JPH02229793A - ダイヤモンド合成中に生成されるガス種の検出方法及び装置 - Google Patents
ダイヤモンド合成中に生成されるガス種の検出方法及び装置Info
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- JPH02229793A JPH02229793A JP1050832A JP5083289A JPH02229793A JP H02229793 A JPH02229793 A JP H02229793A JP 1050832 A JP1050832 A JP 1050832A JP 5083289 A JP5083289 A JP 5083289A JP H02229793 A JPH02229793 A JP H02229793A
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Landscapes
- Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
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Description
本発明は、化学的気相析出法(CVD法》によりダイヤ
モンド粒あるいはダイヤモンド薄膜を合成する際に用い
ているのに好適な、ダイヤモンド合成中に生成されるガ
ス種の検出方法及び装Iに関する.
モンド粒あるいはダイヤモンド薄膜を合成する際に用い
ているのに好適な、ダイヤモンド合成中に生成されるガ
ス種の検出方法及び装Iに関する.
ダイヤモンドは、硬度、熱伝導度、絶縁性等に優れた特
性をもっており、それぞれの特性を生かして多方面に活
用されている.最近は、CVD法によりダイヤモンド4
膜あるいはダイヤモンド粒《以下、ダイヤモンド薄膜等
と称する)が合成されるようになり、このダイヤモンド
薄膜等が工具の保護膜のみならず、半導体材料等の高機
能材料の素材として注目をあびている. ダイヤモンド薄膜をCVD法により基板上に合成する際
には、当該基板周辺のガス中に存在する化学種及びその
存在量が、膜質を決定する要因として重要である.これ
ら化字種及びその存在量を計測、分析する技術として、
従来、例えばプラズマCVD法においては、発光分光分
析法や質量分析法等が用いられている. ここで、この発光分光分析法により水素H2で希釈され
たメタンC H aのプラズマ中に生成されるガス種の
分析例(総合技術センター発行の「最新ダイヤモンド薄
膜技術」中に掲載)を第3図に示す.第3図の検出例に
示されるように、検出できる化学種は、励起状態のCH
, H, H 2 , C 2等に限られている.従っ
て、この発光分光分析法は、CVD中の気相の解析に用
いた場合には、得られる情報(データ)が不十分となる
.又、質量分析法は、分析しようとするガスをイオン化
し、このイオンがその質量に応じて電磁場で異なった力
を受けることを利用して各イオンを分別測定し、ガスの
分析を行おうとするものである.この質量分析法による
分析例(前記「最新ダイヤモンド薄膜技術」中に掲載)
を、第4図に示す.第4図に示すように、プラズマの形
成の有無では分析結果に差が見られるが、サンプリング
の仕方等の測定手法や装置の特性により得られるマス・
パターンが異なるものとなり、データの信頼性に欠ける
場合がある. 又、これら、発光分光分析法、質量分析法の他に、プラ
ズマ中のイオン、電子の量を計測する方法にプローブ法
がある.この1ローブ法は、石英管で覆われた線電極2
本をガス中に設け、該電極間の電圧からガスの導電度を
検出し、ガス分析を行うものであるが、直接的に、気相
中に存在するガス種を同定、定量することができる方法
ではない. プラズマを用いずにダイヤモンドを気相合成する方法、
例えば熱フィラメントCVD法において生成されるガス
を分析しようとする場合、当該CVD法においては、発
光化学種が認められず発光分光分析法を用いることがで
きないため、質量分析法が利用されている.しかるに、
この質量分析法を用いた場合には、前記のプラズマCV
D法と同様,に、分析結果に信頼性が欠ける.
