスRNAを産出させ、そのアン
チセンスRNAによりセンスmRNAの発現を選択的に
制御するという研究がすすめられている。
たとえば、特定の遺伝子とそれに対応するアンチセンス
遺伝子を共に細胞に導入し、センスmRNAの発現を抑
制した例としては、Weintraubらが、チミジン
キナーゼ活性欠損(TK  )マウスL (LTK  
) AI胞にヘルペスウィルスのセンス3X!i伝子と
アンチセンスTK3fl伝子を1:100ちしくは1:
200の割合で導入した場合に、センス’T’ K遺伝
子の発現を通して見られるL’T’K  4[11胞の
生存率がアンチセンスRNAに阻害されること  (J
、7.]zant  and  Waintraub、
Ce1l、36  巻 、  1007頁、1984年
)、原核生物由来のタロラムフェニコールアセチル転移
酵素遺伝子の発現による酵素活性がそのアンチセンス遺
伝子の導入により抑制されること(14eintrau
b et al、、Trends 1nGenetic
s、1巻、22頁、1985年)、さらには、β−グロ
ビンのセンスmRNAとアンチセンスRNAとをカエル
の卵細胞内に導入することによりセンスmRNAとアン
チセンスRNAとの間に二重鎖を形成しβ−グロビンの
合成が抑制されること(口、八、He1ton、Pro
c、Nat1.Acad、Sci。
USA、 82巻、144頁、1985年)等が報告さ
れている。
さらに、特定の遺伝子とそれに対応するアンチセンス遺
伝子を共に細胞に導入するのではなく、アンチセンス遺
伝子のみを細胞に導入し、内在性遺伝子の発現を抑制し
た例としては、弁上らが大腸菌の細胞外膜蛋白であるO
np Fについて、アンチセンスO+ap Fと想定さ
れる170塩基からなる配列(n+cF)を染色体中に
見出だし、そのnic Fを多コピープラスミドにクロ
ーニングし、大腸菌に導入することにより、Onp F
の合成を阻害したという例(T、Hizuno et 
al、、Proc、Natl、八cad。
Sci、USA、81巻、1966頁、1984年) 
、Pa5tkaらが大腸菌のIac Zオペロン酵素の
合成を阻害できることを示した例(S、Pe5tka 
et al、、Proc、Natl。
^cad、sci、tlsA、818.7525頁、1
984年)が報告されている。これらの例においては、
アンチセンス遺伝子はセンス遺伝子の5′末f!NAf
flIをカバーすることが重要であり、また、アンチセ
ンス遺伝子は数十塩基であってもセンス3X!i伝子の
発現を抑制できることが注目される。
しかしながらこのようなアンチセンス遺伝子の導入によ
る内在性遺伝子の発現の抑制は、いずれら原核生物に対
してなされたものであり、遺伝子の発現系か異なる真核
生物に対しては成功していない。
その理由は、原核生物か細胞内に膜構造を持たず、その
遺伝子は細胞内の部位によって異なることなく一様に存
在すること、そこでセンスmRNAの翻訳の抑制に関し
てはアンチセンスRNAとセンスmRNAとの量比が重
要であると考えられることに対して、真核生物では細胞
の膜構造が重要なll!能を果たしており、遺伝子の発
現過程が原核生物のように単純なものではない、〜iど
による。
すなわち、真核生物の細胞においては、mRNAは細胞
内の核や小胞体に局在し、しかも、核内に存在するmR
NAは転写され、スプライシングを受けたのち細胞質内
に移行し、主として小胞体で翻訳がなされる。また、多
細胞生物では細胞や組織ごとに内在性遺伝子の発現量も
異なる。このため原核生物に導入したような単純な構造
の遺伝子を導入しても、真核生物においては内在性遺伝
子の発現を良好に抑制することはできないのである。
そこで、真核生物においてもアンチセンス遺伝子の導入
により内在性遺伝子の発現の制御をできるようにするこ
とが望まれていた。
(発明の目的) この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたもので
あり、従来の内在性遺伝子の発現の制御に関する課題を
解決し、アンチセンス遺伝子を導入して内在性遺伝子の
発現を制御してなる遺伝子導入真核生物とその作出方法
を提供することを目的としている。
(発明の開示) 上記の目的を実現するため、この発明の遺伝子導入真核
生物は、アンチセンス遠1云子を真核生物の分化全能性
を有する細胞に導入し、内在性W転子の発現を制御して
なることを特徴としている。
アンチセンス遺伝子導入真核生物を産出するのに使用す
るアンチセンス遺伝子としては、この発明は、特に、真
