JPH02234037A - 構造物の力学的異方性測定法 - Google Patents

構造物の力学的異方性測定法

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JPH02234037A
JPH02234037A JP1055387A JP5538789A JPH02234037A JP H02234037 A JPH02234037 A JP H02234037A JP 1055387 A JP1055387 A JP 1055387A JP 5538789 A JP5538789 A JP 5538789A JP H02234037 A JPH02234037 A JP H02234037A
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、例えば板状成形品等の構造物の力学的性質(
例えば剛性)の異方性を測定する方法及び構造物を構成
する材料の配向分布状態を決定する方法に関する。
(従来の技術と発明か解決しようとする課題)プラスチ
ック成形品は、現在自動車、電気、精密機器等の部品と
して大量に使用されているのは周知の通りである。
ところで、プラスチック部品を製造する方法として最も
多く用いられているのは射出成形法である。射出成形は
、複雑形状のものを大量生産できる工業的に極めて重要
な成形法である。しかしながら、射出成形によって製造
されたプラスチック成形品の品質・性能は、射出成形過
程中の履歴に大きく左右される。ゲートから流入した溶
融樹脂は、薄肉の金型キャビティー内を、流動しながら
充満したあと、昇圧、保圧、冷却固化過程を経て、金型
から取り出されて成形品となる。金型キャビティー表面
で急冷されながら流動する溶融樹脂は、キャビティー表
面近傍で大きな剪断応力を受け、流動配向をおこし、十
分に応力緩和がおこらずに凍結されるため、成形品中に
大きな残留歪が発生する。かかる残留歪は、成形品の反
りや変形の原因の一つとなると同時に、強度や弾性率(
剛性)等の力学的異方性の原因となる。
又、熱的性質や力学的性質を向上させるために、カーボ
ンファイバーやガラスファイバー等の有機あるいは無機
繊維を混合したプラスチック材料あるいは、マイカやタ
ルク等の無機充填材を混合したプラスチック材料も自動
車部品等に非常に多く使用される。
これら充填材含有プラスチック材料を射出成形した場合
には、充填材自身が金型内流動中に配向する。又、成形
品中に分散している充填材の濃度も多くの場合不均一に
分布している。特に繊維含有成形品の場合においては、
高分子材料の流動配向よりも繊維配向が反りや変形、さ
らには強度や剛性に対して、大きな影響を及ぼす。成形
品中に分散する各繊維の方向性は、各繊維が流動中にう
ける力のバランスによって決定される。そのため、方向
性は、成形条件、ベース樹脂の種類、成形品厚み、ゲー
ト位置等の諸々の要因によって変化する。当然成形品各
場所によって配向の方向やその大きさが異なることにな
る。従って、成形品は、力学的異方性を有し、その分布
及び大きさが各場所によって不均一となる。又、たとえ
ば熱伝導率のような熱的異方性も生ずることになる。プ
ラスチック成形品の中には、このような配向による力学
的異方性を利用して力学的性質の大幅な向上を図る場合
(たとえば、細長い形状部分が多い場合、長手方向に配
向して剛性をアップさせたり、スピーカーコーンのよう
に放射状に配向させて比弾性率を大きくする場合)もあ
るが、一般的には力学的異方性は好ましいものではなく
、可能であれば完全になくすることが好ましい。
本質的に、プラスチック射出成形品の場合においては、
繊維等の充填材を含有してもあるいは含有していなくて
も、程度の差はあるものの、分子や充填材の配向によっ
て力学的異方性を有し、その分布状態及び大きさが製品
各部で不均一である。
よって、個々の製品(構造物)の力学的性質の異方性と
その大きさや分布状態を把握することは重要であり、製
品の品質向上、材料改良や開発ミ製品や金型のデザイン
の最適化、成形条件の選択、さらには製造過程での製品
の品質管理にとって極めて重要な情報となる。
従来、このような製品の力学的異方性たとえば弾性率(
剛性)や強度の異方性を測定するためには、製品の一部
あるいは各部を切断し、ASTMD790に準拠した曲
げ試験を行なう方法が一般的であるが、そのためにはい