性をもっており、それぞれの特性を生かして多方面に活
用されている.最近は、CVD法によりダイヤモンド4
膜あるいはダイヤモンド粒《以下、ダイヤモンド薄膜等
と称する)が合成されるようになり、このダイヤモンド
薄膜等が工具の保護膜のみならず、半導体材料等の高機
能材料の素材として注目をあびている. ダイヤモンド薄膜をCVD法により基板上に合成する際
には、当該基板周辺のガス中に存在する化学種及びその
存在量が、膜質を決定する要因として重要である.これ
ら化字種及びその存在量を計測、分析する技術として、
従来、例えばプラズマCVD法においては、発光分光分
析法や質量分析法等が用いられている. ここで、この発光分光分析法により水素H2で希釈され
たメタンC H aのプラズマ中に生成されるガス種の
分析例(総合技術センター発行の「最新ダイヤモンド薄
膜技術」中に掲載)を第3図に示す.第3図の検出例に
示されるように、検出できる化学種は、励起状態のCH
, H, H 2 , C 2等に限られている.従っ
て、この発光分光分析法は、CVD中の気相の解析に用
いた場合には、得られる情報(データ)が不十分となる
.又、質量分析法は、分析しようとするガスをイオン化
し、このイオンがその質量に応じて電磁場で異なった力
を受けることを利用して各イオンを分別測定し、ガスの
分析を行おうとするものである.この質量分析法による
分析例(前記「最新ダイヤモンド薄膜技術」中に掲載)
を、第4図に示す.第4図に示すように、プラズマの形
成の有無では分析結果に差が見られるが、サンプリング
の仕方等の測定手法や装置の特性により得られるマス・
パターンが異なるものとなり、データの信頼性に欠ける
場合がある. 又、これら、発光分光分析法、質量分析法の他に、プラ
ズマ中のイオン、電子の量を計測する方法にプローブ法
がある.この1ローブ法は、石英管で覆われた線電極2
本をガス中に設け、該電極間の電圧からガスの導電度を
検出し、ガス分析を行うものであるが、直接的に、気相
中に存在するガス種を同定、定量することができる方法
ではない. プラズマを用いずにダイヤモンドを気相合成する方法、
例えば熱フィラメントCVD法において生成されるガス
を分析しようとする場合、当該CVD法においては、発
光化学種が認められず発光分光分析法を用いることがで
きないため、質量分析法が利用されている.しかるに、
この質量分析法を用いた場合には、前記のプラズマCV
D法と同様,に、分析結果に信頼性が欠ける.
従って、従来技術においては、容器中でダイヤモンドを
気相合成するに際して、容器内に生成されるガスのガス
種及びその存在量の検出を行う場合に、検出できるガス
種に制約があり、得られるデータの信頼性が欠けていて
、気相中の生成ガスを直接検出できないという問題点が
あった.本発明は、前記従来の問題点を解消すべくなさ
れたもので、容器内に生成されるガスのガス及びその濃
度を、ガス種による制約がなく、信頼性が高く、且つ精
度良く検出できるダイヤモンドの合成中に生成されるガ
ス種の検出方法及び装置を提供することを課題とする.
気相合成するに際して、容器内に生成されるガスのガス
種及びその存在量の検出を行う場合に、検出できるガス
種に制約があり、得られるデータの信頼性が欠けていて
、気相中の生成ガスを直接検出できないという問題点が
あった.本発明は、前記従来の問題点を解消すべくなさ
れたもので、容器内に生成されるガスのガス及びその濃
度を、ガス種による制約がなく、信頼性が高く、且つ精
度良く検出できるダイヤモンドの合成中に生成されるガ
ス種の検出方法及び装置を提供することを課題とする.
本発明は、ダイヤモンド合成室内の基板上に、ダイヤモ
ンドを気相合成するに際して、前記合成室内に生成され
るガスに、一方から赤外線を照射すると共に、他方から
該生成ガスを透過した赤外線を受光し、受光した赤外線
に基づき、前記生成ガスのガス種及びその濃度を検出す
ることにより、前記課題を達成したものである. 又、本発明は、ダイヤモンド合成室内の基板上に、ダイ
ヤモンドを気相合成するための装置において、該合成室
の両側に、該合成室と直交し、且つ、連通ずるように設
けられた、外側に開口部を有する一対の筒体と、該合成
室内に赤外線を導入するための、前記一方の筒体の開口
部に設けられた第1の窓部と:前記合成室内から外部へ
赤外線を出射するための、前記他方の筒体の開口部に投
けられた第2の窓部と、前記第1の窓部に対向して設け
られ、前記合成室内に生成するガスに赤外線を照射する
ための手段と、前記第2の窓部に対向して設けられた、
前記合成室内の生成ガスを透過した赤外線を受光するた
めの手段と、受光赤外線に基づき、前記生成ガスのガス
種及びその濃度を検出するための手段を備えたことによ
り、同じく前記課題を達成したものである.
