JPH02232340A - 耐遅れ破壊性の優れた高強度部材 - Google Patents
耐遅れ破壊性の優れた高強度部材Info
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- JPH02232340A JPH02232340A JP5110089A JP5110089A JPH02232340A JP H02232340 A JPH02232340 A JP H02232340A JP 5110089 A JP5110089 A JP 5110089A JP 5110089 A JP5110089 A JP 5110089A JP H02232340 A JPH02232340 A JP H02232340A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は、自動車用ボルトや長大橋梁用高強度ボルト等
の高強度部材を製造する方法に関し、特に高強度部材の
耐遅れ破壊性を改善する方法に関するものである。
の高強度部材を製造する方法に関し、特に高強度部材の
耐遅れ破壊性を改善する方法に関するものである。
[従来の技術]
自動車用ボルト部品としては、各種の締付ボルト,シリ
ンダーヘッドボルト,コンロツドボルト等の高強度を必
要とするボルトが数多く存在する。これらのボルトは一
般に圧延材を球状化焼鈍した後、潤滑処理を施し、次い
で伸線加工並びに冷・温間鍛造の各工程に付してボルト
形状に成形し、最後に焼入れ・焼もどしを行なって製造
される。ところでこれらのボルトに代表される高強度部
品においてはその引張強さが1 2 0 kgf/nu
n’以上になると急激に耐遅れ破壊性が劣化することが
知られており、重要な解決課題となっている。特に自動
車部品の分野では省エネルギーの観点から各種部品に対
する小型軽量化の要請が強く、上記高強度部品について
もその例外ではない。その結果上記高強度部品に対して
は、小型であってもこれまでと同等以上の締イ1力等を
確保することが要求され、より大きな引張強さを有する
部品が必要となっているが、前記したように引張強さが
高くなるほど遅れ破壊が起り易くなる傾向にあるので耐
遅れ破壊性の改善が一層強く求められる状況にある. 耐遅れ破壊性の優れた高強度鋼についてはこれまでにも
いくつかの研究がなされており、例えば特開昭59−5
358や特開昭61.−130456等を挙げることが
できる.尚これらの先行技術では耐遅れ破壊性改善の指
針として粒界酸化の関与に着目しており、粒界酸化を促
進するMnやSt等の元素を低減することによって耐遅
れ破壊性を改善する一方、un等の減少に伴なって発生
する別の問題を他の元素の添加で補っている. しかしながら最近の要請はこれらの技術では対応し切れ
なくなっているのが実状であり、より優れた遅れ破壊防
止技術の開発が望まれている。
ンダーヘッドボルト,コンロツドボルト等の高強度を必
要とするボルトが数多く存在する。これらのボルトは一
般に圧延材を球状化焼鈍した後、潤滑処理を施し、次い
で伸線加工並びに冷・温間鍛造の各工程に付してボルト
形状に成形し、最後に焼入れ・焼もどしを行なって製造
される。ところでこれらのボルトに代表される高強度部
品においてはその引張強さが1 2 0 kgf/nu
n’以上になると急激に耐遅れ破壊性が劣化することが
知られており、重要な解決課題となっている。特に自動
車部品の分野では省エネルギーの観点から各種部品に対
する小型軽量化の要請が強く、上記高強度部品について
もその例外ではない。その結果上記高強度部品に対して
は、小型であってもこれまでと同等以上の締イ1力等を
確保することが要求され、より大きな引張強さを有する
部品が必要となっているが、前記したように引張強さが
高くなるほど遅れ破壊が起り易くなる傾向にあるので耐
遅れ破壊性の改善が一層強く求められる状況にある. 耐遅れ破壊性の優れた高強度鋼についてはこれまでにも
いくつかの研究がなされており、例えば特開昭59−5
358や特開昭61.−130456等を挙げることが
できる.尚これらの先行技術では耐遅れ破壊性改善の指