核生物に導入することにより内在性遺伝子の発現するR
NAに対して全部または部分的に相補的であるアンチセ
ンスRNAを発現するアンチセンス遺伝子を提供する。
また、この発明のアンチセンス遺伝子は、単に内在性遺
伝子と相補的な配列を有しているだけではなく、真核生
物において有効に発現するように内在性遺伝子が発現し
ている組織または細胞と同所性に働くプロモーターおよ
び/またはエンハンサ−を有していることも特徴として
いる。このようなアンチセンス遺伝子は、たとえばマウ
スのミエリン塩基性蛋白質(MBP)センス遺伝子に対
するアンチセンス(MBPアンチセンス)遺伝子として
形成できる。アンチセンス遺伝子は、プロモーターおよ
び/またはエンハンサ−とともにイントロン領域および
転写開始部位を有するように形成することが好ましい。
この発明のアンチセンス遺伝子を真核生物の分化全能性
を有する細胞、特に動物の場合には卵細胞等の生殖系列
の細胞に導入することにより、アンチセンス遺伝子かヘ
ミ接合あるいはホモ接合で保持された、内在性遺伝子の
発現を制御した真核生物を得ることができる。その改変
された表現型は、真核生物の子孫に至るまで安定に伝達
されるようにすることができる。
次に、この発明の実施例を示す、以下の実施例において
は、アンチセンス遺伝子の導入により発現を抑制する真
核生物の内在性遺伝子をマウスのM B P 3肯1云
子としな。
まず、このマウスのMBP遺伝子について説明すると、
このMBPIt伝子はマ転子18番染色体上にあり、ミ
エリン塩基性蛋白質(MBP)を産出させる内在性遺伝
子である。
MBPは、多層の膜(ラメラ)構造を形成して神経軸索
を取り巻き、神経情報の伝達を促進させるミエリンの主
要構成物質の一つである。なお、ミエリンは、中枢神経
系においては稀突起膠細胞(オリゴデンドロサイト)が
突起を神経細胞の軸索に伸長しそれらを取り巻きミエリ
ン鞘を形成する際に産生じ、末梢神経系においてはシュ
ワン細胞か産生ずる。またマウスの成体の中枢神経系の
ミエリンには、少なくともそれぞれ21500.180
()0.17500.14000ダルトンの分子量を持
つ4種の異なる構造のMBPの亜をが、1:10:3.
5:35の量比で存在する。これらのMBPは、いずれ
も単一のMBP3fi伝子から転写された初期転写産物
が異なった形にスプライシングされた結果できる別々の
mRNAが翻訳され産出されるものである。
このようなMBPを産出させるマウスのMBP遺伝子の
場合には劣性突然変異としてシバラー変異が生じる。こ
のシバラー変異をホモ接合型にもつマウスは、MBPの
欠損と、はとんど全ての中枢神経系におけるミエリン形
成不全という特徴を持っている。このマウスは、誕生後
2週間目明から神経障害である企図振戦症を呈し、週齢
が進むにしたがって強烈な痙撃を起こし、正常なマウス
よりも早く死亡するという特徴を有している。
そこで、以下に示す実施例においては、マウスにMBP
アンチセンス遺伝子を導入してMBP欠損を起こさせ、
シバラー変異による企図振戦症と同様の症状を発現させ
る。
実施例 1:マウスのMBPアンチセンス遺伝子の作成 マウスのMBPアンチセンス逍伝子転子成過程を第1図
に示す。
まず、(a)マウスのMBPの酋小分子種に対応するc
DNAがクローン化されているpMBP2(Hlに1l
ura et al、、J、Neurochen、、4
4巻、692頁、1985年)を制限酸素Pst Iで
処理し、得られた場所から電気泳動によりM B P遺
伝子をコードする領域を含む1.2kb (kb : 
1000塩基)の断片で早耳し、この両端を74DNA
ポリメラーゼで消化して平滑末端にした。一方、(b) cDNAの発現ベクターであるpKCRH2(旧5hi
na et al、、Nature、307巻、604
頁、1984年)のβ−グロビン遺伝子領域をtlin
dl[で処理し、Klenow酸素で断端の相補鎖を合
成して平滑木端にした後に、(c)上記MBP遺伝子を
コードする断片の平滑末端化したものと平滑末端結合(
blunt end ligation)を行った。こ
の際に、MBPのcDNAが本来の読み取り方向に対し
て逆向きのアンチセンスに配向するように結合したクロ
ーンを選択した。
(d)このクローンを分離した後に、MBPアンチセン
スcDNA領域を含むBan Hl−3at断片を切り
出し、p A T 153 (A、J、Twi(](l
 andD、Sct+erratt、Nature、2
83巻、216頁、1980年)のBaIIHI −3