くつもの製品を用いて、同一箇所から切断方向(角度)
を変えた試験片を準備する必要があった。さらに、製品
全体の力学的異方性を知るためには製品全体にわたって
同様の操作を行なう必要があった。破壊試験であること
及び多くの手間と多くの試験用製品が必要とされること
から製品の品質管理にはとても採用できる手法とは言い
がたい。又、分子の配向状態についてはX線回折法がよ
く用いられるが、製品を切断する必要がある。繊維の配
向や分散状聾を観察する際よく用いられる軟X線透過法
も、小さい構造物であれば、非破壊検査が可能であるが
、複雑形状のものや大きな構造物であれば切断する必要
がある。さらに、繊維の配向は製品の表層付近と中心付
近では異なっているため、単に軟X線の透過写真を見た
だけでは、繊維の分散状態が非常に複雑であり、力学的
異方性(剛性の最大方向や剛性の強度分布)を決定する
ことは不可能に近い。
構造物の剛性に関する情報を提供する共振周波数も、構
造物のグローバルな値としての情報しか得られない。即
ち、力学的異方性を有する構造物であっても、共振周波
数は加振点や応答点に無関係の値を示す。
従って、射出成形品の力学的異方性の測定には局所ごと
に製品を切断して、曲げ弾性率(あるいは強度)の角度
依存性を測定するか軟X線による透過法やX線回折法等
に依らざるを得ない現状にある。
ところで一方、機械構造物の動特性を測定し、さらに解
析する手法として、モーダル解析法はよく知られている
[ディ・ジェイ・エウィンズ(D.J. Ewins)
著、[モーダル・テスティング:セオリイアンドプラク
ティスJ(Model  Teating:Theor
y  and  Practice)、リサーチ・スタ
ディズ・プレス、昭和59年;大久保信行著「機械のモ
ーダル・アナリシス」、中央大学出版部、昭和57年5
月10日]。この手法は、一般的には、対象物に加振点
で加振力x(t)を加えたときに応答点での応答y(t
)(変位、速度または加速度)を同時に測定して動特性
(=y (t)/ x(t))を求め、次に動特性をフ
ーリエ変換して周波数応答関数H(ω)=Y(ω)/X
(ω)を求め、振動モード(動特性)を解析するもので
ある。
しかしながらζ従来のモーダル解析に使用される共振周
波数や減衰比等のモーダルパラメータは、加振点、応答
点の位置に無関係なグローバルな値であるため、現行の
モーダル解析法は局所的な力学的性質の異方性の測定に
は本質的に使用できない。従って、構造物の力学的異方
性の決定に必要な局所的データが得られない。
本発明は、構造物のモーダル解析を行なう過程でその際
に測定する周波数応答関数(伝達関数)に関して得られ
た新たな知見に基づいてなされたものであって、非破壊
検査で構造物の力学的性質の異方性を確実かつ容易に測
定することができる方法を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明に係る第lの構造物の力学的異方性測定法は、構
造物上において、点Aと、点Aを中心とする所定の半径
の円周上の複数の点Bi(i=1.2・・・)とを設け
、点Aと点Biの一方を加振点とし他方を応答点として
、加振点において構造物に加振方を加え、同時に応答点
において応答(変位、速度または加速度)を測定して、
周波数応答関数Hi(ω)を求め、得られた各周波数応
答関数Hi(ω)より、反共振周波数ωの測定角度θ(
=,4B.ABi)に対する依存性を求めることにより
、上記円周内における剛性分布を測定する。
本発明に係る第2の構造物の力学的異方性測定法は、第
1の測定法を構造物上の複数の測定領域に適用して、構
造物の一部または全体における剛性分布状態を測定する
ことを特徴とする。
本発明に係る第3の構造物の力学的異方性測定法は、構
造物を構成する材料の一部または全体における配向分布
状態を決定する方法である。
(発明の原理的構成) 本発明は、モーダル解析の際に測定する周波数応答関数
に関する本発明者らによる新たな知見、即ち反共振周波
数が局所的な力学的異方性をきわめて忠実に反映すると
いう知見を構造物の力学的異方性の決定に用いたもので
あり、本知見をもとにプラスチック射出成形品の分子配
向の方向や繊維の流れ方向や金型内の溶融樹脂の流動方
向の決定にも利用するものである。
本発明により構造物の異方性を測定する場合、第1図の
フローチャートに示す手順で行う。まず、対象となる構