針として粒界酸化の関与に着目しており、粒界酸化を促
進するMnやSt等の元素を低減することによって耐遅
れ破壊性を改善する一方、un等の減少に伴なって発生
する別の問題を他の元素の添加で補っている. しかしながら最近の要請はこれらの技術では対応し切れ
なくなっているのが実状であり、より優れた遅れ破壊防
止技術の開発が望まれている。
[発明が解決しようとする課題]
本発明は上記のごとき問題点を従来とは全く別の観点か
ら解決しようとするものであって、小型軽量化の要請に
対応し得るような、1. 4 0 kgf/12以上の
高強度を備え、しかも十分な耐遅れ破壊性能を備えた高
強度部材を与える鋼材の提供を目的とするものである. [課題を解決するための手段] しかして上記目的を達成した本発明の高強度部材用鋼は
、 C :0.2〜0、5% M n : 0.5 〜1.6 %C r :
0.5 〜1.5% M o : 0.1 〜0.5% B : 0.0008〜O.QO2 %必要
により A 1 : 0.01〜0.15% 及び/又はT i : 0.02〜0.15%を含有し
、残部がFe及び不可避不純物からなる点に要旨を有す
るものである. [作用] 遅れ破壊には様々な態様があるが、最も代表的なものは
水素脆化が主原因となって起る水素脆化話起型破壊であ
ると言われており、これに鋼成分元素や金属組織が影響
して遅れ破壊感受性の良否が決まってくる.本発明者等
は遅れ破壊に対する成分元素の影響について再検討を重
ねた結果、Pが遅れ破壊に重要な役割を果しているとい
う知見を得た.即ちPについては精錬技術の向上によっ
て従来よりその含有量が十分に抑えられており、現状レ
ベルでは遅れ破壊に対する影響は小さいと考えられてい
た.しかるに高強度部材に含まれるPについては鋼素材
からだけではなく、製造工程から取り込まれるPがあり
、これが耐遅れ破壊性の低下に少なからぬ影響を及ぼし
ていることを見出した.即ち高強度部材の製造に際して
は前記した通り鋼素材を冷・温間鍛造によって所定の形
状に成形するが、成形に先立って鋼素材に潤滑処理を施
す必要がある.この場合の潤滑処理剤としては一殻に燐
酸塩皮膜形成剤が通用されており、これが素材に付着し
たまま焼入れ・焼もどし工程に持ち込まれて素材表面層
の主に粒界部分に侵入して(以下これを浸燐という)遅
れ破壊を促進することが分かった. そこで本発明者等は、こうした漫燐と遅れ破壊の関係に
注目し、浸燐機構について種々研究を重ねた結果、Mo
及びBが焼入れ時における粒界への燐の侵入・偏析を抑
制する効果を有することを見出し、これに高強度鋼とし
て必要な要件をも加味して前記構成に示される本発明高
強度部材用鋼を完成するに至った。
ら解決しようとするものであって、小型軽量化の要請に
対応し得るような、1. 4 0 kgf/12以上の
高強度を備え、しかも十分な耐遅れ破壊性能を備えた高
強度部材を与える鋼材の提供を目的とするものである. [課題を解決するための手段] しかして上記目的を達成した本発明の高強度部材用鋼は
、 C :0.2〜0、5% M n : 0.5 〜1.6 %C r :
0.5 〜1.5% M o : 0.1 〜0.5% B : 0.0008〜O.QO2 %必要
により A 1 : 0.01〜0.15% 及び/又はT i : 0.02〜0.15%を含有し
、残部がFe及び不可避不純物からなる点に要旨を有す
るものである. [作用] 遅れ破壊には様々な態様があるが、最も代表的なものは
水素脆化が主原因となって起る水素脆化話起型破壊であ
ると言われており、これに鋼成分元素や金属組織が影響
して遅れ破壊感受性の良否が決まってくる.本発明者等
は遅れ破壊に対する成分元素の影響について再検討を重
ねた結果、Pが遅れ破壊に重要な役割を果しているとい
う知見を得た.即ちPについては精錬技術の向上によっ
て従来よりその含有量が十分に抑えられており、現状レ
ベルでは遅れ破壊に対する影響は小さいと考えられてい
た.しかるに高強度部材に含まれるPについては鋼素材
からだけではなく、製造工程から取り込まれるPがあり
、これが耐遅れ破壊性の低下に少なからぬ影響を及ぼし