ンドを気相合成するに際して、前記合成室内に生成され
るガスに、一方から赤外線を照射すると共に、他方から
該生成ガスを透過した赤外線を受光し、受光した赤外線
に基づき、前記生成ガスのガス種及びその濃度を検出す
ることにより、前記課題を達成したものである. 又、本発明は、ダイヤモンド合成室内の基板上に、ダイ
ヤモンドを気相合成するための装置において、該合成室
の両側に、該合成室と直交し、且つ、連通ずるように設
けられた、外側に開口部を有する一対の筒体と、該合成
室内に赤外線を導入するための、前記一方の筒体の開口
部に設けられた第1の窓部と:前記合成室内から外部へ
赤外線を出射するための、前記他方の筒体の開口部に投
けられた第2の窓部と、前記第1の窓部に対向して設け
られ、前記合成室内に生成するガスに赤外線を照射する
ための手段と、前記第2の窓部に対向して設けられた、
前記合成室内の生成ガスを透過した赤外線を受光するた
めの手段と、受光赤外線に基づき、前記生成ガスのガス
種及びその濃度を検出するための手段を備えたことによ
り、同じく前記課題を達成したものである.
分子内振動で双極子モーメントの変化する化学種は、原
理的に全て赤外活性である.つまり、CVDによるダイ
ヤモンドの気相合成において、、ダイヤモンド形成時に
用いられる含炭素化合物は、そのほとんど全てが赤外線
を吸収する.又、希釈ガスとして、通常、90%以上原
料ガス中に混入されるH2は、赤外線を吸収せず、赤外
線によりガス種を分析する際の障害とはならない 又、赤外線吸収スペクトルの測定は、通常、波長が数μ
1〜数十μJの赤外線について測定を行うため、ダイヤ
モンドの合成時に用いられるプラズマや熱フィラメント
から可視光を中心としな発光が生じていても、該発光は
測定範囲内に入らず、測定上の障害にはならない, 即ち、赤外線吸収スペクトルにより、ダイヤモンドの合
成時に基板周辺に生成される多種類のガスの分析を行う
ようにすれば、該ガスのガス種をその吸収6ベクトルの
波数位置から定性できると共に、その波数位置における
吸収度から定量できる《赤外線吸収法と称される》.又
、赤外線吸収は、基本的に赤外線の光子数と測定対象物
質との相関作用で生じるため、測定に用いる赤外線の強
度が大きければ大きい程、低濃度の分子種を測定するこ
とができる.例えば通常使用されているグローバ灯等の
赤外線源に代わり、赤外線半導体レーザを赤外線源とし
て用いるならば、測定感度は格段に(例えば4桁程度)
向上し、定常状態下で安定分子種よりも存在量の少ない
ラジカル等も検出でき、正確な定性、定量が可能となる
.又、前記赤外線吸収スペクトルにより測定可能なガス
種は、原理的にはH2、C2等を除いた全てのガス種で
あり、前述の発光分光分析法等が限られた化学種のみし
か分析できなかったのに比較して、赤外線吸収スペクト
ルによる測定の有用性は計り知れないものがある. 本発明は、以上の如き観点から創案されたものである.
即ち本発明においては、減圧容器等のダイヤモンド合成
室内の基板上に、ダイヤモンドを気相合成するに際して
、前記容器内に生成されるガスに、一方から赤外線を照
射すると共に、他方から該生成ガスを透過した赤外線を
受光し、受光した赤外線に基づき前記生成ガスのガス種
及びその濃度を検出する. 前記ダイヤモンド合成室は、通常、真空容器等の減圧容
器を用いて構成することができる,前記合成室の両側に
前記合成室と直交し、且つ、連通ずるように外側に開口
部を有する一対の筒体を設け、各開口部には前記合成室
内に赤外線を入射する第1の窓部と、前記合成室内から
外部へ赤外線を出射するための第2の窓部とを設けるこ
とができる.この窓部には、その材質が、赤外線を透過
する赤外光学結晶材料のものを用いることができ、例え
ばNaCJ2、KCJl,KBr 、Ca Ft、KR
S−5、KRS−6を用いるのが好ましい.又、赤外線
を発生する赤外線源から、前記容器内に赤外線を導き、
容器外の赤外線を受光するための手段に導くなめに、必
要に応じて1又は2以上のミラーを使用し、該ミラーの
光軸調整には、目視可能なHe−Neレーザ光等を用い
ることができる.又、前記ミラーには、その表面に、例
えばアルミニウムAnもしくは金Au等を蒸着したもの
を用いることができ、このようにすれば、反射の際の光
量損失が少なくなる.更に、存在量の少ないガス種の分
析を行うなめには、基板周辺のガス層を赤外線が何回か
往復して光路長が長くなる方が望ましい.そのため、前
記容器に導入された赤外線を前記ミラーで多重反射させ
た後に、赤外線を受光する手段に導くようにしてもよい
.受光赤外線を分析する際には、赤外線吸収法を用いる
のが好ましいが、この方法で用いる赤外分光器としては
、回折格子を用いた分散型の赤外分光器、あるいはマイ
ケルソン干渉計等の光学干渉計を含むフーリエ変換型赤
外分光器(FT・IR)、あるいは光源が明るく低濃度
のガス種の分析が可能な赤外半導体レーザ分光装置等を
用いることができる. ダイヤモンドは、その特異且つ優れた特性から重要な新
素材の1つとされているものである.このダイヤモンド
を気相合成するときに、合成される容器のガス種、とり
わけ基板周辺のガス種を正確に定性・定量して必要な反
応を推定することは、特性の優れたダイヤモンドを合成
する上で非常に重要なことである.本発明により、気相
中に多量に存在するH2の影響を受けず、重要な含炭素
化字種等の生成されるガスのガス種及びその濃度を、ガ
ス種による制約がなく、信頼性が高く、且つ正確に定性
・定量して検出できる.従って、ダイヤモンドの気相合
成のプロセスを解明するのに有用であり、産業上の有効
性は計り知れない.