造物の一部または全体に複数の測定領域を設け、各測定
領域で点Aと点Aを中心とする所定の半径の円周上の複
数の点J(i=1.2.・・・)を設ける(ステップS
t)。点Aと点Biの一方を加振点とし、他方を応答点
とする。加振点は、加振器により加振力を加える点であ
り、応答点は、加振に対する応答(変位、速度または加
速度)を測定する点である。点Aと点Biを結ぶ方向か
、力学的性質の測定の方向となる。
次に、測定領域を指定し(ステップS2)、その測定領
域における加振点と応答点を指定し、従って、基準方向
に対する測定角度を指定する(ステップS3)。そして
、加振点で構造物を加振し、加振点での加振力と応答点
での応答を測定し(ステップS4)、得られた測定デー
タについて高速フーリエ変換により周波数応答関数を求
め(ステップ95)、その解析結果をプリンタ等に出力
する(ステップS6)。
次に、その測定領域での全測定角度について測定が終了
したか否かが判定される(ステップS7).終了してい
なければステップS3に戻り、別の点Biを指定して周
波数応答関数を求める。
終了していれば、次に、得られた周波数応答関数のデー
タを解析し、反共振周波敗ωの測定角度依存性を求め、
反共振周波数ωが極小になる角度をその測定領域におけ
る最大剛性方向あるいは、配向か最大の方向と決定し、
又、反共振周波散ωが極大となる角度をその測定領域に
おける最小剛性方向あるいは配向が最小の方向と決定し
、この2つの反共振周波数の値に基づいて、全測定角度
についての、力学的異方性や配向の度合(即ち分布状態
)を決定する(ステップS8)。
次に、全測定領域について測定が終了したか否かが判定
される(ステップS9)。終了していなければ、ステッ
プS2に戻り、別の測定領域を指定して、最大剛性方向
あるいは、配向が最大の方向と決定し、又、反共振周波
数ωが極大となる角度をその測定領域における最小剛性
方向あるいは配向が最小の方向と決定し、この2つの反
共振周波数の値に基づいて全測定角度についての力学的
異方性や配向の度合(即ち分布状態)を決定する。
終了していれば、最後に、測定結果を表示する(ステッ
プS10)。
ステップS6において求められる周波数応答関数の演算
は、対象物に加振点で加振力x(t)を加えたときにお
ける応答点での応答(変位、速度または加速度)y(t
)の測定結果より動特性を求め、次にこれらの測定デー
タを高速フーリエ変換して周波数応答関数H(ω)=Y
(ω)/X(ω)を求めるものである。
次に、データ解析(ステップS8)において重要な周波
数応答関数H(ω)における反共振周波数ωについて説
明する。
周波数応答関数H(ω)の振幅は、測定対象物の自由度
に対応する数の振動モードの共振周波数でピークを有す
る。
第2図(a) . (b)は、減衰のない2自由度系の
周波数応答関数(ここでは、モビリテイ=速度/力)の
一例を示す。周波数応答関数(太線で示す)は、それぞ
れ共振周波数でピークを有する2つのモードの寄与(細
線で示す)の和または差である。モビリティは、第2図
(b)のように2つのモードの寄与が加算される場合は
、2つの共振周波数の間でゆるやかに変化する。一方、
第2図(a)のように2つのモードの寄与の符号が異な
る場合は、2つの共振周波数の間で、振幅減少方向にピ
ーク(実質的に振幅が零となる。)を有する。このピー
クの周波数を反共振周波数という。
一般の多自由度系の場合、周波数応答関数は、隣りあう
2つの共振周波数の間で構造物の特性に対応して反共振
周波数でのピークを有する場合と有しない場合がある。
従来は、この反共振周波数に対してはあまり注目されて
いなかった。しかし、本発明のように構造物上の複数の
点での力学的性質の異方性を求める場合、注目するパラ
メータは局所的な値である必要がある。共振周波数は構
造物の剛性に関する情報を掛供するが、構造物のグロー
バルな値としての情報しか得られず、本発明者らは力学
的異方性を有するプラスチック構造物であっても、加振
点や応答点に無関係の値を示すことを確認している。そ
こで、本発明者らは反共振周波数に注目し、力学的に異
方性を示すプラスチック射出成形品を用いて種々検討し
た結果、加振点や応答点をずらすと反共振周波数が成形
品の局所的な力学的異方性を精度よく反映することを見
出だしたのである。
尚、局所的な異方性を決定する際に用いる反共振周波数
