JPH0221900Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、コンバインにおける籾袋の収納装置
に係り、詳しくは満杯となつた籾袋を籾充填位置
から籾袋取出し位置に移動するための移動籾受フ
ロアによる予備の籾袋の下端部の噛込み防止機構
を備えた籾袋の収納装置に関する。

(ロ) 従来技術 従来、ホツパーから籾を自動的に充填して満杯
となつた籾袋を、ホツパー下部の空間から取出す
に当つて、極めて狭くかつ比較的奥行きのあるホ
ツパー下部の上記空間から籾袋を容易に取出し機
体外に搬出ることができるように、機体外方に向
つて移動し得る籾受フロアが設けられている。そ
して、満杯状態の籾袋と上記空間奥部の予備の籾
袋を一体構造の移動籾受フロアに支持させるよう
にすると、そのような籾受フロアを外方に移動さ
せた場合、奥の予備の籾袋も共通れして外方に移
動してしまい、その外方に共連れした予備の籾袋
を再び空間奥部に戻す作業が大変面倒であるた
め、上記した空間奥部の予備の籾袋下方のフロア
は静止フロアとし、ホツパー下部の籾充填位置の
籾受フロアと別体構造にして、後者の籾受フロア
のみを機体外方に移動し得るように構成してい
る。

(ハ) 本考案が解決しようとする問題点 ところで、上記のように予備の籾袋下方のフロ
アとホツパー下部のフロアとを別体にして、後者
のフロアのみを機体外方に突出して移動できるよ
うにしたものでは、前記した一体型の籾受フロア
で生じたような予備の籾袋の共連れ現象は解消で
きるようになつたものの、たとえば何らかの原因
で予備の籾袋が移動籾受フロア上にずれて籾袋の
下部が移動籾受フロア上に位置してしまつた場合
とか、あるいは移動籾受フロアの移動中にコンバ
インの機体が揺動したり又は風により予備の籾袋
の下端が移動籾受フロア側にずれてしまつた場
合、移動籾受フロアが機体外方の突出位置から元
の収納位置に復帰する際に、上記のずれた予備の
籾袋の下端が静止フロアと移動籾受フロアとの間
に強固に噛み込まれてしまい、そのような状態に
なると、引続いて籾袋自動繰出し装置によつてそ
の籾袋を移動籾受フロア上の適正な位置に繰出す
ことが不可能となるばかりか、人手によつてもそ
の籾袋の引き出しが困難となり、作業に少なから
ぬ支障を生じていた。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は、上述した問題点を解消することを目
的とし、静止フロアの前端部にストツパープレー
トを起伏自在に設け、該ストツパープレートと移
動籾受フロアとを、移動籾受フロアが機体外方に
突出したときにストツパープレートが起立し、移
動籾受フロアが機体内方の収納位置にあるとき
に、ストツパープレートが倒伏状態に収納される
よう連動連繋せしめて構成することを特徴として
いる。

(ホ) 作用 上記手段の採用により、籾充填部の下方空間の
奥部に準備された予備の籾袋の下端が何らかの原
因で静止フロアを越えて移動籾受フロア側にずれ
たとしても、移動籾受フロアが機体外方に突出す
べく移動した場合、ストツパープレートが起立状
態となるので、籾袋の上記ずれた下端部はストツ
パープレートによつて強制的に元の状態に復帰収
納され、また、移動籾受フロアの機体外方への突
出時は、ストツパープレートは起立状態を保持し
たままの状態となるので、その際、機体の揺動あ
るいは風等によつて収納位置にある予備の籾袋の
下端部が移動しようとしても、その移動はストツ
パープレートによつて阻止される。従つて、移動
籾受フロアが突出位置から収納位置に移動される
際、静止フロアと移動籾受フロアとの間への予備
の籾袋の下端部の噛み込みが防止される。

(ヘ) 実施例 以下、本考案を具体化した実施例について説明
する。

コンバインは、運転席（図示せず）の後方に、
第１図に示すように、籾充填部１を有しており、
該籾充填部１にはホツパー２及び該ホツパー２の
下方に空間Ａが配設されている。そして該空間Ａ
の奥部には、二対のハンガーバー３により籾袋５
……が二列に吊下げられて収納されており、ま
た、これら対のハンガーバー３の間には、籾袋５
を一枚づつ繰出す籾袋繰出し装置６が配設されて
いると共に、空間Ａの機体外側一対のハンガーバ
ー３の間には、磁石により籾袋５の前後両面に設
けた金具を吸着して開袋する籾袋開袋装置７が配
設されている。

一方、空間Ａの奥部下方には、機体等に固定さ
れて静止フロア９が設けられており、それに隣接
して収納位置においてホツパー２の吐出口２ａの
直下に位置するように移動籾受フロア１０が配設
されている。該移動籾受フロア１０は、第２図に
示すように、適宜手段で機体に固定された復動型
油圧シリンダ装置１１のラム１１ａに連結されて
いて、該ラム１１ａの伸縮により、第１図に示す
収納位置と第３図に示す機体外方への突出位置と
の間を移動するようになつている。