理的に全て赤外活性である.つまり、CVDによるダイ
ヤモンドの気相合成において、、ダイヤモンド形成時に
用いられる含炭素化合物は、そのほとんど全てが赤外線
を吸収する.又、希釈ガスとして、通常、90%以上原
料ガス中に混入されるH2は、赤外線を吸収せず、赤外
線によりガス種を分析する際の障害とはならない 又、赤外線吸収スペクトルの測定は、通常、波長が数μ
1〜数十μJの赤外線について測定を行うため、ダイヤ
モンドの合成時に用いられるプラズマや熱フィラメント
から可視光を中心としな発光が生じていても、該発光は
測定範囲内に入らず、測定上の障害にはならない, 即ち、赤外線吸収スペクトルにより、ダイヤモンドの合
成時に基板周辺に生成される多種類のガスの分析を行う
ようにすれば、該ガスのガス種をその吸収6ベクトルの
波数位置から定性できると共に、その波数位置における
吸収度から定量できる《赤外線吸収法と称される》.又
、赤外線吸収は、基本的に赤外線の光子数と測定対象物
質との相関作用で生じるため、測定に用いる赤外線の強
度が大きければ大きい程、低濃度の分子種を測定するこ
とができる.例えば通常使用されているグローバ灯等の
赤外線源に代わり、赤外線半導体レーザを赤外線源とし
て用いるならば、測定感度は格段に(例えば4桁程度)
向上し、定常状態下で安定分子種よりも存在量の少ない
ラジカル等も検出でき、正確な定性、定量が可能となる
.又、前記赤外線吸収スペクトルにより測定可能なガス
種は、原理的にはH2、C2等を除いた全てのガス種で
あり、前述の発光分光分析法等が限られた化学種のみし
か分析できなかったのに比較して、赤外線吸収スペクト
ルによる測定の有用性は計り知れないものがある. 本発明は、以上の如き観点から創案されたものである.
即ち本発明においては、減圧容器等のダイヤモンド合成
室内の基板上に、ダイヤモンドを気相合成するに際して
、前記容器内に生成されるガスに、一方から赤外線を照
射すると共に、他方から該生成ガスを透過した赤外線を
受光し、受光した赤外線に基づき前記生成ガスのガス種
及びその濃度を検出する. 前記ダイヤモンド合成室は、通常、真空容器等の減圧容
器を用いて構成することができる,前記合成室の両側に
前記合成室と直交し、且つ、連通ずるように外側に開口
部を有する一対の筒体を設け、各開口部には前記合成室
内に赤外線を入射する第1の窓部と、前記合成室内から
外部へ赤外線を出射するための第2の窓部とを設けるこ
とができる.この窓部には、その材質が、赤外線を透過
する赤外光学結晶材料のものを用いることができ、例え
ばNaCJ2、KCJl,KBr 、Ca Ft、KR
S−5、KRS−6を用いるのが好ましい.又、赤外線
を発生する赤外線源から、前記容器内に赤外線を導き、
容器外の赤外線を受光するための手段に導くなめに、必
要に応じて1又は2以上のミラーを使用し、該ミラーの
光軸調整には、目視可能なHe−Neレーザ光等を用い
ることができる.又、前記ミラーには、その表面に、例
えばアルミニウムAnもしくは金Au等を蒸着したもの
を用いることができ、このようにすれば、反射の際の光
量損失が少なくなる.更に、存在量の少ないガス種の分
析を行うなめには、基板周辺のガス層を赤外線が何回か
往復して光路長が長くなる方が望ましい.そのため、前
記容器に導入された赤外線を前記ミラーで多重反射させ
た後に、赤外線を受光する手段に導くようにしてもよい
.受光赤外線を分析する際には、赤外線吸収法を用いる
のが好ましいが、この方法で用いる赤外分光器としては
、回折格子を用いた分散型の赤外分光器、あるいはマイ
ケルソン干渉計等の光学干渉計を含むフーリエ変換型赤
外分光器(FT・IR)、あるいは光源が明るく低濃度
のガス種の分析が可能な赤外半導体レーザ分光装置等を
用いることができる. ダイヤモンドは、その特異且つ優れた特性から重要な新
素材の1つとされているものである.このダイヤモンド
を気相合成するときに、合成される容器のガス種、とり
わけ基板周辺のガス種を正確に定性・定量して必要な反
応を推定することは、特性の優れたダイヤモンドを合成
する上で非常に重要なことである.本発明により、気相
中に多量に存在するH2の影響を受けず、重要な含炭素
化字種等の生成されるガスのガス種及びその濃度を、ガ
ス種による制約がなく、信頼性が高く、且つ正確に定性
・定量して検出できる.従って、ダイヤモンドの気相合
成のプロセスを解明するのに有用であり、産業上の有効
性は計り知れない.