は、できるだけ低次の共振周波数の間にある反共振周波
数を採用することが望ましいが、構造物の種類(形状や
材質等)によっては、高次の共振周波数の間にある反共
振周波数を用いる方がよい場合もある。
(実施例) まず、反共振周波数の異方性を簡単な質点振動系のモデ
ルでみてみる。第3図に示すモデルは、異方的な板を、
正方形の角に相互に等距離に位置する等しい質量mの計
4個の質点1,2,3.4で表わしたものであり、各質
点の間は、図に示すようにばね係数k.−k.を有する
ばねで結合されている。
この質量−ばね系において、加振点(図では左上側の点
l)で板に垂直方向に力『.を作用させたときの各質点
1,2,3.4での垂直方向の変位をXl+x,+ X
 a 1 x 4とする。このモデルについて運動方程
式をたてると、周波数応答関数の反共振周波数ωは、運
動方程式による特性行列の余因子行列より求められる。
すなわち、点iと点jを結ぶ方向の周波数応答関数の反
共振周波数ω..は、j行目とi列目lコ を除去した行列の行列式を0とする周波数である。
(a)  kl.kt一異方性 L/kt=r   (r> t ) ka=ka=(kt + km)/ 2として1−2方
向と1−4方向に異方性を持たせた場合、 ω1,は存在しない。
第4図(a)に示すように、強方向(l−2方向)での
周波数応答関数の反共振周波数ω,,は、弱方向(l−
4方向)での反共振周波数ω14よりも小さい値になる
ことがわかる。
ここで注目すべきなのは、上記の直交異方性を有する系
では、((1) 14”/ (i) ttつ=r=k+
/k*となり、異方性を示す互いに直交する方向の反共
振周波数の自乗の比が、両方向のばね係数の比k+/k
!となることである。つまり、上記のような直交異方性
を与えたモデルでは反共振周波数が直接的にその系の異
方性を示すものであることが理解される。
(b)  k,,k,一異方性 k3/ k4= r       (r > 1 )k
+=kt=(k3 +k4)/ 2 としてl−3方向と2−4方向に異方性を持たせた場合
、 第4図(b)に示すように、やはり強方向(l−3方向
)で反共振周波数が小さくなることがわかる。
(c)  等方性 比較のために、4つのばね定数ks.k*.k*.k4
を等しくした場合、 (d+t=(i)+s=(dtn=2 FフTしたがっ
て、第4図(c)に示すように、反共振周波数の方向に
よる差はない。
以上に説明した簡単なモデルにより、反共振周波数は、
現実の構造物においてもその力学的異方性に対応して感
度よく変化すると予想される。そこで、実際の試料につ
いて実験したところ以下に説明するように有用であるこ
とがわかった。
測定装置は、従来モーダル解析装置として用いられてい
る装置を使用する。第5図に測定装置の概略を示す。測
定しようとする構造物li上に加振点l2と応答点l3
を設定する。加振点l2には、ハンマ14を用いてイン
パルス加振し、その加振力x(t)を、ハンマ14に取
付けてあるロードセルl5により検出する。一方、応答
点l3には振動ビックアップl6を設けておき、加振力
に対する応答y(t)を検出する。なお、インパルス加
振は1点につきlO回程度行い、最も素直なデータを選
択できるようにする。
ロードセルl5により検出される加振力信号×(1)と
振動ピックアップ16により検出される応答信号(たと
えば加速度信号y(t))は、A/Dコンバータ1 7
,1 Bにより夫々デイジタル値に変換され、次に、フ
ーリエ変換器19により高速フーリエ変換(F F T
)され、オートスベクトラム及びクロススベクトラムを
演算したうえで、演算器20により周波数応答関数H(
ω)が計算される。計算の手法は従来の適当な手法を採
用する。計算結果は、演算処理用マイクロコンピュータ
2lに出力される。
このマイクロコンピュータ21では、各加振点12につ
いて得られる周波数応答関数H(ω)を用いて、各測定
領域での力学的異方性を後述の方法で解析し、CRTな
どのディスプレイ装置22において、CRT上に等高線
やカラーグラフィクスで表示し、或は必要に応じてレコ
ーダ23により記録する。
測定に際しては、構造物ll上に任意の複数の測定領域
を設定して、各領域で測定方向を順次変えながら測定を
行う。このため、例えば、第1測定領域では、応答点で
ある点A1、および、点A1から半径rだけ離れた測定