at I領域と入れ換える(pAT153Bs)。
(e)一方、マウスのミエリン塩基性蛋白質(MBP>
遺伝子のプロモーター領域1.3kbを含む3.6kb
のMBP3fl伝子がクローン化されているpM P 
1を制限酵素Nco Iで処理し、ベクターを含む断片
を精製したあと、DNA分解酵素Bal 31で末端か
ら翻訳開始コドンを削りとり、Bam HIリンカ−を
接続し、さらに制限酵素tlind■およびBan H
■で切断する。
(f )pAT153BSを制限酵素BanHIおよび
H+ndlJで切り開き、その位置にMBP3m伝子の
プ転子−ター領域を含む1.3kbの1lind  I
[IRan HI断片を挿入する(pMDP302As
)。
このpMBP302Asの基本構造を示したものが第2
図である。
この第2図に示すように、pMBP302Asの基本M
造は、キャップ付加部位を含むMBP3!i伝子プロモ
ーター領域と、MBPアンチセンス遺伝子転子NAを有
し、さらに転写産物のスプライシングを行わせるために
、ウサギβ−グロビン遺伝子の第2イントロン領域、ま
たポリA付加を行わせるために同遺伝子の3′下流域お
よびSV40の3′下流域を配置し、転写開始部位を残
している。また、導入したMBPアンチセンスのcDN
Aは、さらにρAT153由来の276bpの配列が付
属している。
なお、マウスの受精卵に注入するMBPアンチセンス遺
伝子には、pMBP302Asがら切り出した4、2k
b tlind  m −3at I直鎖上断片を用い
た。
実施例2:遺伝子導入動物の作成 遺伝子を導入する宿主として企図転戦症の遺伝形質をヘ
テロに持つマウス(shi/+ )を用いた。
なお、企図転戦症の遺伝子をヘテロ接合で保持している
マウス(shi/+)の小脳におけるMBPmRNAの
量は、野生型(+/+)に対して半分であルコトが知ら
れている(E、Barbarese et al、、 
J。
Neurochel、 、 40巻、 1680頁、1
983年)。
この遺伝子導入動物の作成方法は、基本的にはガードン
らの方法(J、14.Gorden et al、、P
roc。
Natl、^cad、sci、UsA、77巻、 73
80頁、 1980年)に準じて行った。すなわち、シ
バラー(shi/shi )マウスの卵管からin v
itroで未受精卵を採取し、次いで、Fl (C57
BL/6xBALB/c)の精子で体外受精を行った。
その後、受精卵の雄性前核に2〜10■/μ」の実施例
1で作成したMBPアンチセンス逍伝子転子紋小ガラス
ピペツトで約2μm注入しな。これらの操作卵を予め偽
妊娠状態にしておいた雌マウス(ICR:HtlC,フ
レア■)の卵管に移植してMBPアンチセンス遺伝子導
入マウスを産出させた。マウスは20日後に誕生した。
実施例 3:導入MBPアンチセンス遺伝子の検定 実施ρJ2より得た誕生から約4週間後の離乳期の子マ
ウスの尾を切断する。尾の細胞から抽出したDNAにつ
いて、注入DNAが子マウスの染色体に組み込まれてい
るか否かをサザンハイプリタイゼーション法(E、5o
uthern、J、Ho1.Biol、、98巻、50
3頁、1975年)によって調べた。すなわち、マウス
の尾の細胞から高分子量のDNAをvI製しくN、BI
in and D、t4.5tafford、Nucl
eic Ac1dRes、 、 3巻、2303頁、1
976年)、制限酵素EcoR■で消化した後、5μg
のDNAを0.7%アガロースゲル電気泳動で展開し、
ナイロン膜(MSI:N04HY312F5、S&S社
製)に転写した。次に転写したDNAをフォルムアミド
緩衝液中で32Pで標識した1、2kbのM B P 
c D N A領のプローブとハイブリダイズした(A
、P、reinber(l andB、八、VOgel
StOin、^na1.Biochen、、 132巻
、6頁、1983年)、ハイブリダイゼーション後、ナ
イロン膜を室温で15分間2XSSPE溶液で2回洗浄
し、次いで、65℃で15分間2XSSPEと0.5%
SDSの混合溶液で1回洗浄したのち、65°Cで15
分間0.5XSSPEと0.5%SDSの混合溶液で1
回洗浄し、コダック社製X線フィルム(XRP−5)で
2日間露光した。その結果、第3図に示したように、使
用した受精卵128より15匹のマウスが誕生し、その
うちから5匹の遺伝子導入マウスを得た。また、導入さ
れたMBPアンチセンス遺伝子は2〜50コピ一程度で
あったが、これらのマウスは第4図に示したように見掛
は上正常な表現型を示していた。