そして、第１〜第３図に示すように、静止フロ
ア９の前端部には適宜数の蝶番１２を介してスト
ツパープレート１３が起伏自在に設けられてい
て、移動籾受フロア１０が離反したフリー状態で
は、第３図に示されているように静止フロア９と
の間に張設されたスプリング１５により付勢され
て、その他端部１３ａがストツパー１６に当接す
るまで回動されて、起立状態となり、また、移動
籾受フロア１０が第１図に示されているように収
納されて上記他端部１３ａにその後端部が当接し
た状態では、スプリング１５に抗してストツパー
プレート１３が倒伏状態となるように構成されて
いる。

なお、第２図で符号１７ａで示すものは、移動
籾受フロア１０に固定されたガイド棒であつて、
機体側に固定されたガイドスリーブ１７中に案内
されて、移動籾受フロア１０の移動を円滑にする
機能を有している。

本実施例は以上のような構成よりなるので、第
１図および第２図に示すように移動籾受フロア１
０が収納状態にある場合、フロア１０の後端部が
ストツパープレート１３の他端部１３ａに当接し
て、ストツパープレート１３をスプリング１５に
抗して倒伏状態に保持する。そのため、静止フロ
ア９と移動籾受フロア１０との間には籾袋５の移
動を阻止する障害物が何ら存在しない状態となる
ので、静止フロア９上部に収納されている予備の
籾袋５の内最前部のものが籾袋繰出し装置６の作
動によりハンガーバー３に沿つて円滑にホツパー
２の吐出口２ａ下部の移動籾受フロア１０上に繰
出される。

そして、繰出された籾袋５が開袋装置７の作動
により開袋され、その開口部を経てホツパー２の
吐出口２ａから籾の供給を受け満杯になると、籾
袋５が開袋装置７から解放され、引続いて復動型
油圧シリンダ装置１１の作動によりラム１１ａが
伸長して移動籾受フロア１０が機体外方に突出さ
れる。その際、移動籾受フロア１０の後端部がス
トツパープレート１３の他端部１３ａから離反す
るため、ストツパープレート１３はスプリング１
５の付勢によつてその他端部１３ａがストツパー
１６に当接するまで回動され、ストツパープレー
ト１３は第３図に示すように起立状態となる。そ
のため、第１図のような移動籾受フロア１０の収
納時において何らかの原因で予備の籾袋５の下端
部が移動籾受フロア１０上にずれていても、上記
したストツパープレート１３の起立動作により上
記ずれた籾袋５の下端部は元の静止フロア９上に
戻される。また、第３図に示すように移動籾受フ
ロア１０の突出時において、機体の揺動あるいは
風等により静止フロア９上に収納されている予備
の籾袋５の下端部が移動籾受フロア１０側に移動
しようとしても、上記起立したストツパープレー
ト１３の存在によりその移動が阻止される。

そして、上記した移動籾受フロア１０の機体外
方への突出状態において、満杯状態の籾袋５は作
業者によつてハンガーバー３から外され、口部を
閉じられ後、適宜の場所に搬出される。その後移
動籾受フロア１０は復動型油圧シリンダ１１のラ
ム１１ａの収縮作動により収納位置に復帰され、
再び第１図に示すような収納状態となり、前述し
た作動によりストツパープレート１３も倒伏した
収納状態となる。

(ト) 考案の効果 以上説明したように、本考案によれば、静止フ
ロア９の前端部に起伏自在に設けたストツパープ
レート１３と移動籾受フロア１０とを連動連繋せ
しめ、移動籾受フロア１０が機体外方に突出した
ときにストツパープレート１３が起立するように
したので、予備の籾袋５の下端部のズレが自動的
に戻され、かつ静止フロア９上部に収納されてい
る予備の籾袋５の下端部の移動が有効にストツプ
され、そのため、予備の籾袋５の下端部が静止フ
ロア９に移動籾受フロア１０との間に噛み込まれ
ることが防止され、次の予備の籾袋５の搬送が確
実に行なえるようになる。また、移動籾受フロア
１０が機体内方の収納位置にあるときに、ストツ
パープレート１３が倒伏状態に収納されるように
したので、移動籾受フロア１０の収納時には上記
ストツパープレート１３は予備の籾袋５の繰出し
搬送に何ら障害とならなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用したコンバインの籾充填
部を示す側面図、第２図は第１図の要部拡大斜視
図、そして第３図は移動籾受フロアの突出状態時
の部分側面図である。 １……籾充填部、９……静止フロア、１０……
移動籾受フロア、１３……ストツパープレート、
１５……スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 籾充填部１の下方奥部に静止フロア９を配置
   し、それに隣接して機体外方に突出し得るように
   移動籾受フロア１０を配設したコンバインにおい
   て、上記静止フロア９の前端部にストツパープレ
   ート１３を起伏自在に設け、該ストツパープレー
   ト１３と移動籾受フロア１０とを、移動籾受フロ
   ア１０が機体外方に突出したときにストツパープ
   レート１３が起立し、移動籾受フロア１０が機体
   内方の収納位置にあるときに、ストツパープレー
   ト１３が倒伏状態に収納されるよう連動連繋せし
   めて構成した籾袋の収納装置。