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する
. この実施例はマイクロ波プラズマCVD装置で基板上に
ダイヤモンドを気相合成するに際し、基板周辺のガス種
の分析を行うための分析装置である.当該分析装置の構
成を第1図(A)〜(C)に示す.第1図(A)は、当
該装置を赤外線照射方向から見たものであり、第1図(
B)は該赤外線照射方向と直角方向から前記装置を見た
ものであり、第1図(C)は、前記装置の全体構成を示
す斜視図である. 前記CVD装置には、第1図(A)に示すように、基板
10を載置して保持するための基板ホルダ12と、基板
10周辺にプラズマを生じさせるため、例えば2450
MHzのマイクロ波を発生ずるマグネトロン14と、該
発生されたマイクロ波を前記基板10まで導くための導
波管16と、該導波管16の前記基板10を介してマグ
ネトロン14の反対側に設けられて、マイクロ波の伝播
路長を調整するためのプランジャー17と、前記導波管
16の長手方向に対して直角に貫通し、且つ、基板10
及び基板ホルダ12を内包する石英からなる石英管(ダ
イヤモンド合成室に相当)18とが備えられる. 前記石英管18は直管であり、ガスの導入系と排気系に
その両端が接続されており、上方から原料ガスが導入さ
れ、下方から図示しない真空ポンプにより排気されるよ
うになっている.ス、石英管18の、基板10を内包し
ていて、プラズマが生じる領域は、導波管16から石英
管18に沿うように伸びるスリーブ19等の壁で包まれ
ている.従来は、プラズマの生じる領域は前記導波管の
スリーブ19等の壁で包まれていてその中を透視するこ
とはできなかった. そこで、,この実施例においては、前記石英管18と導
波管16の交点の部分に、前記石英管18から第1図(
A)紙面に垂直方向前、後に伸びた両端に開口がある筒
状の水平管20を、第1図(B)、(C)に示すように
、前記石英管18に直交し、且つ、連通ずるように設け
、その水平管20の両端部の開口に赤外線透過材料から
なる窓22A、22Bを装着している. なお、前記石英管18には、外径約6011tのものを
用いることができる.又、前記窓22A、22Bには、
赤外線透過材料として赤外光学結晶材料例えばK(lを
用いることができる.前記分析装置は、第1図(B)、
(C)に示すように、一方の窓22Aに対向して赤外線
を入射するように設けられた赤外線照射部24と、反対
端の窓22Bに対向し、且つ、前記赤外線照射部24か
ら入射されて基板10近傍を透過した赤外線を受光する
ように設けられた赤外線検出器26とを有する. 前記赤外線検出器26には、前記のフーリエ変換型赤外
分光器(FT− IR)を用いることができる.又、赤
外線は前記水平管20内を透過して基板10周辺を透過
し受光されるように、前記赤外線照射装置24及び赤外
線検出器26の光軸が調整されている. 以下、実施例の作用を説明する. まず、基板10周辺にプラズマを生じさせるべく、マグ
ネトロン14からマイクロ波を発生させて、導波管16
内をプランジャー17に向かって進行させる.この際、
石英管18内は、真空ポンプにより排気されて減圧され
ていると共に、原料ガスが上方から導入されており、該
原料ガスは、基板ホルダ12周辺で、前記進行してきた
マイクロ波によりプラズマ化され、このプラズマに基板
10は晒されることになる. 次いで、前記プラズマ中の化学種(ガス種)及びその濃
度を検出するべく、赤外線照射部24から赤外線を出射
し、窓22Aを介して水平管20中の中心を通して基板
10周辺を通過させる.通過した赤外線は、窓22Bの
外で赤外線検出器26により受光される.該赤外線検出
器26は、受光した赤外線のシグナルを分光分析するこ
とにより、プラズマの生じている領域のガス成分の分析
を行う.この際、プラズマからの発光は、赤外線検出器
26の測定結果に影響を及ぼさないため、精度良くプラ
ズマ中のガスの化学種及びその濃度を分析し検出するこ