円C上に複数の加振点である点B.,B.,・・・を設
定する。半径rや点Bi(i−1.2.・・・)の数は
、測定対象の性質に応じて決定すればよい。また、加振
点をA,とし、応答点をB + . B t.・・・と
して、加振点A,を固定して測定してもよい。
はじめに、第6図に示す正方形(一辺30cm)の板3
1についての測定例を示す。板31の成形材料は、グラ
スファイバ(平均長さ2〜3 ms)を20重量%含む
ボリブロピレン(住友ノーブレンeGVH42)である
。板の射出成形において、素材はフイルムゲート32(
第12図参照)から流入する。
この正方形の板3lにおいては、横4行縦4列の16個
の測定領域を設け、各測定領域では応答点l3である点
A4(i=1.2,・・・,l6)を中心に、図の上下
方向を測定角度の基準とし、上方向を0゛とし、反時計
回りにO゜から180°を含む全周上を30′ごとの測
定角度をなす12点B+””81gの加振点l2を設定
する。
第6図においては、八6を応答点I3とする測定領域に
ついてのみBl−B+tを図式的に示す。
測定円Cの半径rは、2 . 5 cm以下であること
が望ましいことがわかった。
また、t s o”の場合を含み、全周上の測定点Bi
を設定するのは、異方性の局所的な相異により、一般に
0゛の場合と異なる結果を示すこと(プラスチック射出
成形品、特に繊維含有プラスチック材料を用いた射出成
形品においては、局所的には剛性が直交異方性を示すと
は限らない)及び、剛性の最大方向、即ち、反共振周波
数が最小となる角度を正確に求めるためである。従って
、反共振周波数が最小となる角度が180゜までの半周
期で正確に求められれば、半周期180”まで測定すれ
ばよいが、さもない場合は、全周上を測定することが好
ましい。
測定においては、板3!はP,Qの位置に直径1mmの
穴をあけ、長さ70cmの本綿糸の両端で結び、木綿糸
の中央部を固定し、板31を空中に吊した状態(自由支
持状態)で測定した。
加振方法としては、インパクト加振を用いた。
測定半径rは2cmと゛した。
第7図に、A  Δ 及びA15を応答点134′6 とした時の測定角O度の例を周波数応答関数であるイナ
ータンス(加速変/力)の対数の周波数の対数に対する
依存性を示す。第7図で明らかな如く、共振周波数は加
振点や応答点Aiに無関係に同じ値を示しており、異方
性材料であっても構造物によって一義的に決まるグロー
バルな値であることが判る。一方、構造物の局所的な情
報を提供する反共振周波数は、加振点Biや応答点Ai
の位置によって異なることが判る。
第8図(a) , (b)に、A6を応答点13とした
時のイナータンス(加速度/力)の対数の周波数の対数
に対する依存性を示す。図中の数字は測定角度を示す。
この構造物の1次共振周波数と2次共振周波数の間に反
共振周波数があらわれ(Aらでは1次共振周波数はあら
われない)、測定角度に依存して感度よ《変化する。(
測定に用いる反共振周波数は、低次のものほど望ましい
。しかしながら、反共振周波数の角度依存性が感度よく
あらわれない場合は、高次のものを用いてもさしつかえ
ない。)第9図は、測定された反共振周波数の測定角度
に対する変化を示す。この例においては、反共振周波数
が最も低くなる角度θsinは、0゛及びIBθ°とい
えるが、O0 と180°の周波数が若干異なることか
ら、210゜までの測定を行ない、180’の方向がθ
sinであることを確認した。
尚、反共振周波数のθsinを決定する場合、精度向上
のため、測定データをもとに適当な内挿法を用いること
が好ましい。
第10図は、A6を中心とする円Cで囲まれた部分の曲
げ弾性率及び曲げ強度の角度依存性の測定結果を示した
ものである。180゜の値はθ°の値を用いて示してあ
る。測定角度は第9図と同じである。測定方法はAST
MD790に準拠した。八〇を中心とする円Cで囲まれ
た部分の曲げ弾性率は0゜の方向(l80゜の方向と同
じ)が最大で、90゜の方向が最小であった。又、曲げ
強度についても同じ傾向を示した。従って、第9図にお
いて反共振周波数が最小を示す角度(即ち、O゜あるい
は180゜)が、曲げ弾性率(剛性)及び曲げ強度の最
大値と対応し、反共振周波数が最大を示す角度(即ち9
0゜、θ11111と垂直の方向)が、曲げ弾性率(剛
性)及び曲げ強度の最小値と対応することが判った。
従って、反共振周波数の角度依存性を測定し、反共振周