ていることを見出した.即ち高強度部材の製造に際して
は前記した通り鋼素材を冷・温間鍛造によって所定の形
状に成形するが、成形に先立って鋼素材に潤滑処理を施
す必要がある.この場合の潤滑処理剤としては一殻に燐
酸塩皮膜形成剤が通用されており、これが素材に付着し
たまま焼入れ・焼もどし工程に持ち込まれて素材表面層
の主に粒界部分に侵入して(以下これを浸燐という)遅
れ破壊を促進することが分かった. そこで本発明者等は、こうした漫燐と遅れ破壊の関係に
注目し、浸燐機構について種々研究を重ねた結果、Mo
及びBが焼入れ時における粒界への燐の侵入・偏析を抑
制する効果を有することを見出し、これに高強度鋼とし
て必要な要件をも加味して前記構成に示される本発明高
強度部材用鋼を完成するに至った。
以下本発明の構成要件について詳細に説明する。
C : 0.2〜0.5%
高強度鋼として必要な引張強さを焼入れ・焼もどし処理
によって確保する上で不可欠の成分であり、0,2%未
満では焼入効果が゛不十分となり所定の引張強さを確保
することができない。一方0.5%を超えれば靭・延性
値が低下して遅れ破壊感受性が増大する。
によって確保する上で不可欠の成分であり、0,2%未
満では焼入効果が゛不十分となり所定の引張強さを確保
することができない。一方0.5%を超えれば靭・延性
値が低下して遅れ破壊感受性が増大する。
M n : 0.5 〜1.6%
脱酸成分として必要であると共に、焼入性を確保し、高
強度を発揮させる上で不可欠の成分である。0.5%未
満では上記効果を十分に得ることができず、1.6%を
超えて添加すれば粒界への偏析が著しくなって遅れ破壊
を促進させる。
強度を発揮させる上で不可欠の成分である。0.5%未
満では上記効果を十分に得ることができず、1.6%を
超えて添加すれば粒界への偏析が著しくなって遅れ破壊
を促進させる。
C r : 0.5 〜1.5%
焼入れ性の確保に必要な成分であり、所定の引張強さを
得るには0.5%以上添加しなければならない。一方1
.5%を超えて添加すれば粒界酸化を助長して遅れ破壊
を促進する。
得るには0.5%以上添加しなければならない。一方1
.5%を超えて添加すれば粒界酸化を助長して遅れ破壊
を促進する。
Mo:0.1〜0.5%
焼入性の確保に寄与すると共に、本発明においてはMo
−P化合物を生成することによってPを捕捉し、浸燐即
ち粒界へのPの侵入・偏析を抑制する重要な成分の1つ
である.0.1%末溝では上記効果が十分に発揮されず
、一方過度に添加すればCrとの共存において固溶Cr
量を増加させる結果、Pの偏析を増大させるので添加量
は0.5%以下に止めるべきである。
−P化合物を生成することによってPを捕捉し、浸燐即
ち粒界へのPの侵入・偏析を抑制する重要な成分の1つ
である.0.1%末溝では上記効果が十分に発揮されず
、一方過度に添加すればCrとの共存において固溶Cr
量を増加させる結果、Pの偏析を増大させるので添加量
は0.5%以下に止めるべきである。
B : 0.0008〜0.002%
MOと共に、粒界へのPの偏析・析出を抑制する効果を
発揮する。0.0008%未満では上記抑制効果が不十
分であり、一方過度に添加すれば粗大なBNが析出し、
靭・延性を低下させるので添加量は0.002%以下に
抑える必要がある。
発揮する。0.0008%未満では上記抑制効果が不十
分であり、一方過度に添加すれば粗大なBNが析出し、
靭・延性を低下させるので添加量は0.002%以下に
抑える必要がある。
A 1 : 0.02〜0.1%
及び/又はT l : O.02〜0.1%Al及びT
iは、Nと結合して窒化物を形成し、結晶粒を微細・安
定化させる成分であり、必要により前記成分と共に添加
することによって耐遅れ破壊性をさらに向上させること
ができる。又Nを固定することによってBHの生成を抑
え、有効B量を確保することによって浸燐を抑制する。
iは、Nと結合して窒化物を形成し、結晶粒を微細・安
定化させる成分であり、必要により前記成分と共に添加
することによって耐遅れ破壊性をさらに向上させること
ができる。又Nを固定することによってBHの生成を抑