実施例 4:3fi伝子導入動物系の作成実施S2で得
た遺伝子導入マウスのうちの1匹の雄[ASloo(s
hi/+)]をB 6 c F 1マウス(十/−ト)
と交配させ、50匹の子孫(AS1001〜AS100
−50)を得た。この50匹について、前述のサザンハ
イプリダイゼーション法に従って、ASlooからの導
入MBPアンチセンス遺伝子を受継ぐ子孫を21匹選別
しな。これら21匹の子孫については、企図転戦症の遺
伝形質についてヘテロ接合のもの(shi/+)とツf
生型のものC+/+ )がある、ヘテロ接合については
、シバラー突然変異の染色体にしか存在しない制限酵素
断片の存在によって確かめた。導入MBPアンチセンス
遺伝子を受継ぐ21匹の遺伝子導入マウスのうち10匹
は、誕生後2週間頃より程度は異なるが、企図転戦の症
状を呈し始め、徐々に企図転戦症特有の表現型を示すよ
うになってきた。
これらの遺伝子導入マウスの企図転戦症の遺伝形質と表
現型との相関を示したものが表1である4遠伝子導入マ
ウスの遺伝的背景と企図転戦(表現型)との相関企図x
戦 正  常 shi  ニジバラ−突然変異、+:野生型実施例 5
:アンチセンス遺伝子を受継ぐ遺伝子導入動物の脳にお
けるMBPの検出 遺伝子導入マウスおよび正常マウスから摘出した脳の半
分を4%パラフォルムアルデヒドで固定し、パラフィン
包埋した。各プレパラート切片について、マウスMBP
に対するウサギ抗体を第一反応に、ホースラデイツシュ
ペルオキシダーゼ(HRP )標識抗ウサギIgGを第
二反応にした組織免疫染色を行った。
その結果、第5図に示したように、正常マウスの小脳で
は、白質は一様に染色されているが、導入MBPアンチ
センス遺伝子を受継ぐ遺伝子導入マウス(ASloo−
14)の小脳では白質の重要な部分は染色されず小脳組
織でMBPのモザイクが見られるなど企図転戦症に認め
られる組織像がモザイク状に認められた。
実施例 6:内在性MBPffi伝子および転子MBP
アンチセンス逍伝子転子現量 のa判定 誕生後650目の子孫遺伝子導入マウスと100日日の
ASlooから摘出した脳の半分からChirgwin
らの方法(J、H,Chirgwin et al、。
Biochelllistry、 18巻、5294頁
、1979年)に従って、全RNAを抽出した。その2
.5μgのR,NA試料をクリオキサールで変性させた
後(G、に、HCHaSterand  G、G、Ca
rl+chael、Proc、Natl、Acad、S
ci、USA、74巻、4835頁、1977年)、0
.9%アガロースゲル電気泳動で展開し、ナイロン膜(
MS I : N04HY312F5、S & S 社
’M ) ニ転写1.り。
その後、まず、内在性MBP遺伝子の発現量を測定する
ために、32Pで標識した1、2kbのMBPc D 
N A 6n域のプローブをハイブリダイズした。
その後、ナイロン膜を室温で5分間2XSSC10,1
%SDS溶液で2回洗浄し、次いで、65°Cで90分
間2 X S S C/ 0 、 I S D S溶液
で1回洗浄後、コタンク社製X線フィルム(XR,P−
5>で2日間露光した。
次に、導入MBPアンチセンス遺伝子の発現量を測定す
るために、内在性MBP遺伝子の発現量の測定に用いた
ナイロン膜からプローブを脱ハイブリタイセーションし
た後、SP’6ボリメラーゼシステム(ProIleg
a製)で合成したMBPアンチセンスRNAとのみハイ
ブリダイズする32Pで標識した一本鎖のセンスM B
 P RN Aとハイブリダイズさせた。その後、ナイ
ロンI摸を室温で5分間2XSSC10,1%SDS溶
液で2回洗浄し、次いで、室温で30分間RNaseA
処理2 μtr / μ、Q  (2XSSC10,1
%SDS溶液中)を行ったあと、65℃で90分間2X
SSC10,1%SDS溶液で1回洗浄し、コダック社
製X線フィルム(XRP−5)で2日間露光した。
その結果、表2、第6図(A)に示すように、内在性M
 B P m R,N Aの発現量は遺伝子導入マウス
であるASloo(3111/十) 、ASloo−1
1(+/モ) 、ASloo −12(shi/+ )
 、 ASloo −14(Shi/”)では全て、遺
伝子導入動物でない同腹の子孫AS100−10 (+
/十)と比べて、それぞれ、40%、50%、30%、
20%に減少していた。また、遺伝子導入マウスでない
ヘテロ接合(shi/十)のマウス(ASloo−7、
ASloo−9)はどちらもASloo−10に対して
MBPmRNAが50%に減少していた。また、3ff