波数が極小値となる方向が力学的剛性、強度が最も大き
く、極大値となる方向が力学的剛性、強度が最も小さい
と判断できることがわかる。
上記方法は、構造物の局所的な力学的異方性を非破壊で
測定できる有効な測定方法であることが判った。また、
繊維含有プラスチックの射出成形品の曲げ弾性率は、一
般に繊維の配向、特に成形品の表面に近い部分の繊維の
配向に大きく依存し、配向方向の弾性率が最大となるこ
とから、反共振周波数の角度依存性を用いる測定方法は
繊維の配向方向を推定する上でも有効な非破壊試験手段
としても利用できることが判った。
第11図には、第lO図に示した曲げ弾性率(FM)の
値を用い、FMの最大値即ち測定角度0゜(一rgo”
 )の値(FMO)を1として、各測定角度θiにおけ
る曲げ弾性率(FMθi)の値を比率であらわしたもの
(即ちFMθi/ F M a )及び、第9図に示し
た反共振周波数の測定角度依存性の値を用い、反共振周
波数ωshin(即ち、測定角度180゜の値)と各測
定角度θiにおける反共振周波数(=ωθi)の値の2
乗比(即ちω〜in/ω1θi)であらわし、異方性の
度合の角度依存性を比較したものである。
第11図から明らかなごとく、反共振周波数によって求
めた異方性の度合は、特に極小値のところで曲げ弾性率
より求めた値と非常に良い一致を示しており、又、その
他の角度のところでも傾向的にはよく対応しており、構
造物の局所的な異方性の度合の角度依存性(即ち、異方
性の分布状態)を測定する手段としても利用することが
出来ることが判った。
第12図は、板31全体で16の測定領域において測定
を行ない、各領域で得られた反共振周波数の角度変化か
ら剛性の最大方向を上記の方法で測定し、表示したもの
である。この方向は又、繊維の成形品表層付近の流れ方
向とも推定でき、同時に又、樹脂の流動方向とも推定で
きる。これを見ると実際の繊維及び樹脂の流動方向と酷
似しており、上記の測定方法を構造物の一部でなく全体
に適用することにより非常に有効な知見が得られること
がわかる。
次に、ミニバンパーについての測定について説明する。
第13図に示す形状のミニバンパー51を、上記の板3
1と同様に、グラスファイバ(平均長さ2〜3IIII
1)を20重量%含むボリブロビレン(住友ノーブレン
e)GVH42)を用いて射出成形法により製造した。
射出成形の際のサイドゲート52は、ミニバンパーのサ
イドの中心にある。
本測定において、ミニバンパーは、自由支持状態にあり
、加振方法は、インパクト加振を用いた。
任意の位置に応答点を定めミニバンパーの長手方向を基
準として、その周りの測定円に30”おきに加振点を設
け、周波数応答関数を測定した。測定円の半径は2cm
とした。
第14図(a) . (b)に周波数応答関数(イナー
タンス)の測定結果を示す。共振周波数でのピークの他
に、隣接する共振周波数の間に反共振周波数のピークが
みられ、反共振周波数は、測定角度に応じて感度よく変
化する。
第15図は、第2共振周波数と第3共振周波数の間での
反共振周波数と測定崗度との関係を示す。
この場合、最小値に対応する30゜が剛性の強い方向で
あることがわかる。
第16図はミニバンパーの70の各測定領域での極小値
の方向つまり剛性が極大となる方向を示す展開図である
。ゲート52から流入した溶融樹脂の流れに対応した繊
維の流れをよく反映している。(なお、各測定領域での
線の長さは、反共振周波数の最大値と最小値との差Δf
を示す。)以上の測定例は、ガラスファイバーを含有す
るポリプロピレンの射出成形構造物について行われたが
、一般に、無機繊維または有機繊維を含有する繊維強化
プラスチック製構造物についても、繊維の配向方向、分
散状態及びその結果発生ずる構造物の力学的異方性の決
定方法として利用でき、又製品の品質管理や生産管理に
極めて有効な非破壊検査法となる。又、最近工業的によ
く行なわれている金型内での流動挙動のコンピュータ・
シミュレーション結果の検証手段としても有効な手段と
なる。又、繊維やその他の無機充填材を混合していない
プラスチック材料の配向状態や、剛性強度等の力学的異
方性を検出し、上記と同じ目的で利用できることは言う
までもない。
尚、本発明はプラスチック射出成形品だけでなく、一般
に公知の種々のプラスチック成形加工法で製造された構
造物(シート状のものも含む)にも適用できる。熱硬化