え、有効B量を確保することによって浸燐を抑制する。
さらにこれらの成分はMn等と共に脱酸機能を発揮する
。AIについては、0.02%未満では上記添加効果が
不十分であり、一方0.1%を超えて添加すれば粗大な
AINが析出し結晶粒微細化効果が減殺される。Tiに
ついては、0.02%未満では上記添加効果が不十分で
あり、一方その添加効果は0.1%付近で飽和する。
。AIについては、0.02%未満では上記添加効果が
不十分であり、一方0.1%を超えて添加すれば粗大な
AINが析出し結晶粒微細化効果が減殺される。Tiに
ついては、0.02%未満では上記添加効果が不十分で
あり、一方その添加効果は0.1%付近で飽和する。
本発明に適用される鋼素材は上記成分を含有し、残部が
Fe及び不可避不純物からなるもので、不可避不純物と
してはSi,P,S等を挙げることができる. Si:0.5%以下 脱酸成分として機能すると共に、焼入性確保に有効な成
分であり、精錬過程で必然的に鋼中に含まれることにな
る。しかしながら残存量が多い場合には、靭・延性値が
劣化し、遅れ破壊を起し易くなるので0.5%以下に抑
えることが望ましい.P : 0.01%以下 前述の通り粒界に偏析し、粒界強度を低下させる成分で
あり、遅れ破壊を防止する上でその含有量は極力下げた
方が望ましいが、低濃度域でP含有量を低減するには脱
PIA理に多くの負担を要するので経済的理由から通常
の脱P処理で得られるPレベル即ち0.01%以下とす
ることが望ましく、このレベルならば本発明において特
に悪影響がない。
Fe及び不可避不純物からなるもので、不可避不純物と
してはSi,P,S等を挙げることができる. Si:0.5%以下 脱酸成分として機能すると共に、焼入性確保に有効な成
分であり、精錬過程で必然的に鋼中に含まれることにな
る。しかしながら残存量が多い場合には、靭・延性値が
劣化し、遅れ破壊を起し易くなるので0.5%以下に抑
えることが望ましい.P : 0.01%以下 前述の通り粒界に偏析し、粒界強度を低下させる成分で
あり、遅れ破壊を防止する上でその含有量は極力下げた
方が望ましいが、低濃度域でP含有量を低減するには脱
PIA理に多くの負担を要するので経済的理由から通常
の脱P処理で得られるPレベル即ち0.01%以下とす
ることが望ましく、このレベルならば本発明において特
に悪影響がない。
S : 0.01%以下
MnS介在物を形成し、鋼の靭性値を低下させるので極
力少ない方が望ましいが、脱S処理を十分に実施しよう
とすれば多くの負担を要するので、経済的理由から通常
の脱Sレベル即ち0.01%以下とすることが望まれ、
またこのレベルで特に悪影響がない. 以上の成分に加えて、一層の性能改善を目的としてNb
,Zr.Vからなる群から選択される1種以上の元素を
下記の量だけ添加することも推奨される。
力少ない方が望ましいが、脱S処理を十分に実施しよう
とすれば多くの負担を要するので、経済的理由から通常
の脱Sレベル即ち0.01%以下とすることが望まれ、
またこのレベルで特に悪影響がない. 以上の成分に加えて、一層の性能改善を目的としてNb
,Zr.Vからなる群から選択される1種以上の元素を
下記の量だけ添加することも推奨される。
N b : 0.01〜0.15%
Z r : 0.01〜0.15%
V :0.01〜0.3%
Nb,Zr及び■は結晶粒を微細化して靭・延性値を高
める効果があると共に、Nを固定してBNの生成を抑制
し、有効B量を確保することによって遅れ破壊を抑制す
る効果がある。Nb及びZrについては、夫々0.01
%未満では上記添加効果が不十分であり、一方過度に添
加すれば粗大な炭窒化物が介在物として析出し、鋼の靭
性・延性を低下させるので0.15%を夫々上限とした
.■については、0.01%未満ではその添加効果が十
分に発揮されず、一方多量に添加しても一定以上の効果
を得ることばでぎず、不経済となるだけであるので上限
を0.3%とした。
める効果があると共に、Nを固定してBNの生成を抑制
し、有効B量を確保することによって遅れ破壊を抑制す
る効果がある。Nb及びZrについては、夫々0.01
%未満では上記添加効果が不十分であり、一方過度に添