f 導子導入マウスの脳内の導入MBPアンチセンス遺
伝子から発現したアンチセンスRNAの解析では、第6
図(B)に示すように遺伝子導入動物の個体間でRNA
量は異なるが、遺伝子導入動物では全て転写RNAのバ
ンドとして期待される1、9kbのサイズのところにバ
ンドが認められた。
一方、遺伝子導入動物でない同腹の子孫では、いずれら
、長時間露光してもこのサイズのバンドは検出されなか
った0表2に示したようにMBPmRNAの量の減少と
異常な表現型の現れかたには明瞭な相関があることがわ
かる。さらに、内在性のM[3PmRNAの減少量と金
画転戦症特有の企図転戦を示す表現型の程度ともよく一
致している。
表2、内在性MBPmRNAの発現量と企図転戦(表現
型)との相間HBpHRNAグi天μm」 ± ++ ++ Tl1lNAQ現ff1(X) ゴ00 HBPの存在 + + + ± (表現型) ± + +:企図振転 戦:力ηiカシr裕工]折圓攬 (発明の効果) この発明によれば、真核生物にアンチセンス遺伝子を導
入することにより、その内在性遺伝子の発現を抑制し、
制御してなる遺伝子導入真核生物を作成することができ
る。
また、この発明により真核生物の表現型をその子孫に至
るまで所望の形質に改変することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、マウスのMBPアンチセンス逍伝子転子ヤ成
過程を示す工程図である。 第2図は、MBPアンチセンス遺伝子(ρMBP302
AS)の基本構造図である。 第3図は、遺伝子導入マウスの作成結果を表す受精卵数
と誕生マウスとの相関図である。 第4図は、マウスに導入されたMBPアンチセンス遺伝
子のササンハイブリダイゼーションによる検定結果を表
す図面代用写真である。 第5図は、マウス小脳の免疫組織染色像を表す図面代用
写真である。 第6図(A>は、マウスに導入しなMBPアンチセンス
遺伝子に基づく転写RNAの検出結果を表す図面代用写
真である。 第6図(B)は、マウスの内在性M B P m RN
Aの検出結果を表す図面代用写真である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)アンチセンス遺伝子を真核生物の分化全能性を有
    する細胞に導入し、内在性遺伝子の発現を制御してなる
    ことを特徴とする遺伝子導入真核生物。
  2. (2)真核生物が哺乳動物である請求項(1)記載の遺
    伝子導入真核生物。
  3. (3)アンチセンス遺伝子が発現するRNAが内在性遺
    伝子の発現するRNAに対してアンチセンスである請求
    項(1)記載の遺伝子導入真核生物。
  4. (4)アンチセンス遺伝子が、内在性遺伝子が発現して
    いる組成または細胞と同所性に働くプロモーターおよび
    /またはエンハンサーを有している請求項(3)記載の
    遺伝子導入真核生物。
  5. (5)アンチセンス遺伝子が、プロモーターおよび/ま
    たはエンハンサー、イントロン領域および転写開始部位
    を有している請求項(3)記載の遺伝子導入真核生物。
  6. (6)アンチセンス遺伝子が、ミエリン塩基性蛋白質セ
    ンス遺伝子の相補性DNAのアンチセンスである請求項
    (3)記載の遺伝子導入真核生物。
  7. (7)アンチセンス遺伝子がヘミ接合で保持されている
    請求項(1)または(3)記載の遺伝子導入真核生物。
  8. (8)アンチセンス遺伝子がホモ接合で保持されている
    請求項(1)または(3)記載の遺伝子導入真核生物。
  9. (9)アンチセンス遺伝子を生殖系列の細胞に導入して
    なる請求項(1)記載の遺伝子導入真核生物。
  10. (10)請求項(1)記載の遺伝子導入真核生物から分
    離、取得した生物細胞。
  11. (11)アンチセンス遺伝子を真核生物の分化全能性を
    有する細胞に導入し、内在性遺伝子の発現を制御するこ
    とを特徴とする遺伝子導入真核生物の作出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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J.NEUROCHEM.=1985 *
PROC NATL ACAD SCI USA 84=1987 *
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