とができる. 次に、本発明を採用して、マイクロ波プラズマでダイヤ
モンドを合成する際に、基板周辺のガス分析を前記FT
・IRで行った結果を第2図に示す.この場合、気相合
成のCVD条件は、マイクロ波エネルギが300vt、
供給されるガス量が、CH4について8 SCCII,
H 2について9 2 secmであり、圧力は3
0 torrとしていた.又、第2図中には、マイクロ
波エネルギを投入していないときの赤外線吸収スペクト
ルと、マイクロ波エネルギを投入し、プラズマが生じて
いるときの赤外線吸収スペクトルとを対比して示してい
る.第2図の結果から、マイクロ波プラズマの有無を比
較すれば、マイクロ波プラズマ中では、第2図中に示す
ように、メタンC H 4が減少し、アセチレンC2H
2の生成が明らかに認められる.又、このC 2 H
2の濃度と合成するダイヤモンドの質とには深い関連性
がある.例えばC2H2が6%以上生成されるときには
、レーザラマン分光で15 5 0 cm−’に特異な
ピークを持つ、アモルファスカーボン成分を多量に含む
ダイヤモンドが合成された. 一方、条件を変えて02H2が0.5%以下の条件下で
ダイヤモンドを合成したときには、レーザラマン分光で
1 3 3 2c+++−’に特徴的なスペクトルを6
つダイヤモンドが合成されていた.そのスペクトルビー
クの半値幅は、3ci−’であり、ほぼ天然ダイヤの質
に匹敵するものが生成されていた.以上のことから、本
発明に基づき赤外分光法により例えば基板周辺のガス種
を精度良く計測することができることがわかる.このた
め、この計測されたガス種が所定の値になるように成膜
条件(ガス量、圧力、マイクロ波のエネルギ等)を変更
することにより、ダイヤモンドの質の向上を図ることが
できる. なお、前記実施例においては、マイクロ波プラズマによ
るCVD装置で生成されるガス種の発光分光分析を行っ
ていたが、本発明が適用されるCVD装置はこれに限定
されるものではない.例えば熱フィラメントCVD装置
で生成されるガスのガス種及びその濃度についても、本
発明により精度良く検出することができる.
. この実施例はマイクロ波プラズマCVD装置で基板上に
ダイヤモンドを気相合成するに際し、基板周辺のガス種
の分析を行うための分析装置である.当該分析装置の構
成を第1図(A)〜(C)に示す.第1図(A)は、当
該装置を赤外線照射方向から見たものであり、第1図(
B)は該赤外線照射方向と直角方向から前記装置を見た
ものであり、第1図(C)は、前記装置の全体構成を示
す斜視図である. 前記CVD装置には、第1図(A)に示すように、基板
10を載置して保持するための基板ホルダ12と、基板
10周辺にプラズマを生じさせるため、例えば2450
MHzのマイクロ波を発生ずるマグネトロン14と、該
発生されたマイクロ波を前記基板10まで導くための導
波管16と、該導波管16の前記基板10を介してマグ
ネトロン14の反対側に設けられて、マイクロ波の伝播
路長を調整するためのプランジャー17と、前記導波管
16の長手方向に対して直角に貫通し、且つ、基板10
及び基板ホルダ12を内包する石英からなる石英管(ダ
イヤモンド合成室に相当)18とが備えられる. 前記石英管18は直管であり、ガスの導入系と排気系に
その両端が接続されており、上方から原料ガスが導入さ
れ、下方から図示しない真空ポンプにより排気されるよ
うになっている.ス、石英管18の、基板10を内包し
ていて、プラズマが生じる領域は、導波管16から石英
管18に沿うように伸びるスリーブ19等の壁で包まれ
ている.従来は、プラズマの生じる領域は前記導波管の
スリーブ19等の壁で包まれていてその中を透視するこ
とはできなかった. そこで、,この実施例においては、前記石英管18と導
波管16の交点の部分に、前記石英管18から第1図(
A)紙面に垂直方向前、後に伸びた両端に開口がある筒
状の水平管20を、第1図(B)、(C)に示すように
、前記石英管18に直交し、且つ、連通ずるように設け
、その水平管20の両端部の開口に赤外線透過材料から