加すれば粗大な炭窒化物が介在物として析出し、鋼の靭
性・延性を低下させるので0.15%を夫々上限とした
.■については、0.01%未満ではその添加効果が十
分に発揮されず、一方多量に添加しても一定以上の効果
を得ることばでぎず、不経済となるだけであるので上限
を0.3%とした。
本発明の構成は概略以上の通りであるが、本発明鋼を使
用して高強度ボルト等の部品を製造するに当たっては、
通常の工程に従えばよい.例えば高強度鋼素材を圧延し
た後、球状化焼鈍を実施すると共に燐酸塩系皮膜形成剤
で前処理し、次いで伸線加工した線材を800℃以下の
温度で冷・温間鍛造することによって所望形状のボルト
に成形した後、焼入れ・焼もどしを行なえば良く、これ
によって引張強さ100〜1 5 0 kgf/am鵞
の高強度ボルトを得ることかでぎる. 尚焼入れ・焼もどし後のオーステナイト結晶粒度は、A
STMで規定される粒度番号がNo.6〜No.tlの
粒度に調整することが望ましい.即ち鋼の靭性値は結晶
粒が微細になる程向上し、粒度番号No.6よりも更に
細粒であれば十分な靭性値を得ることができるが、結晶
粒が細かくなりすぎれば残存する燐酸亜鉛皮膜中のPが
焼入れ時の加熱工程においてボルト表面層に漫燐し粒界
に偏析し易くなるので遅れ破壊が促進される.従って細
かさの上限は粒度番号No.11を超えて細かくならな
いようにすることが望まれる. [実施例] 第1表に示す成分組成の鋼素材を夫々10.3ma+φ
の線材に圧延し、球状化焼鈍を施した後、燐酸亜鉛皮膜
処理、伸線加工、冷間鍛造、焼入れ・焼もどしの各工程
に付してMIOの高強度ボルトを製造した.得られた高
強度ボルトの材料特性を調査し、その結果を第1表に併
記した.尚比較例1はJIS−SCM435、比較例2
はJIS・SCR440、比較例3は高Crボロンvi
4(Moを含まない)で、いずれもJ I S 12.
9ボルトに規定される高強度を狙ったものである.但し
引張強さは1 3 0 kgf/ms’に設計した.又
比較例4は実施例8と同一成分の鋼を熱処理温度(焼入
れ温度)を高くして熱処理することによフて結晶粒度を
粗くしたものである. 試験ボルトの浸燐状況を調べる為にボルト軸部表層部の
P量をEPMAで分析したところ第1図に示す結果が得
られた. 又試験ボルトについて、下記の条件で遅れ破壊試験を実
施したところ第2図に示す結果が得られた. (遅れ破壊試験法) 15%I{CI水溶液に30分間浸漬後、水洗、乾燥し
たボルトに種々の引張応力を加え、100時間経過後で
も破断しない応力を求めた.この値を100時間遅れ破
壊強さとした。
用して高強度ボルト等の部品を製造するに当たっては、
通常の工程に従えばよい.例えば高強度鋼素材を圧延し
た後、球状化焼鈍を実施すると共に燐酸塩系皮膜形成剤
で前処理し、次いで伸線加工した線材を800℃以下の
温度で冷・温間鍛造することによって所望形状のボルト
に成形した後、焼入れ・焼もどしを行なえば良く、これ
によって引張強さ100〜1 5 0 kgf/am鵞
の高強度ボルトを得ることかでぎる. 尚焼入れ・焼もどし後のオーステナイト結晶粒度は、A
STMで規定される粒度番号がNo.6〜No.tlの
粒度に調整することが望ましい.即ち鋼の靭性値は結晶
粒が微細になる程向上し、粒度番号No.6よりも更に
細粒であれば十分な靭性値を得ることができるが、結晶
粒が細かくなりすぎれば残存する燐酸亜鉛皮膜中のPが
焼入れ時の加熱工程においてボルト表面層に漫燐し粒界
に偏析し易くなるので遅れ破壊が促進される.従って細
かさの上限は粒度番号No.11を超えて細かくならな
いようにすることが望まれる. [実施例] 第1表に示す成分組成の鋼素材を夫々10.3ma+φ
の線材に圧延し、球状化焼鈍を施した後、燐酸亜鉛皮膜
処理、伸線加工、冷間鍛造、焼入れ・焼もどしの各工程
に付してMIOの高強度ボルトを製造した.得られた高
強度ボルトの材料特性を調査し、その結果を第1表に併
記した.尚比較例1はJIS−SCM435、比較例2
はJIS・SCR440、比較例3は高Crボロンvi
4(Moを含まない)で、いずれもJ I S 12.
