JPH0222434B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、自動預金機、自動両替機等に用いら
れる紙幣真偽判別装置に関する。

（従来の技術） 従来、紙幣の磁気インク印刷模様を検出して紙
幣の真偽を判別する装置は特開昭47―45697号を
はじめとして種々のものが提案されている。その
中で磁気ヘツドにより紙幣をある特定のパターン
に磁化し、これをまた磁気ヘツドで読み取り、標
準の読取りパターン情報と比較照合して真偽を判
別するものが知られている。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、この装置では、紙幣の表裏いずれにも
磁気インクで印刷した模様がある上、紙幣の磁気
成分の強さが極めて不均一であるため、検出面に
磁気印刷部分がない場合でもその裏面に磁気印刷
部分があると「磁気あり」という出力信号を出し
てしまう危険性があるので、厳密かつ正確な鑑定
をなし得なかつた。

本発明は、紙幣の真偽を磁気的に判別する装置
において、検出面の磁気印刷パターンのみの信号
を出力するようにして、真偽判別の精度を向上す
ることを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本発明は上述の目的を達成するため、紙幣の印
刷模様を所定のパターンに磁化する磁気書込みヘ
ツドと、紙幣の磁化された印刷模様を読み取る磁
気読取りヘツドと、紙幣の磁化された前記印刷模
様を赤外光又は近赤外光により照射する発光素子
と、紙幣の磁化された前記印刷模様の反射光を受
光する受光素子と、前記磁気読取りヘツドの出力
と前記受光素子の出力とを論理信号化する回路
と、前記磁気読取りヘツドの論理出力に対して前
記受光素子の論理出力をゲート信号として供給
し、前記印刷模様の有効磁気読取り信号を出力す
る論理回路とを有するものである。

（作用） 本発明は、紙幣の真偽判別にあたり、まず、紙
幣の磁気印刷模様を所定のパターンに磁化する。
次にこの磁化した紙幣を磁気的に読取り、磁気読
取り信号を出力する。一方、紙幣の印刷模様を発
光、受光素子により光学的に読取り、印刷模様の
光学読取り信号を出力する。そしてこの２つの読
取り信号を共に論理信号に変換し、更に論理回路
に供給して、印刷模様を光学的に検出した部分の
みの磁気読取り信号を有効として出力する。

一般に紙幣上の磁気を含む印刷模様は、凹版印
刷であり、これに赤外光又は近赤外光を照射する
と、これらの光線は吸収され、磁気印刷模様以外
の部分では反射される。よつて上述の論理回路か
ら出力する信号には、検出面のみの磁気印刷模様
の読取信号が得られ、裏面の磁気印刷模様の影響
を受けない。

第１図は本発明の一実施例である紙幣検出装置
の構造を示すもので、同図Ａは側面図で、１は紙
幣、２はこれを搬送するベルト、３は搬送ドラ
ム、４，７はそれぞれ紙幣の表裏面上の磁気印刷
部分に特定のパターンを磁化するためのライトヘ
ツド、５，８は紙幣上の磁気印刷模様を光学的反
射により検出する発光、受光素子を含んだ光学セ
ンサ、６，９はライトヘツド４，７によつて磁化
された紙幣の表裏面上の磁気を検出するリードヘ
ツドである。なお、同図Ｂは搬送ベルト２を展開
してライトヘツド、リードヘツドおよび光学セン
サの配置関係を示してある。

次に本発明の動作について説明する。

第２図は本発明の実施例である紙幣検出装置の
回路図を示したものである。いま、ライトヘツド
４または７によつて磁気印刷された部分に特定の
パターンＡが磁化された紙幣げ、リードヘツド６
または９によつて磁気検知されて、リードアンプ
１０によつて増幅されたあと、このアナログ波形
出力Ｂは磁気出力ピーク検出回路１１によつて磁
気ヘツド読出し波形のレベルの大きさに無関係に
デジタル波形のピーク検出回路出力Ｃに変換され
る。一方光学センサ５又は８によつて紙幣上の印
刷模様に赤外光又は近赤外光を照射し、これを受
光素子により検出した後これを光学アンプ１２に
よつて増幅された光学反射波形Ｄは予め設定され
た所定のスライスレベル１３によつて所定レベル
以上の光学出力が得られた部分を検出するコンパ
レータ１４によつてデジタル出力として光学反射
出力Ｅが得られる。この光学反射出力Ｅは光学セ
ンサ５，８とリードヘツド６，９との物理的な距
離と紙幣１の搬送速度によつて決定される時間的
な補正を行つた後、真に磁気印刷されている可能
性のある磁気出力有効ゲート信号Ｆとしてアンド
回路１５に入力される。このアンド回路１５には
前記ピーク検出回路１１からの出力Ｃである磁気
検出信号が入力されており、これら両信号ＣとＦ
のアンド出力Ｇが正しい磁気出力となり、マイク
ロプロセツサなどから成る制御回路１６に入力さ
れ、紙幣の真偽が判別される。第３図は上記回路
中の要部の波形を示すタイムチヤートである。な
お、本実施例では光学センサの光源に赤外光又は
近赤外光を使用した場合について説明したが、白
色光源に特定のフイルタを使用した可視光によつ
ても実施可能である。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明によれば、紙幣上
に磁気印刷された模様が赤外光又は近赤外光の反
射により特定の反応を示す性質を利用して真に磁
気印刷された部分だけを有効出力としているた
め、検出していない反対側の面の磁気印刷模様に
よる誤つた判断を下すことがなく、極めて高精度
の紙幣の真偽判別手段を実現することができる利
点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の構造図、第２図は
その回路図、第３図はその回路要部の波形を示す
タイムチヤートである。 １…紙幣、２…紙幣搬送ベルト、３…搬送ドラ
ム、４，７…ライトヘツド、５，８…光学セン
サ、６，９…リードヘツド、１０…リードアン
プ、１１…磁気出力ピーク検出回路、１２…光学
アンプ、１３…スライスレベル、１４…コンパレ
ータ、１５…アンド回路、１６…制御回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 紙幣の磁気インク印刷模様を検出して真偽を
   判別する紙幣真偽判別装置において、 紙幣の印刷模様を所定のパターンに磁化する磁
   気書込みヘツドと、 紙幣の磁化された印刷模様を読み取る磁気読取
   りヘツドと、 紙幣の磁化された前記印刷模様を赤外光又は近
   赤外光により照射する発光素子と、 紙幣の磁化された前記印刷模様の反射光を受光
   する受光素子と、 前記磁気読取りヘツドの出力と前記受光素子の
   出力とを論理信号化する回路と、 前記磁気読取りヘツドの論理出力に対して前記
   受光素子の論理出力をゲート信号として供給し、
   前記印刷模様の有効磁気読取り信号を出力する論
   理回路と を有することを特徴とする紙幣真偽判別装置。