なる窓22A、22Bを装着している. なお、前記石英管18には、外径約6011tのものを
用いることができる.又、前記窓22A、22Bには、
赤外線透過材料として赤外光学結晶材料例えばK(lを
用いることができる.前記分析装置は、第1図(B)、
(C)に示すように、一方の窓22Aに対向して赤外線
を入射するように設けられた赤外線照射部24と、反対
端の窓22Bに対向し、且つ、前記赤外線照射部24か
ら入射されて基板10近傍を透過した赤外線を受光する
ように設けられた赤外線検出器26とを有する. 前記赤外線検出器26には、前記のフーリエ変換型赤外
分光器(FT− IR)を用いることができる.又、赤
外線は前記水平管20内を透過して基板10周辺を透過
し受光されるように、前記赤外線照射装置24及び赤外
線検出器26の光軸が調整されている. 以下、実施例の作用を説明する. まず、基板10周辺にプラズマを生じさせるべく、マグ
ネトロン14からマイクロ波を発生させて、導波管16
内をプランジャー17に向かって進行させる.この際、
石英管18内は、真空ポンプにより排気されて減圧され
ていると共に、原料ガスが上方から導入されており、該
原料ガスは、基板ホルダ12周辺で、前記進行してきた
マイクロ波によりプラズマ化され、このプラズマに基板
10は晒されることになる. 次いで、前記プラズマ中の化学種(ガス種)及びその濃
度を検出するべく、赤外線照射部24から赤外線を出射
し、窓22Aを介して水平管20中の中心を通して基板
10周辺を通過させる.通過した赤外線は、窓22Bの
外で赤外線検出器26により受光される.該赤外線検出
器26は、受光した赤外線のシグナルを分光分析するこ
とにより、プラズマの生じている領域のガス成分の分析
を行う.この際、プラズマからの発光は、赤外線検出器
26の測定結果に影響を及ぼさないため、精度良くプラ
ズマ中のガスの化学種及びその濃度を分析し検出するこ
とができる. 次に、本発明を採用して、マイクロ波プラズマでダイヤ
モンドを合成する際に、基板周辺のガス分析を前記FT
・IRで行った結果を第2図に示す.この場合、気相合
成のCVD条件は、マイクロ波エネルギが300vt、
供給されるガス量が、CH4について8 SCCII,
H 2について9 2 secmであり、圧力は3
0 torrとしていた.又、第2図中には、マイクロ
波エネルギを投入していないときの赤外線吸収スペクト
ルと、マイクロ波エネルギを投入し、プラズマが生じて
いるときの赤外線吸収スペクトルとを対比して示してい
る.第2図の結果から、マイクロ波プラズマの有無を比
較すれば、マイクロ波プラズマ中では、第2図中に示す
ように、メタンC H 4が減少し、アセチレンC2H
2の生成が明らかに認められる.又、このC 2 H
2の濃度と合成するダイヤモンドの質とには深い関連性
がある.例えばC2H2が6%以上生成されるときには
、レーザラマン分光で15 5 0 cm−’に特異な
ピークを持つ、アモルファスカーボン成分を多量に含む
ダイヤモンドが合成された. 一方、条件を変えて02H2が0.5%以下の条件下で
ダイヤモンドを合成したときには、レーザラマン分光で
1 3 3 2c+++−’に特徴的なスペクトルを6
つダイヤモンドが合成されていた.そのスペクトルビー
クの半値幅は、3ci−’であり、ほぼ天然ダイヤの質
に匹敵するものが生成されていた.以上のことから、本
発明に基づき赤外分光法により例えば基板周辺のガス種
を精度良く計測することができることがわかる.このた
め、この計測されたガス種が所定の値になるように成膜
条件(ガス量、圧力、マイクロ波のエネルギ等)を変更
することにより、ダイヤモンドの質の向上を図ることが
できる. なお、前記実施例においては、マイクロ波プラズマによ
るCVD装置で生成されるガス種の発光分光分析を行っ
ていたが、本発明が適用されるCVD装置はこれに限定
されるものではない.例えば熱フィラメントCVD装置
で生成されるガスのガス種及びその濃度についても、本
発明により精度良く検出することができる.