性プラスチック及び熱可塑性プラスチックの繊維強化プ
ラスチックすべてに適用可能であり、構造物の材質とし
てはさらにプラスチック材質以外のセラミック材料、金
属材料にも適用できる。
(発明の効果) 構造物の剛性分布や強度分布を非破壊的に比較的簡便に
測定でき、測定装置としては現在工業的に利用されてい
るモーダル解析装置や、周波数応答関数までを測定出来
る装置も使用できる。
これにより、剛性分布や強度分布を生じる因子(たとえ
ば、繊維強化プラスチックの繊維の配向、場所による分
散不均一性等の分布状態や溶融状態の材料の成形途中の
流動方向)を決定する方法や、製品の生産管理、品質管
理等、本文中に記載した諸々の用途に利用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る測定法のフローチャートである。 第2図(a) . (b)は、それぞれ、減衰しない2
自由度系の周波数応答関数(モビリティ)の周波数依存
性の対数・対数プロットのグラフである。 第3図は、異方性を調べるための簡単な質量一ばね系の
モデルの図である。 第4図(a) , (b) . (c)は、それぞれ、
反共振周波数の方向依存性を示すグラフである。 第5図は、本発明にかかる測定装置のブロック図である
。 第6図は、板状構造物における加振点と応答点の位置を
図式的に示す図である。 第7図は、周波数応答関数(イナータンス)の対数の測
定領域依存性のグラフである。 第8図(a) , (b)は、周波数応答関数(イナー
タンス)の対数の異方性の測定データのグラフである。 第9図は、反共振周波数の測定角度依存性のグラフであ
る。 第lθ図は、曲げ弾性率と曲げ強度の測定角度依存性の
グラフである。 第11図は、異方性の度合の測定角度依存性を曲げ弾性
率の比と反共振周波数の2乗比で示すグラフである。 第12図は、板の剛性の強い方向の分布を示す図である
。 第13図は、ミニバンパーの斜視図である。 第14図(a) . (b)は、周波数応答関数(イナ
ータンス)の対数の周波数依存性の異方性の測定データ
のグラフである。 第15図は、反共振周波数の測定角度依存性のグラフで
ある。 第16図は、ミニバンパーでの剛性の強い方向の分布を
示す展開図である。 1l・・・構造物、12・・・加振点、l3・・・応答
点、17〜20・・・モーダル解析装置。 特 許 出 願 人  住友化学工業株式会社代理 人
弁理士 青 山 葆 ほか1名第3図 菓4図(a) 第4 vl(b) 内向 第4図(c) 古向 方向 第2図 (b) ω 闇違数(Hz) 周彼我 (H31) 第6図 第7図 log−frequency (Hzl 第8区(0) σ〜9σ ( log−amplitude ) 第8図(b) 12o′〜21σ 109− Trequenl:7 1MZJ第11図 P4座 (,I) 第12図 曲り゛タ1+主率 [kgf/crrr’lN    
   (JJ       AQ 島 反共揺h逼1欠[Hz] 曲け′強度[k9ず/amり イナータンス (ms−27Nl イナータンス (ms−27N)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)構造物上において、点Aと、点Aを中心とする所
    定の半径の円周上の複数の点B_i(i=1、2、・・
    ・)とを設け、 点Aと点B_iの一方を加振点とし他方を応答点として
    、加振点において構造物に加振力を加え、同時に応答点
    において応答(変位、速度又は加速度)を測定して、周
    波数応答関数H_i(ω)を求め、得られた各周波数応
    答関数H_i(ω)より、反共振周波数ωの測定角度θ
    (=∠B_1AB_i)に対する依存性を求めることに
    より、上記円周内の力学的異方性の分布を求める構造物
    の力学的異方性測定法。
  2. (2)請求項1に記載された方法を構造物上の複数の測
    定領域に適用して、構造物の一部または全体における力
    学的異方性分布状態を測定することを特徴とする構造物
    の力学的異方性測定法。
  3. (3)請求項1あるいは請求項2に記載された方法によ
    り構造物を構成する材料の一部または全体における配向
    分布状態を決定する方法。
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