9ボルトに規定される高強度を狙ったものである.但し
引張強さは1 3 0 kgf/ms’に設計した.又
比較例4は実施例8と同一成分の鋼を熱処理温度(焼入
れ温度)を高くして熱処理することによフて結晶粒度を
粗くしたものである. 試験ボルトの浸燐状況を調べる為にボルト軸部表層部の
P量をEPMAで分析したところ第1図に示す結果が得
られた. 又試験ボルトについて、下記の条件で遅れ破壊試験を実
施したところ第2図に示す結果が得られた. (遅れ破壊試験法) 15%I{CI水溶液に30分間浸漬後、水洗、乾燥し
たボルトに種々の引張応力を加え、100時間経過後で
も破断しない応力を求めた.この値を100時間遅れ破
壊強さとした。
[発明の効果]
本発明は以上のように構成されており、耐遅れ破壊性能
に優れた高強度部材を与える高強度部材用鋼を得ること
ができた。
に優れた高強度部材を与える高強度部材用鋼を得ること
ができた。
第1図は本発明鋼及び比較例鋼の表層部P量をEPMA
で調べた結果を示すグラフ、第2図は100時間遅れ破
壊強さを示すグラフである。 出圀人 株式会社神戸製鋼所 100時間遅れ破壊強度( K9f /jfl2)(Φ
) −IjO現堤剋
で調べた結果を示すグラフ、第2図は100時間遅れ破
壊強さを示すグラフである。 出圀人 株式会社神戸製鋼所 100時間遅れ破壊強度( K9f /jfl2)(Φ
) −IjO現堤剋
Claims (2)
- (1)C:0.2〜0.5%(重量%の意味、以下同じ
) Mn:0.5〜1.6% Cr:0.5〜1.5% Mo:0.1〜0.5% B:0.0008〜0.002% を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなることを
特徴とする耐遅れ破壊性の優れた高強度鋼。 - (2)C:0.2〜0.5% Mn:0.5〜1.6% Cr:0.5〜1.3% Mo:0.1〜0.5% B:0.0008〜0.002% Al:0.01〜0.15% 及び/又はTi:0.02〜0.15% を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなることを
特徴とする耐遅れ破壊性の優れた高強度鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5110089A JPH02232340A (ja) | 1989-03-02 | 1989-03-02 | 耐遅れ破壊性の優れた高強度部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5110089A JPH02232340A (ja) | 1989-03-02 | 1989-03-02 | 耐遅れ破壊性の優れた高強度部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02232340A true JPH02232340A (ja) | 1990-09-14 |
Family
ID=12877391
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5110089A Pending JPH02232340A (ja) | 1989-03-02 | 1989-03-02 | 耐遅れ破壊性の優れた高強度部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH02232340A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100415674B1 (ko) * | 1999-12-27 | 2004-01-31 | 주식회사 포스코 | 지연파괴저항성 및 기계적성질이 우수한 고강도복합조직강과 이 강조성을 갖는 볼트 및 그 제조방법 |
CN110651061A (zh) * | 2017-06-23 | 2020-01-03 | 日本制铁株式会社 | 高强度钢构件 |
-
1989
- 1989-03-02 JP JP5110089A patent/JPH02232340A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100415674B1 (ko) * | 1999-12-27 | 2004-01-31 | 주식회사 포스코 | 지연파괴저항성 및 기계적성질이 우수한 고강도복합조직강과 이 강조성을 갖는 볼트 및 그 제조방법 |
CN110651061A (zh) * | 2017-06-23 | 2020-01-03 | 日本制铁株式会社 | 高强度钢构件 |
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