第1図(A)、(B)、(C)は、本発明の実施例に係
る分析装置が設けられたCVD装置の全体的な構成を示
す正面図、横断面図及び斜視図、第2図は、本発明が採
用された検出装置でプラズマCVDのガス種を検出した
結果の例を示す線図、 第3図は、従来法によりプラズマ中のガス種を発光分光
分析した例を示す線区、 第4図は、前記生成されるガス種を質量分析法で分析し
た結果の例を示す線区である.0・・一基板、 2・・・基板ホルダ、 4・・・マグネトロン、 6・・・導波管、 8・・・石英管、 0・・・水平管、 22A、22B・・・窓、 24・・・赤外線照射部、 26・・・赤外線検出器.
る分析装置が設けられたCVD装置の全体的な構成を示
す正面図、横断面図及び斜視図、第2図は、本発明が採
用された検出装置でプラズマCVDのガス種を検出した
結果の例を示す線図、 第3図は、従来法によりプラズマ中のガス種を発光分光
分析した例を示す線区、 第4図は、前記生成されるガス種を質量分析法で分析し
た結果の例を示す線区である.0・・一基板、 2・・・基板ホルダ、 4・・・マグネトロン、 6・・・導波管、 8・・・石英管、 0・・・水平管、 22A、22B・・・窓、 24・・・赤外線照射部、 26・・・赤外線検出器.
Claims (2)
- (1)ダイヤモンド合成室内の基板上に、ダイヤモンド
を気相合成するに際して、 前記ダイヤモンド合成室内に生成されるガスに一方から
赤外線を照射すると共に、他方から該生成ガスを透過し
た赤外線を受光し、 受光した赤外線に基づき、前記生成ガスのガス種及びそ
の濃度を検出することを特徴とするダイヤモンド合成中
に生成されるガス種の検出方法。 - (2)ダイヤモンド合成室内の基板上に、ダイヤモンド
を気相合成するための装置において、該合成室の両側に
、該合成室と直交し、且つ、連通するように設けられた
、外側に開口部を有する一対の筒体と、 該合成室内に赤外線を導入するための、前記一方の筒体
の開口部に設けられた第1の窓部と:該合成室内から外
部へ赤外線を出射するための、前記他方の筒体の開口部
に設けられた第2の窓部と、前記第1の窓部に対向して
設けられ、前記合成室内に生成するガスに赤外線を照射
するための手段と、 前記第2の窓部に対向して設けられた、前記合成室内の
生成ガスを透過した赤外線を受光するための手段と、 受光赤外線に基づき、前記生成ガスのガス種及びその濃
度を検出するための手段と、 を備えたことを特徴とするダイヤモンド合成中に生成さ
れるガス種の検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1050832A JPH02229793A (ja) | 1989-03-02 | 1989-03-02 | ダイヤモンド合成中に生成されるガス種の検出方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1050832A JPH02229793A (ja) | 1989-03-02 | 1989-03-02 | ダイヤモンド合成中に生成されるガス種の検出方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02229793A true JPH02229793A (ja) | 1990-09-12 |
Family
ID=12869733
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1050832A Pending JPH02229793A (ja) | 1989-03-02 | 1989-03-02 | ダイヤモンド合成中に生成されるガス種の検出方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH02229793A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5360477A (en) * | 1992-03-04 | 1994-11-01 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Method for forming diamond and apparatus for forming the same |
JPH07188932A (ja) * | 1993-10-29 | 1995-07-25 | Internatl Business Mach Corp <Ibm> | 赤外線センサを有するワークピース処理装置および方法 |
JP2013001601A (ja) * | 2011-06-16 | 2013-01-07 | National Institute For Materials Science | ダイヤモンド結晶成長方法及びダイヤモンド結晶成長装置 |
JP2019015661A (ja) * | 2017-07-10 | 2019-01-31 | 株式会社Ihi | 分析装置 |
-
1989
- 1989-03-02 JP JP1050832A patent/JPH02229793A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5360477A (en) * | 1992-03-04 | 1994-11-01 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Method for forming diamond and apparatus for forming the same |
JPH07188932A (ja) * | 1993-10-29 | 1995-07-25 | Internatl Business Mach Corp <Ibm> | 赤外線センサを有するワークピース処理装置および方法 |
JP2013001601A (ja) * | 2011-06-16 | 2013-01-07 | National Institute For Materials Science | ダイヤモンド結晶成長方法及びダイヤモンド結晶成長装置 |
JP2019015661A (ja) * | 2017-07-10 | 2019-01-31 | 株式会社Ihi | 分析装置 |
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